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【AI開発】VSCode拡張機能「Cline」とは?使い方やCursorとの違いを徹底解説

この記事のポイント

  • Clineは、VSCode・JetBrains・Zed等で使える、400万人以上が利用するオープンソースAIコーディングエージェント。
  • 自然言語の指示で、コード生成・修正、ターミナル操作、ブラウザでのテストまでを自律的に実行する。
  • Claude Opus 4.6、GPT-5、Codex-5.3など最新AIモデルから自由に選択可能。CLI 2.0でCI/CDパイプラインにも統合。
  • 専用エディタ型のCursorとは異なり、既存の開発環境に手軽に導入できるのが大きな特徴。
  • ネイティブサブエージェントによる並列タスク実行や、Human-in-the-Loop設計による安全性を両立。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


「もっとコーディングを効率化したい」「反復的なタスクを自動化して、もっと創造的な作業に集中したい」
そんな悩みを持つすべての開発者におすすめなのが、400万人以上の開発者に利用されているオープンソースAIコーディングエージェント「Cline」です。
本記事では、2026年2月にリリースされたCLI 2.0やネイティブサブエージェントなどの最新機能から、具体的な使い方、料金体系、そして人気のAIエディタ「Cursor」との違いまで、その全貌を徹底的に解説します。

Clineとは

Cline Bot Inc.社が開発した「Cline」は、AIを活用した開発者支援ツールとして注目を集めています。
このAIエージェントは、Visual Studio Code(VS Code)などの統合開発環境(IDE)上で動作し、コードの修正やプロジェクトの構造解析、タスク自動化など、開発者の生産性向上を目的としています。

本ツールは、オープンソースとして公開されており、開発者コミュニティと連携しながら進化しています。


Cline画面
Cline画面

オープンソースとは

オープンソースとは、ソフトウェアのソースコードが一般公開されており、誰でもそのコードを自由に閲覧・利用・改変できる形態のことを指します。
その中でもClineはApache License 2.0(アパッチライセンス 2.0)で提供されています。

Apache License 2.0は、オープンソースソフトウェアのライセンスの一つで、特に商用利用における自由度が高いことが特徴です。

  1. 商用利用の許可
    Apache 2.0ライセンスの下で公開されたソフトウェアは、個人利用・商用利用ともに自由です。企業がこのソフトウェアを製品やサービスに組み込んでも問題ありません。

  2. 改変と再配布
    ユーザーはソースコードを改変して再配布することができます。改変したコードをオープンソースとして公開する義務はなく、独自のプロプライエタリソフトウェアとして配布することも可能です。

  3. 著作権表示の保持
    改変または再配布を行う場合、元の著作権表示(Copyright Notice)やライセンスのコピーを保持する必要があります。これにより、元の開発者の貢献が明確に示されます。

  4. 特許権の許諾
    Apache 2.0ライセンスは、ソフトウェアに関連する特許権の使用を許可します。これにより、ライセンス利用者が特許侵害のリスクを最小限に抑えることができます。

  5. 免責事項
    Apache 2.0ライセンスのソフトウェアは「現状のまま(as-is)」で提供され、明示的または暗黙的な保証はありません。利用者は自己責任で使用する必要があります。

このように誰もが利用しやすい形で提供されているClineについて徹底的に解説していきます!

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Clineの主な機能

Clineを他のAIコーディングツールと区別する最大の特徴は、その自律性と包括的な開発支援能力にあります。従来のコード補完ツールが「次の1行を予測する」程度だったのに対し、Clineは「プロジェクト全体を理解し、複数ステップの開発タスクを完遂する」レベルまで進化しています。

例えば、実際の開発現場では、「4x4の三目並べゲームを作って」という指示から、ファイル構造の設計、クラス設計、ゲームロジックの実装、ターミナルインターフェースの作成、勝利判定の実装まで、一連の作業を理解して実行する必要があります。
Clineはまさにこのような複雑なタスクを得意としており、開発者の意図を汲み取って自律的に作業を進めることができます。

1. タスク駆動型の自律開発支援

Clineの最も印象的な能力は、曖昧な指示からでも具体的な実装計画を立てて実行できることです。例えば「ASCII アートを生成するアプリケーションを作って」と依頼すると、Clineはタスクを実行可能なステップに分解し、コードを書き、エラーを確認し、修正を重ね、さらには実際にコードを実行してエラーをチェックします。

