AI総合研究所

SHARE

X(twiiter)にポストFacebookに投稿はてなブックマークに登録URLをコピー

【Microsoft Fabric】Copilotとは?AI機能や料金体系を徹底解説

この記事のポイント

  • Copilot in Fabricは、Azure OpenAI Serviceを基盤にFabricの主要ワークロード(Notebook・Data Warehouse・Data Factory・Power BI・Real-Time Intelligence・SQL database)にAI支援を組み込んだ機能
  • F2以上またはP1以上の有料容量が必須(Pro/PPU単独では不可だがFabric Copilot Capacity経由で利用可能)。日本リージョンではクロスジオデータ処理の有効化が必要
  • CUベースの従量課金で追加ライセンス不要。入力100 CU秒・出力400 CU秒(1,000トークンあたり)で、バックグラウンドジョブとして24時間でスムージング
  • NotebookのPythonコード生成、Data WarehouseのT-SQL生成、Data Factoryのパイプライン生成など、ワークロードごとに特化したAI支援を提供
  • Microsoft 365 Copilot(ユーザーあたり月額課金)とは課金モデルが異なり、Fabric容量から消費する方式のためユーザー数に比例しないコスト構造
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


Microsoft FabricのCopilotは、Notebook・Data Warehouse・Data Factory・Power BI・Real-Time Intelligence・SQL databaseといった各ワークロードに組み込まれたAI支援機能です。Azure OpenAI Serviceを基盤としており、自然言語からのコード生成やクエリ作成、データ分析の自動化を、Fabric内のデータに対して直接実行できます。

本記事では、Copilot in Fabricの基本概念からワークロード別の主要機能、有効化手順と前提条件、動作の仕組みとセキュリティ、Microsoft 365 Copilotとの違い、制限事項、そしてCUベースの料金体系までを体系的に解説します。

Copilot in Microsoft Fabricとは?

Copilot in Fabricは、Microsoft Fabricの各ワークロードに組み込まれた生成AI支援機能です。

バックエンドにはAzure OpenAI ServiceのGPTシリーズモデルが使われており、自然言語による指示だけでコード生成・クエリ作成・データ分析・レポート作成といった作業をAIがアシストします。

Copilot in Microsoft Fabricとは


Copilot in Fabricの最大の特徴は、Fabricプラットフォーム内のデータに対して直接AIが動作する点です。
OneLake上のデータスキーマやメタデータをCopilotが自動的に参照し、ユーザーの指示に対して文脈に合ったコードやクエリを生成します。

外部のAIツールにデータをエクスポートする必要がないため、セキュリティを維持しながらAI支援を活用できます。

Copilot in Microsoft Fabricの対応ワークロード

2026年3月時点で、Copilotは以下のワークロードに対応しています。

  • Notebook(Data Science / Data Engineering)
    Pythonコード生成、データ分析、可視化、エラー修正をチャットパネルやインライン補完で支援します。

  • Data Warehouse
    自然言語からT-SQLクエリを生成し、コード補完やクエリの修正・説明を提供します。

  • Data Factory
    Dataflow Gen2のクエリ生成やパイプラインの自動生成・エラートラブルシューティングに対応します。

  • Power BI
    セマンティックモデルの同義語提案やDAXクエリ作成、レポートページの提案、ナラティブビジュアルでのデータ要約を行います。

  • Real-Time Intelligence
    KQLクエリの生成・修正、リアルタイムダッシュボードの自動生成に対応します。

  • SQL database
    Fabric内蔵のSQL databaseに対するT-SQL生成やコード補完を、SSMS(SQL Server Management Studio)やVS Code拡張からも利用できます。


Copilot in Fabricの主な機能

このセクションでは、各ワークロードでCopilotが提供する機能の詳細を解説します。ワークロードによってCopilotの動作と対応範囲が異なるため、自社のユースケースに合った機能を把握することが導入判断の第一歩になります。

Copilot in Fabricの主な機能(ワークロード別)

Notebook(Data Science / Data Engineering)

Notebook(Data Science Data Engineering)

