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ChatGPT-5(GPT-5)とは?使い方や料金、回数制限について解説!

この記事のポイント

  • GPT-5はは標準の「GPT-5」に加え、より高度な「GPT-5Thinking」や「GPT-5 Pro」がプランに応じて利用可能
  • コーディング、執筆、健康分野で性能が飛躍的に向上し、ハルシネーション(事実誤認)が大幅に削減
  • API料金は入力$1.25/1Mトークンからと戦略的な価格設定で、キャッシュ利用で90%割引も
  • 無料ユーザーでも上限付きでGPT-5を利用可能で、上限到達後はGPT-5 miniに切り替わる
  • Plusプラン以上の有料プランユーザーであれば、GPT-4oなどの旧モデルに戻すことも可能
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

「GPT-5がついに発表されたけど、何がどう変わったの?」「モデルが複数あるみたいだけど、どれを使えばいい?」
2025年8月7日、OpenAIは待望の次世代AIモデル「GPT-5」ファミリーを正式に発表しました。これは単なる性能向上ではなく、AIとの関わり方そのものを変える可能性を秘めた、大きな進化です。

本記事では、この「GPT-5」について、公式発表された情報に基づき、その全貌を徹底的に解説します。
GPT-5ファミリー(GPT-5, mini, nano, Chat)のモデル構成、驚異的な性能向上、料金体系、そしてAIの挙動を自在に操る革新的な新API機能まで、詳しくご紹介します。

2025年12月12日に発表された最新モデル、「GPT-5.2(ChatGPT 5.2)」については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎GPT-5.2(ChatGPT 5.2)とは?その性能や使い方、料金体系を徹底解説!

目次

GPT-5 (ChatGPT-5)とは?

GPT-5の核心:思考する「統一システム」

GPT-5のモデルラインナップ

ChatGPT上で利用できるモデル(GPT-5 Thinking,GPT-5 Pro)

APIで利用できるモデルラインナップ(GPT-5 mini,GPT-5 mini nano, GPT-5 chat )

最上位モデル「GPT-5 pro」

GPT-5 (ChatGPT-5)の性能と主要な進化点

コーディング:アイデアを現実に変える美的感覚

執筆:文学的な深みとリズムを持つ協力者

ヘルスケア:より積極的で信頼できる思考パートナー

より信頼できるAIへ:安全性と信頼性の向上

メンタルヘルスに関する応答の安全性強化アップデート

【アップデート】メンタルヘルスなど繊細な会話への対応を強化

GPT-5(ChatGPT-5)の料金・回数制限について

GPT-5(ChatGPT-5)のAPI料金

【⚠️重要】旧モデルの廃止と過去の会話の扱いについて

GPT-5(ChatGPT-5)の使い方

基本的な使い方

プリセット人格

「思考中」ビュー

アクセントカラーのカスタマイズ

GPT-4oへの戻し方(旧モデルへの切り替え)

GPT-5が表示されない・使えない場合の対処法

GPT-5の外部ツール・プラットフォームでの利用

Microsoft Copilot

GitHub Copilot

Codex CLI

Cursor

Cline

Windsurf

【開発者向け】GPT-5(ChatGPT-5)の新しいAPI機能

推論の労力 (Reasoning Effort)

冗長性 (Verbosity)

フリーフォーム関数呼び出し (Free-Form Function Calling)

コンテキストフリー文法 (Context-Free Grammar - CFG)

許可されるツール (Allowed Tools)

前文 (Preamble)

ChatGPT-5(GPT-5)のプロンプト戦略

エージェントワークフローの最適化

コーディング性能を最大化する

指示追従性と知性の最適化

まとめ

GPT-5 (ChatGPT-5)とは?

GPT-5は、OpenAIが2025年8月7日に発表した、最新の次世代フラッグシップモデルです。
これは、従来の単一モデルからの大きな飛躍であり、タスクに応じてAIが自動で思考の深さを切り替える「統一システム」へと進化した点が最大の特徴です。

また、この新世代は、開発者向けに提供される、性能やコストで最適化された複数のAPIモデル(GPT-5, mini, nano, Chat)のファミリーとしても構成されています。

https://youtu.be/0Uu_VJeVVfo

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GPT-5の核心:思考する「統一システム」

GPT-5の最も革新的な点は、そのアーキテクチャにあります。これまでのモデルのように単一の頭脳で応答するのではなく、複数の専門家が連携するチームのように動作します。

