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AI搭載CADソフトとは?料金や機能、選び方を徹底比較

この記事のポイント

  • AutoCAD 2026・BricsCAD V26・ARES Commander 2026の2D CAD AI機能と、SOLIDWORKS 2026・Solid Edge 2026・Autodesk Fusionの3D CAD AI機能の横断比較
  • 機能カテゴリ別(ブロック自動化・操作提案・修正認識・図面自動生成・形状最適化)の2D/3D比較表
  • 6製品のAI機能が使える最低プランでの料金比較(年額46,200円〜1,035,000円超)
  • 住友林業のCAD入力97%削減、AutoCADスマートブロックによる作業時間63%短縮などの定量効果
  • 既存CADのAI機能有効化→反復作業の自動化→全社展開という3ステップの段階的導入アプローチ
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


AutoCAD、SOLIDWORKS、BricsCADといった主要CADソフトに、AIによる設計支援・作業自動化・品質チェック機能が相次いで搭載されています。
2026年時点では、上位版でなくてもAI機能が使えるAutoCAD 2026、3つのAIバーチャルコンパニオンを導入したSOLIDWORKS 2026、AIで図面ビューの70〜80%を自動生成するDesigncenter Solid Edge 2026など、各社の進化が加速しています。  

本記事では、2D CAD 3製品と3D CAD 3製品のAI機能を横断比較し、「どの製品のAI機能が自社の業務に合うか」を判断するための比較表、料金比較、導入事例、段階的な導入ステップを体系的に解説します。

CADソフトのAI機能とは?設計業務を変える3つの役割

CADソフトのAI機能とは、AutoCADやSOLIDWORKSといった設計ソフトウェアに組み込まれたAI技術の総称です。特定の製品名やサービス名ではなく、各メーカーが独自に搭載しているAI機能を広く指す言葉として使われています。
 
CADソフトのAI機能とは?設計業務を変える3つの役割

2026年時点のCADソフトのAI機能は、大きく3つの役割を担っています。以下の表で全体像を整理しました。

役割 内容 代表的な機能
設計支援 設計者の操作を学習し、次のコマンドや配置を提案 AI Predict(BricsCAD)、Design Copilot(Solid Edge)
作業自動化 反復的な作図・変換作業をAIが自動実行 スマートブロック(AutoCAD)、Blockify(BricsCAD)
品質チェック エラーの自動検出、手書き修正の認識 マークアップアシスト(AutoCAD)、What's Wrong(SOLIDWORKS)


従来のCADソフトにも自動化機能は存在していましたが、それらはルールやテンプレートを人が事前に設定する必要がありました。AI機能の特徴は、設計者の操作パターンや図面の構造をAIが自ら学習し、設定なしで提案・実行できる点にあります。

たとえばAutoCAD 2026のスマートブロック機能では、図面内の同一形状をAIが自動検出し、ワンクリックでブロックに変換できます。従来は設計者が手動で1つずつ選択・変換していた作業が、AIの形状認識によって大幅に効率化されます。

なお、CADソフトのAI機能は「CADソフト内に組み込まれた設計支援AI」です。図面の検図・OCR読み取り・類似図面検索といった図面管理領域のAI活用については、AIで図面の作成・検図・読み取りを自動化!最新活用法を解説で体系的に解説しています。


【横断比較】2D CADと3D CADのAI機能の違い

このセクションでは、2026年時点で主要な6製品のAI機能を、2D CADと3D CADに分けて横断比較します。

【横断比較】2D CADと3D CADのAI機能の違い

比較対象として選定した6製品は、以下の軸で分類しています。

  • 2D CAD(作図・修正効率化)
    AutoCAD 2026、BricsCAD V26、ARES Commander 2026の3製品。いずれもDWG互換の2D作図を中心としたCADソフトで、AI機能は作図の反復作業削減とコマンド提案に強みがある

  • 3D CAD(設計支援・自動化)
    SOLIDWORKS 2026、Designcenter Solid Edge 2026、Autodesk Fusionの3製品。3Dモデリングを基盤とし、AI機能は設計支援・図面自動生成・形状最適化にまで範囲が広がっている