Notebook向けのCopilotは、2026年3月時点でPreviewとして提供されています。

Lakehouseテーブル・ファイル、Power BIデータセット、pandas / Spark / Fabric DataFrameと連携し、チャットパネルやインラインコード補完でデータサイエンスと開発作業を支援します。

主な機能を以下の表にまとめます。

機能 内容
チャットパネル 自然言語で質問するとPythonコードやデータ分析結果を返す
コード生成 チャート作成、データ変換、フィルタリング、MLモデル構築のコードを自動生成
エラー修正 エラー発生時に修正コードを提案
コメント追加 既存コードに説明コメントを自動付与
コード説明 選択したコードブロックの動作を日本語で解説
インライン補完(Preview) 入力中にAIがコードを予測して補完候補を表示


Copilotは、OneLakeとデフォルトのアタッチされたLakehouseへの接続を通じてコンテキストを把握します。
たとえば「sales.csvからデータフレームを作成して」と指示すると、Lakehouseファイルを認識してコードを生成します。

会話履歴はセッション間で保存され、Azure内の同一リージョンに28日間保管されます。コンプライアンス要件がある場合は、show_chat_historyコマンドで履歴をエクスポートしたり、clear_chat_historyで削除したりできます。

Data Warehouse

Data Warehouse

Data Warehouse向けのCopilotは、SQL analytics endpointとWarehouseの両方で利用できます。
主要機能はすべてPreviewとして提供されています。

以下の3つのインタラクション方法があります。

  • チャットパネル
    自然言語で質問すると、ウェアハウスのスキーマ情報をもとにT-SQLクエリまたは自然言語で回答します。「先月の売上上位10製品は?」のような質問からSELECT文を自動生成できます。

  • コード補完
    SQLクエリエディタで入力中にAIが次のコードを予測し、Tabキーで受け入れます。クエリの先頭にコメント(--)でコンテキストを記述すると精度が向上します。

  • クイックアクション
    リボンのFix / Explainボタンで、ハイライトしたSQLクエリの修正案または動作説明を取得します。

Copilotが参照するのはテーブル名・ビュー名・カラム名・主キー・外部キーなどのメタデータであり、テーブル内のデータ自体にはアクセスしません。そのため、表現力のあるテーブル名・カラム名を付けることがCopilotの精度向上に直結します。

Data Factory

Data Factory

Data Factory向けのCopilotは、Dataflow Gen2とパイプラインの両方で利用できます。

Dataflow Gen2では、自然言語でマッシュアップコード(M言語)のクエリを生成できます。たとえば「売上テーブルから2025年以降のデータだけ抽出して」と指示すると、該当するPower Queryを自動生成します。

パイプラインでは、以下の機能を利用できます。

  • パイプラインの自動生成
    自然言語でETL処理の概要を指示すると、データソース接続→変換→出力先指定までのパイプライン構成を生成します。

  • パイプラインの要約
    既存パイプラインの処理内容を自然言語で要約し、何をしているかを素早く把握できます。

  • エラートラブルシューティング
    パイプライン実行で発生したエラーの原因分析と修正案を提示します。

Power BI

Power BI

Power BI向けのCopilotは、他のワークロードと比較してGA機能とPreview機能が混在しています。

以下の表にGA/Preview状態をまとめます。

機能 対象 状態
ナラティブビジュアルでのデータ要約 レポート GA
レポートページ/ビジュアルの説明 レポート GA
言語モデル同義語提案 セマンティックモデル GA
メジャー説明提案 セマンティックモデル GA
DAXクエリ作成・説明 セマンティックモデル GA
レポートページ提案 レポート Preview
ビジュアル提案 レポート Preview
データ質問 セマンティックモデル Preview
AIオートサマリー セマンティックモデル Preview
Standalone Copilot Power BI Service Preview
App-scoped Copilot Power BIアプリ Preview


Power BIのCopilotは、Power BI Desktop・Power BI Serviceから利用可能です。Power BI Mobileからも利用できますが、モバイル版はPreviewとして提供されています。

