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Microsoft Copilot Studioの料金体系!ライセンスの選び方を解説

この記事のポイント

  • PoCは従量課金、本番はプリペイドパック(月額29,985円/25,000クレジット)が有力候補。AI総研の支援先では3か月の従量課金で消費パターンを見極めてからパック移行するケースが多い
  • M365 Copilotライセンス保有企業は、従業員向け・認証済みユーザー前提でfair usage limits内なら社内チャネルのエージェント利用が追加費用なし。まず無料枠の活用を優先すべき
  • 125%超過でエージェントが自動無効化。従量課金メーターを併設してサービス中断リスクを防ぐのが実務上の定石
  • 推論モデル使用時は二重課金が発生。AIツール(Premium)は10回答あたり100クレジットと高コストのため、設計段階での使い分けが必須
  • 事前購入プラン(CCCU)は年間コミット量に応じて5〜20%の割引。月間消費が安定した段階でティアを試算し、Power Automateと合わせた消化設計が有効
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

Copilot Studioの料金体系は、2025年9月にメッセージベースからCopilotクレジットベースに移行し、課金の仕組みが大きく変わりました。
本記事では、プリペイドパック・従量課金・事前購入プランの3つの課金モデルを比較し、操作別のクレジット消費レートや費用の計算方法を解説します。
Microsoft 365 Copilotライセンスで無料になる範囲や、企業規模に応じた最適なライセンスの選び方まで、2026年3月時点の最新情報をもとに網羅的にお伝えします。

✅Microsoft 365 Copilotの最新エージェント機能「Copilot Cowork」については、以下の記事をご覧ください。
Copilot Coworkとは?機能や料金、Claude Coworkとの違いを解説

目次

Microsoft Copilot Studioの料金体系とは?2026年の最新概要

基本的な料金の仕組み

2026年時点での位置づけ

Microsoft Copilot Studioのライセンス構成と種類

テナントライセンス

エージェント作成者のアクセス手段

Microsoft 365 Copilotライセンスに含まれる範囲

試用版ライセンス

Microsoft Copilot Studioの3つの課金モデルを比較

プリペイドCopilotクレジットパック

従量課金制(Pay-as-you-go)

事前購入プラン(Copilot Credit Commit Units)

Microsoft Copilot Studioのクレジット消費レートと計算方法

操作別クレジット消費レート

費用シミュレーション

Microsoft Copilot StudioとMicrosoft 365 Copilotの料金の違い

料金比較

Microsoft Copilot Studio導入で成果を出した企業事例

Enecoのカスタマーサポート事例

Holland America Lineのデジタルコンシェルジュ事例

The Estée Lauder Companies(ELC)のデータ分析事例

SCSKのCopilotエージェント自社展開事例

Copilot Studioの料金体系における注意点・超過対策

Copilot Studioのキャパシティ超過と強制ポリシー

Copilot Studioのクレジット繰り越し不可

Copilot Studioの環境別キャパシティ管理

Copilot Studioのエージェント単位の消費上限

Microsoft Copilot Studioのライセンスの選び方ガイド

1.社内向けエージェントのみ構築する場合

2.外部チャネルに小規模展開する場合

3.大規模な外部展開や複数エージェントを運用する場合

導入判断で詰まる論点

Copilot Studioのコストを最適化しながらAIエージェントを本番運用するなら

まとめ

Microsoft Copilot Studioの料金体系とは?2026年の最新概要

「Copilot Studioを使いたいが、ライセンスの種類が多くて結局いくらかかるのか分からない」——AI総研への相談でも、この声は非常に多く寄せられます。特に2025年9月の課金体系変更以降、メッセージからクレジットへの移行で混乱しているケースが目立ちます。

Copilot Studioは、Microsoftが提供するノーコードのAIエージェント開発プラットフォームです。本セクションでは、Copilot Studioの料金体系の全体像と、2025年9月に実施された課金変更について解説します。

