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Azureの予約とは?対象サービス・Savings Plan比較・最大72%割引まで2026年版で解説

この記事のポイント

  • Azure予約は1年または3年のコミットメントで従量課金比最大72%のコスト削減を実現するサービスです
  • 仮想マシン、SQL Database、Cosmos DB、Blob Storage、App Serviceなど幅広いサービスが対象です
  • Savings Planはリージョン・VMファミリーの柔軟性が高く、Reservationは特定リソースの割引率が高い点で使い分けます
  • Azure Hybrid Benefitと併用することで最大85%のコスト削減が可能です
  • 予約の月払いオプション(追加料金なし)と自動更新機能により、柔軟な支払いと継続的なコスト削減を実現できます
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

クラウドコンピューティングのコスト管理において、Azureの予約機能(Azure Reservations)は最大72%のコスト削減を実現する強力な手段です。
1年または3年のコミットメントにより、仮想マシン、データベース、ストレージなどの主要サービスで大幅な割引が適用されます。

本記事では、Azure予約の概念から対象サービス、Savings Planとの違い、交換・キャンセルポリシー、Azure Hybrid Benefitとの併用効果、料金シミュレーションまで、2026年最新情報で詳しく解説します。

Azureの基本知識や料金体系についてはMicrosoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説で解説しています。

Azureの予約とは(2026年最新)

Azureの予約(Azure Reservations)は、Azureサービスのリソース使用を1年または3年で事前にコミットすることで、従量課金(Pay-as-you-go)と比較して最大72%のコスト削減を実現するサービスです(出典: What are Azure Reservations | Microsoft Learn)。

予約を購入すると、該当するリソースに対して自動的に割引が適用されます。支払い方法は一括前払いと月払いの2つから選択でき、月払いを選んでも追加料金は発生しません。また、予約の自動更新オプションを有効にすることで、予約期間の終了後も継続的にコスト削減を維持できます。

Azureの予約
Azureの予約

企業のクラウド支出が年々拡大する中、従量課金のまま運用を続けると予算の見通しが立てにくく、月ごとのコスト変動が財務計画の精度を下げる要因となります。特に本番環境で24時間稼働するVMやデータベースは、使用量がほぼ一定であるにもかかわらず、従量課金では割高な料金が発生し続けます。予約を活用すれば、こうした安定稼働リソースのコストを大幅に削減し、予算の予測精度を向上させることができます。

Savings PlanとReservationの違い

2026年3月時点で、Azureには「予約(Reservation)」と「Savings Plan」の2つのコミットメント割引オプションがあります。両者の違いを理解して適切に使い分けることが重要です(出典: Decide between savings plan and reservation | Microsoft Learn)。


項目 Reservation(予約) Savings Plan
コミットメント対象 特定のリソースタイプ・リージョン・サイズ 固定の時間あたり支出額(例: 10ドル/時間)
割引率 高い(特定リソースに最適化) やや低い(柔軟性との引き換え)
リージョン柔軟性 なし(購入時に指定) あり(全リージョン対象)
VMファミリー柔軟性 インスタンスサイズのみ柔軟 全VMファミリー・サイズ対象
対象サービス VM、SQL DB、Cosmos DB、Storage等 VM、Dedicated Hosts、Container Instances、Functions Premium、App Service
期間 1年または3年 1年または3年
支払い方法 一括前払いまたは月払い 一括前払いまたは月払い


使い分けの基本方針は明確です。特定のリージョンとVMサイズで長期間運用することが確定している場合はReservationを選択し、より高い割引率を得ます。一方、リージョンやVMファミリーの変更が想定される場合や、複数サービスにまたがるコンピューティング利用がある場合はSavings Planの柔軟性が有利です。両方を併用することも可能で、まずReservationで確定分を確保し、変動分をSavings Planでカバーする戦略が効果的です。

Azure予約の対象サービスと割引率

Azure予約の対象となるサービスは、コンピューティング、データベース、ストレージ、アプリケーションの4カテゴリに大別されます。以下の表で主要な対象サービスと割引の特徴を整理しました(出典: Azure Reservation Pricing | Microsoft Azure)。


