この記事のポイント
Microsoft 365 Copilotの料金は年払いの場合、月額換算で「¥4,497/ユーザー」で、年間契約が必須
導入には、別途対象のMicrosoft 365法人プラン(Business Standard/Premium, E3/E5等)の契約が必要
無料版/個人版Copilotとの最大の違いは、組織内のデータを連携・活用できる「Microsoft Graph」の有無
Copilot Studioで独自のAIエージェントを構築したり、営業など部門特化型のCopilotも利用可能
組織のデータはAIの学習に使われず、強固なエンタープライズレベルのセキュリティが保証されている

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
「Microsoft 365 Copilotを導入したいけど、料金がいくらか分からない」「Copilot Proと何が違うの?」「購入するには特別な条件があるの?」
そんな疑問をお持ちの法人担当者様は多いのではないでしょうか。Microsoft 365 Copilotは、組織の生産性を飛躍させる可能性を秘めていますが、その料金体系や導入条件は個人向けサービスとは大きく異なります。
本記事では、このMicrosoft 365 Copilotについて、その料金体系から導入の前提条件、そして他のCopilotサービスとの本質的な違いまで、ビジネスの意思決定者向けに徹底的に解説します。
日本円での具体的な価格、必須となるライセンス、セキュリティポリシー、そして導入前に”必ず”やるべき準備まで、網羅的にご紹介します。
目次
Microsoft 365 Copilotと他のCopilotサービスとの比較
M365 Copilot / Copilot Pro / 無料版Copilotの機能・価格比較表
Copilot Studioによる独自のAIエージェント構築
業務特化型の機能(ロールベースのエージェント、データコネクタ)
Microsoft 365 Copilotのセキュリティとデータプライバシー
Microsoft 365 Copilot導入前に必要な準備
Microsoft 365 Copilotに関するよくある質問(FAQ)
Microsoft 365 Copilotの料金プラン
Microsoft 365 Copilotは、単体で契約する製品ではなく、対象となるMicrosoft 365のプランに追加するアドオンとして提供されます。
そのため、料金を理解する上で、Copilot自体のライセンス料金と、その前提となるベースライセンスの両方を把握する必要があります。
Copilotアドオンの料金と契約条件
まず、Copilotライセンス自体の価格と契約条件は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(年払い) | ¥4,497 / ユーザー / 月(年額 ¥53,964) |
| 料金(月払い) | ¥4,722 / ユーザー / 月 |
| 契約形態 | 年間契約 |
| 最低購入数 | 1ライセンスから購入可能 |
| 備考 | 価格には消費税は含まれません |
年払いで購入すると月払いと比較して5%の割引が適用されます。支払い方法に関わらず年間契約が必須であり、1ライセンスからスモールスタートが可能です。
前提条件となるMicrosoft 365ライセンス
上記のCopilotライセンスを購入・利用するには、以下のいずれかのMicrosoft 365ライセンスを別途保有している必要があります。
一般法人・大企業向けの対象プラン一覧
Microsoft 365 プラン:
-
Microsoft 365 Business Basic / Standard / Premium

Microsoft 365 Business Basic / Standard / Premiumの料金 (参考:Microsoft)
-
Microsoft 365 E5 / E3 / F1 / F3

*Microsoft 365 E5 / E3の料金 (参考:Microsoft) *
Office 365 プラン:
- Office 365 E5 / E3 / E1 / F3 Microsoft 365 Apps for business / enterprise

Office 365 E5 / E3 / E1 / F3 Microsoft 365 Apps for business / enterpriseの料金 (参考:Microsoft)
その他
- Microsoft Teams プラン:
- Microsoft Teams Essentials / Enterprise
- Microsoft Teams Essentials / Enterprise