基本的な料金の仕組み

Microsoft Copilot Studioの料金体系とは?2026年の最新概要

Copilot Studioの料金は、エージェントが実行した処理量に応じて課金される仕組みです。
従来は「メッセージ」を通貨単位として使っていましたが、2025年9月1日にCopilotクレジットへ移行しました。

この変更により、エージェントが実行する操作の種類ごとに消費するクレジット数が異なる体系になっています。
たとえば、事前定義された回答を返す「従来型の回答」は1クレジット、AIが動的に生成する「生成回答」は2クレジットというように、処理の複雑さに応じた課金が行われます。

2026年時点での位置づけ

2026年3月時点で、Copilot StudioはMicrosoft 365 Copilotのエコシステムにおいて中核的なエージェント構築基盤として位置づけられています。

Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーは、追加費用なしでCopilot Studioの主要機能にアクセスできるようになり、社内向けエージェントの構築と利用が大幅に容易になりました。

一方で、外部チャネル(Webサイト、アプリ、ソーシャルプラットフォーム)へエージェントを公開する場合は、スタンドアロンのCopilot Studioプランが必要です。

この「社内利用は無料、外部公開は有料」という構造が、ライセンス選択の重要なポイントになります。


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Microsoft Copilot Studioのライセンス構成と種類

Copilot Studioを利用するには、用途や組織の状況に応じたライセンスやアクセス手段が必要です。本セクションでは、5つのライセンスとアクセス手段、それぞれの取得条件を整理します。

Microsoft Copilot Studioのライセンス構成と種類

テナントライセンス

テナントライセンスは、組織全体でCopilot Studioを利用するための基本ライセンスです。Microsoft 365管理センターでは「Copilot Studio」と表示されており、テナント管理者が取得します。

プリペイドCopilotクレジットパックのサブスクリプション(1パックあたり月額29,985円、25,000クレジット含む。いずれも2026年3月時点の参考価格)を購入すると、このテナントライセンスが付与されます。テナント内のクレジットは全環境で共有されるため、部門ごとに個別契約する必要はありません。

エージェント作成者のアクセス手段

エージェントの作成・管理を行うユーザーに必要なアクセス手段は、クレジットの調達方法によって異なります。

プリペイドパック(サブスクリプション)の場合は、Copilot Studioユーザーライセンス(無料)をMicrosoft 365管理センターから割り当てます。テナントにパック契約があれば、作成者の追加に費用はかかりません。

一方、従量課金制(Pay-as-you-go)または事前購入プラン(Pre-Purchase)の場合は、Copilot Studio Author role(無料)をPower Platform管理センターで付与します。セキュリティグループに割り当て、そのグループのメンバーのみがCopilot Studioにアクセスできる仕組みです。

いずれの方法でも作成者のアクセス自体は無料ですが、設定場所と手順が異なる点に注意が必要です。

Microsoft 365 Copilotライセンスに含まれる範囲

Microsoft 365 Copilotのライセンス(月額4,497円/ユーザー。2026年3月時点の参考価格)を保有している場合、Copilot Studioの以下の機能を追加費用なしで利用できます。

  • 従来型の回答
    クレジット消費がゼロになる

  • 生成回答
    クレジット消費がゼロになる

  • Microsoft Graphテナントのグラウンディング
    クレジット消費がゼロになる

  • エージェントアクション
    クレジット消費がゼロになる

ここで重要なのは、無料になる条件です。Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーが、Copilot Chat、Microsoft Teams、またはSharePointでエージェントを利用する場合に限り、上記の操作がゼロレートになります。さらに、この無料枠は従業員向け(Employee-facing)シナリオに限定され、エージェントがM365 Copilotライセンス保有者本人の認証済みIDで動作している必要があります。また、公式ライセンスガイドにはfair usage limitsの適用が明記されており、Microsoftは利用パターンの変化に応じて上限を更新する権利を留保しています。

つまり、Microsoft 365の内部チャネルでの従業員向け利用はfair usage limits内で実質無料ですが、Webサイトなどの外部チャネルで公開するエージェントは通常どおりクレジットが消費されます。

