AI総合研究所

SHARE

X(twiiter)にポストFacebookに投稿はてなブックマークに登録URLをコピー

GitHub Copilot のプレミアムリクエストとは?料金・消費の仕組みを徹底解説!

この記事のポイント

  • GitHub Copilotのプレミアムリクエストは、高度なAI機能や特定モデル利用時の特別な利用枠
  • プラン毎に月間上限が設定され、有料プランではBase Model(GPT-4.1)利用時は消費されない
  • Gemini 2.5 proやClaude 3.7 Sonnetなど高性能モデルほど、1リクエストあたりの消費量が多い
  • 上限超過後もBase Modelは利用可能で、有料プランでは追加購入も可能
  • 使用状況の確認とタスクに応じたモデル選択で、プレミアムリクエストを最適化
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


GitHub Copilotを使いこなす上で、「プレミアムリクエスト」という言葉は避けて通れません。「一体何に使われるの?」「料金はどうなるの?」といった疑問は、Copilotをより効果的に活用したい開発者にとって重要なポイントです。
このプレミアムリクエストの仕組みを正しく理解しないままでは、意図せず上限に達してしまったり、コスト管理が難しくなったりする可能性があります。

本記事では、このGitHub Copilotの「プレミアムリクエスト」について、その基本から料金体系、消費ルール、さらには節約術まで、徹底的に解説します。

プレミアムリクエストを消費する機能、主要AIモデルごとの消費量、プランによる上限の違い、上限超過時の対応方法、そして使用状況の確認方法などを網羅的にご紹介します。

GitHub Copilotの「プレミアムリクエスト」とは

GitHub Copilotの料金体系を理解する上で重要な「プレミアムリクエスト」の基本的な概念、なぜ必要なのか、どのような機能で消費されるのかを解説します。

GitHub Copilotを利用する上で耳にする「プレミアムリクエスト」。まずはこの基本的な部分から見ていきましょう。

「リクエスト」と「プレミアムリクエスト」の違い

GitHub Copilotにおける「リクエスト」とは、ユーザーがCopilotに対してコード生成の指示を出したり、チャットで質問をしたり、あるいは拡張機能を通じて何らかの支援を求めたりする、個々のインタラクション(やり取り)のことです。
プロンプトを送信するたび、またはCopilotからの応答をトリガーするたびに、1リクエストとしてカウントされます。

一方、「プレミアムリクエスト」は、これらのリクエストの中でも、特に高度な処理能力を必要とするAIモデルの利用や、特定の「プレミアム機能」を利用する際に消費される、プランごとに割り当てられた特別な利用枠のようなものです。

通常のコード補完など基本的な機能は各プランの基本料金内で利用できることが多いですが、より高度なAIの支援を受けるためには、このプレミアムリクエストが必要になります。

プレミアムリクエストを消費する機能

主に以下のCopilot機能でプレミアムリクエストが使用されます。

  • Copilot Chat: より高度なAIモデルを選択して対話を行う場合。
  • Copilot agent モード: エージェントモードで特定のAIモデルを利用してタスクを実行させる場合。
  • Copilot のコードレビュー: AIによるコードレビュー支援機能を利用する場合。
  • Copilot Extensions: 特定の拡張機能が高度なAIモデルの処理を必要とする場合。


これらの機能を利用する際でも、使用するAIモデルの種類によってプレミアムリクエストを消費する場合としない場合があります。詳細は後述します。


GitHub Copilotのプランとプレミアムリクエスト上限

契約しているGitHub Copilotのプランによって、毎月利用できるプレミアムリクエストの上限が異なります。
各プランの料金と上限を確認し、自分に合ったプランを選びましょう。

GitHub Copilotには、個人の開発者から大規模な組織まで対応する複数のプランが用意されており、プランごとに料金と、毎月利用できるプレミアムリクエストの上限数が設定されています。

