この記事のポイント
コスト最適化の第一歩は出力トークンの制御。出力は入力より単価が高いため、回答形式(要約・箇条書き等)を設計側で指定すべき
リアルタイム性が不要なバッチ処理はBatchプランを選ぶべき。gpt-4oの出力単価がStandardの半額(0.0050 USD/1Kトークン)になる
安定したスループットが必要な本番環境ではProvisioned(PTU)が有効。ただしPTUは使用量に関わらず固定課金のため、需要予測に基づくサイジングが必須
音声・画像・Computer-Using Agentはテキストと別メーターで課金される。機能を拡張する前にユースケースごとのコスト内訳を分けて試算すべき
料金見積もりはAzure料金計算ツールで行い、「1回の呼び出しの平均トークン数 x 月間呼び出し回数」から上限コストを先に把握するのが最も確実

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
Azure OpenAI Serviceは、テキスト生成だけでなく、音声・画像・ツール呼び出しなどの機能拡張が進み、ユースケースに応じて課金メーターが増えやすい領域です。その結果、料金の見積もりが難しいと感じるケースが増えています。
本記事では、Standard(従量課金)、Provisioned(PTU)、Batchといった料金プラン、Global/Data Zones/Regionalなどのデプロイメント差分、主要モデルと新しいAPI機能(Realtime、computer-use、組み込みツール等)ごとの課金観点を、2026年2月時点の公式情報に基づいて整理します。
Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
➡️Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説
✅最新モデル「GPT-5.4」については、以下の記事をご覧ください。
GPT-5.4(ChatGPT5.4)とは?使い方や料金、GPT-5.2との違いを徹底解説
✅Microsoft 365 Copilotの最新エージェント機能「Copilot Cowork」については、以下の記事をご覧ください。
Copilot Coworkとは?機能や料金、Claude Coworkとの違いを解説
目次
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
Azure OpenAI Serviceの料金体系の概要
Azure OpenAI Serviceの料金は、料金プラン、デプロイメントの種類、そして選択するモデルによって決まります。価格の一覧はAzure公式の価格ページ(Azure OpenAI の価格 | Microsoft Azure)に掲載されています。
料金体系の構成要素
料金は大きく分けて「プラン」「デプロイメント」「モデル(メーター)」の3つで整理できます。
- 料金プラン(Standard / Provisioned / Batch)
Standardはトークン量などに応じた従量課金、Provisionedは一定スループット(PTU)を確保するプランです。Batchはリアルタイム性が不要な処理を割引単価で実行できる方式として利用されます。
- デプロイメント(Global / Data Zones / Regional)
データ所在地や可用性要件に応じて選択します。同じモデルでもデプロイメントによって単価が変わる場合があります。
- モデルごとの課金メーター
テキスト生成は入力トークンと出力トークン、埋め込みは入力トークン、画像は画像生成関連のメーターなど、モデルごとに課金単位が異なります。
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
以下は、Japan Eastで利用する場合の代表的な単価例です。モデルやデプロイメントで単価が変動するため、全体像は公式価格表で確認してください。
| 項目 | 単位あたりの価格 | 補足 |
|---|---|---|
| gpt-4o(入力) | 0.0025 USD / 1,000トークン | Standardの入力トークン課金例 |
| gpt-4o(出力) | 0.0100 USD / 1,000トークン | Standardの出力トークン課金例 |
| gpt-4o(Batch出力) | 0.0050 USD / 1,000トークン | Batchの出力トークン課金例 |
| text-embedding-3-small(入力) | 0.00002 USD / 1,000トークン | 埋め込みの入力トークン課金例 |
※価格は2026年2月時点、リージョン:Japan East、通貨:USDの参考値です。
コストの見積もりでは、まず「1回の呼び出しで平均何トークン入れて、何トークン返すか」を把握することが重要です。出力は入力より単価が高いことが多いため、回答の長さや出力形式(要約、箇条書きなど)を設計側で制御できると、コストが読みやすくなります。
standard(従量課金制)の具体的な料金について
