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GitHub Copilot CLIとは?セットアップ方法や基本的な使い方を徹底解説!

この記事のポイント

  • GitHub Copilot CLIは、ターミナル上で自然言語によるコマンド操作やファイル編集を支援するAIアシスタント機能です。
  • 主要機能には、自然言語からのコマンド提案(Suggest)、コマンドの意味解説(Explain)、実行支援(Run/Confirm)、ファイル編集・生成、エージェント的ワークフロー支援などがあります。
  • セットアップには、GitHub CLIのインストールとCopilotサブスクリプションが必要で、Enterprise利用時は管理者の許可が求められます。
  • 基本的な使い方は「gh copilot <モード> "<自然言語の指示>"」形式で、提案されたコマンドは実行前に必ずユーザー確認が入ります。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

GitHub Copilot CLIは、ターミナル上で自然言語によるコマンド操作やファイル編集を支援するAIアシスタント機能です。主要機能には、自然言語からのコマンド提案(Suggest)、コマンドの意味解説(Explain)、実行支援(Run/Confirm)、ファイル編集・生成、エージェント的ワークフロー支援などがあります。セットアップには、GitHub CLIのインストールとCopilotサブスクリプションが必要で、Enterprise利用時は管理者の許可が求められます。基本的な使い方は「gh copilot <モード> "<自然言語の指示>"」形式で、提案されたコマンドは実行前に必ずユーザー確認が入ります。

AI総合研究所はGitHubの企業導入を支援しています。請求や契約、技術的な質問など、お気軽にお問い合わせください。

目次

GitHub Copilot CLIとは?

CLIにおけるCopilotの役割

Copilot CLIと「Copilot Agents」の関係

旧バージョンとの違い

主な機能と特徴

1. Suggest:自然言語からコマンドを提案

2. Explain:コマンドの意味を解説

3. Run(実行支援)とConfirm(確認フロー)

4. ファイルの編集・生成

5. エージェント的ワークフロー(Agentic Workflow)

6. GitHub CLIとの連携

第3章 セットアップ方法

1. 必要な前提環境

2. GitHub CLIのインストール手順

3. GitHub CLIへのログイン

4. Copilot CLIの有効化と初期動作確認

5. 組織での利用における注意点(Enterprise Cloud)

補足:既存の <code>gh-copilot</code> 拡張を使っている場合

第4章 基本的な使い方

1. コマンド構成の基本

2. <code>suggest</code>:やりたい操作をコマンド化

3. <code>explain</code>:コマンドの意味を確認

4. 対話形式でのコマンド確認と実行

5. スクリプトやファイルの生成

6. よく使われるユースケース

7. 応用:複数ステップの作業支援

第5章 Copilotエージェントとの連携

1. Copilotエージェントとは何か?

2. CLI上でのエージェント連携方法:<code>gh agent-task</code>

3. 他のCopilot機能との接続性

4. 実際の利用シナリオ

5. セキュリティと管理面での留意点

6. 今後の展望:Copilot Workspaceとの連携

第6章 セキュリティと責任ある利用

1. 自動実行の禁止とユーザー確認プロセス

2. 編集ファイルのプレビューと保存確認

3. コマンド提案のリスク:破壊的操作や誤解を招く表現

4. 機密情報や権限制限ファイルの扱い

5. 利用状況の監視とエンタープライズ管理機能

6. GitHubの「責任ある利用」方針

補足:GitHub Copilot CLIとClaude Codeの違い

実際の違いを活かした使い分け例

総評:どちらを使うべきか?

まとめ:GitHub Copilot CLIの意義と活用の展望

GitHub Copilot CLIとは?