各プランの料金と月間プレミアムリクエスト上限一覧

以下は、GitHub Copilotの主要なプランの料金(米ドル目安)と、各プランで1ヶ月あたりに利用可能なプレミアムリクエストの上限数です。

プラン名 月額料金 (米ドル) 年額料金 (米ドル) 月間プレミアムリクエスト上限 主な対象ユーザー像
Copilot Free 無料 - 50 個人開発者(機能・利用量制限あり)
Copilot Pro $10 $100 300 個人開発者、プロフェッショナル
Copilot Pro+ $39 $390 1,500 より高度な機能を求める個人
Copilot Business ユーザーあたり $19 - ユーザーあたり 300 企業・組織
Copilot Enterprise ユーザーあたり $39 - ユーザーあたり 1,000 大規模企業・組織

※2025年5月時点の情報

プラン選択時の考慮点:プレミアムリクエストの観点から

プランを選択する際には、月額料金だけでなく、自分がどれくらいプレミアムリクエストを消費しそうかを考慮することが重要です。

エージェントモードで高性能なAIモデルを頻繁に利用したい場合や、Copilot Chatで高度な対話を多く行う場合は、プレミアムリクエスト上限の多いプラン(Pro+やEnterpriseなど)を検討すると良いでしょう。

まずはFreeプランやProプランで試してみて、利用状況に応じてアップグレードを検討するのも一つの方法です。


GitHub Copilot のプレミアムリクエスト消費ルール

GitHub Copilotのプレミアムリクエスト消費量は、主に利用するAIモデルによって決まります。
特に「Base Model」の扱いと、主要AIモデルごとの消費目安について解説します。

プレミアムリクエストがどのように消費されるのか、そのルールを詳しく見ていきましょう。最も重要なのは、利用するAIモデルの種類です。

Base Modelの場合

GitHub Copilotでは、基本的な機能を提供するための「Base model(現在はGPT-4.1)」が用意されています。このBase modelの利用に関しては、プランによってプレミアムリクエストの扱いが異なります。

  • 有料プラン(Pro, Pro+, Business, Enterprise)の場合:
    エージェントモードやCopilot Chatなどで「Base model」を利用する限りにおいては、プレミアムリクエストは消費されません(消費量0)
    つまり、月間のプレミアムリクエスト上限を気にすることなく、基本的なAI支援機能を利用できます。

  • 無料プラン(Copilot Free)の場合:
    「Base model」を利用する場合でも、1リクエストあたり1プレミアムリクエストが消費されます。月間50リクエストの上限があるため、利用回数には注意が必要です。

プレミアムモデルの場合

「Base model」以外の、より高性能で高度な処理が可能なAIモデル(プレミアムモデル)を利用する場合、有料プランであってもプレミアムリクエストが消費されます。

各モデルには、その複雑さやリソース使用量に基づいて、1リクエストあたりに消費されるプレミアムリクエスト数が設定されています(これはGitHubのドキュメントで「Model multiplier」として言及されている数値に相当します)。

以下は、主要なAIモデルと、それぞれを1回利用した際に消費されるプレミアムリクエスト数の目安です(2025年5月時点の公式情報を元に作成)。

モデル名 1リクエストあたりの消費プレミアムリクエスト数
Base model (現在 GPT-4.1) 0 (有料ユーザー), 1 (Copilot Free)
GPT-4o 1
Claude 3.5 Sonnet 1
Claude 3.7 Sonnet 1
Claude 3.7 Sonnet Thinking 1.25
Gemini 2.0 Flash 0.25
Gemini 2.5 Pro 1
o1 10
o3-mini 0.33
o4-mini 不明

【注意点】

  • 上記のモデルラインナップや消費量は、GitHubの方針により変更される可能性があります。必ずGitHub Copilotの公式サイトで最新情報をご確認ください。
  • **o4-mini (Preview) については、公式ドキュメントに消費量の記載がありません。正確な消費量は不明ですので、利用時にはご注意ください。

具体的な消費例

実際の利用シーンを想定し、プランとAIモデルの組み合わせによって、どのようにGitHub Copilotのプレミアムリクエストが消費されるかの具体例を示します。

これまで説明してきたルールに基づいて、具体的な利用シーンでどれくらいプレミアムリクエストが消費されるかを見てみましょう。

#### 有料プラン

  • シナリオ1: Copilot Proプランで「Base model」を使い、Copilot Agent Modeで50回指示を出した場合
    • 消費プレミアムリクエスト: 0 (有料プランのBase model利用は消費なし)