この分類は「AI機能の方向性」に基づいています。BricsCADはPro以上で3D機能も備えていますが、AI機能の主力は2D作図の効率化にあるため、2D CADに分類しました。

2D CADのAI機能比較

以下の表で、2D CAD 3製品のAI機能を機能カテゴリ別に比較しました。

2D CADのAI機能比較

機能カテゴリ AutoCAD 2026 BricsCAD V26 ARES Commander 2026
ブロック自動化 スマートブロック(配置候補・検出変換・検索置換の3機能) Blockify(同一形状の一括ブロック化。パラメトリック対応) --
操作提案 マクロアドバイザ(操作パターンからマクロを自動生成) AI Predict(次に使うコマンドをリボン・メニューに表示) A3(操作方法をステップバイステップで案内)
修正認識 マークアップアシスト(PDF/画像上の手書き修正をMOVE・COPY・DELETE等で自動反映) -- --
図面最適化 アクティビティインサイト(変更履歴の追跡と分析) Optimize(ズレ修正・隙間接続・長さの丸め) / Simplify(不要頂点の削除) --
AIアシスタント Autodesk Assistant(操作Q&A・ベストプラクティスの案内) -- A3(OpenAI共同開発。業界知識・単位変換・容積計算・多言語翻訳)


2D CADで最もAI機能が充実しているのはAutoCAD 2026です。スマートブロックの3機能(配置候補・検出変換・検索置換)とマークアップアシストを組み合わせることで、作図から修正反映までの一連の作業を効率化できます。Autodesk公式によると、スマートブロック機能により作業時間が平均63%短縮されたと報告されています。

BricsCAD V26はBlockifyとOptimize/Simplifyで図面の整理・軽量化に強みがあり、AI Predictによるコマンド予測も実用的です。ARES Commander 2026はOpenAIと共同開発されたA3が特徴で、操作案内だけでなく業界知識の提供や計算支援にも対応しています。

出典:AutoCAD 2026の新機能BricsCAD V26の新機能ARES A3の機能紹介

3D CADのAI機能比較

3D CADのAI機能は、設計支援・図面自動生成・構造分析にまで範囲が広がっています。

3D CADのAI機能比較

機能カテゴリ SOLIDWORKS 2026 Designcenter Solid Edge 2026 Autodesk Fusion
AIアシスタント AURA(公式ドキュメント基づくQ&A) / LEO(設計・トラブルシューティング支援) / MARIE(材料科学の知見提供) Design Copilot(自然言語で文脈対応の設計支援) Autodesk Assistant(操作案内・ベストプラクティス)
図面自動生成 LEO(部品・アセンブリから図面を自動生成。寸法・注記・BOMを自動配置) Automatic Drawings(70〜80%完成の2D図面を自動生成。正投影・断面・アイソメ図に対応) --
組立支援 AIファスナー自動認識(ドラッグ&ドロップで適切位置に自動配置) / Assembly Structure Design Magnetic Snap Assembly(隣接面・エッジから拘束を自動適用。5種類のジオメトリに対応) --
形状最適化 -- -- ジェネレーティブデザイン(制約条件から1日1,000案以上の設計案を自動生成)
エラー検出 What's Wrong(エラーの根本原因をAIが分析し解決策を提示) -- --


3D CADのAI機能で特に差が出るのは図面自動生成の領域です。SOLIDWORKS 2026のLEOは対話形式でテンプレートと仕様を定義し、部品やアセンブリから図面・寸法・注記・BOMを自動生成します。Designcenter Solid Edge 2026のAutomatic Drawingsは、3Dモデルから正投影図・断面図・アイソメ図を含む2D図面を自動作成し、完成度70〜80%の状態で出力します。

形状最適化ではAutodesk Fusionのジェネレーティブデザインが独自の強みを持ち、材料・製造方法・荷重条件などの制約を設定するだけで、AIが最適な形状案を大量に生成します。

出典:SOLIDWORKS AI Virtual CompanionsDesigncenter Solid Edge 2026 AI機能Autodesk Fusion ジェネレーティブデザイン