GitHub Copilot CLI(コマンドラインインターフェース)とは、ターミナル上で自然言語によるコマンド操作やファイル編集を支援するAIアシスタント機能です。

GitHub Copilot CLI
GitHub Copilot CLI(GitHub)

従来、ターミナルやシェル環境では正確なコマンドやフラグの記憶、構文の把握が必要でした。しかしCopilot CLIは、ユーザーが「やりたいこと」を自然言語で指示するだけで、それに対応する具体的なシェルコマンドや操作方法を提案・実行支援します。

CLIにおけるCopilotの役割

従来のチャットベースのイメージ
従来のチャットベースのイメージ

GitHub Copilotはこれまで、Visual Studio Codeなどの統合開発環境(IDE)での補完やチャット形式の支援を提供してきました。これに対し、Copilot CLIは開発者が日常的に使用するコマンドラインにCopilotを統合するものであり、IDEを立ち上げなくても作業の補助が得られる点が特徴です。

以下のようなケースで効果を発揮します。

  • 複雑なコマンドを思い出せないとき(例:dockerfindコマンド)
  • 初めて触るツールやライブラリでコマンドの構文がわからないとき
  • スクリプトや設定ファイルをその場で生成・編集したいとき

Copilot CLIと「Copilot Agents」の関係

Copilot CLIは、GitHubが提唱する「Copilot Agents」構想の一部として位置づけられています。これは単なるコード補完ではなく、ユーザーの目的を理解し、対話的に複数のステップを伴う作業を支援する“AIエージェント”の枠組みです。

このCLIは、そうしたエージェントのうち「コマンドライン操作支援」を担う存在であり、将来的には他のCopilot機能(IDE内のコーディング支援やコードレビュー支援)と連携し、より統合的な開発支援を行う基盤となります。

主な機能と特徴

GitHub Copilot CLIは、コマンド提案・説明・ファイル操作・エージェント的作業支援といった多様な機能を備えており、ターミナル上での操作を自然言語で支援する点が最大の特徴です。

それぞれの主要機能について解説します。


1. Suggest:自然言語からコマンドを提案

Copilot CLIの中核機能が suggest です。
ユーザーが「やりたいこと」を自然言語で入力すると、Copilotがそれに該当する正確なCLIコマンドを提案してくれます。

利用例:

gh copilot suggest "ローカルとリモートのGitブランチを削除したい"

出力例(提案されたコマンド):

git branch -d feature-x
git push origin --delete feature-x

このように、複数ステップにまたがる作業(ローカルとリモートの両方を削除)も提案されるため、初心者から上級者まで実用的です。


2. Explain:コマンドの意味を解説

既存のコマンドやスクリプトが「何をしているのか」を理解したいときに便利なのが explain 機能です。複雑な構文や危険なコマンドの内容を自然言語で解説します。

利用例:

gh copilot explain "chmod -R 777 /usr/local/bin"

出力例:

chmod -R 777/usr/local/bin 以下のすべてのファイルとディレクトリに対し、読み書き実行すべての権限を付与します。セキュリティ上のリスクがあるため慎重に実行してください。

このように、実行前にリスクや意図を可視化できるのが大きな特長です。


3. Run(実行支援)とConfirm(確認フロー)

提案されたコマンドは、ユーザーの許可があればそのまま実行することも可能です。
ただし、Copilot CLIではすべての実行に対して確認プロンプトが表示されるため、誤操作や意図しないコマンド実行を防ぐ設計になっています。

この「自動では実行しない」というポリシーは、GitHubが掲げる「Responsible Use(責任ある利用)」の方針に基づいています。


4. ファイルの編集・生成

Copilot CLIは、単にコマンドを提案するだけではなく、その場でコードファイルや設定ファイルを作成・編集することも可能です。

  • .bashrc.gitignoreDockerfileなどの設定ファイルを生成
  • シェルスクリプトの骨子を作成
  • PythonやNode.jsなどの実行スクリプトを出力

これらもすべて、ユーザーが内容を確認・承認した上で保存されます。


5. エージェント的ワークフロー(Agentic Workflow)

Copilot CLIは、単なる“1ステップのコマンド生成”にとどまりません。
以下のような複数の工程を要する作業も一連の流れとして支援できます。

例:

  • 「新しいNode.jsプロジェクトを初期化し、ESLintとPrettierを導入して、READMEを作成したい」
    → これに対して、Copilotは npm initnpm install → 設定ファイル生成 → README.md の作成まで一括でガイドします。

このような機能は、まさに「Copilot Agents」のCLI実装としての側面を持っており、開発者の“目的”ベースでの作業自動化が可能です。


6. GitHub CLIとの連携

Copilot CLIは、GitHub公式のコマンドラインツール「GitHub CLI(gh)」と統合されており、以下のようなGitHub操作もAI支援の対象となります。