ナラティブビジュアルによるデータ要約やDAXクエリの自動生成はGA(一般提供)に移行しているため、本番環境での活用が現実的です。

さらに、2025年後半以降の更新で以下の新機能がPreviewとして追加されています。

  • Standalone Copilot(Preview)
    レポートを開かなくてもPower BI Service上でCopilotと対話できる機能です。セマンティックモデルに対して自然言語で質問し、回答やビジュアルを得られます。

  • App-scoped Copilot(Preview)
    Power BIアプリ内にCopilotを埋め込み、アプリのユーザーがアプリのコンテキストでAI支援を受けられる機能です。

これらの新機能は、それぞれ個別のテナント設定で有効/無効を制御できます。

【関連記事】
Copilot for Power BIとは?AIデータ分析の活用法を解説

Real-Time Intelligence

Real-Time Intelligence

Real-Time Intelligence向けのCopilotは、KQLクエリセットとリアルタイムダッシュボードで利用できます。

  • KQLクエリ生成
    自然言語からKQL(Kusto Query Language)クエリを生成します。「過去1時間のエラーイベントを時系列で集計して」といった指示に対応します。

  • クエリの修正・探索
    既存のKQLクエリに対する修正案や、データの深堀り分析を支援します。

  • リアルタイムダッシュボード生成
    自然言語の指示からダッシュボードのタイル構成を自動生成します。

大部分の機能がPreviewとして提供されていますが、リアルタイムダッシュボードの基本的な生成機能は安定した利用が可能です。

SQL database

SQL database

Fabric内蔵のSQL database向けのCopilotは、2026年2月のドキュメント更新でサポートが明記されました。

Fabric内のSQL databaseに加え、SSMS(SQL Server Management Studio)やVS Code拡張機能からもCopilotを利用できます。

主な機能は以下のとおりです。

  • T-SQL生成
    自然言語からT-SQLクエリを生成します。Data Warehouse向けと同様にスキーマ情報をもとにクエリを構築します。

  • コード補完
    SQLエディタで入力中にAIがT-SQLの補完候補を提示します。

  • クエリの修正・説明
    既存クエリのエラー修正や動作説明をAIが支援します。

SQL databaseのCopilotは2026年3月時点でPreviewです。Data Warehouseとの違いは、SQL databaseがOLTP(トランザクション処理)向けであるのに対し、Data Warehouseは分析(OLAP)向けという点です。


Copilot in Fabricの有効化手順と前提条件

Copilot in Fabricを利用するには、容量の要件・テナント設定・リージョン設定の3つを満たす必要があります。このセクションでは、有効化の具体的な手順と注意すべき前提条件を解説します。

Copilot in Fabricの有効化手順と前提条件

前提条件

前提条件

Copilot in Fabricを利用するための前提条件は以下のとおりです。

条件 内容
Fabric容量 F2以上の有料SKU(トライアルSKUは非対応)
Power BI Premium P1以上のSKUでも利用可能
Pro / PPU 単独では不可。Fabric Copilot Capacity(FCC)を経由すれば利用可能
テナント設定 Copilotのテナント設定が有効であること
リージョン 容量が対応リージョンに存在すること


重要なのは、Fabric無料トライアルやPro / PPU(Premium Per User)のワークスペースからは直接Copilotを利用できない点です。

ただし、後述のFabric Copilot Capacityを設定すれば、Pro / PPUワークスペースからでもCopilotの利用が可能になります。

P1以上のPower BI Premium容量でも、Microsoft Fabricを有効化していれば、Power BI以外を含むFabricのCopilot体験を利用できます。

有効化のステップ

有効化のステップ

Copilot in Fabricを利用するには、まずFabric管理ポータルで「Users can use Copilot and other features powered by Azure OpenAI」を有効化する必要があります。