この作業において、Clineは以下のような高度な解析機能を駆使します:

  • AST(抽象構文木)解析: コードの意味的構造を理解し、単なる文字列処理ではない本質的なリファクタリングを実行
  • 正規表現検索: コードベース全体から関連するパターンや依存関係を特定
  • プロジェクト構造解析: 大規模プロジェクトでも効率的にナビゲートし、必要な情報のみを収集


特に大規模プロジェクトにおいて、Clineは人間が見落としがちな細部まで配慮します。コンテキストウィンドウを効率的に管理し、必要な情報のみをAIに送信することで、巨大なプロジェクトでもパフォーマンスを維持します。

2.複数のAIモデルとAPI対応

現在のAI開発環境では、異なるタスクに異なるモデルが最適という現実があります。複雑な設計判断にはClaude Opus 4.6が優れているが、単純なコード生成ならより高速で安価なモデルで十分、といった使い分けが重要になっています。

Clineはこの課題を解決するため、モデル非依存の設計を採用しています。開発者は予算と要件に応じて最適なモデルを選択でき、同一プロジェクト内でも用途に応じてモデルを切り替えることができます。


モデルの選択画面
モデルの選択画面

2026年2月時点で対応している主要プロバイダーは以下の通りです。

  • Anthropic(Claude Opus 4.6、Claude Sonnet 4.6、Claude Haiku 4.5対応)
  • OpenAI(GPT-5、Codex-5.3対応。ChatGPT Plus/Pro OAuth連携も可能)
  • Google Gemini
  • AWS Bedrock
  • GCP Vertex
  • Cerebras
  • Groq
  • OpenRouter(500以上のモデルに対応)
  • Vercel AI Gateway(2026年新規追加)
  • LM Studio
  • Ollama
  • OpenAI Compatible

OpenRouterを使用する場合、Clineは最新のモデルリストを自動取得し、新しいモデルがリリースされるとすぐに利用可能になります。さらに重要なのは、Clineが提供する透明性の高いコスト管理機能です。
リアルタイムでトークン使用量とAPI費用を表示し、タスク全体と個別リクエストの両方でコストを追跡できます。

3. 高度ターミナル統合:開発フローの完全自動化

ターミナル統合も大きなアップデートの一つです。VSCode v1.93以降のShell Integration APIを活用した包括的なターミナル統合により、開発フローの自動化が飛躍的に進みました。

これにより、Clineは単にコードを生成するだけでなく、実際にコマンドを実行し、結果を確認し、問題があれば修正するという完全な開発サイクルを自動化できるようになりました。

リアルタイム開発支援

ターミナル統合により、以下のような作業が自動化されます。

  • パッケージ管理: npm install、pip installなどの依存関係インストール
  • ビルドプロセス: webpack、Viteなどのビルドツール実行と監視
  • テスト実行: Jest、pytestなどのテストフレームワーク統合
  • 開発サーバー: ローカルサーバーの起動と継続監視
  • デプロイメント: Docker、AWS CLIなどのデプロイコマンド実行

この過程で各コマンドの出力をリアルタイムで監視し、エラーが発生すれば即座に対処します。長時間実行されるプロセスに対しては、「Proceed While Running」機能を使用してバックグラウンドで監視しながら他の作業を継続できます。

インテリジェントなエラー処理

Clineは単にコマンドを実行するだけでなく、出力を理解して適切に反応します。コンパイル時エラーが発生した場合は自動的に修正を提案し、開発サーバーでエラーが発生した際は即座にファイル修正を行います。

Shell Integration品質をRich/Basic/Noneの3段階で管理し、問題がある場合は自動診断と修正提案を行います。

4 ファイル作成・編集と差分管理

Clineのファイル操作能力は、単純な「検索と置換」を大きく超越しています。コード全体の文脈を理解し、変更が他の部分に与える影響を予測して、一貫性のある修正を行います。

特に印象的なのは差分管理システムです。Clineが提案する変更は、美しい差分ビューで表示され、開発者は各変更を個別に承認・修正・却下できます。変更内容は詳細に解説され、「なぜこの変更が必要なのか」「他にどのような選択肢があるのか」まで説明されます。