社内向けのFAQボットやナレッジ検索エージェントを構築する場合、Microsoft 365 Copilotライセンスだけで運用できるケースが多いでしょう。

試用版ライセンス

Copilot Studioには、個人で登録できる試用版ライセンスも用意されています。試用版では、エージェントの作成やテストチャットパネルでの動作確認が可能です。

ただし、試用版ライセンスではエージェントを発行(公開)することはできません。あくまで機能の検証やプロトタイプの作成に利用するものです。管理者はMicrosoft管理センターから試用版ライセンスを割り当てたり、ユーザーのセルフサインアップをブロックしたりすることもできます。

以下の表で、ライセンスとアクセス手段の全体像を整理しました。

種類 費用 取得条件 できること
テナントライセンス 月額29,985円/パック クレジットパック購入 全チャネルでエージェント公開
ユーザーライセンス 無料 テナントにパック契約あり エージェント作成・管理(サブスクリプション用)
Author role 無料 従量課金またはPre-Purchase契約 エージェント作成・管理(PAYG/Pre-Purchase用)
Microsoft 365 Copilot 月額4,497円/ユーザー 適格なM365プラン+M365 Copilot契約 社内チャネルでの利用(従業員向け・fair usage limits内で無料)
試用版 無料 個人登録 エージェント作成・テスト(発行不可)

※価格は2026年3月時点の参考値です。為替・契約形態・改定タイミングで変動する場合があります。


Microsoft 365 Copilotを既に導入している企業では、従業員向け・認証済みユーザー前提のシナリオに限り、fair usage limits内で社内向けエージェントの運用に追加費用がかかりません

社内FAQ対応やナレッジ検索など、従業員向けのエージェントから始めるのであれば、スタンドアロンのCopilot Studioパックを別途購入する必要がない場合もあります。

Microsoft Copilot Studioの3つの課金モデルを比較

Copilot Studioのクレジットを調達する方法は3つあります。本セクションでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較し、どの課金モデルが適しているかを判断するための情報を提供します。

Microsoft Copilot Studioの3つの課金モデルを比較

プリペイドCopilotクレジットパック

最も一般的な課金モデルが、プリペイドパックのサブスクリプションです。1パックあたり月額29,985円で25,000 Copilotクレジットが含まれます(2026年3月時点の参考価格)。

Microsoft 365管理センターから購入でき、テナント全体でクレジットを共有します。利用量が安定している組織や、月額のコストを予測しやすくしたい場合に適しています。

ただし、未使用のクレジットは翌月に繰り越されないため、余剰が出ないよう利用計画を立てることが重要です。

従量課金制(Pay-as-you-go)

従量課金制は、Azureサブスクリプションを使ってCopilot Studioの料金を支払う方法です。事前購入やライセンス契約なしで、月末にエージェントが実際に使用したクレジット数だけを支払います。

Power Platform管理センターで課金ポリシーを作成し、環境をAzureサブスクリプションにリンクすることで利用を開始できます。

利用量が予測しにくい場合や、小規模にスタートしたい場合に有効です。Azureサブスクリプションからの環境リンク解除もいつでも可能で、使用量は請求されなくなります。

事前購入プラン(Copilot Credit Commit Units)

Copilotクレジットコミットユニット(CCCU)は、1年間のクレジットを前払いで購入するオプションです。Azure portalから購入でき、年間コミット量に応じて5〜20%の割引が適用されます。1 CCCUは1ドル相当で100 Copilotクレジットに換算されます。

割引率はティア制で、最小の3,000 CCCUで5%、最大の3,000,000 CCCUで20%です。購入したクレジットはCopilot Studioに限らずMicrosoftの対象製品全体で使用できます。事前購入分を使い切った場合は自動的に従量課金制に切り替わるため、サービスが中断される心配もありません。
年間の利用量が見通せる大規模組織に向いています。

以下の表で、3つの課金モデルの違いを比較しました。

項目 プリペイドパック 従量課金制 事前購入プラン
価格 月額29,985円/パック 使用分のみ 年間コミット量に応じて5〜20%割引
クレジット数 25,000/パック/月 上限なし 購入量による
契約期間 月単位 なし 1年間
購入先 M365管理センター Azureサブスクリプション Azure portal
超過時の対応 強制ポリシー適用 自動課金 従量課金に自動切替
向いている組織 中規模・安定利用 小規模・変動利用 大規模・年間計画あり