主要6製品のAI機能を徹底解説【2026年最新】

前セクションの横断比較で全体像を把握したところで、ここからは各製品のAI機能を個別に深掘りします。自社で使っているCADソフトや、導入を検討している製品のセクションを重点的にお読みください。

主要6製品のAI機能を徹底解説

AutoCAD 2026のAI機能

AutoCAD 2026は、2025年9月のアップデートでAI機能を大幅に強化しました。従来はAutoCAD Plus(旧AutoCAD including specialized toolsets)でのみ利用できたAI機能が、標準版のAutoCADでも利用可能になった点が大きな変化です。

主要なAI機能は4つあります。

  • スマートブロック
    3つのサブ機能で構成されている。「配置候補」は既存ブロックから適切な配置位置・角度をAIが自動提案する。「検出変換」は図面内の同一形状をAIが推論して検出し、一括でブロックに変換する。「検索置換」は特定のジオメトリの完全一致を検索して別のブロックに置き換える。Autodesk公式によると、これらの機能により作業時間が平均63%短縮されたと報告されている

  • マークアップアシスト
    PDF上の手書き修正指示をAIが認識し、MOVE・COPY・DELETEなどの操作を自動反映する。Autodesk Docs上のIssuesとも連携し、修正指示の取り込みから反映までを効率化できる

  • マクロアドバイザ
    設計者の操作パターンをAIが分析し、頻繁に繰り返す操作手順からマクロを自動生成する。定型作業をマクロ化することで手作業の繰り返しを削減する

  • アクティビティインサイト
    図面の変更履歴をAIが追跡・分析し、誰がいつどの部分を変更したかを可視化する。チーム作業での変更管理に有効


特に「スマートブロック:検出変換」は、従来の検索置換では対応できなかった「形状が似ているが完全一致ではないオブジェクト」をAIが推論して検出する点が画期的です。図面の標準化作業が大幅に効率化されます。

出典:AutoCAD 2026の新機能AutoCAD AI機能の解説

BricsCAD V26のAI機能

BricsCAD V26(2025年11月リリース)は、AutoCADと高い互換性を持つDWG対応CADソフトです。永久ライセンスを選択できる点と、1つのソフトで2D・3D・BIMまでカバーできる点が特徴で、AI機能はV25から継続強化されています。

  • AI Predict
    設計者の操作パターンを機械学習で分析し、次に使うべきコマンドをリボンやメニューに自動表示する。使い込むほど予測精度が向上する仕組みで、操作の流れを止めずに作業を進められる。処理はローカルで実行されるため、クラウドにデータを送信しない

  • Blockify
    図面内の同一形状をAIが検出し、一括でブロック化する。V26ではパラメトリックブロック(寸法値を変数化したブロック)への変換にも対応し、ワークフローが強化されている

  • Optimize / Simplify
    Optimizeはズレ修正・隙間接続・長さの丸め処理を自動実行する。Simplifyは不要な頂点を削除して図面データを軽量化する。いずれも図面の品質を保ちながらファイルサイズを削減する効果がある


BricsCADのAI機能の特徴は、AI Predictがローカル処理であることです。設計図面に機密情報が含まれる場合でも、クラウドへのデータ送信を気にせずにAI機能を利用できます。

出典:BricsCAD V26の新機能BricsCAD CAD AIソフトウェア

ARES Commander 2026のAI機能

ARES Commander 2026は、Graebert社が提供するDWG互換の2D CADソフトです。最大の特徴は、OpenAIと共同開発されたCAD特化AI「A3」を搭載している点にあります。

A3は単なる操作案内にとどまらず、以下のような幅広い支援を提供します。

  • 操作方法の案内
    コマンドの使い方をステップバイステップで案内する。「異尺度対応寸法の作成方法」「Revitファイルのインポート手順」など、具体的な操作手順を対話形式で確認できる