さらに、Clineは以下のような高度な品質管理機能を内蔵しています。

  • リアルタイムLinter統合: ESLint、Pylintなどと連携し、コード品質を維持
  • コンパイラーエラー監視: TypeScript、Goなどのコンパイルエラーを自動検出・修正
  • 依存関係の自動解決: 新しい機能に必要なインポート文を自動追加
  • 構文エラーの予防: 編集中のリアルタイム構文チェックと修正


ワークスペース管理においては、スナップショット機能が特に有用です。各作業ステップでプロジェクトの状態を自動保存し、「Compare」ボタンで現在の状態との差分を確認でき、「Restore」ボタンで任意の時点に戻ることができます。
この機能により、安全に異なるアプローチを試すことができ、進捗を失うことなく実験的な開発が可能になります。

5. ブラウザ統合

Web開発において、Clineはヘッドレスブラウザ統合により、コード作成からテストまでの完全なサイクルを自動化します。「アプリをテストして」という指示だけで、npm run devを実行し、ローカルサーバーを起動してエラーチェックを自動で行います。

このブラウザ統合により、以下のような高度な検証が可能になります。

  • 自動UI操作: クリック、入力、スクロールなどの操作を自動実行
  • 視覚的デバッグ: スクリーンショット取得と視覚的差分検出
  • コンソールログ監視: JavaScriptエラーやWarningの自動取得
  • ランタイムエラー修正: 実行時エラーや視覚的バグの自動特定・修正


Clineはブラウザで実際に変更が正しく反映されているかを確認し、エラーが発生した場合はブラウザのコンソールログを解析して問題の根本原因を特定し、修正案を提案します。
タスク完了時には、「open -a "Google Chrome" index.html」のようなターミナルコマンドを提示し、ワンクリックで実行できます。

6. Model Context Protocol(MCP):無限の拡張可能性

大きなアップデートの一つが、MCP Marketplaceの導入です。これにより、Clineは単なるコーディングツールから、あらゆる開発ツールと連携可能な統合プラットフォームに進化しました。

MCPの真の価値は、その自然言語によるツール作成能力にあります。「Jiraチケットを取得するツールを追加して」と依頼するだけで、MCPサーバーの作成からインストールまで、すべて自動化されます。作成されたツールは将来のタスクでも再利用でき、Clineのツールキットの一部として永続的に利用できます。


Cline MCP
MCPマーケットプレイス

現在、MCP Marketplaceには数百のサーバーが登録されており、主要な分野は以下の通りです。

  • 検索・情報取得: Perplexity、DuckDuckGo、Web スクレイピング
  • 開発ツール: GitHub、GitLab、Jira、Linear統合
  • データベース: PostgreSQL、MongoDB、Supabase連携
  • クラウドサービス: AWS CloudWatch、Azure Monitor
  • ファイル操作: Google Drive、Notion、Obsidian連携
  • コミュニケーション: Slack、Discord、メール送信


さらに、コンテキスト機能の強化により、外部リソースとの連携が格段に向上しました。@urlを使って最新のAPIドキュメントを即座に取り込んだり、@problemsでワークスペース全体のエラーを一括解決したりできます。@fileや@folderを使用することで、必要な情報を効率的にClineに提供できます。

7. Plan-then-Act Mode:AI開発の透明性革命

従来のAIツールの最大の問題は「ブラックボックス性」でした。AIが何を考えて、なぜその解決策を選んだのかが不明で、結果的に開発者はAIの判断を盲信するか、完全に不信するかの二択を迫られていました。

ClineのPlan-then-Act Modeは、この問題を根本的に解決します。Plan Modeでは、Clineがタスクを受け取ると、まず以下の内容を詳細に提示します:

  • 実行計画の詳細: どのファイルを修正するか、どのような順序で作業するか
  • リスク評価: 潜在的な問題点と対策の事前提示
  • 代替案の検討: 複数のアプローチとそれぞれのメリット・デメリット
  • 影響範囲の分析: 変更が他の部分に与える影響の予測

開発者は計画内容を詳細に検討し、修正や代替案の提示を求めることができます。計画が承認されて初めて、Act Modeに切り替わり、Clineは実際の実装作業に移ります。

Act Mode:管理された実行プロセス

実行段階でも、各ステップの完了状況がリアルタイムで可視化され、問題が発生した場合は動的に計画を調整します。
この設計により、「AIが勝手に重要なファイルを変更してしまった」「意図しない設計になってしまった」といった問題を防ぐことができます。