  • プルリクエストの作成
  • イシューの参照・投稿
  • Copilotエージェントタスクの作成(gh agent-task create

この統合により、開発→GitHub連携→自動化までがすべてCLI上で完結します。

第3章 セットアップ方法

GitHub Copilot CLIを利用するには、GitHub CLI(ghコマンド)の導入と、Copilotサブスクリプションの有効化が必要です。
本章では、開発環境にCopilot CLIを導入するための前提条件と、インストール・認証手順を順を追って解説します。

1. 必要な前提環境

以下の環境が整っている必要があります。

必須項目 内容
GitHubアカウント Copilotの利用に必要。無料アカウントでも使用可能ですが、CLI機能には有償プランが必要です。
Copilotの有効なサブスクリプション BusinessまたはEnterprise Cloudプラン。個人向けでも利用可。
GitHub CLI(gh)のインストール バージョン2.30以降を推奨。Copilot CLI機能が含まれています。
ターミナル環境 macOS、Linux、WSL(Windows Subsystem for Linux)などに対応。
組織管理者のポリシー許可(Enterpriseのみ) 管理者が「Copilot for CLI」利用を明示的に許可している必要があります。

2. GitHub CLIのインストール手順

すでにghコマンドが使える方はこのステップはスキップできます。以下はmacOS/Linux環境の例です。

macOS (Homebrew使用)

brew install gh

Linux (apt使用)

type -p curl >/dev/null || sudo apt install curl -y
curl -fsSL https://cli.github.com/packages/githubcli-archive-keyring.gpg | \
  sudo dd of=/usr/share/keyrings/githubcli-archive-keyring.gpg
sudo apt-add-repository \
  "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/usr/share/keyrings/githubcli-archive-keyring.gpg] \
  https://cli.github.com/packages stable main"
sudo apt update
sudo apt install gh

バージョン確認

gh version

3. GitHub CLIへのログイン

GitHub CLIとアカウントを紐づけます。

GitHub CLIログイン
*GitHub CLIにログイン

gh auth login

以下の選択肢が表示されます:

  • GitHub.com or GitHub Enterprise Server → GitHub.com を選択
  • 認証方法 → HTTPS を選択
  • ブラウザでの認証 → 表示されるURLにアクセスしてコード入力

完了後、次のコマンドで認証状態を確認できます。

gh auth status

4. Copilot CLIの有効化と初期動作確認

初回起動

gh copilot

もしくは、任意のコマンド(例:提案)で動作確認できます。

gh copilot suggest "dockerコンテナをすべて停止したい"

これにより、Copilotが応答し、ターミナル上で提案が表示されれば設定は完了です。


5. 組織での利用における注意点(Enterprise Cloud)

GitHub Enterprise Cloudプランを利用している場合、Copilot CLIの利用は管理者による許可が必要です。

  • 管理者が**「Copilot CLIを有効にする」**ポリシーを設定していない場合、CLI機能は使用できません。
  • Copilot CLIにアクセスしようとすると、利用権限エラーが表示されます。

管理者が設定すべきポリシーについての詳細は、GitHub Docs内の Copilot CLIのポリシー設定 を参照してください。


補足:既存の gh-copilot 拡張を使っている場合

以前のCLI拡張機能である gh-copilot を利用中の場合、新しいCLI機能への移行が推奨されます。

  • gh extension remove github/gh-copilot で旧拡張を削除
  • gh copilot に統合された機能をそのまま使う形に切り替え

第4章 基本的な使い方

GitHub Copilot CLIでは、自然言語で「やりたいこと」を伝えるだけで、具体的なCLI操作を提案・説明・補助してくれます。
ここでは、主要なコマンドの使い方と、実用的な利用例を紹介します。


1. コマンド構成の基本

Copilot CLIでは、以下の形式で操作を行います。

gh copilot <モード> "<自然言語の指示>"

たとえば「Dockerコンテナをすべて停止したい」場合は:

gh copilot suggest "すべてのDockerコンテナを停止するには?"