重要なのは、プリペイドパックは超過時にエージェントが無効化されるリスクがある一方、従量課金制と事前購入プランはAzure経由で自動的に追加課金されるという違いです。コスト管理の厳密さと可用性のバランスを考慮してモデルを選択する必要があります。

Microsoft Copilot Studioのクレジット消費レートと計算方法

エージェントの運用コストを正確に見積もるには、操作ごとのクレジット消費レートを把握する必要があります。本セクションでは、公式の課金レート表をもとに消費の仕組みを解説します。

Microsoft Copilot Studioのクレジット消費レートと計算方法

操作別クレジット消費レート

以下の表は、2026年3月時点のCopilotクレジット消費レートです。

操作タイプ 消費クレジット M365 Copilotユーザー
従来型の回答 1クレジット 無料
生成回答 2クレジット 無料
エージェントアクション 5クレジット 無料
テナントGraphグラウンディング 10クレジット 無料
エージェントフローアクション 13クレジット/100アクション 無料
AIツール(Basic) 1クレジット/10回答 無料
AIツール(Standard) 15クレジット/10回答 無料
AIツール(Premium) 100クレジット/10回答 無料
コンテンツ処理ツール 8クレジット/ページ 無料


コスト設計で特に注意すべきは2点あります。

1つ目は、AIツールのPremiumティアのコストです。Premiumは推論モデル(深い推論や多段階推論)を使用するため、10回答あたり100クレジットを消費します。さらに、推論モデルを使う操作では二重課金が発生します。たとえば推論モデルで生成回答を返す場合、生成回答の2クレジットに加えてPremiumの推論サーチャージがかかります。

2つ目は、Computer-Using Agentsです。画面操作を自動化するエージェントで、現在はエージェントアクションと同じ5クレジットで課金されます。自動化の範囲が広がる反面、操作ステップ数に比例してクレジット消費が増えるため、設計段階での見積もりが重要です。

また、1つのやり取りで複数の操作タイプが同時に消費される場合もあります。たとえば、テナントGraphにグラウンディングされたエージェントが生成回答を返す場合、1回のプロンプトに対して12クレジット(グラウンディング10+生成回答2)が消費されます。

費用シミュレーション

費用シミュレーション

Microsoftはエージェント使用量見積もりツールを公開しており、エージェントの種類やトラフィック、使用する機能を選択するだけで月間のクレジット消費量を予測できます。

以下に、公式ドキュメントに掲載されている3つのシナリオ別の費用シミュレーションを紹介します。
※いずれも利用者数・利用頻度を仮定した概算であり、実際のコストは利用設計や為替条件で変動します。

カスタマーサポートエージェントの場合

Webサイトに設置した顧客対応エージェントで、1回のやり取りに従来型の回答4件+生成回答2件が含まれるケース。
1日あたり900人の顧客が利用する場合、1日の消費量は(4×1+2×2)×900=7,200クレジットとなる。月間では約216,000クレジット(約9パック分、月額約270,000円)が目安になる

営業パフォーマンスエージェントの場合

Microsoft 365 Copilot Chat上でテナントGraphにグラウンディングされたエージェントで、1回に生成回答4件+Graphグラウンディング4件が含まれるケース。M365 Copilotライセンス保有者50人は無料、未保有者100人のみ課金対象となり、1日の消費量は(4×2+4×10)×100=4,800クレジットとなる

受注処理エージェントの場合

新規注文を自律的に処理するエージェントで、ナレッジ検索1件+アクション4件(在庫確認・配送確認・注文承認・メール送信)のケース。1件あたり4×5=20クレジットの消費となる


このシミュレーション結果が示すように、エージェントの設計(使用する操作の種類と頻度)によって月間コストが大きく異なります。特に生成回答やGraphグラウンディングを多用するエージェントは消費が増えやすいため、設計段階でコストを意識することが重要です。