この設定は既定ではオフです。日本を含むAzure OpenAI未提供リージョンでは、あわせてクロスジオ処理の設定も有効にします。

具体的な有効化のステップは以下のとおりです。

  • Azure Portalでの容量確認
    F2以上の有料SKUがプロビジョニングされていることを確認します。

  • Fabricテナント設定
    管理ポータルから「Users can use Copilot and other features powered by Azure OpenAI」の設定を確認します。セキュリティグループ単位で有効/無効を制御できるため、段階的なロールアウトに対応しています。

  • クロスジオデータ処理の有効化
    日本を含むUS/EU以外のリージョンでは、「Data sent to Azure OpenAI can be processed outside your capacity's geographic region」設定の有効化が必須です。

  • ワークスペースの割り当て
    Copilotを利用するワークスペースがFabric容量に割り当てられていることを確認し、ユーザーにアクセス権を付与します。

Copilotの利用可否は、テナント設定と容量・権限の条件で管理されます。CopilotをFabricで有効にすると、対象ユーザーは複数ワークロードでCopilotを利用できます。

なお、Standalone Copilotなど一部のPower BI機能には個別の設定項目があります。

リージョンとクロスジオ設定

リージョンとクロスジオ設定

Copilot in FabricはAzure OpenAI Serviceを利用しており、GPUリソースが配置されているリージョンはUS(East US、East US2、South Central US、West US)とEU(France Central)のみです。

以下の表に、容量のリージョンとAzure OpenAIの処理リージョンの対応をまとめます。

容量のリージョン Azure OpenAIの処理先 クロスジオ設定
US US 不要
EU Data Boundary EU Data Boundary 不要
UK EU Data Boundary 必要
日本・オーストラリア・インド・東南アジア・韓国等 US 必要


日本リージョンの容量を使っている場合、CopilotのプロンプトデータはUSのAzure OpenAI Serviceに送信されて処理されます。この設定が有効でないとCopilotは動作しないため、テナント管理者による事前の設定確認が必須です。

データはAzure内部の閉域ネットワークで通信され、公共インターネットを経由しません。また、OpenAI社がデータにアクセスすることはなく、モデルの学習にも使用されません。


Copilot in Fabricの動作の仕組みとセキュリティ

Copilot in Fabricの裏側では、ユーザーの入力がどのように処理され、AIがどのようにコードやクエリを生成しているのかを理解しておくことが、適切な運用とセキュリティ評価につながります。

Copilot in Fabricの動作の仕組みとセキュリティ

プロンプト処理の5つのステップ

プロンプト処理の5つのステップ

Copilotのリクエストは以下の5段階で処理されます。

1.ユーザー入力

テキストプロンプトまたはUIボタンの操作がトリガーになります。入力には、ユーザーのセッション履歴やシステムメタデータ(メタプロンプト)が自動的に付加されます。

2.前処理(グラウンディング)

RAG(Retrieval-Augmented Generation)の仕組みで、Fabricアイテムのメタデータ(セマンティックモデルのスキーマ、Lakehouseのテーブル構造、レポートビジュアルの特定データポイントなど)がプロンプトに追加されます。
のワークスペースロール・アイテム権限・データセキュリティが尊重され、アクセス権のないデータはグラウンディングに含まれません。

3.Azure OpenAI処理

拡張されたプロンプトがAzure OpenAI ServiceのGPTシリーズモデルに送信されます。ファインチューニングは使用しておらず、グラウンディングデータとメタプロンプトに依存する方式です。
ユーザーがモデルを選択・変更することはできません。

4.後処理(Responsible AI)

生成結果にAzureコンテンツモデレーションが適用され、不適切な出力のフィルタリングやプロンプトインジェクション防止が行われます。
ワークロード固有のバリデーション(コードパーサー、ビジュアル検証など)も実行されます。

Step 5 ユーザーへの出力

自然言語・コード・メタデータの形で結果が返されます。
コード生成の場合はユーザーが保持/実行を選択する介入型、ナラティブビジュアルの場合は自動表示される自律型の2パターンがあります。