Standard(従量課金制)は、モデルの利用量に応じて課金される基本プランです。モデルごとに入力と出力の単価が分かれていることが多く、同じモデルでもGlobalやRegionalなどのデプロイメントによって価格が変わる場合があります。モデル一覧や提供状況は公式ドキュメント(Azure OpenAI モデルの一覧 | Microsoft Learn)で確認できます。
料金体系の構成要素
Standardの見積もりは、次の要素を押さえるとブレにくくなります。
- 入力トークン
プロンプト、システム指示、会話履歴、添付されたテキストなど、モデルに渡す側の量で課金されます。
- 出力トークン
モデルが返す回答の量で課金されます。多くのモデルでは入力より単価が高い傾向があります。
- キャッシュ入力やBatchなどの割引
条件を満たす場合に入力単価が下がる仕組みや、非同期処理で割引になる方式が用意されています。
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
代表的なモデルの単価例は以下の通りです。
| 項目 | 単位あたりの価格 | 補足 |
|---|---|---|
| gpt-4o(入力) | 0.0025 USD / 1,000トークン | 汎用チャットの入力トークン例 |
| gpt-4o(出力) | 0.0100 USD / 1,000トークン | 汎用チャットの出力トークン例 |
| o3 mini(入力) | 0.0011 USD / 1,000トークン | 推論寄りモデルの入力トークン例 |
| o3 mini(出力) | 0.0044 USD / 1,000トークン | 推論寄りモデルの出力トークン例 |
※価格は2026年2月時点、リージョン:Japan East、通貨:USDの参考値です。
例えば、gpt-4oで「入力1,000トークン、出力500トークン」のやり取りを1万回行う場合、入力は約25 USD(10,000,000トークン相当)、出力は約50 USD(5,000,000トークン相当)が目安になり、合計は約75 USDです。まずはこのように、平均トークン量から大まかな上限を掴んでおくと、モデル選定や出力形式の最適化がしやすくなります。
新しいAPIファミリーと機能の料金
Azure OpenAI Serviceでは、テキスト生成以外にも、音声の入出力、画像生成、GUI操作などの機能が拡張されています。これらは同じモデル名でも、テキスト用・音声用・画像用のようにメーターが分かれることがあるため、用途に合わせて料金表の対象メーターを確認することが重要です。
料金体系の構成要素
新しいAPIファミリーや機能では、課金メーターの切り替わりを意識すると見積もりが安定します。
- Realtime・音声関連
音声入力や音声出力は、テキストとは別の単価が設定されることがあります。
- 画像生成
画像生成は、画像生成向けのメーター(入力・出力)で課金されます。
- Computer-Using Agent(GUI操作)
GUI操作向けのメーター(入力・出力)で課金され、通常のチャットとは別枠で見積もるのが安全です。
- 組み込みツール
ツール呼び出し自体の課金に加えて、背後で利用する検索やストレージなど別サービスのコストが発生する場合があります。
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
| 項目 | 単位あたりの価格 | 補足 |
|---|---|---|
| 音声入力(gpt-4o系) | 0.0400 USD / 1,000トークン | 音声入力トークン課金例 |
| 音声出力(gpt-4o系) | 0.0800 USD / 1,000トークン | 音声出力トークン課金例 |
| 画像出力(gpt-image-1) | 0.0400 USD / 1,000トークン | 画像出力メーターの例 |
| Computer-Using Agent(入力) | 0.0030 USD / 1,000トークン | GUI操作向け入力メーター例 |
| Computer-Using Agent(出力) | 0.0120 USD / 1,000トークン | GUI操作向け出力メーター例 |
※価格は2026年2月時点、リージョン:Japan East、通貨:USDの参考値です。
新機能は便利な一方で、テキスト以外(音声・画像・GUI操作)に広げるほどメーターが増えやすく、見積もりが崩れがちです。最初はユースケースごとに、テキスト部分と追加機能部分のコストを分けて試算し、どこが支配的になるかを確認してから機能を広げると、予算管理がしやすくなります。
Azure OpenAI Servicesの利用
さて、ここからは実際の作成手順についてご紹介します。
※ 前提準備
以下を用意する必要があります。
- Azureアカウント、サブスクリプション、リソースグループ
- AIモデルをデプロイするためのアクセス許可
アカウント作成についてはこちらもご覧ください。
【関連記事】
➡️Azure Portalとは?操作方法やメリットをわかりやすく解説!
ステップ1: Azureポータルにサインイン
- Azureポータルにアクセスし、Azureアカウントでサインインします。