Microsoft Copilot StudioとMicrosoft 365 Copilotの料金の違い

Microsoft 365 CopilotCopilot Studioは密接に連携していますが、料金体系は異なります。「M365 Copilotを契約すればCopilot Studioは不要なのか」という質問はAI総研でも頻繁に受けますが、答えはエージェントの公開先によって変わります

Microsoft Copilot StudioとMicrosoft 365 Copilotの料金の違い

料金比較

以下の表で、2つのサービスの料金と特徴を比較しました。

項目 Microsoft 365 Copilot Copilot Studio(スタンドアロン)
月額費用 4,497円/ユーザー 29,985円/パック
課金単位 ユーザー数 クレジット消費量
エージェント構築 Agent Builder(M365 Copilot内のエージェント構築機能)として利用可 フル機能利用可
社内チャネル公開 従業員向け・fair usage limits内で追加費用なし クレジット消費あり
外部チャネル公開 不可(Studio契約が必要) 対応
Premiumコネクタ 含む 含む


ここで最も重要な判断ポイントは、エージェントの公開先が社内か外部かという点です。

Microsoft 365 Copilotを導入済みの企業で、Teams、Copilot Chat、SharePoint上でのみエージェントを利用する場合は、従業員向け・認証済みユーザー前提のシナリオであればfair usage limits内で追加のCopilot Studioライセンスは不要です。
社内FAQボットや業務ナレッジ検索など、従業員向けのエージェントを主に構築するのであれば、既存のMicrosoft 365 Copilotライセンスの範囲で十分対応できます。

一方、自社のWebサイトに顧客向けチャットボットを設置したり、LINEやFacebookなどのソーシャルチャネルにエージェントを公開したりする場合は、スタンドアロンのCopilot Studioプランが必要になります。

【関連記事】
Microsoft 365 Copilotの料金プランを解説!購入条件やCopilot Proとの違いも紹介


AI研修

Microsoft Copilot Studio導入で成果を出した企業事例

Copilot Studioは世界中の企業で導入が進んでいます。

本セクションでは、Microsoft公式カスタマーストーリーから、具体的な成果が公表されている4つの事例を紹介します。

Microsoft Copilot Studio導入で成果を出した企業事例

Enecoのカスタマーサポート事例

ベルギーの大手サステナブルエネルギー企業Enecoは、Copilot Studioを使ってWebサイト上のAIエージェントを3か月で構築しました。ライブチャットプラットフォームとの統合により、67%の会話をハンドオフなしで処理できるようになり、カスタマーサービス担当者への転送を大幅に削減しています。

この事例は、Copilot Studioの外部チャネル展開モデル(スタンドアロンプラン)の典型的な活用パターンです。月間の顧客対応数が多い企業ほど、エージェントによる自動対応の効果が大きく表れます。

Holland America Lineのデジタルコンシェルジュ事例

クルーズ会社Holland America Lineは、Copilot StudioでWebサイト上のバーチャルエージェントを開発しました。デジタルコンシェルジュとして機能するこのエージェントは、毎週数千件の会話を処理しており、最小実行可能製品(MVP)をわずか3か月で構築しています。

短期間でのMVP構築が可能だった要因は、Copilot Studioのノーコード開発環境とプリビルトのコネクタが充実していることにあります。

The Estée Lauder Companies(ELC)のデータ分析事例

化粧品大手のELCは、Copilot StudioとAzure OpenAI Serviceを組み合わせたAIエージェント「ConsumerIQ」を構築しました。ドキュメントの分析、トレンドの特定、戦略的レコメンデーションを提供するこのエージェントにより、データ収集にかかる時間を数週間から数分に短縮しています。

この事例は、Copilot Studioを単体のチャットボットとしてではなく、Azure AIサービスと組み合わせた高度なエージェントとして活用するパターンです。AIツール(Premium)を活用する分クレジット消費は増えますが、業務効率化の効果も大きくなります。