データプライバシーとセキュリティ

データプライバシーとセキュリティ

Copilotのセキュリティ面で押さえるべきポイントは以下のとおりです。

  • Copilotの通信はAzure内部で完結し、公共インターネットを経由しない
  • OpenAIの公開サービスやAPIは使用されず、OpenAI社がデータにアクセスすることはない
  • ユーザーのデータはモデルの学習に使用されない
  • 他のテナントや他の顧客のリクエストとデータが混在することはない
  • Copilotは既存のFabricのアクセス権限を尊重する(ユーザーが閲覧できないデータはCopilotも参照しない)
  • Notebook / データエージェントの会話履歴は同一リージョンのAzureリソースに28日間保存され、ユーザーが手動で削除することも可能。
    なお、クロスジオ設定には「processed outside」(プロンプトの処理先)と「stored outside」(会話履歴の保存先)の2つのテナント設定が存在し、それぞれ個別に制御できる

LLMの制限を理解する

LLMの制限を理解する

CopilotはLLM(大規模言語モデル)を基盤としているため、以下の固有の制限があります。

  • 非決定的 同じ入力に対して異なる出力が返される可能性がある
  • 不正確な出力 コードやクエリが論理的に誤っている場合がある
  • 最新情報の欠如 モデルの学習データにカットオフがある
  • 意図の誤解 曖昧な指示に対して意図と異なる結果を返す場合がある


生成されたコードやクエリは必ず実行前にレビューすることが推奨されます。Data Warehouseの場合はスキーマのみを参照しデータ自体にアクセスしないため、データ内容に基づく正確な評価は期待できません。


Copilot in FabricとMicrosoft 365 Copilotの違い

「Copilot」という名称がMicrosoftの複数製品で使われているため、Copilot in FabricとMicrosoft 365 Copilotの違いを整理しておくことは重要です。

Copilot in FabricとMicrosoft 365 Copilotの違い

課金モデルの違い

課金モデルの違い

最も大きな違いは課金モデルです。

項目 Copilot in Fabric Microsoft 365 Copilot
課金方式 CUベースの従量課金(Fabric容量から消費) ユーザーあたり月額$30
追加ライセンス 不要(Fabric容量に含まれる) Microsoft 365 E3/E5等 + Copilotアドオン
課金の単位 トークン消費量(入力/出力) ユーザー数
スケーリング 容量のSKUをスケールアップ ユーザー数に比例


Copilot in Fabricの場合、ユーザー数が増えてもライセンス費用は変わりません。ただし、利用量が増えればCU消費が増えるため、容量の上位SKUへのスケールアップが必要になる場合があります。

一方、Microsoft 365 Copilotはユーザー数に比例して費用が増加する構造です。

用途と対象の違い

用途と対象の違い

以下の表に、用途と対象ユーザーの違いをまとめます。

観点 Copilot in Fabric Microsoft 365 Copilot
対象アプリ Notebook, Data Warehouse, Data Factory, Power BI, RTI, SQL database Word, Excel, PowerPoint, Teams, Outlook等
主な用途 コード生成、SQLクエリ、データ分析、ETLパイプライン 文書作成、メール要約、会議議事録、プレゼン生成
対象ユーザー データエンジニア、データサイエンティスト、BIアナリスト 全社員(営業、企画、管理部門等)
データソース OneLake上のLakehouse / Warehouse / セマンティックモデル Microsoft Graph(メール、ファイル、チャット等)
基盤技術 Azure OpenAI Service(Fabric専用エンドポイント) Azure OpenAI Service(Microsoft 365専用エンドポイント)


両者は同じAzure OpenAI Serviceを基盤としていますが、参照するデータソースとユースケースが異なります。

データプラットフォーム上のコード生成・分析作業にはCopilot in Fabric、日常の業務アプリケーションでのAI支援にはMicrosoft 365 Copilotという棲み分けです。