これにより、開発者はAIのパートナーとして、主導権を保ちながら効率的な開発を進めることができます。この透明性の高いアプローチが、Clineを他のAIコーディングツールから際立たせる最大の特徴となっています。

8. CLI 2.0:ターミナルをAIエージェントの操作盤に

2026年2月にリリースされたCline CLI 2.0は、ターミナルをAI開発のコントロールプレーンへと変える大規模アップデートです。

これまでVSCode上のGUIを前提としていたClineが、ターミナル上でも完全に動作するようになりました。TabキーでPlanモードとActモードを切り替え、Shift+Tabで自動承認をトグルするなど、キーボード操作だけで効率的にAIエージェントを制御できます。

特に大きいのがCI/CDパイプラインへの統合です。ヘッドレスモードで動作するため、GitHub Actions、GitLab CI、Jenkinsなどのワークフローに組み込むことが可能です。例えば、git diffの出力をパイプでClineに渡してコードレビューを自動化したり、テスト実行後に失敗箇所をClineに修正させたりといった運用が実現できます。

9. ネイティブサブエージェント:並列タスク実行

v3.58.0で導入されたネイティブサブエージェント機能により、Clineは複数のサブタスクを並列で実行できるようになりました。

各サブエージェントは独立したコンテキストウィンドウを持つため、親タスクの文脈を汚さずに集中的な作業が可能です。自動承認と組み合わせることで、完全自律型のマルチスレッドワークフローも実現できます。

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Clineの使い方

Clineは、Visual Studio Code(VSCode)やCursorの拡張機能として動作し、簡単にセットアップして使用できます。以下に、Clineの主な利用手順を示します。

1. インストール

  • VSCodeでインストール

    • VS MarketplaceからClineを検索し、拡張機能をインストールします。
      インストール画面
      インストール画面

    • コマンドパレットCmd/Ctrl + Shift + P)で「Cline: Open In New Tab」を選択すると、Clineをエディタ内のタブとして開けます。

    インストールが完了すると左下にClineのロゴが出てきますのでここから利用も可能です。
    clineインストール完了
    clineインストール完了


2. 初期設定

  • APIプロバイダーの選択
    使用するAIプロバイダー(例:Anthropic, OpenAI, Google Gemini, AWS Bedrockなど)を選択し、APIキーを入力します。

    モデルの選択
    モデルの選択

入力が終わったらlet's goのボタンを押します。
すると以下のような画面が出てくるので実際のタスクを実行していきましょう。

プロンプトの入力画面
プロンプトの入力画面

3. タスクの実行

Clineを使って具体的なタスクを実行する方法は以下の通りです。

Clineの承認画面
Clineの承認画面

Clineには動作の実行時に承認の許可が必要です。以下の安全性と柔軟性でも解説していますがこれにより、安全なファイルの修正を実現します。

3.1 コード生成や修正

  1. コマンドパレットで「Cline: Generate Code」を選択。
  2. 作成したい機能や修正したいコードについて指示を入力します。
  3. 提案された変更を差分ビュー(Diff View)で確認し、適用または修正を承認します。

3.2 ターミナルコマンドの実行

  1. コマンドの内容をClineに指示します(例:「パッケージをインストールして」)。
  2. Clineがターミナルでコマンドを実行し、進捗状況を監視します。

3.3 ブラウザでのデバッグ

  1. 「アプリをテストして」と指示するだけで、npm run devを実行し、ローカルサーバーを起動。
  2. ブラウザでの操作を自動化し、エラーやバグを特定・修正します。

3.4 カスタムツールの追加

  1. 「Jiraチケットを取得するツールを追加して」などの指示を入力。
  2. Clineが必要なツールを作成し、エコシステムに統合します。

4. 結果の確認

タスク完了後、Clineは以下を提示します。
ファイルの差分が表示されます。

実行結果例
実行結果例

  • 作成・編集したファイルの詳細
  • 実行したコマンドのログ
  • 必要な追加操作(例:「open -a "Google Chrome" index.htmlを実行してください」)

結果が期待通りでない場合は、チャットでフィードバックを与えて再調整が可能です。


Clineの料金体系

Clineは「完全無料 + APIコスト」という分かりやすいモデルを採用しています。オープンソースプロジェクトとして提供されているため、VSCode拡張機能のインストール・利用に費用は一切かかりません。機能制限や利用制限もありません。