このように、Copilotに“意図”を伝えるだけで、正確なCLIコマンドが提案されます。


2. suggest:やりたい操作をコマンド化

コマンド例

gh copilot suggest "Node.jsの依存パッケージを一括更新したい"

Copilotの応答(例)

npm update

複雑な操作でも自然言語だけで指示できるため、検索する手間を大幅に省略できます。


3. explain:コマンドの意味を確認

コマンド例

gh copilot explain "chmod -R 755 /usr/local/bin"

Copilotの応答(例)

chmod -R 755/usr/local/bin 以下のすべてのファイルとディレクトリに対して、所有者に読み書き実行、他ユーザーに読み実行を許可します。

意味が不明なコマンドや、破壊的な操作かどうかを確認したいときに有効です。


4. 対話形式でのコマンド確認と実行

コマンドの提案後、Copilotは自動でコマンドを実行しません。
代わりに、ユーザーに**「このコマンドを実行しますか?」**という確認を求めてきます。

例:

Do you want to run this command? [Y/n]
  • Y を押せば即実行
  • n を押せばキャンセル
  • 内容を編集して再実行も可能

この設計により、安全性が担保されつつAI補助が可能になります。


5. スクリプトやファイルの生成

Copilot CLIは、コマンドだけでなくファイル自体を作成することもできます。

例:Pythonの仮想環境作成スクリプトを生成

gh copilot "Python仮想環境を作成し、requirements.txtを準備したい"

応答(例)

python3 -m venv venv
source venv/bin/activate
touch requirements.txt
  • 一括コマンドの提案に加え、必要に応じてファイルの中身(例:requirements.txtのテンプレート)も生成されることがあります。

6. よく使われるユースケース

以下に、開発現場で実際によく使われるCopilot CLIの活用例をまとめます。

ユースケース 指示例 想定される提案
Git操作 gh copilot suggest "ブランチを削除" git branch -dgit push origin --delete
Docker gh copilot suggest "停止中のコンテナを削除" docker container prune
Node.js gh copilot suggest "依存関係をクリーンにしたい" rm -rf node_modules && npm install
Python gh copilot suggest "venvを作って起動" python -m venv venv && source venv/bin/activate
Linuxコマンドの意味 gh copilot explain "rm -rf /" 危険なコマンドとして説明と警告を提示

7. 応用:複数ステップの作業支援

Copilotは、単一のコマンドだけでなく、複数の手順を含むタスクもまとめて提案できます。

例:「新しいReactアプリを作成してTypeScriptで初期化したい」

gh copilot suggest "React + TypeScriptプロジェクトを初期化するには?"

出力(例)

npx create-react-app my-app --template typescript
cd my-app
npm start

これで基本的なセットアップが完了します。

第5章 Copilotエージェントとの連携

GitHub Copilot CLIは、単なるコマンド提案ツールではなく、「Copilotエージェント」という高度なAIワークフロー支援機能と連携することで、より複雑な開発作業を効率的に実行できるよう設計されています。

本章では、Copilotエージェントの概要から、Copilot CLI上での連携方法、実際の使い方、想定されるユースケース、さらには今後の発展性までを網羅的に解説します。


1. Copilotエージェントとは何か?

Copilotエージェントとは、GitHub Copilotに搭載されている**特定の目的に特化したAI実行ユニット(Agent)**です。これは従来のコード補完とは異なり、ユーザーのゴールを理解し、必要な複数ステップをAIが自律的に計画・実行していくという特徴を持ちます。

たとえば、以下のようなエージェントが存在します:

  • コーディングエージェント:指定された課題に対してコードの設計・作成を行う
  • テスト作成エージェント:既存コードに対してテストコードを自動生成
  • バグ修正エージェント:エラーログから原因を推定し、修正提案とパッチを提示
  • コードレビューエージェント:PR(プルリクエスト)内容を解析し、自動レビューコメントを生成

Copilot CLIはこれらのエージェントと連携し、ターミナル上からこれらの役割を担わせることができます。これはまさに、対話的なAIから実行型AI(エージェント)への進化とも言える転換です。


