この記事のポイント
Googleの最新モデル「Nano Banana Pro」なら、日本語プロンプトだけでキャラ固定された漫画が描ける
面倒な学習や設定画の用意は不要。テキストで特徴を指定するだけで一貫性を維持
さらにこだわりたい場合は、自作の「キャラ設定画」を読み込ませることで再現度が向上
4コマ、少年漫画、少女漫画など、スタイルを指定するだけで多様な画風に対応
既存のキャラクターなど第三者の著作権を侵害しないよう、入力画像や公開には注意が必要

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入DX推進を支援。
「漫画を描きたいけど、絵心が全くない…」「AIで漫画を作ろうとしたけど、コマごとにキャラの顔が変わってしまう…」そんな悩みを抱えていませんか?
今、X(旧Twitter)を中心に「神アプデ」と話題沸騰中のGoogle最新モデル「Nano Banana Pro」。このAIを使えば、これまで画像生成AIの課題だった「キャラクターの一貫性(キャラ固定)」を驚くほど簡単に解決できます。
しかも、面倒な準備は不要。簡単な日本語の指示(プロンプト)だけで、あなたの頭の中にあるストーリーを漫画化できるのです。
本記事では、このNano Banana Proを使った「AI漫画制作」について、手軽にプロンプトだけで描く方法から、画像を使ってこだわり抜く方法まで徹底解説します。
4コマ、ストーリー漫画、Webtoonなどスタイル別の実践例や、著作権の注意点まで詳しくご紹介します。
話題の「Nano Banana Proで漫画制作」とは?
「AI漫画制作」とは、AI技術を利用して、ストーリーやキャラクター設定をもとに、コマ割りされた漫画原稿を画像として生成する技術です。
今、Xで話題になっている理由は、Googleの最新モデル「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」が、これまでの画像生成AIが抱えていた「漫画制作における3つの致命的な弱点」を克服した点にあります。

Nano Banana Proで生成した4コマ漫画
漫画制作で活きる3つのモデル特性
Nano Banana Proは漫画専用のツールではありませんが、Gemini 3 Proベースの「基礎能力の高さ」が、結果として漫画制作における難所を解決しています。
1. 日本語にも対応した「テキスト描画」
従来のAIは画像内の文字生成を苦手としていましたが、Nano Banana Proはテキストレンダリング性能が向上しています。
これにより、漫画に不可欠な「描き文字(オノマトペ)」や「看板の文字」などを、崩れることなく画像内に直接生成できるようになりました。日本語のひらがなやカタカナの描写精度も実用レベルに達しつつあります。
2. 参照画像(マルチモーダル)による「一貫性の保持」
Geminiの強みとして、テキストだけでなく画像も同時に理解する「マルチモーダル能力」も挙げられます。
例えば、キャラクターの三面図や設定画をアップロードすることで、AIがその視覚情報を詳細に記憶します。これにより、LoRAなどの追加学習を行わなくても、複雑な衣装や髪型を維持したまま、別のアングルやポーズを描き出すことが容易になりました。
3. コマ割りを構築する「論理的推論」
漠然としたテーマを渡すだけで「起承転結」を論理的に組み立てる推論能力があるため、人間が細かいコマ割りを指示しなくても、自動でネーム(構成)を切ってくれます。
また、「4コマ漫画の右上のコマはアップで、左下はロングショットで」といった複雑なレイアウト指示も、AIが論理的に解釈して反映します。
Nano Banana ProでAI漫画を作る方法
今回は、Geminiの公式アプリで作成していきます。本手順はWeb(ブラウザ版)を利用していますが、スマホアプリでも同様の手順で作成できます。
【手軽さ重視】プロンプトだけで描く
細かいコマ割りやキャラ設定すら指示せず、「テーマ」を渡すだけで、AIが勝手にストーリー構成(ネーム)まで考えて漫画にしてくれます。
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Geminiアプリを開き、ツールバーから「🍌画像を作成」を選択します。

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今回は、あえてコマ割りの指定をせず、テーマだけを伝えます。以下のプロンプトを入力してみます。
AIが“クリエイターの仕事”を奪うと言われていたが、
実際に奪ったのは“くだらない雑務”だけだった というテーマで、4コマ漫画の画像を生成してください。
セリフは全て日本語でお願いします。
- 生成ボタンを押すと、AIはすぐに絵を描き始めるのではなく、まず「どういう漫画にするか」を思考します。
実際のログを見ると、AIが**「起承転結」を論理的に組み立てている**ことがわかります。