実際にかかる費用は、選択したAIプロバイダーのAPI料金のみです。これは使用したトークン数に応じて発生し、プロバイダーから直接請求されます。マークアップや手数料は一切ありません。

  1. 基本的な利用料
    Cline自体はオープンソースとして提供されており、無料でインストール・利用可能です。

  2. APIコスト
    Clineを利用する際には、選択したAIプロバイダーのAPI料金が発生します。たとえば:

    • Anthropic ClaudeOpenAIの利用には、それぞれの料金体系に基づく費用が必要です。
    • トークン単価やリクエスト回数に応じて変動します。

  3. 追加コスト

    • 高度な機能(カスタムツール作成やプロンプトキャッシング)を多用する場合、APIコストが増加する可能性があります。
    • トークン使用量やAPIコストはCline内でリアルタイムで追跡・表示されるため、適切に管理が可能です。

料金試算例

以下は、2026年2月時点のAPI利用にかかるコストの例です(推定値):

  • Anthropic Claude Sonnet 4.6 入力100万トークンあたり約$3、出力$15
  • Anthropic Claude Opus 4.6 入力100万トークンあたり約$15、出力$75
  • OpenAI GPT-5 入力100万トークンあたり約$1.25、出力$10

Clineは、これらAPIコストを削減するためにプロンプトキャッシングや効率的なリクエスト処理を行い、コストパフォーマンスを向上させています。ただし、ヘビーユーザーの場合は1日のAPI費用が20ドルを超えるケースもあるため、コスト管理機能を活用して使用量を把握しておくことが重要です。

チーム向けプラン

Clineは、チーム利用向けにも柔軟で透明性の高いプラン体系を提供しています。スタートアップから大企業まで、あらゆる規模の組織に対応しており、10人以下の小規模チームであれば管理機能付きで完全無料で利用できます。

以下の表で、2026年2月時点のClineのプラン体系を整理しました。

プラン 料金 対象 主な機能
オープンソース 無料 シングルユーザー ・Cline拡張機能の全機能
・推論クレジットは直接プロバイダーに支払い
・コミュニティサポート
オープンソースチーム 無料(Q1 2026まで)→$20/月 1-10席は常時無料 ・管理ダッシュボード
・G-Suite/GitHubログイン
・ユーザーレベル支出管理
・JetBrains拡張機能
・ロールベースのアクセス制御
Enterprise カスタム価格 大規模組織向け ・SSO / OIDC / SCIM
・監査ログ
・VPCデプロイメント
・SLA・専任サポート
・OpenTelemetry対応

ここで注目すべきは、10人以下のチームであれば常時無料で管理機能が使えるという点です。他のAIコーディングツールでは見られない、オープンソースプロジェクトならではの利点といえます。

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Clineの拡張性とカスタマイズ

Clineは、標準機能に加え、ユーザー固有のニーズに対応できる柔軟な拡張性を備えています。

Model Context Protocol(MCP)によるカスタムツール作成

Clineは、**Model Context Protocol(MCP)**を活用することで、ユーザー独自のカスタムツールを作成可能です。
この仕組みにより、以下のようなツールを簡単に作成・統合できます。

  • Jiraチケット管理ツール:指定されたチケット内容を取得し、必要な作業を自動化。
  • AWS EC2管理ツール:サーバーの稼働状況を確認し、必要に応じてインスタンスをスケールアップまたはスケールダウン。
  • PagerDutyインシデント管理ツール:最新のインシデント情報を取得し、関連するバグ修正を自動支援。

これらのカスタムツールは、Clineのエコシステムに統合され、将来のタスクでも再利用可能です。

ワークスペース効率化

Clineは、プロジェクトの効率的な運用を可能にするため、以下のような情報の取り込み機能を提供します。

  • @url:指定したURLの内容を取得し、Markdown形式に変換。APIドキュメントや仕様書を即座にClineの作業範囲に取り込めます。
  • @problems:エラーや警告を一覧化し、Clineに修正させることで、手間を削減。
  • @file:特定のファイルを簡単に追加し、APIリクエストを節約。
  • @folder:フォルダ全体のファイルを一括で読み込み、大規模プロジェクトでも効率的に対応可能。


これにより、Clineは必要な情報を的確に整理し、複雑なタスクも迅速に処理します。

開発者向けサポート

Discordイメージ
Discordイメージ

Clineは、開発者コミュニティとの協力を重視しており、オープンソースとして公開されていることから、コミュニティとして充実しています。

Cline Bot Inc.は、開発者間の交流を促進するために以下のリソースを提供しています:

  • Discordコミュニティ:#contributorsチャネルで他の開発者と意見交換し、プロジェクトへのフィードバックを共有可能。
  • Contributing Guide:初めての貢献者向けに、貢献の手順やベストプラクティスを明示。
  • キャリア機会:Cline Bot Inc.では、AI開発やツールの進化に携わるフルタイムポジションを提供しています。

Discordチャネルはこちらです。


Clineの種類

Clineの人気と成功により、オープンソースエコシステムには複数の派生版(フォーク)が生まれています。これらは元のClineをベースに、特定のニーズや用途に特化した機能を追加したバリエーションです。

オリジナルのClineが汎用性と安定性を重視する一方、各フォーク版は独自のコンセプトで進化を続けています。チーム開発の効率化、初心者向けの使いやすさ、実験的機能の先行実装など、それぞれ異なる価値を提供しています。

2026年2月時点での主要な派生版と、それぞれの特徴・適用範囲は以下の通りです。

1. Cline(オリジナル版)

最も信頼性が高く、広範囲なサポートが受けられる標準版です。Saoud Rizwan氏率いるCline Bot Inc.が開発・維持しており、定期的なアップデートと安定した動作が保証されています。400万人以上という圧倒的なユーザー数が、その信頼性と完成度を物語っています。

  • 開発者 Saoud Rizwan(Cline Bot Inc. CEO)
  • 最新バージョン v3.62.0(2026年2月13日更新)
  • 特徴 最も安定しており、400万人以上の開発者に利用されている標準版。CLI 2.0やネイティブサブエージェントなど最新機能も搭載
  • 適用範囲 汎用性と安定性を重視するユーザー向け

2. Roo Code(旧 Roo Cline)

チーム開発に特化した機能強化版として人気を集めています。複数のAIエージェントを連携させ、「エディタ内に開発チーム全体を構築する」という野心的なコンセプトを実現しています。システム管理者にとって特に有用な機能が多数追加されています。

  • 開発者: RooVeterinaryInc
  • 特徴: 「開発チーム全体をエディタに」をコンセプトに、複数のAIエージェント連携
  • 主な改良点:
    • ロールベースのプロンプト対応
    • 複数プロファイル管理(モデル切り替えが容易)
    • システム管理者向けの自然言語CLI対応
  • 適用範囲: チーム開発、複雑なワークフロー管理

3. Cool Cline

「いいとこ取り」をコンセプトに、複数のフォーク版の優れた機能を統合した統合型バージョンです。初心者でも扱いやすいインターフェースと、バランスの取れた機能セットを提供しています。学習コストを抑えながら高度な機能を利用したいユーザーに適しています。

  • 開発者: Cool Cline
  • 特徴: 複数フォーク版の機能を統合した「いいとこ取り」版
  • 主な改良点: 初心者向けの使いやすさ重視、バランス型機能セット
  • 適用範囲: 初めてAIコーディングツールを使うユーザー

4. Bao Cline

実験的機能の先行実装とパフォーマンス最適化に焦点を当てた技術志向の派生版です。新しいAI技術や開発手法をいち早く試したい上級ユーザーや、特定の環境での最適化が必要なプロジェクトに向けて開発されています。

  • 開発者: jnorthrup
  • 特徴: 実験的機能とパフォーマンス最適化に特化
  • 適用範囲: 特定環境での最適化、実験的機能の試用

5. Kilo Code

ClineとRoo Codeの両方をベースにした新興フォークで、800万ドルのシード資金を調達して注目を集めています。150万人以上のユーザーを抱え、独自のOrchestratorモード(複雑なタスクを自動分割して並列処理)やクラウドエージェント、マネージドコードインデックスなどの差別化機能を搭載しています。

  • 開発者 Kilo-Org
  • 特徴 $8Mの資金調達、Orchestratorモード、クラウドエージェント、タブ補完、音声プロンプト対応
  • 適用範囲 エンタープライズ向け、大規模開発プロジェクト

選択指針: オリジナルのClineが最も安定しており、広範囲のサポートが受けられます。チーム開発にはRoo Code、大規模プロジェクトのオーケストレーションにはKilo Codeが有力な選択肢です。