  • 業界知識の提供
    建築レイヤー名の提案、DIN規格情報、シートメタル技術に関する相談など、CAD操作だけでなく業界固有の知識にも対応する

  • 計算・変換
    単位変換(畳数からメートルへの変換など)や容積計算、タイル枚数の算出といった設計に必要な計算を対話形式で実行できる。多言語翻訳にも対応


A3は無料体験版からでも利用できますが、ライセンスタイプによって1日あたりの会話スレッド数に制限が設けられています。

出典:ARES A3の機能紹介ARES Commander 2026 New Features

SOLIDWORKS 2026のAI機能

SOLIDWORKS 2026では、AURA・LEO・MARIEという3つのAIバーチャルコンパニオンが導入されました。Dassault Systèmesが3DEXPERIENCE World 2026で発表したもので、それぞれ異なる専門領域を担当します。

SOLIDWORKS 2026のAI機能

  • AURA(Assisting You to Realize Your Ambitions)
    知識と洞察の統合を担当する。SOLIDWORKSの公式ドキュメントに基づくQ&A支援を提供し、自社の既存ナレッジの探索・分析やWeb上の情報収集もサポートする。2026年3月時点で利用可能

  • LEO(Leonardo da Vinciにちなむ)
    設計・トラブルシューティング支援を担当する。対話しながらテンプレートと仕様を定義し、部品やアセンブリから図面を自動生成する。寸法・注記・BOM・バルーンの自動配置に加え、バックグラウンド実行にも対応する。ベータ版として提供中で、利用にはクラウド接続(3DEXPERIENCE Platform)が必須

  • MARIE(Marie Curieにちなむ)
    材料科学と設計の関連性を提供する。仮説開発、微生物学、化学、実験分析など科学研究領域の知見を設計に活かす。2026年夏の提供を予定


バーチャルコンパニオン以外にも、SOLIDWORKSには実用的なAI機能が搭載されています。What's Wrong機能はエラーの根本原因をAIが分析し解決策を提示します。AIファスナー自動認識はファスナーをドラッグ&ドロップで適切な位置に自動配置します。

LEOの利用にクラウド接続が必須である点は、オフライン環境で運用する設計現場にとって事前に確認すべき制約です。

出典:SOLIDWORKS AI Virtual Companions3DEXPERIENCE World 2026レポート

Designcenter Solid Edge 2026のAI機能

Siemensの3D CADであるSolid Edgeは、2026年版で「Designcenter Solid Edge」にリブランドされ、AI機能を大幅に強化しました。設計の自動化と図面作成の効率化に焦点を当てた3つのAI機能が特徴です。

  • Automatic Drawings
    3Dモデルから正投影図・断面図・アイソメ図を含む2D図面を自動生成する。テンプレートとシートサイズを選択するだけで、寸法記入まで含めた完成度70〜80%の図面が出力される。手作業による2D図面作成の工数を大幅に削減し、製図ミスの低減にもつながる

  • Magnetic Snap Assembly
    AI技術を活用し、隣接する面やエッジから拘束条件を自動で適用する。平面・円筒面・直線エッジ・円弧エッジ・座標系の5種類のジオメトリに対応し、従来1つずつ手動で設定していた拘束を複数同時に適用できる

  • Design Copilot
    設計環境内で動作する対話型AIアシスタント。自然言語で質問するとユーザーの母国語で回答を返す。Standard・Advanced・Premiumの各ティアで利用可能


Automatic Drawingsの完成度70〜80%という数値は、Siemens公式ブログで公表されています。残り20〜30%は設計者が仕上げる前提ですが、従来ゼロから作成していた2D図面作業の大部分をAIが代行できるのは大きな変化です。

Autodesk FusionのAI機能

Autodesk Fusion(旧Fusion 360)は、3Dモデリング・シミュレーション・CAM・PCB設計を統合したクラウドベースのプラットフォームです。AI機能は、形状最適化と操作支援の2軸で展開されています。

  • ジェネレーティブデザイン
    材料・製造方法・荷重条件・コスト制約などのパラメータを設定すると、AIが設計条件を満たす最適な形状案を大量に生成する。Autodesk公式によると、1日で1,000案以上の設計アイデアを検証できる。従来の人手による試行錯誤では到達しにくい軽量・高強度の形状をAIが提案する