【関連記事】
Microsoft 365 Copilotとは?特徴・料金・導入方法を徹底解説


Copilot in Fabricの制限事項と注意点

Copilotは強力なAI支援機能ですが、2026年3月時点ではPreview段階の機能が多く、本番導入にあたって考慮すべき制限があります。

Copilot in Fabricの制限事項と注意点

GA/Preview状態の一覧

GA Preview状態の一覧

以下の表に、ワークロード別のGA/Preview状態をまとめます。

ワークロード 主な機能 状態
Notebook(Data Science / Data Engineering) チャットパネル、コード生成、インライン補完 Preview
Data Warehouse Natural Language to SQL、コード補完、クイックアクション Preview
Data Factory(パイプライン) パイプライン生成、要約、エラートラブルシューティング GA(2025年4月〜)
Data Factory(Dataflow Gen2) Mashupコード説明、カスタム列等はGA(2025年9月〜)、Modern Get Data等は引き続きPreview 一部GA / 一部Preview
Power BI(ナラティブビジュアル、DAXクエリ等) データ要約、レポート説明、DAX生成 GA
Power BI(レポート提案、データ質問等) ページ提案、ビジュアル提案 Preview
Real-Time Intelligence KQLクエリ生成、ダッシュボード生成 Preview
SQL database T-SQL生成、コード補完(SSMS / VS Code対応) Preview


Data Factoryのパイプライン機能(2025年4月GA)とPower BIの一部機能を除き、多くの機能がPreview段階にあります。Previewの機能はSLAの対象外であり、仕様変更や廃止の可能性がある点を理解したうえで利用する必要があります。

精度・言語・アクセスの制限

精度・言語・アクセスの制限

Copilotの利用にあたっては以下の制限事項にも注意が必要です。

  • 言語対応
    Data WarehouseのNatural Language to SQL機能は英語のみ対応です。Notebookのチャットパネルでは日本語での質問も可能ですが、精度は英語が最も高くなります。

  • プライベートリンク構成
    テナントがプライベートリンク構成を採用している場合、Notebookのチャット機能が動作しない場合があります。インライン提案とクイックアクションは動作する可能性がありますが、完全な動作保証はありません。

  • ソブリンクラウド
    Azure Government等のソブリンクラウドではCopilotは利用できません。GPU可用性の制約が理由です。

  • 最新ライブラリの認識
    最近リリースされたPythonライブラリやフレームワークについては、コード生成の精度が低下する場合があります。

  • Fabric Copilot CapacityとAI functions
    Fabric Copilot Capacity経由でCopilotを利用する場合、AI functions(データ変換・エンリッチメント機能)は利用できません。


Copilot in Fabricの料金体系

Copilot in Fabricの料金は、Microsoft 365 Copilotのようなユーザーあたりの月額課金ではなく、Fabric容量のCU(Capacity Unit)をトークン単位で消費する方式です。追加のライセンス購入は不要で、既存のFabric容量から使用分が差し引かれます。

Copilot in Fabricの料金体系

CU消費レートとトークン課金

CU消費レートとトークン課金

CopilotのCU消費レートは以下のとおりです(2026年3月時点)。

操作 単位 CU消費レート
入力プロンプト 1,000トークンあたり 100 CU秒
出力(生成結果) 1,000トークンあたり 400 CU秒


入力100 CU秒に対して出力400 CU秒と、出力側のCU消費が大きく設定されています。コード生成やクエリ生成では出力トークンが多くなるため、出力レートを意識しておくことが重要です。
なお、1,000トークンは約750語(英語ベース)に相当します。

2024年2月の料金発表時は入力400 CU秒・出力1,200 CU秒でしたが、その後値下げが実施され、入力は75%、出力は約67%のコスト削減となっています。

具体的な計算例

具体的な計算例

1回のCopilotリクエストで入力2,000トークン・出力500トークンを消費した場合の計算は以下のとおりです。

CU消費 = (2,000 × 100 + 500 × 400) ÷ 1,000 = 400 CU秒 = 6.67 CU分

Copilotの課金はバックグラウンドジョブとして分類されるため、CU消費は24時間ウィンドウで平均化(スムージング)されます。
この例では、6.67 CU分のジョブが24時間に分散され、毎時約0.28 CU分として容量から差し引かれます。