この「統一システム」は、以下の要素で構成されています。

1. スマートで効率的な標準モデル(gpt-5-main)

これは、OpenAIがこれまでに培ってきた高速かつ効率的な応答生成技術の集大成であり、GPT-4oの進化形として位置づけられます。
日常的な質問応答や情報検索など、迅速な処理が求められるタスクにおいて、その真価を発揮します。

2. より深い推論モデル (GPT-5 thinking)

OpenAI o3の後継であるこのモデルは、複雑な問題解決、多段階の推論、論理的な思考を必要とするタスクに特化しています。
例えば、科学的な仮説の検証、複雑なコードのデバッグ、戦略的な意思決定支援など、時間をかけて深く考察することで、より正確で信頼性の高い結論を導き出します。

3. リアルタイムルーター

ユーザーとの会話の種類、質問の複雑さ、ツールの必要性、そしてユーザーの意図(例えば「この件について深く考えて」といった指示)を瞬時に判断し、上記の2つのモデルから最適な方を自動で選択します。


そして、このルーターは一度作られて終わりではありません。
ユーザーによるモデルの切り替え、回答への評価、システムの内部的な正しさの計測といった現実の利用データ(シグナル)を継続的に学習し、振り分けの精度を時間と共に向上させていきます。

OpenAIは、「将来的にはこれらの能力を単一のモデルに統合することも計画している」と述べています。

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GPT-5のモデルラインナップ

GPT-5は、単一のモデルではありません。プランや利用シーンに応じて、選択できるモデルやモードが異なります。

ここでは、「ChatGPTの画面上で利用する場合」と、「API経由で利用する場合」の、2つの側面に分けてラインナップを解説します。

ChatGPT上で利用できるモデル(GPT-5 Thinking,GPT-5 Pro)

ChatGPTのWebサイトやアプリで利用する際には、プランに応じて以下のようなモデルやモードを使い分けることができます。

モデル / モード名 概要 旧モデル(相当) 主な対象プラン
GPT-5 (標準モード) AIが自動で思考の深さを調整する標準モード。 GPT-4o 全てのプラン
GPT-5 Thinking ユーザーが意図的に深い思考を促すモード。 OpenAI o3 全てのプラン(回数制限あり)
GPT-5 Pro 最も複雑なタスクに対応する最上位モデル。 o3-pro Pro / Team / Enterprise


このように、現在のChatGPTは、日常的なタスクには高速な自動モードを、そしてより深い分析や最高の性能が求められる場面では、ユーザーが意図的に「Thinking」や「Pro」といった、より強力な思考モードを選択できる、戦略的なツールへと進化しています。

利用シーンに応じて思考の「ギア」を切り替えることで、AIの能力を最大限に引き出すことができるのです。

APIで利用できるモデルラインナップ(GPT-5 mini,GPT-5 mini nano, GPT-5 chat )

開発者が自身のアプリケーションにGPT-5を組み込む際には、以下のAPIモデルから、目的や予算に応じて最適なものを選択できます。

GPT-5のモデルファミリー
GPT-5のモデルラインナップ

モデル名 (API) 最適な用途 ナレッジカットオフ 特徴
GPT-5 コーディングとAIエージェントタスクに最適 2024年10月1日 最高性能のフラッグシップモデル
GPT-5 mini 明確に定義されたタスク向けの高速・低コスト版 2024年5月31日 速度とコストのバランス型モデル
GPT-5 nano 要約や分類タスクに最適 2024年5月31日 最速・最安価な高速処理モデル
GPT-5 Chat ChatGPT製品内での対話 2024年9月30日 ChatGPT向けの対話特化モデル


APIにおいても、自身のプロジェクトの要求仕様と予算に応じて最適なモデルを選択できる点が、GPT-5ファミリーの大きな特徴です。

最上位モデル「GPT-5 pro」

GPT-5ファミリーの中でも、最も挑戦的で、複雑なタスクに対応するために用意された最上位モデルがGPT-5 proです。これは、以前のo3-proの後継モデルにあたります。