  • Autodesk Assistant
    Fusion内で動作するAIアシスタント。操作方法のQ&AやManufacturing Best Practices(製造のベストプラクティス)を対話形式で提供する。2026年のロードマップでは、自然言語からCADコマンドを実行するText-to-Command機能や、Microsoftとの連携によるPowerPointプレゼンテーション自動生成も計画されている


ジェネレーティブデザインはExtensionプランまたは追加クレジットでの利用となる点に注意が必要です。標準サブスクリプションでは制限付きのアクセスとなります。

出典:Autodesk ジェネレーティブデザインFusion Roadmap 2026


生成AIでCAD図面は作れるか?CAD統合AIとの違い

「ChatGPTやClaudeでCAD図面を作れるのでは?」という疑問を持つ方も多いですが、2026年時点の結論は、生成AI単体での実用的なCAD図面作成は困難です。

生成AIでCAD図面は作れるか?CAD統合AIとの違い

生成AIとCAD統合AIの違いを以下の表で整理しました。

比較項目 生成AI(ChatGPT・Claude等) CAD統合AI(AutoCAD・SOLIDWORKS等)
図面の出力 SVGやPDF形式の簡易出力は可能だが、DXF/DWG等のCAD標準形式への変換に課題あり CAD標準形式(DWG・SLDPRT等)でネイティブに出力
寸法の正確性 指定寸法の正確な反映が困難。物理的に成立しない形状を生成するケースもある CADエンジンが寸法を管理するため正確
製図規格への準拠 非対応 JIS・ISO等の規格に準拠した出力が可能
既存図面の修正 図面ファイルを直接操作できない 図面ファイルを直接編集・修正できる
得意な領域 設計条件の整理、操作方法の相談、テキスト情報の抽出 作図・修正・変換・検証の自動化


実務でのポイントは、生成AIとCAD統合AIを「代替」ではなく「補完」として使い分けることです。生成AIは設計条件の整理や操作方法の相談には有効ですが、実際の図面作成はCADソフト統合AIに任せるのが現実的な選択です。

生成AIによるCAD図面作成の検証結果や、検図・OCR読み取り・類似図面検索といった図面業務全体のAI活用については、AIで図面の作成・検図・読み取りを自動化!最新活用法を解説で詳しく解説しています。

図面・帳票のAI読み取りから業務自動化まで AI Agent Hub

AI Agent Hub

AI-OCRで図面をデータ化し、Teams上で承認・管理を一気通貫

図面や帳票のAI-OCR読み取りから類似図面検索、承認ワークフローまでをAIエージェントが自動実行。Microsoft Teams上で完結し、金融機関レベルのセキュリティで安心導入。


CAD統合AIの活用事例

CADソフトのAI機能がどの程度の効果を生むのか、出典が公開されている事例を紹介します。

CAD統合AIの活用事例

住友林業 -- CAD入力を5時間から約10分に短縮

住友林業は、自社の「ビッグフレーム構法」の構造設計にAIを適用し、柱・梁・基礎等の最適な部材・仕様をAIが自動選定するシステムを独自開発しました。

  • 業界
    住宅メーカー(建築)

  • 導入したソリューション
    独自開発のAI構造設計システム。建物形状と構造部材の位置から、最適な部材・仕様をAIが自動選定

  • 導入後の効果
    CAD入力作業を5時間から約10分に短縮(97%削減)。構造設計のうちCAD入力にかかっていた時間がほぼゼロに近づき、設計者が構造検討そのものに集中できる環境を実現


この事例は、CADソフトの標準AI機能ではなく独自開発のAIですが、CAD業務へのAI適用効果を定量的に示す代表例として参考になります。

出典:住友林業 プレスリリース

AutoCADスマートブロック -- 作業時間を平均63%短縮

Autodesk公式が公表しているAutoCADのAI機能活用データです。

  • 対象機能
    AutoCAD 2026 スマートブロック(配置候補・検出変換・検索置換)

  • 効果
    スマートブロック機能を活用した場合、同一形状の検出・ブロック変換・配置にかかる作業時間が平均63%短縮された。従来はユーザーが手動で図面内の同一形状を1つずつ選択・ブロック化していた作業を、AIが一括で処理することで実現