SCSKのCopilotエージェント自社展開事例

日本のSIer大手SCSKは、Microsoft 365 Copilotのライセンスを3,000から7,000に拡大し、Copilot Studioを活用したエージェント開発を本格化しました。約3か月で3つのエージェントを開発し、自社業務での成果をもとに外販サービス化への足がかりを構築しています。

この事例は、SIerがまず自社で導入効果を検証し、そのノウハウを顧客提案に転用するパターンとして参考になります。AI総研の支援先でも、IT部門が社内向けエージェントで実績を積んでから全社展開に踏み切るケースが増えています。

これらの事例が示すように、Copilot Studioは顧客対応の自動化から社内のデータ分析まで、幅広いユースケースに対応できます。共通しているのは、3か月程度という短期間でMVPを構築し、段階的に拡張している点です。

「エージェントを作ってみたいが、クレジット消費がどこまで膨らむか分からず踏み出せない」という場合は、まず試用版ライセンスでプロトタイプを作り、使用量見積もりツールで月間コストを試算するのが最も確実なステップです。

【関連記事】
Copilotエージェント活用事例!業務別の成功パターンを解説

Copilot Studioの料金体系における注意点・超過対策

Copilot Studioの料金体系には、見落としやすい注意点がいくつかあります。本セクションでは、コスト管理で失敗しないために押さえておくべきポイントを解説します。

Microsoft Copilot Studio料金の注意点と超過対策

Copilot Studioのキャパシティ超過と強制ポリシー

プリペイドパックを利用している場合、購入したキャパシティの125%に達すると強制措置が発動します。具体的には、カスタムエージェント(会話型・自動トリガー型の両方)が無効化されます。

強制措置が発動すると、進行中の会話は中断されませんが、新たにエージェントを呼び出すリクエストはすべて拒否されます。エンドユーザーには「請求に問題があります」または「このエージェントは現在使用できません。使用制限に達しました」というメッセージが表示されます。

テナントの指定管理者にはメール通知が送信され、Power Platform管理センターにも通知が投稿されます。強制措置を解除するには、以下のいずれかの対応が必要です。

  • 既存キャパシティの再割り当て
    テナントレベルまたは環境レベルから容量を再配分する

  • 追加パックの購入
    M365管理センターから追加のクレジットパックを購入する

  • 従量課金メーターの設定
    Azureサブスクリプションと連携し、超過分を自動課金にする

実務上のおすすめは、プリペイドパックと従量課金制を併用する方法です。基本利用分はパックで賄い、超過分は従量課金で自動的にカバーする設定にしておけば、エージェントが突然無効化されるリスクを回避できます。

Copilot Studioのクレジット繰り越し不可

プリペイドパックのクレジットは月ごとにリセットされ、未使用分は翌月に繰り越されません
たとえば25,000クレジットのパックを契約して月間15,000クレジットしか使わなかった場合、残りの10,000クレジットは消滅します。

この仕様を踏まえると、利用量に大きな変動がある組織では、プリペイドパックよりも従量課金制のほうがコスト効率が良い場合があります。

逆に、毎月安定してクレジットを消費できる組織では、プリペイドパックや事前購入プランで単価を下げるほうが有利です。

Copilot Studioの環境別キャパシティ管理

Copilot Studioでは、テナント内の複数環境にクレジットを配分できます。たとえば、本番環境に10,000クレジット、開発環境に500クレジットを割り当て、残りをテナントプール(共有)として運用するといった構成が可能です。

環境ごとに割り当てたクレジットが枯渇した場合は、テナントプールから消費を継続します。テナントプール全体が125%に達した時点で、割り当てのない環境から強制措置が適用されます。

環境に割り当てが残っている場合はその環境は影響を受けないため、重要なエージェントが稼働する環境には個別の割り当てを設定しておくことが推奨されます。

Copilot Studioのエージェント単位の消費上限

エージェント単位の消費上限

2026年3月時点では、Power Platform管理センターからエージェント単位で月間の消費上限を設定できるようになっています。特定のエージェントが想定以上にクレジットを消費してテナント全体に影響を及ぼすリスクを防ぐための機能です。