2. CLI上でのエージェント連携方法:gh agent-task

Copilotエージェントは、GitHub CLIの新機能 gh agent-task を通じて利用できます。

主なコマンド構成

gh agent-task create

このコマンドにより、Copilotエージェントに**「目的ベース」のタスクを依頼**できます。従来の「自然言語 → 単一のコマンド生成」とは異なり、「目標 → 一連の作業提案・実行」という枠組みです。

コマンド例(目的指向の指示):

gh agent-task create "このリポジトリにJestベースのテストスイートを追加して"

期待される動作:

  1. LLMがコードベースを読み取り、対象ファイルと責務を特定
  2. テスト方針とファイル構成を提示
  3. __tests__/ ディレクトリの作成と中身の生成提案
  4. ユーザーが承認すれば、ファイル作成とコミットまで自動化

このように、Copilot CLIとエージェントを連携させることで、単なる命令実行を超えた開発パートナーとしてのAIの振る舞いが可能になります。


3. 他のCopilot機能との接続性

Copilotエージェントは、CLIだけでなく以下のCopilot製品群とも共通のアーキテクチャ上に構築されています。

プラットフォーム 特徴
Copilot for VS Code / JetBrains IDE内での補完・エージェント対応。PRレビューやバグ検出も可能。
Copilot for CLI(本稿) CLIでの自然言語操作・ファイル編集・タスク起動。
Copilot Chat チャット形式で開発支援、エージェント連携の起点にも。
Copilot Workspace(今後予定) GitHub上でリポジトリ単位にエージェントを割り当て、企画〜実装〜PRまで一気通貫で支援する開発環境。

つまり、CLIから始まった作業をCopilot Chatで補足し、IDE上でコーディングエージェントが引き継ぐという**“AI協調開発”のフロー**が可能になります。


4. 実際の利用シナリオ

Copilot CLIのエージェント連携機能は、特に以下のような場面で効果を発揮します。

■ ユースケース1:初期コード生成

gh agent-task create "React + TypeScript でシンプルなTodoアプリを作って"

→ 最小構成のApp.tsxTodoItem.tsxを自動生成。

■ ユースケース2:バグ修正補助

gh agent-task create "このコードのNullPointerエラーを修正して"

→ 事前にエラーログと該当コードを解析し、修正案を提示。

■ ユースケース3:コードレビューエージェントの起動

gh agent-task create "このプルリクにレビューコメントをつけて"

→ 差分を読み取り、自動でコメントを生成・提案。

■ ユースケース4:プロジェクトの構造整理

gh agent-task create "components ディレクトリ内の役割を整理して"

→ 構造的に冗長なコードや重複のあるファイルを指摘し、整理案を提示。

これらのタスクはすべてCLIから完結することも可能ですが、必要に応じてIDE上で詳細編集したり、GitHub上でレビューや統合を行ったりすることもできます。


5. セキュリティと管理面での留意点

Copilotエージェントが行う操作は、GitHub CLIと連携した限定的な範囲に限定されています。
また、以下の制御が可能です:

  • ユーザーごとにエージェントの利用可否を管理
  • 管理者による操作ログの取得・監査
  • 生成コードへの明示的な承認ステップ
  • 機密ファイルの編集制限(例:.env, .ssh など)

GitHubはこの点について、「AIに任せる範囲」と「人間の制御権限」のバランスを重視して設計しており、エンタープライズ向けにも安心して導入できるアーキテクチャとなっています。


6. 今後の展望:Copilot Workspaceとの連携

GitHubは、今後「Copilot Workspace」というプロジェクト単位でエージェントを起動する統合環境を提供する予定です。
CLIでのエージェント起動はその一端であり、将来的には以下のようなことが可能になります。

  • GitHub上のリポジトリにエージェントを割り当て、開発全体をAIが補助
  • 課題(Issue)に基づき、要件→実装→テスト→PR作成をAIが一貫して実行
  • 複数人の開発者がAIエージェントと共同で開発作業を行う

このような展望を踏まえると、Copilot CLIは単なるツールではなく、開発現場の再構築を支える基盤技術としての側面も持っています。

第6章 セキュリティと責任ある利用

GitHub Copilot CLIは強力なAI支援ツールである一方、誤った操作や情報漏洩のリスクを防ぐために、安全性と責任を重視した設計がなされています。
本章では、Copilot CLIを利用する上でのセキュリティ方針、確認フロー、リスク、そしてエンタープライズでの運用管理のポイントについて詳しく解説します。