GPT-5 proは、標準のGPT-5よりもさらに長く思考し、効率的な並列計算技術を用いることで、最高品質で最も包括的な回答を生成します。

その性能は、実際の評価においても圧倒的です。1000以上の経済的に価値のある複雑なタスクにおいて、外部の専門家による評価では、以下のような結果が示されています。

  • 67.8%の割合で、標準のGPT-5よりもGPT-5 proの回答を支持。
  • 重大なエラーの発生率が22%も少ない。
  • 特に健康、科学、数学、コーディングの分野で卓越した成果を示した。


さらに、大学院レベルの極めて難解な科学的問題を含むGPQAベンチマークにおいても、*SOTA(State-of-the-Art:最高水準)*の性能を達成しており、その能力の高さが客観的にも証明されています。

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GPT-5 (ChatGPT-5)の性能と主要な進化点

GPT-5は、ベンチマークスコアの向上はもちろんのこと、実社会で特に利用頻度の高い3つの分野「コーディング」「執筆」「健康」において、その実用性を飛躍的に高めました。

コーディング:アイデアを現実に変える美的感覚

GPT-5は、これまでで最も強力なコーディングモデルです。特に、複雑なフロントエンドの生成や、大規模なコードリポジトリのデバッグ能力が大幅に向上しました。

単に機能するコードを書くだけでなく、美的感覚を備えているのが特徴で、たった一度のプロンプトで、スペーシング、タイポグラフィ、ホワイトスペースといったデザイン要素を巧みに操り、美しく応答性の高いウェブサイトやアプリ、ゲームを創り出すことができます。

GPT-5が単一プロンプトから生成したアプリの例
GPT-5が単一プロンプトから生成したアプリの例 (参考:OpenAI)


そして、その能力を最も象徴するのが、OpenAIが公開した「GPT-5コーディングデモ集」です。

GPT-5 コーディングデモ集
GPT-5 コーディングデモ集:単一のプロンプトから生成された多様なアプリケーションが公開されている (参考:gpt5-coding-examples.vercel.app)


驚くべきことに、上の画像にある迷路ゲーム、計算ドリル、習慣トラッカーといった多様なアプリケーションは全て、人間が一切コードを書くことなく、単一の自然言語プロンプトのみで生成されたものです。

単に機能するコードを書くだけでなく、スペーシングやタイポグラフィといった美的感覚も備えており、デザイン性に優れたUIを直感的に構築できる能力を示しています。

執筆:文学的な深みとリズムを持つ協力者

GPT-5は、執筆活動における最も有能な協力者へと進化しました。ユーザーの漠然としたアイデアを、文学的な深みとリズムを持つ、人の心に響く文章へと昇華させる手助けをします。

特に、比喩表現の巧みさや情景描写の豊かさが向上しており、例えばOpenAIが公開した詩の比較では、GPT-4oが事実を説明するに留まっていたのに対し、GPT-5は「もはや存在しない国の黒い旗」といった鮮烈なメタファーを用い、より強い感情的なインパクトを生み出しています。

ヘルスケア:より積極的で信頼できる思考パートナー

GPT-5は、健康に関する質問においても、これまでのどのモデルよりも優れた性能を発揮します。医師が監修したリアルなシナリオに基づく評価(HealthBench)で最高スコアを記録しました。

単に情報を提供するだけでなく、積極的な思考パートナーとして振る舞うのが特徴で、潜在的な懸念点を自ら指摘したり、より役立つ回答を提供するために質問を投げかけたりします。

これにより、ユーザーは自身の健康状態をより深く理解し、医療専門家と対話するための準備を整えることができます。

GPT-5のヘルスケアに関するベンチマーク結果
GPT-5のヘルスケアに関するベンチマーク結果 (参考:OpenAI

より信頼できるAIへ:安全性と信頼性の向上

OpenAIは、GPT-5の開発において、単なる知性の向上だけでなく、モデルの信頼性と安全性の強化に大きな投資を行いました。

ハルシネーション(幻覚)の大幅な削減

GPT-5は、事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション」が、以前のモデルに比べて大幅に減少しています。

  • 一般的なWeb検索を伴う応答では、GPT-4oと比較して事実誤認が約45%減少
  • 思考(thinking)機能を使用した場合、o3と比較して事実誤認が約80%減少
  • 長文のコンテンツ生成においては、o3と比較してハルシネーションが約6分の1に減少