ClineとCursorの違い

ClineとCursorは、AIを活用して開発者の生産性向上を支援するツールですが、機能や提供形態に違いがあります。

以下に、ClineとCursorの比較を統合し、特徴を簡潔に表形式でまとめました。

項目 Cline Cursor
運営 Cline Bot Inc.(オープンソース) Anysphere社(プロプライエタリ)
提供形態 拡張機能(VSCode、JetBrains、Zed、Neovim等に統合可能) 専用エディタ(VSCodeフォーク)
料金体系 無料+API従量課金制
使用するAIプロバイダーに応じて変動
クレジット制(月額$20のProプランに利用クレジット込み)
拡張性 高い
MCPを活用してカスタムツールやワークフローを作成可能
制限あり
内蔵機能に依存
対応IDE VSCode、JetBrains、Zed、Neovim、Emacs Cursor IDE専用
対応AIモデル 全プロバイダー対応(Anthropic、OpenAI、Gemini等、500+モデル) キュレートされたモデル選択
バックグラウンド実行 CLI 2.0のヘッドレスモードでCI/CD統合 Background Agents(クラウドVM上で並列実行)
タブ補完 標準非搭載(Kilo Codeフォークで対応) Proプランで無制限
コスト予測性 低い(API使用量に依存) 高い(月額サブスクリプション)


  • Clineは、柔軟なカスタマイズ性や既存ツールとの統合が求められる場合に最適です。特にCI/CDパイプラインへの統合や、複数のAIモデルを使い分けたいケースで力を発揮します

  • Cursorは、専用エディタ環境での統合的な開発体験を重視するユーザー向けです。2026年2月にはBackground Agents機能がアップデートされ、クラウドVM上で10〜20タスクの同時並列実行が可能になりました

なお、ClineやCursor以外にも、WindsurfClaude CodeGitHub Copilotなど、AI開発支援ツールの選択肢は多岐にわたります。選択の際は、IDE環境、モデルの自由度、コスト管理の重要度に応じて適切なツールを選定してみてください。

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Clineの安全性と柔軟性

Clineは、高度なAI機能を活用しつつ、開発環境における安全性を最優先に設計されています。これにより、AIによる効率化と開発者の安心感を両立しています。

ヒューマン・イン・ザ・ループ

Clineは、自律的なAI動作のリスクを最小化するために、**Human-in-the-Loop(人間を介在させる設計)**を採用しています。

この仕組みでは、Clineが実行する以下の操作について、必ずユーザーの承認が必要です。

  • ファイル変更や作成:コード変更内容を事前に提示し、ユーザーが確認・承認することで予期しない変更を防ぎます。

  • ターミナルコマンド実行:コマンド内容とその影響をユーザーに確認させることで、意図しない操作を防止します。

このデザインにより、安全性が確保されるだけでなく、AIが提案する変更をユーザーがフィードバックしやすい環境が整えられています。

プロンプトキャッシング

Clineは、プロンプトキャッシング機能を通じて、効率的なAPIリソースの利用を実現しています。
この機能は次のように動作します。

  • 過去のプロンプト履歴を再利用:繰り返し処理が必要なタスクでは、以前の結果をキャッシュから呼び出し、APIリクエストを節約。

  • APIコストの最適化:特に複雑なプロジェクトでは、無駄なリクエストを削減することで、作業の総コストを大幅に抑えます。

これにより、Clineは高いコストパフォーマンスを維持しつつ、ユーザーが効率的にタスクを進められる環境を提供します。

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Clineの活用事例をご紹介

では、実際にどのように活用されているのかXの国内事例をみていきましょう。

  • 自身の日記から好みの本を購入してくれる


  • 自身のナレッジの活用


  • 受託開発への活用


  • Clineで小説の執筆


  • Cursor、Clineの使い分け


まとめ

Clineは、400万人以上の開発者に利用されるオープンソースAIコーディングエージェントとして、コード生成、ターミナル操作、ブラウザ統合、カスタムツール作成など多岐にわたる支援を提供します。2026年2月にはCLI 2.0やネイティブサブエージェントが追加され、CI/CDパイプラインへの統合や並列タスク実行が可能になりました。

Claude Opus 4.6やGPT-5をはじめとする最新AIモデルとの連携により、プロジェクト解析やデバッグが効率化され、より創造的な業務に集中できる環境を実現します。ぜひ活用して、業務効率化に繋げてみてください。

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