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Azure Monitorとは?主な機能やメリット、料金をわかりやすく解説

この記事のポイント

  • Azure環境の監視基盤にはAzure Monitorが第一候補。メトリックとログを一元管理でき、サードパーティツールを別途導入する必要がない
  • Log Analyticsエージェントは廃止済みのため、AMA(Azure Monitor Agent)への移行を最優先で実施すべき。未移行はセキュリティリスクに直結する
  • NSGフローログは2027年9月廃止予定。VNetフローログへの移行計画を今すぐ策定しないと、ネットワーク監視に空白期間が生じる
  • Azure Copilotを活用したログ解析が有効。KQLクエリの自動生成やインシデント原因の推論で、障害対応のスピードを大幅に短縮できる
  • ログ取り込み量がコストの支配要因になるため、DCR(データ収集ルール)で必要なデータだけを収集する設計にすべき
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

Azure Monitorは、クラウドおよびオンプレミス環境から収集した膨大なデータを分析し、アプリケーションのパフォーマンスと可用性を最大化するための統合監視サービスです。

本記事では、Azure Monitorの基本(メトリックとログ)から、2026年時点の運用で押さえるべきポイントとしてAzure Copilotの活用、NSGフローログの移行計画、そしてLog Analyticsエージェント廃止後のAMA移行までを整理します。
最後に、料金の考え方と代表的な単価例も合わせて紹介します。
✅Microsoft 365 Copilotの最新エージェント機能「Copilot Cowork」については、以下の記事をご覧ください。
Copilot Coworkとは?機能や料金、Claude Coworkとの違いを解説

Azure Monitorとは

クラウド環境では、いつ、どこで問題が起きているかを瞬時に把握することが運用の鍵となります。

Azure Monitor(アジュール・モニター) は、Azureリソースだけでなく、オンプレミスのサーバーやWebアプリケーションから出力されるあらゆるデータを一箇所に集め、分析・可視化するためのプラットフォームです。

2026年現在、膨大なログの中から「異常」を見つけ出す作業はAIが代行するようになり、管理者はAIが提示する解決策を選択するだけで済む**「プロアクティブ(先回り型)な運用」**へと進化を遂げています。

モニタリングの2つの柱

Azure Monitorは、主に以下の2種類のデータを扱います。

  • メトリック(Metrics)
    CPU使用率やメモリ残量など、一定間隔で記録される「数値」データです。システムのリアルタイムな健康状態を把握するのに適しています。

  • ログ(Logs)
    OSやアプリのイベント、通信履歴など、事象が発生した際に記録される「テキスト」データです。問題が発生した「理由」を深掘りする際に威力を発揮します。

Azure Monitorアイコン
Azure Monitor Serviceのアイコン

Azure Monitorの基本概念や構成要素は、Microsoft Learnの概要ページにまとまっています。
➡️Azure Monitor の概要 - Microsoft Learn

AI研修


2026年最新:AIが運用を変える「Azure Monitor Copilot」

監視の世界にも、強力な生成AIの波が届いています。

インシデントの自動診断

アラートが発生した際、Azure Copilotが関連するログやメトリックの探索を補助し、原因切り分けのスピードを上げられます。

  • 原因の推論
    関連する変更や依存関係を踏まえ、疑わしい原因と確認観点を自然文で提示します。

  • KQLクエリの生成支援
    たとえば「直近3時間の404エラーを時系列で可視化したい」といった意図から、クエリ作成の入口を作れます。

Azure CopilotがAzure Monitorのメトリックやログ分析で何を支援できるかは、公式の解説でも確認できます。
➡️Azure Copilot を使用して Azure Monitor のメトリックとログを分析する - Microsoft Learn

予兆検知の精度向上

AIが過去の傾向を学習し、「いつもと違う」わずかな変化を検知します。サーバーがダウンする前に、「数時間後にディスクがいっぱいになります」といった警告を出すことが可能です。


ネットワーク監視の刷新:VNetフローログへの集約

ネットワーク監視は、従来のNSGフローログ中心から、より広範な可視化へ移行が進んでいます。

  • VNetフローログへの移行: これまでの「NSGフローログ」は廃止の方向に向かっており、より仮想ネットワーク全体を網羅できる**「VNetフローログ」**が標準となりました。
  • 可視性の拡大: これまでは難しかったExpressRouteゲートウェイやApplication Gatewayを通過するトラフィックも、一元的に可視化・分析できるようになっています。
  • セキュリティへの活用: 悪意あるIPからのスキャンや不正なデータ持ち出しの予兆を、フローログの分析によって即座に検知できます。