GPT-5のハルシネーション率とエラー率
GPT-5のハルシネーション率とエラー率 (参考:OpenAI

より正直な応答

GPT-5は、タスクが実行不可能であったり、必要な情報が欠けていたりする場合に、その限界をより正直に伝えるように訓練されています。

例えば、存在しない画像を説明させようとした場合、o3は86.7%もの割合で自信を持って嘘の回答をしましたが、GPT-5が同様の挙動を示したのはわずか9%でした。

GPT-5の欺瞞率
GPT-5の欺瞞率 (参考:OpenAI

「安全な補完」という新しいアプローチ

これまでの安全対策は、不適切なプロンプトに対して一律に「拒否」することが中心でした。しかし、この方法では、良性か悪性か判断が難しい「デュアルユース(両義的)」な質問に対して、過剰に拒否してしまう課題がありました。

GPT-5では、安全な補完(safe completions)という新しいアプローチを導入し、可能な限り安全な範囲で役立つ回答を提供するように訓練されています。

GPT-5の安全性と有用性
GPT-5の安全性と有用性 (参考:OpenAI

過剰な迎合(Sycophancy)の抑制と洗練されたスタイル

GPT-5は、以前のモデル(主にGPT-4o)に見られた「不必要に相手に合わせたり、過剰に絵文字を使ったりする傾向」が抑制され、より思慮深く、洗練された対話スタイルを持つように調整されました。

これにより、「AIと話している」という感覚が薄れ、まるで知的な友人と対話しているかのような体験を提供します。

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メンタルヘルスに関する応答の安全性強化アップデート

【アップデート】メンタルヘルスなど繊細な会話への対応を強化

OpenAIは、ユーザーが精神的な苦痛を示唆するような、より繊細な会話においてChatGPTの応答を改善するアップデートを発表しました。170名以上の精神衛生の専門家と協力し、不適切な応答を65〜80%削減したと報告されています。

主な改善領域と成果

このアップデートは、特に以下の3つの領域における安全性を強化するものです。

  • 精神衛生上の懸念(精神病、躁病など)
  • 自傷行為と自殺
  • AIへの感情的な依存

専門家による評価では、これらの領域で不適切な応答が、旧モデル(GPT-4o)と比較して39%〜52%減少するという顕著な改善が見られました。

応答方針の具体的な変化

単に不適切な応答を減らすだけでなく、より責任ある対応を行うように調整されています。

  • AIへの過度な依存がみられる会話では、AIとの関係を肯定しつつも、現実世界での人とのつながりの重要性を優しく説き、内省を促すような応答をします。
  • 妄想や強いストレスが感じられる会話では、内容を頭ごなしに否定するのではなく、まずユーザーの感情に寄り添い、安全な場所にいることを確認した上で、専門家への相談を丁寧に案内するような、建設的な対話を行います。

この改善により、ChatGPTは単なる情報提供ツールから、ユーザーの安全に配慮し、必要に応じて専門的なサポートへ繋ぐ、より責任あるパートナーへと進化しています。


GPT-5(ChatGPT-5)の料金・回数制限について

GPT-5は、**Plus、Pro、Team、無料版の全ユーザーが利用可能です。Enterprise版とEdu版のユーザーには1週間後に提供が開始される予定です。

ChatGPT製品内では、利用プランに応じてGPT-5へのアクセス権や利用量が異なります。詳細は以下の通りです。

プラン GPT-5 (自動モード) Thinkingモード GPT-5 Pro コンテキストウィンドウ
Pro 無制限 無制限 ○ (無制限) 128K
Plus 80メッセージ/3時間 3000メッセージ/週 × 32K
Free (無料) 10メッセージ/5時間 1メッセージ/日 × 8K
Team 無制限 カスタム ○ (無制限) 32K
Enterprise, Edu 無制限 カスタム カスタム 128K

カスタムプランの上限は、組織の契約内容によって個別に設定されます。


各プランの料金体系および詳細については、以下の記事をご覧ください。
▶︎ChatGPT料金プラン徹底比較!無料・有料版の違いと選び方【2025年最新】

GPT-5(ChatGPT-5)のAPI料金

開発者向けのAPI料金は、モデルの性能に応じて明確に階層化されており、多くの開発者にとって利用しやすい戦略的な価格設定となっています。

モデル 入力 (1Mトークンあたり) キャッシュ入力 (1Mトークンあたり) 出力 (1Mトークンあたり)
gpt-5
gpt-5-chat
1.25ドル 0.125ドル 10.00ドル
gpt-5-mini 0.25ドル 0.025ドル 2.00ドル
gpt-5-nano 0.05ドル 0.005ドル 0.40ドル