この数値はAutoCAD Plus機能一覧ページで公表されているAutodesk公式のデータです。実際の削減効果は図面の複雑さや同一形状の数によって異なりますが、反復的なブロック作業が多い設計現場ほど効果が出やすい機能です。

出典:AutoCAD Plus 機能一覧

Designcenter Solid Edge 2026 -- 図面ビューの70〜80%を自動生成

Siemensが公表しているDesigncenter Solid Edge 2026の効果データです。

  • 対象機能
    Automatic Drawings(AI図面自動生成)

  • 効果
    3Dモデルからの2D図面作成で、正投影図・断面図・アイソメ図・寸法記入を含む図面ビューの70〜80%をAIが自動生成。テンプレートとシートサイズを選択するだけで初稿が完成し、設計者は残りの仕上げに集中できる


2D図面作成は3D CADの設計工程の中でも時間がかかる作業の1つです。Automatic Drawingsはこの工程の大部分を自動化することで、設計者がモデリングや検証に時間を振り向けられるようにする狙いがあります。

出典:Designcenter Solid Edge 2026 AI機能

【関連記事】
製造業におけるAIの活用事例30選|メリットや導入ポイントを徹底解説


AI搭載CADソフトの料金比較【2026年3月時点】

AI機能を搭載した主要6製品の料金を比較します。CADソフトはライセンス体系が製品ごとに大きく異なるため、ここではAI機能が利用できる最低プランに絞って比較します。

AI搭載CADソフトの料金比較

AI機能込みの最低利用コスト比較

以下の表は、各製品でAI機能を利用するために必要な最低限のプランと年間コストをまとめたものです。2026年3月時点の税込価格です。

製品 AI機能が使える最低プラン 年額(税込) 月額換算 ライセンス形態
AutoCAD 2026 標準版 71,500円 約5,958円 サブスクのみ
BricsCAD V26 Lite 49,665円 約4,139円 サブスク or 永久
ARES Commander 2026 Trinity付き 46,200円 約3,850円 サブスク or 永久
Autodesk Fusion 標準版 96,800円 約8,067円 サブスクのみ
Designcenter Solid Edge 2026 サブスク 要問合せ(初月$1) -- サブスク
SOLIDWORKS 2026 Standard(永久) 1,035,000円+年間保守255,816円 -- 永久+年間保守


2D CADのAI機能を試すだけであれば、ARES Commander(46,200円/年)が最も導入コストが低い選択肢です。AutoCADは標準版でもAI機能が利用可能になったため、従来のPlus版(231,000円/年)を選ぶ必要がなくなりました。この差額は年間約16万円に相当します。

3D CADではAutodesk Fusion(96,800円/年)が比較的手頃ですが、ジェネレーティブデザインのフル利用にはExtensionプランまたは追加クレジットが必要です。SOLIDWORKSは永久ライセンス+年間保守の形態のため初期コストが高くなりますが、長期利用では年間保守のみの負担になります。

永久ライセンスの選択肢

AutoCAD(2016年以降)とAutodesk Fusionはサブスクリプションのみの提供ですが、BricsCAD・ARES Commanderは永久ライセンスも選択できます。3年以上の利用を見込む場合は、永久ライセンスの方がトータルコストで有利になるケースがあります。

以下はBricsCADとARES Commanderの永久ライセンス価格です。

製品 エディション 永久ライセンス(税込) メンテナンス更新(税込/年)
BricsCAD V26 Lite(2D) 108,851円 25,119円
BricsCAD V26 Pro(2D+3D) 165,165円 38,115円
ARES Commander Trinity付き 145,200円 36,300円


BricsCAD Liteの場合、サブスクリプション3年分(49,665円×3=148,995円)と永久ライセンス(108,851円+25,119円×2=159,089円)がほぼ同等のコストになります。4年目以降はメンテナンス更新のみの負担となるため、長期利用では永久ライセンスが有利です。

出典:AutoCAD価格BricsCAD価格ARES価格Autodesk Fusion価格SOLIDWORKS価格


CADソフトのAI機能を導入するステップと注意点

AI搭載CADは、いきなり全機能を使いこなそうとするよりも段階的に導入する方が定着しやすくなります。3ステップの導入アプローチと、導入時に押さえておくべき注意点を整理します。