運用上は、NSGフローログの移行期限を起点にロードマップを組むのが安全です。例えば、NSGフローログは2025年6月30日以降に新規作成できず2027年9月30日に廃止といった期限が提示されています。
➡️NSG フロー ログの廃止 - Microsoft Learn

VNetフローログの概要や設計上の前提は、以下の公式解説が基準になります。
➡️VNet フロー ログの概要 - Microsoft Learn


Application Insights:アプリ内部の見える化

Azure Monitorの一部として完全に統合された機能です。

  • APM(アプリケーションパフォーマンス管理): ユーザーがクリックしてから画面が表示されるまでの「中身」を分析します。
  • 分散トレース: 複数のサービス(マイクロサービス)をまたぐリクエストが、どこで詰まっているかを視覚的に追跡できます。
  • OpenTelemetry対応: 2026年現在は標準化が進み、特定の言語やクラウドに依存しない形式でのデータ収集がさらに容易になっています。

Azure Monitor Agent (AMA) への完全移行

Azure Monitorのエージェント周りは、期限が明確に示されているため要注意です。


料金体系とコスト最適化(2026年最新版)

Azure Monitorの課金は、ログ、メトリック、アラート、保存(保持とアーカイブ)の組み合わせで決まります。代表的な単価の考え方は、公式の価格ページ(Azure Monitor の価格)と、ログ基盤であるLog Analyticsの価格ページ(Log Analytics の価格)に沿って把握するとブレにくくなります。

料金体系の構成要素

料金を見積もる際は、まず「何をどれだけ集め、どれだけ残すか」を分解します。

  • ログ(Log Analytics ワークスペース)
    取り込み量(GB)に比例して増える部分が中心で、保持期間や検索頻度で追加コストが発生します。

  • メトリック
    サンプリングやカスタムメトリックの取り込み量に応じて課金されます。

  • アラート
    監視対象の数や頻度(例えば5分間隔など)で課金メーターが変わるため、監視設計の密度がコストに直結します。

  • アーカイブと復元
    監査やコンプライアンスで長期保管が必要な場合、アーカイブと復元の単価が追加されます。

価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)

以下は、Japan Eastにおける代表的な単価例です。ログの実運用は「取り込み量」と「保持期間」の設計で大きく差が出ます。

項目 単位あたりの価格 補足
Log Analytics Analytics Logs 取り込み $3.34 / GB 解析やアラートで最も使われる標準ログ
Log Analytics Analytics Logs 保持(追加) $0.15 / GB/月 無料枠を超える保持に対する追加料金
Azure Monitor データ アーカイブ $0.029 / GB/月 低頻度アクセス向けの長期保管
Azure Monitor データ復元 $0.145 / GB/日 アーカイブから検索可能な状態へ戻す料金
メトリック サンプル処理 $0.05 / 10M メトリックの取り込み・処理の代表例

※価格は2026年2月時点、リージョン:Japan East、通貨:USDの参考値です。条件の詳細は公式の価格ページを参照してください。

実務では、まずAnalytics Logsにすべて入れるのではなく、監査やトレース用のデータは保持期間を短くする、長期保存が必要なログはアーカイブへ送るといった分離で費用が安定します。アラートは「高頻度で監視したい対象」だけに絞り、ノイズの多い対象はしきい値や頻度の見直しから始めるのが効果的です。


運用上の注意点と制限

  • クエリの制限
    同時実行や結果サイズなどに制限があるため、運用では「普段使うクエリ」をテンプレート化し、必要に応じて可視化基盤へ逃がす設計が現実的です。

  • 情報の鮮度
    メトリックはほぼリアルタイムですが、ログの取り込みには遅延が入るため、障害対応ではタイムラグを前提に切り分け手順を作っておくと事故が減ります。

  • データの機密性
    ログに個人情報やパスワードが含まれないよう、アプリ側のマスキングに加えて、Azure Monitorのデータ変換や取り込みフィルターの利用を検討します。

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Microsoft環境でのAI業務自動化・AIエージェント活用の完全ガイドです。Azure OpenAI、AI Agent Hub、n8nを活用した業務効率化の実践方法を詳しく解説します。

まとめ

Azure Monitorは、複雑なクラウドシステムの「目」と「耳」、そして「脳」となるサービスです。

2026年、AI(Copilot)の本格導入とネットワーク監視の刷新により、私たちはかつてないほど詳細に、かつ簡単にシステムの状況を把握できるようになりました。もはやログの山に埋もれる必要はありません。AIを相棒に据え、問題が起きる前に手を打つ、一歩先の運用を始めてみてください。

まずは、最も重要なリソースのアラートを一つ設定し、Copilotにその分析を頼んでみることから始めてみてはいかがでしょうか。その利便性に、きっと驚くはずです。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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