F64容量(64 CU × 24時間 = 1日1,536 CU時間)で、他のワークロードがない場合の試算は以下のとおりです。

1リクエストあたりのCU消費 1日あたりの最大リクエスト数
6.67 CU分(0.11 CU時間) 約13,824リクエスト


ただし、実際にはNotebook実行やData Warehouse処理などの他のワークロードもCUを消費するため、Copilot専用にすべての容量を使える状況は稀です。

Fabric Copilot Capacity(FCC)

Fabric Copilot Capacity(FCC)

Power BIのPro / PPUワークスペースや一部のFabricワークロード(F64未満の容量)からCopilotを利用したい場合は、Fabric Copilot Capacityを設定することで対応できます。

Fabric Copilot Capacityは、特定のCopilot専用容量を確保し、そこにユーザーグループを割り当てる仕組みです。ユーザーが操作しているコンテンツの容量ではなく、割り当てられたCopilot容量にCU消費が課金されます。

有効化手順は以下の3ステップです。

  • Step 1 Fabric管理者がテナント設定でCopilotを有効化
  • Step 2 Fabric管理者が容量管理者にCopilot容量指定の権限を付与
  • Step 3 容量管理者がユーザーグループをCopilot容量ユーザーとして割り当て


コスト最適化のポイント

コスト最適化のポイント

Copilot in Fabricのコストを最適化するには、以下のアプローチが有効です。

  • セキュリティグループで利用ユーザーを段階的に拡大し、初期段階での予期しないCU消費を防ぐ
  • Lakehouseやセマンティックモデルで不要なフィールドを非表示にし、テーブルをprivateに設定することで、グラウンディング時のトークン消費を削減する
  • 安定したワークロードにはFabric容量の1年/3年予約(最大約41%割引)を活用する
  • Split-capacity戦略 Copilot専用に別のFabric Copilot capacityを分離する方法も有効です。専用容量はF2以上またはP1以上で構成でき、Power BIや一部の小規模Fabric容量のCopilot利用を集約できます
  • 容量の利用状況はFabric Capacity Metricsアプリで「Copilot in Fabric」として確認可能

【関連記事】
Microsoft Fabricとは?使い方や価格体系、できることを徹底解説!


まとめ

本記事では、Copilot in Microsoft Fabricについて、基本概念からワークロード別の機能、有効化手順、動作の仕組み、Microsoft 365 Copilotとの違い、制限事項、料金体系までを解説しました。

Copilot in Fabricの価値は、大きく3点に集約されます。

  1. FabricプラットフォームへのネイティブなAI統合
    OneLake上のデータスキーマやメタデータを直接参照するため、外部ツールへのデータエクスポートなしにAI支援を受けられます。
    Notebook・Data Warehouse・Data Factory・Power BI・Real-Time Intelligence・SQL databaseの各ワークロードで、それぞれの作業に最適化されたAI支援が提供されます。

  2. CUベースの従量課金によるコスト効率
    Microsoft 365 Copilotのようなユーザーあたりの月額課金ではなく、Fabric容量からトークン消費分だけCUが差し引かれる仕組みです。
    入力100 CU秒・出力400 CU秒(1,000トークンあたり)というレートは、2024年の料金発表時から大幅に値下げされており、バックグラウンドジョブとしての24時間スムージングにより容量への影響も平準化されます。

  3. エンタープライズレベルのセキュリティ
    Azure OpenAI Serviceの閉域ネットワーク内で処理が完結し、データがモデルの学習に使用されることはありません。
    既存のFabricアクセス権限が尊重されるため、Copilotが参照できるデータの範囲もユーザーの権限に準拠します。


Copilot in Fabricの導入を検討している場合は、まずF2以上の容量でテナント設定を確認し、少人数のセキュリティグループから段階的に利用を開始するのがリスクの低い第一歩です。

日本リージョンではクロスジオ設定の有効化を忘れないようにしてください。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

AI導入の最初の窓口

お悩み・課題に合わせて活用方法をご案内いたします
お気軽にお問合せください

AI総合研究所 Bottom banner

ご相談
お問い合わせは
こちら!