たとえば、顧客対応エージェントに月間10,000クレジットの上限を設定しておけば、急激なトラフィック増加時にもそのエージェントだけが上限に達し、他のエージェントは通常どおり稼働を続けます。複数のエージェントを運用する組織では、この設定を導入初期から入れておくことをおすすめします。

【関連記事】
Microsoft 365 Copilot「Researcher」「Analyst」とは|業務に特化したAIエージェントを解説


Microsoft Copilot Studioのライセンスの選び方ガイド

ここまでの情報を踏まえて、企業規模や用途に応じたライセンスの選び方を整理します。本セクションでは、3つの典型的なパターンに分けて最適なプランを提案します。

Microsoft Copilot Studioのライセンスの選び方ガイド

1.社内向けエージェントのみ構築する場合

Microsoft 365 Copilotを導入済みの企業で、Teams・Copilot Chat・SharePoint上でのみエージェントを運用する場合は、従業員向けシナリオかつfair usage limits内であれば追加のCopilot Studioライセンスは不要です。

Microsoft 365 Copilotライセンス(月額4,497円/ユーザー)に含まれるCopilot Studio機能で、社内FAQ対応、ナレッジ検索、業務プロセスの自動化といったエージェントを構築・運用できます。従来型の回答、生成回答、Graphグラウンディング、エージェントアクションはいずれも追加課金なしで利用可能です。

2.外部チャネルに小規模展開する場合

Webサイトへのチャットボット設置や、少量の外部顧客対応エージェントを運用する場合は、従量課金制(Pay-as-you-go)が有力な選択肢です。

事前にクレジットパックを購入する必要がなく、月末に実際の使用量のみ支払えばよいため、初期投資を抑えてスモールスタートできます。利用量が増えてきた段階でプリペイドパックや事前購入プランへの移行を検討すればよいでしょう。

3.大規模な外部展開や複数エージェントを運用する場合

月間数万クレジット以上を消費する大規模運用では、事前購入プラン(CCCU)による年間コミット割引を狙うのが合理的です。

1年間のクレジットを前払いすることで年間コミット量に応じた5〜20%の割引が適用され、Copilot Studioに限らずMicrosoftの対象製品全体でクレジットを活用できます。
使い切った場合も自動的に従量課金制に切り替わるため、サービス中断のリスクはありません。年間の利用計画が立てられる組織に適しています。

以下の表で、パターン別のおすすめプランをまとめました。

パターン 主な用途 おすすめプラン 月間コスト目安
社内向けのみ FAQ・ナレッジ検索 M365 Copilotライセンス 4,497円×ユーザー数
外部小規模 Webチャットボット 従量課金制 使用量に応じて変動
外部大規模 複数エージェント運用 事前購入プラン(CCCU) 年間コミット量に応じて5〜20%割引


ここで注意すべきは、パターン1であってもMicrosoft 365 Copilotライセンス自体の費用はかかるという点です。Copilot Studio単体の費用は追加されませんが、ユーザー数×月額4,497円のM365 Copilot費用が基盤となります。自社のMicrosoft 365 Copilot導入状況を確認したうえで判断してください。

導入判断で詰まる論点

導入判断で詰まる論点

AI総研の支援先で特に判断が分かれるポイントを整理します。

  • M365 Copilotを契約していないが、Copilot Studioだけ使いたい場合
    スタンドアロンのプリペイドパック(月額29,985円)から始めるのが素直な選択です。ただし社内チャネルでの利用がメインなら、M365 Copilot(月額4,497円/ユーザー、別途適格なM365基本プランが必要)を先に導入してCopilot Studioの無料枠を使う方がトータルコストで有利になるケースがあります。M365 Copilotの基本プラン費用も含めたライセンス単価での試算が必要です

  • 従量課金とプリペイドのどちらで始めるべきか
    PoCや検証フェーズでは従量課金が有力です。月間の消費量が見えた段階でプリペイドパックに移行すれば、余剰クレジットの無駄(繰り越し不可)を防げます。AI総研の支援先では「3か月従量課金→消費パターンの安定を確認→パック移行」のステップが最も多いパターンです