CADソフトのAI機能を導入するステップと注意点

段階的な導入アプローチ

Step 1:既存CADソフトのAI機能を有効化する

多くのCADソフトでは、AI機能がデフォルトでオフになっているか、アップデートが必要な場合があります。まずは自社で使っているCADソフトの最新バージョンを確認し、利用可能なAI機能を把握してください。AutoCADであればスマートブロック、BricsCADであればAI Predict、SOLIDWORKSであればAURAが、追加コストなしで使える機能です。

Step 2:反復作業から自動化を始める

設計業務全体をAIに任せるのではなく、まずは「同じブロックを何度も配置する」「修正指示を図面に反映する」といった反復作業からAI機能を試してください。効果が測りやすく、設計者の心理的ハードルも低い領域です。効果検証にはStep 1で確認した機能のうち、日常的に時間がかかっている作業に対応するものから着手するのが効率的です。

Step 3:効果を定量化して全社展開する

パイロットで得られた削減時間・コストを定量化し、全社展開の投資判断材料にします。「スマートブロックでブロック変換にかかる時間が何%減った」「Automatic Drawingsで2D図面作成が何時間短縮された」といった具体的な数値を、導入前後の比較で示すことが社内稟議を通すポイントです。

導入時の注意点

  • クラウド接続の要件
    SOLIDWORKS 2026のLEO(AI図面自動生成)やDesigncenter Solid Edge 2026のDesign Copilotはクラウド接続が必須。オフライン環境で運用する場合は、対象機能を事前に確認すること。BricsCADのAI Predictはローカル処理のため、クラウド接続は不要

  • セキュリティ
    設計図面には製品の機密情報が含まれる。クラウド型のAI機能を使う場合は、データの保管場所・暗号化・アクセス制御を確認すること。機密性が特に高い図面を扱う場合は、ローカル処理に対応したBricsCADのAI Predictのようなアプローチが適している

  • 学習コスト
    CADソフトのAI機能は直感的に使えるものが多いが、ARES A3のようなチャット型AIアシスタントは指示の出し方(プロンプト)次第で効果が大きく変わる。チーム導入時は、効果的な使い方の事例を社内で共有しておくと立ち上がりが早い

図面・帳票のAI読み取りから業務自動化まで AI Agent Hub

AI Agent Hub

AI-OCRで図面をデータ化し、Teams上で承認・管理を一気通貫

図面や帳票のAI-OCR読み取りから類似図面検索、承認ワークフローまでをAIエージェントが自動実行。Microsoft Teams上で完結し、金融機関レベルのセキュリティで安心導入。


まとめ

CADソフトのAI機能は、設計支援・作業自動化・品質チェックの3領域で急速に実用化が進んでいます。

  • 2D CADではAutoCAD 2026のスマートブロック(作業時間63%短縮)、BricsCAD V26のAI Predict(ローカル処理で機密性確保)、ARES Commander 2026のA3(OpenAI共同開発のCAD特化AI)が代表的な機能

  • 3D CADではSOLIDWORKS 2026のAURA/LEO/MARIE(3つのAIバーチャルコンパニオン)、Designcenter Solid Edge 2026のAutomatic Drawings(図面70〜80%自動生成)、Autodesk Fusionのジェネレーティブデザイン(1日1,000案以上の形状最適化)がそれぞれの強み

  • 料金面では、2D CAD AI機能の導入は年額46,200円(ARES Commander)から始められる。AutoCADは標準版でもAI機能が開放され、従来のPlus版との年間約16万円の差額が解消

  • 導入は段階的に進めるのが定着の近道。まず既存CADのAI機能を有効化し、反復作業の自動化から効果を検証した上で、全社展開を判断する


CADソフトで作成した図面のその後の管理・検索・承認フローまでを含めた図面業務全体のAI活用については、AIで図面の作成・検図・読み取りを自動化!最新活用法を解説もあわせてご覧ください。

AI総合研究所では最新AIの企業導入、開発、研修を支援しています。AI導入の企業の担当者様はお気軽にご相談ください。

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監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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