- 単体プラン:
- Exchange Plan 1 / 2
- SharePoint Plan 1 / 2
- OneDrive for Business Plan 1 / 2
- Microsoft Planner Plan 1
- Microsoft Project Plan 3 / 5
- Visio Plan 1 / 2
- Microsoft Clipchamp
教育機関向けの対象プラン一覧
教育機関向けには、教職員および一部の学生が対象となる以下のプランが用意されています。
- Microsoft 365 A1 / A3 / A5
- Office 365 A1 / A3 / A5
これらの多岐にわたるプランが対象となっていることから、既にMicrosoft 365を利用している多くの企業がCopilot導入の対象となることがわかります。
Microsoft 365 Copilotの購入方法
前提条件を満たしている場合、ライセンスは主に以下の2つの経路で購入できます。
Microsoft 365 管理センターからの購入
Microsoft 365の管理者が、管理センターの「ライセンスの購入」セクションから直接アドオンとして追加購入する方法です。
CSP(クラウドソリューションプロバイダー)経由での購入
契約しているリセラー(販売代理店)を通じて購入する方法です。請求の一本化や、導入コンサルティングを併せて受けたい場合に適しています。
Microsoft 365 Copilotと他のCopilotサービスとの比較
Microsoft 365 Copilotの独自の価値を理解するには、名称が似ている無料版や個人向け有料版(Copilot Pro)との違いを明確に区別することが極めて重要です。
M365 Copilot / Copilot Pro / 無料版Copilotの機能・価格比較表
まずは、それぞれのサービスの主な違いを以下の表にまとめます。
| 比較項目 | 無料版 (Webベースチャット) | 個人向け (Copilot Pro) | 法人向け (M365 Copilot) |
|---|---|---|---|
| 対象ユーザー | 個人/法人 | 個人 | 法人 |
| 月額 | 無料 | $20 | ¥4,497〜 |
| Microsoft Graph連携 | × | × | ◎ (核心機能) |
| M365アプリとの完全統合 | × | △ (一部) | ◎ |
| データ保護レベル | 標準 | 標準 | エンタープライズ |
この表の中でも、最も重要な違いが「Microsoft Graph連携」の有無です。
Microsoft Graphによる組織データ連携の有無
Microsoft Graphとは、組織内のMicrosoft 365データ(メール、予定、チャット、ファイル等)の関係性を繋ぎ合わせ、一つの巨大な知識グラフとして利用可能にするAPI群です。Microsoft 365 Copilotは、このGraphを通じて組織の文脈(コンテキスト)を深く理解します。
これにより、他のCopilotサービスでは不可能な、以下のような指示を実行できます。
「先週のAプロジェクトのTeams会議の録画を基に要約を作成し、B社との過去のメール履歴を踏まえて、フォローアップのメール案を作成してください」
このように、組織内に閉じた複数の非公開情報を横断的に活用し、あたかも業務内容を熟知したアシスタントのように振る舞えることこそが、Microsoft 365 Copilotの本質的な価値であり、他のサービスとの決定的な違いです。
Microsoft 365 Copilotの主要機能
Microsoft 365 Copilotの価値は、日常業務の効率化だけに留まりません。ビジネスプロセスそのものを変革する、より戦略的な機能が提供されます。
Microsoft 365 アプリケーションとの統合
Wordでの文章作成支援、Excelでのデータ分析と可視化、PowerPointでのプレゼンテーション自動生成、Outlookでのメール作成補助、Teamsでの会議のリアルタイム要約とタスク抽出など、日常的に使用するアプリケーションの体験を根本から向上させます。
Copilot Studioによる独自のAIエージェント構築
Copilot Studioは、プログラミング知識がなくても、自社の特定の業務プロセスやナレッジに特化した独自のAIエージェント(カスタムCopilot)を構築できるローコードプラットフォームです。
これにより、例えば「社内の経費精算規定について回答し、申請システムのURLを案内するAI」といった、定型的な社内問い合わせ対応などを自動化できます。
【関連記事】
▶︎Microsoft Copilot Studioとは?できることや使い方、料金体系を解説!