【⚠️重要】旧モデルの廃止と過去の会話の扱いについて

GPT-5が新しいデフォルトモデルになることに伴い、以下の旧モデルはChatGPT上での提供が終了します。

  • GPT-4o
  • GPT-4.1,GPT-4.5
  • o4-mini, o4-mini-high
  • o3, o3-pro


これらの旧モデルで作成された過去の会話を開くと、自動的に最も近い性能を持つGPT-5のモデルに引き継がれて会話が継続されます。具体的な対応関係は以下の通りです。

  • 「GPT-4o」 「GPT-4.1」 「o4-mini」などでの会話 → 「GPT-5」で再開
  • 「o3」**での会話 → 「GPT-5 Thinking」で再開
  • 「o3-Pro」での会話 → 「GPT-5 Pro」で再開 (Pro/Teamプランのみ)


モデルが切り替わるため、過去の会話を続けると、応答のスタイルなどが以前と異なる場合があります。

プラン別の旧モデル(レガシーモデル)へのアクセス権

旧モデルへのアクセス権は、プランによって仕様が異なります。

  • Free ユーザー:
    旧モデルへのアクセスはできません。

  • 全ての有料ユーザー (Plus / Team / Pro / Enterprise):
    GPT-4o: デフォルトでモデルピッカーに表示され、いつでも利用可能です。
    追加の旧モデル: ChatGPTのWeb版設定で**「追加モデルを表示 (Show additional models)」のトグルをオン**にすることで、「o3」「GPT-4.1」「GPT-5 Thinking mini」といったモデルもモデルピッカーに表示されるようになります。

  • Pro ユーザー限定:
    上記に加えて、非常に高性能な「GPT-4.5」モデルにもアクセス可能です。

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GPT-5(ChatGPT-5)の使い方

GPT-5は、ChatGPTの新しいデフォルトモデルとして、GPT-4o、OpenAI o3、o4-mini、GPT-4.1、GPT-4.5といった、これまでの主要モデルをすべて置き換える形で、サインインしている全ユーザーに提供されます。

基本的な使い方

ChatGPTを開くと、モデルピッカーから「Auto」「Fast」「Thinking」の3つのモードを選択してGPT-5を利用できます。

  • Auto (自動): ほとんどのユーザーにおすすめの標準モード。質問に応じてAIが思考の深さを自動調整します。
  • Fast (高速): 速度を優先する場合に適したモードです。
  • Thinking (思考): 複雑な問題に対して、ユーザーが意図的に深い思考を促すモードです。

GPT-5の使い方
GPT-5の利用画面

通常は「Auto」のままで、システムが応答に熟考が必要だと判断すれば自動で思考機能が使われますが、必要に応じて手動でモードを切り替えることで、より細かい制御が可能です。

プリセット人格

GPT-5の高い操縦性を活かし、ChatGPTには新たに4つのプリセット人格(preset personalities)が研究プレビューとして導入されます。
これにより、ユーザーはカスタムプロンプトを書かなくても、ChatGPTの対話スタイルを簡単に設定できます。

GPT-5のプリセット人格

用意された4つの選択肢は以下の通りです。

  • Cynic (皮肉屋)
  • Robot (ロボット)
  • Listener (聞き上手)
  • Nerd (ナード/専門家風)


これらのプリセットは設定画面からいつでも調整可能で、自分のコミュニケーションスタイルに合ったAIとの対話を実現します。

「思考中」ビュー

GPT-5が自動または手動で「思考(Thinking)」モードに入ると、ChatGPTの画面には思考中であることを示す特別なビューが表示されます。

「思考中」ビュー
「思考中」ビュー


もし、深い思考を待たずにすぐに答えが欲しい場合は、このビューに表示される「Get a quick answer** (すぐに回答を得る)」ボタンをクリックすることで、思考を中断し、高速なChatモードで即座に応答を得ることも可能です。

アクセントカラーのカスタマイズ

GPT-5のリリースに合わせ、ChatGPTのUI(ユーザーインターフェース)もアップデートされました。新たに、会話の吹き出しやボタンの色などを自分好みに設定できる「アクセントカラー」機能が追加されています。