カテゴリ 対象サービス 割引対象 割引に含まれないもの
コンピューティング Virtual Machines コンピューティングコスト ソフトウェアライセンス・ネットワーク・ストレージ
コンピューティング Azure Dedicated Hosts ホスト料金 ソフトウェアライセンス
データベース SQL Database コンピューティングコスト(vCore) ストレージ・ネットワーク
データベース Cosmos DB プロビジョニングスループット(RU/s) ストレージ・ネットワーク
データベース Azure Database for MySQL/PostgreSQL コンピューティングコスト ストレージ・ネットワーク
ストレージ Blob Storage ストレージ容量 トランザクション・帯域幅
ストレージ Azure Files ストレージ容量(Hot/Cool) トランザクション・帯域幅
分析 Azure Synapse Analytics cDWU使用量 ストレージ・ネットワーク
アプリ App Service Environment スタンプ料金 ワーカー・関連リソース


注意すべき点として、予約による割引はコンピューティングやスループットなどの主要コストに適用されますが、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアライセンスなどの付帯コストは割引の対象外です。実際のコスト削減効果を見積もる際は、リソース全体のコスト構成を確認し、割引対象部分の比率を把握することが重要です。

インスタンスサイズの柔軟性

VM予約では、インスタンスサイズの柔軟性(Instance Size Flexibility)が提供されます。同一VMファミリー内であれば、予約購入時に指定したサイズとは異なるサイズのVMにも割引が自動適用されます。

たとえば、D4s v5の予約を購入した場合、D2s v5(半分のサイズ)のVM 2台にも同じ予約割引が適用されます。この柔軟性により、ワークロードの変化に応じてVMサイズを調整しても、予約の恩恵を受け続けることができます。

Azure VMのコスト削減方法についてはさらに詳しく解説しています。

予約の購入手順

Azure予約の購入はAzureポータルから行います。以下の手順で進めます。

  1. Azureポータルにサインインし、「予約」メニューに移動します

  2. 予約対象のサービス(Virtual Machines、SQL Database等)を選択します

Azureポータル予約購入画面
Azureポータルの予約購入画面

  1. リージョン、VMサイズ(またはサービスティア)、予約期間(1年/3年)、支払い方法(一括/月払い)を選択します

Azure Virtual Machine予約の購入
Azure Virtual Machine予約の購入画面

  1. 購入を確定すると、該当するリソースに自動的に割引が適用されます

購入前にAzure料金計算ツールを使って、従量課金との差額をシミュレーションすることを推奨します。Azure Cost Management + Billingの「予約の推奨事項」機能を使えば、過去の使用状況に基づいて最適な予約の候補が自動提案されます。

予約スコープの設定と管理

予約のスコープは、割引が適用される範囲を制御する重要な設定です。

  • 単一サブスクリプション
    予約が特定のサブスクリプション内のリソースにのみ適用されます。特定のプロジェクトや部門の予算管理を重視する場合に適しています

  • 共有スコープ
    予約がAzureエンロールメント(EA)またはMCA内のすべてのサブスクリプションにまたがって適用されます。組織全体でコストを最適化したい場合に適しています

  • リソースグループスコープ
    特定のリソースグループ内のリソースにのみ適用されます。より細かい粒度での割引制御が必要な場合に使用します

  • 管理グループスコープ
    管理グループ配下の全サブスクリプションに適用されます。大規模な組織での一元管理に適しています

スコープはAzureポータルの「すべてのサービス」から「予約」を選択し、「設定」の「構成」画面で購入後も変更可能です。Azure Monitorと組み合わせることで、予約の使用率をリアルタイムで監視できます。

交換・キャンセルとSavings Planへの移行

Azure予約は購入後も、一定の条件のもとで交換やキャンセルが可能です。2026年3月時点でのポリシーを以下に整理しました(出典: Self-service exchanges and refunds | Microsoft Learn)。

  • 交換
    同じタイプの予約間で交換が可能です。ただし、VM、Dedicated Host、App Serviceの予約について、異なるインスタンスシリーズやリージョンへの交換は将来的に制限される予定です。変更の少なくとも6か月前に通知されます(出典: Changes to exchange policy | Microsoft Learn

  • キャンセル(払い戻し)
    12か月のローリングウィンドウで最大50,000ドルまでの払い戻しが可能です。早期解約手数料として残存期間の12%が差し引かれます

  • Savings Planへの移行(トレードイン)
    VM、Dedicated Host、App Serviceの予約は、いつでもSavings Planにトレードイン可能です。期限の制限はありません。予約の柔軟性に不足を感じた場合、Savings Planに移行することでリージョンやVMファミリーの制約から解放されます

予約を購入したものの、ワークロードの変更やリージョン移転によって当初の予約が適合しなくなるケースは珍しくありません。こうした状況に備え、予約購入前にSavings Planとの使い分けを検討し、変動リスクの高いリソースにはSavings Planを適用しておくことが有効です。