業務特化型の機能(ロールベースのエージェント、データコネクタ)
さらに、特定の職種や外部システムとの連携を強化する、以下の機能も提供されます。
- ロールベースのエージェント:
営業向けの「Copilot for Sales」など、特定の職種に最適化された機能が提供されます。CRMデータと連携し、商談の準備を自動化するなど、より専門的な業務を支援します。
- データコネクタ:
100以上のコネクタを通じて、SalesforceやServiceNowといったサードパーティのSaaSや、社内の基幹システムとも連携可能です。
これらの機能により、CopilotはMicrosoft 365の枠を超え、組織全体の業務に深く統合されたAIアシスタントへと拡張することが可能です。
利用状況とROIを測定する分析機能
SharePointの高度な管理機能と連携し、組織内でのCopilotの利用状況や導入効果(ROI)を測定・可視化するダッシュボードが提供されます。
Microsoft 365 Copilotのセキュリティとデータプライバシー
法人利用において最も重要視されるセキュリティとデータプライバシーに関して、Microsoft 365 Copilotは明確なアーキテクチャで安全性を担保しています。
エンタープライズデータ保護(EDP)の仕組み
ユーザーが入力したプロンプトやAIの応答、参照された組織のデータはすべて、組織が契約するMicrosoft 365のサービス境界内で処理が完結します。これにより、機密情報が意図せず外部に送信されるリスクを防ぎます。
組織データとAIモデル学習に関するポリシー
Microsoftは、組織のデータが、基盤となる大規模言語モデル(LLM)のトレーニングには一切使用されないことを契約上保証しています。これにより、自社の情報が競合他社のためのモデル改善などに使われる懸念はありません。また、GDPR(一般データ保護規則)やISOといった国際的なデータ保護基準にも準拠しています。
Microsoft 365 Copilot導入前に必要な準備
Copilotは強力なツールですが、その効果と安全性を最大限に引き出すためには、導入前の技術的な準備が不可欠です。
データガバナンスの整備(アクセス権限の棚卸し)の重要性
Copilotは、操作しているユーザーが元々持っているアクセス権限を厳格に継承します。これは、ユーザーが閲覧できない情報にCopilotがアクセスすることはなく、セキュリティの基盤となる重要な仕様です。
しかし、これは同時に、もし組織のデータアクセス権が適切に管理されていなければ、Copilotがその設定ミスを増幅させてしまうリスクがあることを意味します。例えば、本来は一部の役員しかアクセスできないはずのファイルが、誤って全社公開設定になっていた場合、Copilotは一般社員からの関連質問に対しても、そのファイルの内容を要約して回答してしまいます。
したがって、導入前にSharePointやTeamsの権限設定を棚卸し、「誰が、どの情報に、アクセスできるべきか」というデータガバナンスを整備することは、情報漏洩リスクを防ぎ、Copilotの価値を最大化するための最も重要な準備作業と言えます。
Microsoft 365 Copilotに関するよくある質問(FAQ)
Microsoft 365 Copilotの導入検討時によく寄せられる質問とその回答を以下にまとめます。
Q. 無料トライアルはありますか?
A. いいえ、Microsoft 365 Copilotの公式な無料試用版は提供されていません。ただし、対象となるMicrosoft 365ライセンスをお持ちであれば、組織データを連携しないWebベースのCopilotチャットを無料で利用し、基本的なAIの応答品質を確かめることはできます。
Q. 年の途中で解約できますか?
A. いいえ、年間契約が基本のため、原則として年度途中での解約やライセンス数の削減はできません。
Q. 部署単位など、一部のユーザーだけで契約できますか?*
A. はい、可能です。1ライセンスから必要な人数分だけライセンスを割り当てることができます。
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まとめ
本記事で解説したMicrosoft 365 Copilotの導入を検討する上での要点を以下にまとめます。
- 料金は年払いの場合で¥4,497/ユーザー/月、年間契約が必須です。
- 購入には対象のMicrosoft 365法人向け・教育機関向けプランが別途必要です。
- 他のCopilotサービスとの本質的な違いは、Microsoft Graphを介して組織内データを安全に活用できるかどうかにあります。
- Copilotの性能を最大限に引き出すには、導入前のデータアクセス権の整備が重要です。
Microsoft 365 Copilotは、単に作業を効率化するだけでなく、組織の知識資産を最大限に活用するための戦略的ツールです。導入を検討する際は、表面的な料金だけでなく、自社のデータ活用がどれだけの生産性向上に繋がり、その価値がコストに見合うかを具体的に評価することが成功の鍵となります。