1. 自動実行の禁止とユーザー確認プロセス

Copilot CLI最大の特徴は、「AIが提案したコマンドや編集を自動で実行しない」という設計思想です。
具体的には以下の2点でユーザー確認を要求します。

コマンド実行時の確認

gh copilot suggest によって提案されたコマンドを実行しようとすると、以下のようなプロンプトが表示されます。

Do you want to run this command? [Y/n]
  • 明示的に Y と入力しない限り、AIによる提案は実行されません。
  • 編集ファイルに対しても同様に「この変更を保存してよいか」が確認されます。

これにより、不注意な操作・セキュリティ事故を未然に防止できます。


2. 編集ファイルのプレビューと保存確認

Copilot CLIでは、ファイルを新規作成・変更する際にも、必ずプレビューが提示されます。

ファイル編集の流れ:

  1. 自然言語で指示(例:「Dockerfileを生成して」)
  2. Copilotがファイル内容を提案
  3. 差分(diff)や中身を確認可能
  4. Save changes? の確認が表示される
  5. ユーザーが明示的に承認して初めてファイルが書き換えられる

このように、「生成」ではなく「提案」として扱われるのがCopilot CLIの特徴です。
AIに全面的に任せるのではなく、開発者が責任を持って承認するフローが設計されています。


3. コマンド提案のリスク:破壊的操作や誤解を招く表現

Copilotは自然言語からコマンドを生成するため、以下のようなリスクがあります。

● 破壊的なコマンド

たとえば以下のような操作が誤って提案されることがあります。

rm -rf /

Copilotはこうしたコマンドに対して、「危険な操作です」と明確な警告を提示するよう設計されていますが、最終判断はユーザーの責任となるため、常に確認を怠らない姿勢が必要です。

● 意図しない解釈

ユーザーがあいまいな指示を出した場合、Copilotが意図と異なる方向のコマンドを提示することがあります。

例:

  • 「ログを削除したい」→ 一部のログファイルだけ削除すべき場面で、ディレクトリごと削除される提案がされる可能性

これらを防ぐには、指示を明確かつ具体的にすること、そして提案を鵜呑みにせず確認することが重要です。


4. 機密情報や権限制限ファイルの扱い

Copilot CLIは、実行されたターミナルの現在ディレクトリとその配下のファイルにのみアクセスします。

  • .env.ssh フォルダなど、機密情報が含まれるファイルにアクセスしようとする操作は警告される
  • ファイルの読み取りや書き換えには、ユーザーの承認が必要
  • エンタープライズ環境では、特定フォルダをあらかじめ除外することも可能

この設計により、意図せぬファイル漏洩や書き換えのリスクを極小化することができます。


5. 利用状況の監視とエンタープライズ管理機能

GitHub Enterprise CloudでCopilot CLIを利用する場合、管理者によるコントロール機能が用意されています。

管理者ができること:

  • ユーザー単位での利用権限のON/OFF
  • 利用ログの取得(誰がいつ、どのリポジトリで使用したか)
  • コマンド実行履歴の記録(オプション)
  • 管理ポリシーに応じたCLI機能の制限(例:外部API実行禁止)

これにより、Copilot CLIをセキュリティポリシーに準拠した形で導入可能となります。


6. GitHubの「責任ある利用」方針

GitHubは公式に、Copilot CLIの利用者に対して「Responsible AI Use(責任あるAI活用)」を求めています。

代表的なガイドライン:

  • AIの出力は参考であり、常に人間の確認が必要
  • コードやコマンドが安全・適切であるかは自己判断すること
  • 機密情報、個人情報を含むファイルには慎重になること
  • 組織利用時は適切な運用ルールを設けること

このポリシーに準拠することで、Copilot CLIを安全に、かつ継続的に業務へ導入することが可能になります。

出典:
Responsible use of GitHub Copilot in the CLI

補足:GitHub Copilot CLIとClaude Codeの違い

GitHub Copilot CLIと**Claude Code(Claudeによるコード支援)**は、いずれもAIを活用した開発支援機能ですが、それぞれの特徴と適した用途には明確な違いがあります。