Azure Hybrid Benefitとの併用

Azure予約とAzure Hybrid Benefitを組み合わせることで、さらに大きなコスト削減を実現できます。

以下の表で、割引の併用効果を示します。


割引パターン 従量課金比の削減率 適用条件
予約のみ(1年) 最大40% 1年コミットメント
予約のみ(3年) 最大72% 3年コミットメント
予約(3年)+ Hybrid Benefit 最大80% 3年コミットメント + SA付きライセンス
予約(3年)+ Hybrid Benefit + ESU 最大85% 3年コミットメント + SA + ESU無料(Azure VM上)


Windows ServerやSQL Serverのソフトウェアアシュアランス(SA)付きライセンスを保有している企業では、Azure Hybrid Benefitの併用が特に効果的です。たとえば、Windows Server VMの場合、3年予約で最大72%のコンピューティングコスト削減に加え、Hybrid BenefitでOSライセンス費用も削減されるため、合計で最大80%の削減が実現します。

さらに、SQL Server 2016(EOL: 2026年7月14日)やWindows Server 2016(EOL: 2027年1月11日)をAzure VM上で運用する場合、ESU(Extended Security Updates)が無料で提供されるため、オンプレミスでのESU購入費用も削減できます。

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料金シミュレーション(2026年3月版)

Azure予約による具体的なコスト削減効果を、代表的なVMサイズで示します。以下の表はJapan East(東日本)リージョンでの参考値です(出典: Azure Reservation Pricing | Microsoft Azure)。


VMサイズ 従量課金(月額概算) 1年予約(月額概算) 3年予約(月額概算) 3年予約の削減率
D2s v5(2 vCPU / 8GB) 約120ドル 約85ドル 約55ドル 約54%
D4s v5(4 vCPU / 16GB) 約240ドル 約170ドル 約110ドル 約54%
D8s v5(8 vCPU / 32GB) 約480ドル 約340ドル 約220ドル 約54%
E4s v5(4 vCPU / 32GB) 約300ドル 約215ドル 約140ドル 約53%


たとえば、D4s v5を3台、3年予約で運用する場合、従量課金では月額720ドル(約108,000円)のところ、予約適用で月額330ドル(約49,500円)となり、月額約390ドル(約58,500円)の削減になります。年間では約4,680ドル(約702,000円)、3年間では約14,040ドル(約2,106,000円)の削減です。

これにHybrid Benefitを併用すれば、Windows ServerのOSライセンス費用(D4s v5で月額約55ドル)も削減されるため、さらにコスト効率が向上します。

Azureの全般的な料金体系についてはAzureの料金体系をわかりやすく解説をご覧ください。

コスト最適化のベストプラクティス

予約を効果的に活用するためのベストプラクティスは以下の4点です。

  1. Azure Cost Managementの「予約の推奨事項」を定期的に確認し、使用パターンに基づいた最適な予約を購入する
  2. 予約の使用率をAzure Monitorで監視し、使用率が低い予約はスコープの変更やトレードインを検討する
  3. 確定分はReservation、変動分はSavings Planという二層構造でコミットメントを設計する
  4. 自動更新を有効にして、予約期間終了後に従量課金に戻るリスクを防ぐ

Azureのセキュリティ対策と合わせてコスト管理を行うにはAzureセキュリティを解説も参考になります。Azure Functionsなどのサーバーレスサービスでは、Savings PlanのFunctions Premium対象を活用できます。

まとめ

本記事では、Azureの予約について、対象サービス、Savings Planとの違い、交換・キャンセルポリシー、Hybrid Benefitとの併用、料金シミュレーションまで解説しました。

Azure予約は最大72%のコスト削減を実現する強力なサービスであり、Savings Planとの使い分け、Hybrid Benefitとの併用により、さらに大きな削減効果を得ることができます。

予約の活用を始めるための具体的なステップは以下のとおりです。

  1. Azure Cost Managementの「予約の推奨事項」で、自社の使用状況に基づく最適な予約候補を確認する
  2. 確定リソース(本番VM等)にはReservation、変動リソースにはSavings Planを適用し、Azure料金計算ツールで削減効果をシミュレーションする
  3. 月払いオプションと自動更新を有効にし、Hybrid Benefitの併用可否をライセンス棚卸しで確認する

AzureのサポートについてはAzureサポートプランを解説を、Azureの学習にはMicrosoft Learnとはをご覧ください。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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