GPT-5のアクセントカラーのカスタマイズ
設定画面の「一般」タブから、アクセントカラーを変更できる


設定画面からいつでも簡単に変更でき、よりパーソナルな見た目でChatGPTを利用することが可能です。

GPT-4oへの戻し方(旧モデルへの切り替え)

有料プランのユーザーは、GPT-5へ移行後も、旧モデルである「GPT-4o」に切り替えて利用することが可能です。

ただし、この機能はデフォルトではオフになっているため、以下の手順で有効にする必要があります。

  1. ChatGPTのWeb版で設定を開き、「レガシーモデルを表示」のトグルをオンにします。
    ChatGPTのレガシーモデル設定


  1. この設定を有効にすると、ChatGPTのメイン画面にあるモデルピッカー内に「GPT-4o」が表示されるようになります。
    モデルピッカーの表示

特定のタスクで「GPT-4o」の方が好みの結果を出した場合や、GPT-5の挙動に慣れるまでの間など、必要に応じて使い分けることができます。


GPT-5が表示されない・使えない場合の対処法

OpenAIは全ユーザーへのGPT-5の展開が完了したと発表しています。

現在もGPT-5が表示されない・使えないという場合は、ご自身のブラウザやアプリ側に一時的な問題がある可能性が考えられますので、以下の対処法をお試しください。

  • ログアウトと再ログイン
    一度ChatGPTからサインアウトし、再度サインインし直すことで、アカウント情報が更新される場合があります。

  • ブラウザのキャッシュクリア
    ブラウザに古い情報が残っている可能性があるため、キャッシュとCookieを削除してから再度アクセスしてみてください。

  • 別のブラウザを試す
    現在利用しているブラウザ自体に問題がある可能性も考えられます。Microsoft EdgeやChromeなど、別の種類のブラウザで試してみるのも非常に有効な対処法です。


  • アプリのアップデート
    スマートフォンやデスクトップアプリを利用している場合は、ストアで最新バージョンにアップデートされているか確認してください。

GPT-5の外部ツール・プラットフォームでの利用

GPT-5の強力な能力は、ChatGPTの外でも活用することができます。Microsoft製品群から、開発者向けの専門的なコーディングツールに至るまで、幅広いプラットフォームで利用が始まっています。

Microsoft Copilot

OpenAIの発表と同日、マイクロソフトはGPT-5を同社の主要製品群へ深く統合することを発表しました。その中核を担うのが、AIモデルを自動で選択する「モデルルーター」機能のアップデートです。

Microsoft Copilot

個人ユーザーの場合は、Microsoft Copilotの公式ページにアクセスし、「スマートモード」を選択することで誰でも無料でGPT-5を利用できます
Microsoft CopilotでのGPT-5利用画面
Microsoft CopilotでのGPT-5利用画面


Microsoft 365 Copilot:

ライセンスを持つユーザーは、電子メール、ドキュメント、ファイルを横断した高度な推論が可能になり、生産性を飛躍的に向上させることができます。

https://youtu.be/_BSGrykqFAM


Microsoft Copilot Studio:

カスタムエージェント構築プラットフォームであるMicrosoft Copilot StudioでもGPT-5が利用可能になり、より複雑なビジネスプロセスを自動化できます。
Copilot StudioでのGPT-5
Copilot StudioでのGPT-5(参考:Microsoft)

Azure AI Foundry

Azure AI Foundryを通じて、エンタープライズグレードのセキュリティとコンプライアンスで保護されたGPT-5の全モデルにアクセスできます。

Azure AI FoundryでのGPT-5


Azure Foundryに組み込まれたモデルルーターが、プロンプトごとに複雑さ、パフォーマンス、コスト効率を評価し、最適なモデルを自動で選択する点が特徴です。

https://youtu.be/xgdz-KCFpFI

AI駆動開発

GitHub Copilot

GitHub Copilotの全ての有料プランにおいて、チャットのモデルピッカーからGPT-5を選択することで利用できます(※順次展開のため、表示されない場合もあります)。

法人プラン(Enterprise / Business)の場合、管理者が組織のCopilot設定画面で、新しい「GPT-5ポリシー」を有効にする必要があります。

Github CopilotでのGPT-5利用
参考:Github

Github研修

Codex CLI

OpenAIが提供するコーディングエージェント「Codex CLI」を通じて、GPT-5の能力を直接利用することもできます。

最新バージョン(v0.16以降)では、デフォルトモデルとしてGPT-5が搭載されており、ChatGPTの有料プラン(Plus, Pro, Team)に含まれる形で、追加料金なしで利用可能です。