以下の比較表をもとに、両者の違いを整理します。

観点 GitHub Copilot CLI Claude Code(Claude 3など)
主な用途 コマンドライン操作の補助、ターミナルでの実行作業支援 自然言語からのコード生成、設計レビュー、ドキュメント化
操作対象 ghコマンドを通じたシェル・CLI操作やファイル編集 コードのアイデア生成、改善提案、自然文からのスクリプト生成
インターフェース ターミナル(CLI) ブラウザベースのチャットUI(Claude.aiやAPI)
出力の形式 実行可能なCLIコマンド、ファイル編集内容、実行プレビュー Markdownやコードブロックでの説明付きコード
実行環境との統合 GitHub CLIと統合。CLIから直接リポジトリ操作可能 実行環境と非連携(別途エディタやIDEに貼り付ける必要あり)
エージェント的機能 gh agent-taskによる自動タスク管理や実行支援 Claude 3 Opusでは推論・指示の連続処理は可能だが手動操作が前提
企業向け統合 GitHub Enterprise Cloudと密接に統合可能 Anthropic APIを通じて独自統合は可能だが、GitHubとは非統合
セキュリティ/実行制御 明示的なユーザー承認を必須とした安全なCLI設計 Claude自身がファイルにアクセス・操作することはない
適している作業 シェル操作、Git連携、CI/CD支援、リポジトリ管理 新規アルゴリズム作成、難解コードの説明、コードリファクタリング

関連記事:Claude Codeとは?主な特徴や使い方、料金体系を徹底解説【活用例付き】

実際の違いを活かした使い分け例

シナリオ 適したAI
Dockerfile の中身をCLIから自動生成したい Copilot CLI(ターミナルから即時編集可能)
Webアプリの新しいAPIエンドポイントの実装アイデアを自然言語から得たい Claude Code(豊富な文脈からコードを提案)
GitHub上のPRをレビューしてコメントを生成したい Copilot CLI(agent-task)
非常に長いコードに対する意味解釈や改善提案が欲しい Claude Code(最大200K以上の長文を一括処理可能)

総評:どちらを使うべきか?

  • Copilot CLIは、「実際のプロジェクト環境に直接アクセスし、実行可能な支援を提供するAI」です。CLIユーザーやGitHubワークフローに組み込まれた運用に最適です。
  • Claude Codeは、「対話ベースでの深いコード理解・提案・設計補助に強いAI」です。思考補助や構造設計のブレストに適しています。

**Copilot CLIは“現場で手を動かすためのAI”、Claude Codeは“考えるためのAI”**と位置づけると、使い分けが明確になります。

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まとめ:GitHub Copilot CLIの意義と活用の展望

GitHub Copilot CLIは、コマンドラインにおける開発作業を根本から変える可能性を持つAIアシスタント機能です。

自然言語による指示から、適切なコマンドの提案、意味の解説、ファイル編集、さらにはエージェントによる複数ステップのタスク実行までを支援します。IDEに依存しない形でCopilotの機能を活用できることで、スクリプト操作・設定変更・リポジトリ管理などの作業がより直感的かつ効率的に行えるようになります。

とくに以下の点で、Copilot CLIは開発者やチームに実用的な価値をもたらします:

  • コマンド操作の効率化:覚えづらいコマンドや複雑なフラグの入力を自然言語で代替
  • 作業の正確性向上:誤操作を防ぐ確認プロセス、セキュリティ配慮されたファイル制御
  • エージェントとの連携による作業自動化:コード生成、テスト作成、レビューなど複数工程を統合
  • 責任あるAI利用の設計:ユーザー承認を前提とした実行設計、ポリシー管理機能の充実

現時点ではパブリックプレビュー段階ですが、GitHubの「Copilot Agents」構想の中核を担う要素として、今後の機能拡張や統合的開発環境(Copilot Workspaceなど)との連携も見込まれます。

今後はCLIツールにとってのCopilot CLIが、IDEにおけるCopilotと同様に“開発の当たり前”になる可能性もあります。
「CLIでの開発が、より会話的で柔軟になる」――その変化の起点が、GitHub Copilot CLIです。

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