  • シナリオ2: Copilot Businessプランで「GPT-4o」を使い、Copilot Chatで200回対話を行った場合
    • 消費プレミアムリクエスト: 1 (GPT-4oの消費量) × 200回 = 200

  • シナリオ3: Copilot Pro+プランで「Claude 3.7 Sonnet Thinking」を使い、コードレビューを10箇所依頼した場合
    • 消費プレミアムリクエスト: 1.25 (Claude 3.7 Sonnet Thinkingの消費量) × 10箇所 = 12.5(小数点以下の扱いは要確認ですが、少なくとも12または13消費)

#### 無料プラン

  • シナリオ4: Copilot Freeプランで「Base model」を使い、Copilot Agent Modeで30回指示を出した場合
    • 消費プレミアムリクエスト: 1 (FreeプランのBase model消費量) × 30回 = 30
    • 月間上限50のうち、残り20となります。

  • シナリオ5: Copilot Freeプランで「GPT-4o」を使い、Copilot Chatで10回対話を行った場合
    • 消費プレミアムリクエスト: 1 (GPT-4oの消費量) × 10回 = 10
    • 月間上限50のうち、残り40となります(Base modelと合算して上限を超えないように注意が必要です)。

GitHub Copilotのプレミアムリクエスト上限超過時の対応

プレミアムリクエストの上限を使い切った場合でも、有料プランのユーザーであれば、「Base model」を利用した基本的なCopilot機能(コード補完、エージェントリクエスト、チャット対話など)は引き続き無制限に利用できます。

Copilot Freeプランの場合は、チャットやプレミアムリクエストの上限(月50件)に達すると、その月の残りの期間はそれらの機能が利用できなくなります(コード補完は月2,000件の上限別途あり)。

プレミアムリクエストの追加購入

有料プランを利用しているユーザーは、月間のプレミアムリクエスト上限を超過した場合でも、追加でプレミアムリクエストを購入することで、引き続き高度なAIモデルやプレミアム機能を利用できます。

  • 追加購入の料金と条件:
    プランに含まれる量を超える追加のプレミアムリクエストには、1リクエストあたり$0.04 USD(2025年5月時点)が課金されます。

  • 追加購入の利用設定:
    追加のプレミアムリクエストを利用するには、多くの場合、事前にGitHubのアカウント設定で追加購入を有効にし、必要に応じて月間の予算上限を設定する必要があります。
    予算を設定していない場合、プランの許容量を超えるプレミアムリクエストは拒否されることがあります。詳細はGitHubの「過剰支出を防止する(Preventing overspending)」に関するドキュメント等をご確認ください。

プレミアムリクエストの追加購入ができないケース

以下のユーザーは、プレミアムリクエストの追加購入オプションを利用できません。

  • **Copilot Free のユーザー:**有料プランへのアップグレードが必要です。

  • GitHub Mobile (iOSまたはAndroid) を介してCopilot ProまたはCopilot Pro+にサブスクライブしている(または過去にしていた)ユーザー。

GitHub Copilotのプレミアムリクエスト使用状況の確認

自身のGitHub Copilotプレミアムリクエスト使用状況を把握し、効率的に活用するための方法を紹介します。

自分がどれくらいプレミアムリクエストを使っているのかを知り、無駄なく活用することは非常に重要です。

プレミアムリクエスト使用状況の確認手順

GitHubのアカウント設定から、当月のプレミアムリクエストの消費状況や、追加購入したリクエストのコストなどを確認できます。

  1. GitHubで、任意のページの右上隅にある自分のプロフィール写真をクリックします。
  2. [設定 (Settings)] をクリックします。
  3. サイドバーの [Access] セクションで、[課金とプラン (Billing & Licensing)] (または類似の項目名) をクリックします。
  4. [Copilot] タブの [製品ごとの使用状況 (Usage by product)] (または類似の項目名) で、当月使用した追加のプレミアムリクエストの合計コストなどを確認できます。[詳細の表示 (View details)] をクリックすると、より詳しい内訳が表示される場合があります。