ローカルのコードファイルに対する質問や、複雑なコード生成・修正などを、使い慣れたターミナル上で完結させたい開発者にとって、最も手軽で強力な選択肢の一つです。

Cursor

AIファーストのコードエディタであるCursorでも既に利用可能です。
CusorでのGPT-5利用

Cline

エージェントコーディングに強みを持つClineでも既にサポートが開始されています。
Clineでの利用

Windsurf

WindsurfでもGPT-5が利用可能になっています。
同社の内部評価では、GPT-5は**実世界のエンジニアリングタスクにおいてSOTA(State-of-the-Art:最高水準)**の性能を記録したと報告されており、その実用性の高さが伺えます。


【開発者向け】GPT-5(ChatGPT-5)の新しいAPI機能

GPT-5の進化は、モデルの性能向上だけにとどまりません。開発者がAIの挙動をこれまで以上に細かく、そして直感的に制御するための、数々の新機能がAPIに追加されました。

ここでは、今回新たに詳細が判明した機能を中心に、その革命的な能力を紹介します。

推論の労力 (Reasoning Effort)

これは、AIが答えを出す前にどれだけ「深く考える」かを、開発者が直接コントロールできる画期的な機能です。

複雑で多角的な検討が必要なタスクには高い労力を設定し、速度が求められる単純なタスクには低い労力を設定するなど、タスクの難易度に応じてAIの思考リソースを最適に配分できます。

冗長性 (Verbosity)

AIが生成する文章の「おしゃべり度合い」を制御する機能です。プロンプト自体を書き換えることなく、パラメータをlowmediumhighの3段階で設定するだけで、出力の詳しさを調整できます。

  • low:
    簡潔なユーザー体験や最小限の文章が求められる場合に最適です。例えば、単純なスクリプト生成では、コメントや余分な説明を排したコードのみを出力します。

  • medium (デフォルト):
    バランスの取れた詳細度を提供します。コード生成においては、説明コメントや簡単な使い方を含む、読みやすいコードを生成します。

  • high:
    非常に詳細な出力を生成します。システムの監査ログ、教育的なコンテンツ、あるいは他者への引き継ぎ資料の作成に最適です。
    コーディングにおいては、引数解析や複数の実装方法の提案、丁寧なベストプラクティス解説まで含む、本番環境レベルの包括的なスクリプトを生成します。


このように、同じプロンプトでもVerbosityを調整するだけで、出力の用途を自在に変えることが可能です。

フリーフォーム関数呼び出し (Free-Form Function Calling)

従来のJSON形式に縛られることなく、PythonスクリプトやSQLクエリといった生のテキストを、そのままカスタムツールに渡せるようになった画期的な機能です。

これは、AIが生成したコードを直接コード実行環境(サンドボックス)に送ったり、SQL文をデータベースに直接クエリしたりする場合に、非常に自然で柔軟な連携を可能にします。
開発者は、不要なデータ形式の変換処理から解放され、より本質的なロジックの実装に集中できます。

コンテキストフリー文法 (Context-Free Grammar - CFG)

モデルの出力を、あらかじめ定義した厳格なルール(文法)に強制的に従わせる機能です。これにより、出力が必ず正しい形式(例えば、特定のSQL方言やカスタムフォーマット)であることが保証され、後処理でのエラーや手直しを大幅に削減できます。
サポートされている文法は
Lark
および**正規表現(Regex)**です。

この機能が特に強力なのは、例えばSQLの方言を正確に使い分けさせたい場合です。MS SQLの『TOP N』構文とPostgreSQLの『LIMIT N』構文は似て非なるものですが、それぞれの文法を定義してツールとして提供することで、AIは文脈に応じて100%正しい構文のクエリを生成し分けることができます。これは、システムの信頼性を担保する上で非常に重要な機能です。

許可されるツール (Allowed Tools)

AIに複数の能力(ツール)を与えつつ、特定の状況では「このツールだけを使いなさい」と動的に制限をかける機能です。

これにより、意図しないツールの使用によるエラーやセキュリティリスクを防ぎ、アプリケーション全体の安全性と予測可能性を飛躍的に高めることができます。

前文 (Preamble)