Azureポータル画面
ステップ2: Azure OpenAI Serviceの作成
- Azureポータル画面の「リソースの作成」で"Azure OpenAI"で検索し、「Azure OpenAI」をクリックします。

AzureOpenAI選択画面
- 「Azure OpenAIの作成」画面、「基本」タブで適切な設定をします。
※Azure Open AI Serviceの価格レベルによって料金が異なります。ここではstandardを選択します。
「次へ」をクリックします。

基本タブ画面
- 「ネットワーク」タブで適切な設定をします。
「次へ」をクリックします。

ネットワークタブ画面
- 「Tags」タブで適切な設定をします。
「次へ」をクリックします。

Tagsタブ画面
- 「レビューおよび送信」タブで設定に問題がないことを確認します。
「作成」をクリックします。

レビューおよび送信タブ画面
- デプロイ完了後、「リソースに移動」をクリックします。

デプロイ完了画面
ステップ3: モデルのデプロイ
AIモデルをデプロイして利用可能にするプロセスです。ここでは、Azure OpenAI サービスで提供されるさまざまな AI モデルを選択し、選択したモデルを独自の環境にデプロイすることで利用準備を整えることができます。
- 作成したAzure OpenAI Serviceから、「モデルデプロイ」をクリックします。

モデルデプロイ選択画面
- 「展開の管理」をクリックすると、Azure OpenAI Studioを利用することができます。

展開の管理選択画面
Azure OpenAI Studioは、Azure OpenAI Serviceを使ってモデルのテストや設定を行うためのブラウザベースのインターフェースです。開発者やビジネスユーザーが、Azure上で提供されているAIモデル(GPTなど)を使いやすくするために設計されています。
- Azure OpenAI Studioの画面より「モデルのデプロイ」をクリックします。

AzureOpenAIStudio画面
- いくつかの選択肢が表示されます。ここでは「基本モデルをデプロイする」を選択しました。クリックすると、Azureで利用できる幅広いモデルの中から、微調整されていない標準的なモデルを選んでデプロイすることが可能です。

基本モデルをデプロイする画面
- AIのモデルを選択することができます。選択したモデルによって料金も異なるため、コスト面も考慮しながら選択する必要があります。

基本モデル画面
- Azure OpenAI Studio には、利用可能なモデルが一覧表示されているモデルカタログがあります。カタログでは、用途や性能、料金に応じたさまざまなモデルの詳細情報を確認することができます。
「モデルカタログへ移動します」をクリックします。

モデルカタログ移動画面

モデルカタログ画面
Azureの料金計算ツール
Azure OpenAI Serviceを利用する際の料金を計算し見積もるためには、Microsoftが提供する料金計算ツールを使用することが有効です。具体的には、API呼び出しの頻度、使用するモデルの種類、データの量などのパラメータをユーザーが入力すると、それに基づいて料金が計算されるシステムです。

Azure OpenAI Serviceの料金計算ツール
【関連記事】
➡️ Azureの料金計算ツールの利用方法!基本機能や円表示の手順を解説
【無料DL】AI業務自動化ガイド(220P)
Microsoft環境でのAI活用を徹底解説
Microsoft環境でのAI業務自動化・AIエージェント活用の完全ガイドです。Azure OpenAI、AI Agent Hub、n8nを活用した業務効率化の実践方法を詳しく解説します。
まとめ
本記事ではAzure OpenAI Serviceの料金体系の概要・言語モデル・料金プランについて説明しました。また料金を簡単に計算するための計算ツールについても説明しました。
Azure OpenAI Serviceは、Microsoft Azure上で提供されるAzure AIサービスの1つで、OpenAIの高度なAIモデル(GPT-4、GPT-3.5、DALL-Eなど)を利用できるサービスです。このサービスにより、テキスト生成、音声認識、画像生成など、さまざまな高度なAI機能をAzure上で簡単に活用できます。
ぜひAzure OpenAI Serviceを導入する際には、上記料金体系を参考にし、ニーズに合った料金体系を選ぶようにしてください。この記事をもとにAzure OpenAI Serviceを最もコスト効率の高い方法で使用し、新たな技術の実装において成功を収める助けとなることを期待しています。
Azure OpenAI Serviceの他の情報については、AI総合研究所の関連記事をご覧ください。