上記手順は変更される可能性があるため、最新の確認方法はGitHubの公式ドキュメントをご参照ください。

プレミアムリクエスト最適化のヒント

プレミアムリクエストを賢く使うために、以下の点を意識してみましょう。

  • タスクに適したモデルを選ぶ:
    全てのタスクに最高性能のモデルが必要なわけではありません。簡単なタスクにはBase modelを、複雑な処理や高い精度が求められる場合にのみ高性能モデルを選択するなど、戦略的に使い分けましょう。

  • 不要な大規模プロンプトの再試行を避ける:
    同じ長文のプロンプトや複雑な指示を何度も送信すると、その都度プレミアムリクエストが消費される可能性があります。期待した結果が得られない場合は、プロンプトを言い換えたり、簡略化したりしてみましょう。

  • 定期的な使用状況の監視:
    定期的に使用状況を確認し、月の残りの期間で利用できる量を把握することで、計画的な利用が可能になります。

  • 必要に応じたプランのアップグレード:
    継続的に月間上限に達してしまう場合は、より多くのプレミアムリクエストが含まれる上位プランへのアップグレードを検討しましょう。

  • 予算の設定:
    有料プランで追加購入を利用する場合は、意図しない高額請求を防ぐために、アカウント設定で予算上限を設定しておくことをお勧めします。

GitHub Copilot プレミアムリクエスト関連情報

GitHub Copilotのプレミアムリクエストに関連するレート制限と、請求開始日に関する補足情報です。

最後に、プレミアムリクエストに関連して知っておきたいレート制限と請求開始日について触れておきます。

レート制限について

GitHub Copilotの一部のリクエストには、短時間に大量のリクエストが行われた場合などに、一時的に利用を制限する「レート制限」が適用されることがあります。

これは、サービスの安定性を保ち、全てのユーザーに公平な利用機会を提供するためです。特に需要が高い期間や、Base modelへのリクエストが多い場合に発生する可能性があります。
レート制限がかかると、一定期間リクエスト数が制限されます。

プレミアムリクエストの請求開始日について

プレミアムリクエストの消費に対する課金(プラン上限超過分や有料機能利用分)は、全てのプランにおいて2025年6月4日から開始されるとアナウンスされています(2025年5月時点の情報)。

正確な請求開始日や条件については、必ずGitHubからの公式な通知や利用規約をご確認ください。


まとめ

GitHub Copilotの「プレミアムリクエスト」は、一見複雑に感じるかもしれませんが、その仕組みを理解することで、より賢く、そしてコスト効率良くこの強力なAIペアプログラマーを活用することができます。

重要なポイントは以下の通りです。

  • プレミアムリクエストは、高度な機能や高性能AIモデルを利用するための「利用枠」。
  • 契約プランによって、毎月利用できる上限が決まっている。
  • 有料プランでは「Base model」の利用はプレミアムリクエストを消費しないが、無料プランでは消費する。
  • 高性能なAIモデルほど、1回のリクエストで多くのプレミアムリクエストを消費する。
  • 上限を超えても、有料プランなら追加購入が可能(ただし予算管理が重要)。
  • 使用状況を把握し、タスクに応じてモデルを使い分けることが最適化の鍵。

この記事を参考に、ご自身の開発スタイルやプロジェクトのニーズに合わせてGitHub Copilotのプランを選択し、プレミアムリクエストを上手にコントロールしながら、AIによる開発効率化の恩恵を最大限に活用してみてください。

AI総合研究所では企業のAI活用をサポートしています。お気軽にご相談ください。

AI活用のノウハウ集「AI総合研究所」サービスご紹介資料

「AI総合研究所 サービス紹介資料」は、AI導入のノウハウがないというお客様にも使いやすい最先端のAI導入ノウハウを知れる資料です。

資料ダウンロード
AI総合研究所サービス紹介資料
監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

関連記事

AI導入の最初の窓口。

お悩み・課題に合わせて活用方法をご案内いたします。
お気軽にお問合せください。

AI総合研究所 Bottom banner

ご相談
お問い合わせは
こちら!