AIが何か行動を起こす(ツールを使う)前に、「なぜ今からその行動を取るのか」という意図や計画を、人間にわかる言葉で説明させることができます。

特に、AIエージェントが複数のステップにまたがる複雑なタスクを実行する場合、この「前文」機能はユーザーに安心感を与え、タスクの進捗を分かりやすく追跡できるため、インタラクティブな体験を大幅に向上させます。


ChatGPT-5(GPT-5)のプロンプト戦略

GPT-5は非常に高性能ですが、その能力を最大限に引き出すには、モデルの特性を理解した上で、より洗練されたプロンプト(指示)を与えることが重要です。
ここでは、OpenAIの公式プロンプトガイド(GPT-5 prompting guide)で紹介されている主要な戦略を解説します。

エージェントワークフローの最適化

自律的にタスクをこなすAIエージェントを構築する際には、「自律性(積極性)」と「効率性」のバランスをコントロールすることが鍵となります。

  • 積極性を抑えたい場合 (速度・効率重視):
    『Reasoning Effort』を低く設定し、「できるだけ早く正しい答えを出すことを強く優先する。そのために最大2回のツール呼び出しで行動すること」といったように、探索の範囲を明確に制限する指示を与えます。

  • 積極性を高めたい場合 (自律性重視):
    『Reasoning Effort』を高く設定し、「ユーザーの要求が完全に解決されるまで、あなたの判断でタスクを続行すること。
    不確実なことがあってもユーザーに確認を求めず、最も合理的だと思われる仮説を立てて行動しなさい」といった指示を与えることで、より自律的な挙動を促せます。

コーディング性能を最大化する

GPT-5はコーディング能力が大幅に向上していますが、いくつかの工夫でさらにその性能を高めることができます。

  • 推奨技術の指定:
    特にゼロからフロントエンドアプリを開発させる場合、Next.js (TypeScript)Tailwind CSSshadcn/uiといった、モデルが特に習熟しているモダンな技術スタックを指定することで、高品質な成果物が得られやすくなります。

  • 自己評価と反復(セルフリフレクション):
    「まず、世界クラスのWebアプリを評価するための基準を5~7個考え、その基準に照らして自分の回答が最高水準に達するまで、内部的に思考と修正を繰り返してください」といった指示を与えることで、モデル自身の計画能力と自己反省能力を活用し、出力の質を向上させることができます。

  • 既存コードベースへの適合:
    既存のプロジェクトにコードを追加させる場合は、そのプロジェクトの「設計思想」「ディレクトリ構造」「UI/UXのベストプラクティス」などを明確にルールとして与えることで、生成されるコードが既存のスタイルと調和し、きれいに「溶け込む」ようになります。

指示追従性と知性の最適化

GPT-5は指示に非常に忠実ですが、その性質ゆえの注意点も存在します。

  • 矛盾した指示を避ける:
    指示に忠実であるということは、プロンプト内に矛盾した指示(例:「患者の同意なしに予約するな」と「緊急時は患者に連絡せずに即座に予約しろ」が両立している)が含まれていると、モデルはそれを解決しようとして混乱し、性能が低下する原因となります。
    プロンプトを設計する際は、指示に論理的な矛盾がないか、注意深く見直すことがこれまで以上に重要です。

  • メタプロンプティングの活用:
    「このプロンプトでは期待通りの動きをしない。どう修正すれば良いか?」というように、GPT-5自身にプロンプトの改善案を考えさせる「メタプロンプティング」も非常に有効なテクニックです。


まとめ

GPT-5の登場は、AIが単なる「賢い対話相手」から、実務を安心して任せられる**「信頼できる仕事のパートナー」**へと、その役割を決定的に進化させたことを示すものです。

  • 知能、速度、コストで戦略的に構成されたモデルラインナップ
  • 開発者にAIの思考プロセスそのものへの介入を許す、革新的なAPI群
  • そして、ハルシネーションを劇的に削減し、実用性を飛躍的に高めた信頼性


これらが三位一体となることで、GPT-5はこれまでの「対話」や「指示」のレベルを超え、複雑なタスクを安心して任せられる「自律的な実行役」としての地位を確立しました。

コーディング、データ分析、専門的なリサーチといった分野で、AIが人間の思考を拡張し、生産性を根底から変える時代が、本格的に到来したと言えるでしょう。

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監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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