  • 事前購入プラン(CCCU)に踏み切るタイミング
    CCCUの割引はティア制で、最小ティア(3,000 CCCU=年間30万クレジット=月換算約2.5万クレジット)で5%から始まります。月間の消費量が安定してきた段階で、年間のトータル消費量をもとにどのティアに該当するかを試算するのが出発点です。Copilot Studioに限らずMicrosoft製品全体でクレジットを使えるため、Power Automateのフロー実行と合わせて消化する構成も有効です

【関連記事】
Microsoft 365 Copilot用エージェントとは?使い方、料金、構築方法を解説


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Copilot Studioのコストを最適化しながらAIエージェントを本番運用するなら

ライセンス設計が固まっても、「誰が構築するのか」「クレジット消費をどう管理するのか」「運用は回るのか」という課題が残ります。

AI Agent Hubは、Copilot Studioを構築基盤の1つとして活用し、AIエージェントの開発から運用管理までを一元化するソリューションです。クレジット消費パターンを見極めながら段階的に展開できます。

  • Copilot Studio製Agentも他基盤のAgentも1画面で統合管理
    ノーコードで構築したAgentの実行ログ・権限・セキュリティチェックを一元管理。シャドーAIの乱立を防ぎ、Agent数の拡大に耐える管理基盤を提供します。

  • 共通処理は基盤が提供、作るのは業務ロジックだけ
    認証・ログ・承認フロー・Teams連携・エラーハンドリングなど共通機能はすべて基盤側。業務固有のロジックだけを追加すれば新しいAgentが完成し、クレジット消費の最適化にもつながります。

  • 使い慣れたMicrosoft環境をそのまま活用
    Teams・Excel・Outlookなど既存ツールの延長でAIエージェントが動作。新しいツールの学習コストはゼロです。

  • データは100%自社テナント内に保持
    AIの学習対象から完全除外。Azure Managed Applicationsとして自社テナント内で動作が完了する設計です。



AI総合研究所の専任チームが、設計から運用まで伴走支援します。まずは無料の資料で、自社の業務にどう活用できるかご確認ください。

Copilot Studioの構築・運用をまるごと支援

AI Agent Hub

ライセンスコスト最適化とAIエージェント本番運用

Copilot Studioでの構築からクレジット消費の最適化、Teams上での本番運用まで。専任チームがコスト設計と運用定着を伴走支援します。


まとめ

本記事では、Copilot Studioの料金体系とライセンスの選び方について、2026年3月時点の最新情報をもとに解説しました。

Copilot Studioの料金を正しく理解するうえで押さえるべきポイントは、以下の3つです。

  1. 2025年9月にメッセージからCopilotクレジットに移行
    操作の種類ごとに1〜100クレジットの消費レートが設定されており、エージェントの設計によって月間コストが大きく変わります。

  2. 3つの課金モデルの使い分け
    プリペイドパック(月額29,985円/25,000クレジット)、従量課金制、事前購入プラン(年間コミット量に応じて5〜20%割引)のそれぞれに適した組織規模と用途があります。

  3. Microsoft 365 Copilotライセンスとの連携
    M365 Copilotを導入済みであれば、従業員向け・認証済みユーザー前提のシナリオに限り、fair usage limits内で社内チャネルでのエージェント利用は追加費用がかかりません。外部チャネルへの公開が必要な場合にのみ、スタンドアロンのCopilot Studioプランを検討すればよいでしょう。


まずは試用版ライセンスでエージェントの構築を体験し、使用量見積もりツールで月間コストを試算してみてください。社内のFAQ対応やナレッジ検索のように定型的なユースケースであれば、1パック(月額29,985円)で収まる可能性もあるため、使用量見積もりツールで事前に確認するのがおすすめです。「とりあえず触ってみる」のコストハードルは、従量課金制なら実質ゼロからスタートできます。

Copilot Studioの具体的な構築手順についてはMicrosoft Copilot Studioの使い方!エージェント作成手順を解説を参照してください。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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