【思考プロセスの和訳】
Visualizing Creative Shift(創造的変化の可視化)
クリエイターの生活の変化を探るための枠組みを検討中。1コマ目では、物語の舞台設定として、退屈な作業に追われるクリエイターを描写する。Framing the Comic's Stages(コマ構成の決定)
4つの明確なパネルで構成する。
- AI導入前の、雑務に追われるクリエイター。
- AIがそれらの義務を効率化し、クリエイターを解放する様子。
- クリエイターがより創造的な追求に集中できるようになった姿。
- 結論として、AIの役割に感謝する協力的な勝利を描く。
Generating & Revising(生成と修正)
温かみのある手描きスタイルで、日本語のセリフを含めて生成する。ストーリーの進行、キャラクターの表情、オチ(Punchline)を洗練させる。
- 1~2分ほどで、漫画が生成されます。

実際にAIが自ら考えた構成案に基づき、出力された漫画がこちらです。

いかがでしょうか?
「雑務だけだった」という抽象的なテーマから、**「過去の苦労(雑務)」→「AIによる解放」→「創作への集中」**という完璧なストーリーラインをAIが自律的に構築しました。
若干セリフの描写が崩れている部分もありますが、人間が構成を考えなくてもここまで形にしてくれるのは衝撃的です。
【こだわり派】画像を読み込ませて描く
次は、より本格的な方法です。
「言葉だけだと、服のデザインが少し変わってしまう」「自分で描いたオリジナルのキャラを使いたい」という場合は、キャラクターの画像(設定画)を読み込ませることで、再現度が劇的に向上します。
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まずは、漫画の役者となるキャラクター画像を生成します。
今回は、Nano Banana Proを使って「2匹のうさぎのキャラクターの立ち絵」を生成してもらいました。。

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そして、以下のプロンプトを入力します。
上記の2匹のうさぎがGemini派とChatGPT派で激しく論争するが、
最終的に “どっちも良いじゃん” と気づいて和解する というテーマで、4コマ漫画の画像を生成してください。
セリフは全て日本語でお願いします。
3. 先ほどと同様に、Geminiの思考プロセスを見てみます。

ここがNano Banana Proの凄いところです。画像を生成する前に、アップロードされた画像とプロンプトを分析し、漫画の構成を練っている様子がログから読み取れます。
Drafting a Reconciliation Narrative(和解の物語を構想中)
以前に確立されたウサギのキャラクターを使用して、GeminiとChatGPTの和解を描く4コマ漫画に焦点を当てている。物語を前進させるための表情、ポーズ、具体的な日本語のセリフの概要を説明した。Refining Comic Panels(コマ割りの詳細化)
最初の数コマで対立をエスカレートさせ、3コマ目で「気づき」の瞬間を、そして最後に解決を描くことに重点を置いた。Checking Continuity & Detail(一貫性と詳細の最終チェック)
要求された4コマ漫画が生成されたことを確認中。前回の反復からのキャラクター(白とピンクのウサギ)が存在し、正確であることを確認した。 物語は意図した通り、支持者間の議論から解決へと流れている。
- 生成結果は以下のようになりました。
AIが画像のキャラクターを「同一人物」として認識し、構成した漫画がこちらです。

画像を読み込ませることで、「白いうさぎ」と「ピンクのうさぎ」という個別のキャラクター設定が、4コマ全体を通して崩れることなく描かれています。

さらに、「論争」という抽象的なテーマから、
- 激しく言い合うシーン
- ハッとする気づきのシーン
- 仲直りするシーン
というストーリー展開まで、AIが画像を理解した上で構築してくれました。これがマルチモーダル(画像+テキスト)生成の真骨頂です。
4つのスタイルで挑戦!AI漫画の作風を変えてみた
基本操作がわかったところで、プロンプトの「スタイル指定」を変えて、様々なジャンルの漫画を描き分けてみましょう。
日本語で指示するだけで、AIが画風をガラリと変えてくれます。
【少年漫画風】迫力と集中線!
プロンプトに**「少年漫画スタイル」「迫力のある集中線」「ダイナミックな構図」**と加えます。
すると、線のタッチが力強くなり、背景に効果線(集中線)が多用されます。キャラクターがコマ枠をはみ出すような「ブチ抜き」表現も、日本語で指示すれば通じます。
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【**今回使用したプロンプト】
少年漫画スタイルで描いてください。
力強い線、迫力のある集中線、スピード線、効果線を多用し、ダイナミックな構図にしてください。
キャラクターがコマ枠を飛び出す「ブチ抜き」表現を入れて、激しいアクションシーンのような演出にしてください。
白黒の強いコントラスト、シャープな影、緊張感のある画面づくりをお願いします。
【少女漫画風】繊細なタッチと輝き
キーワードを「少女漫画スタイル」「繊細なタッチ」「背景に花やキラキラ」「大きな瞳」に変更します。
すると、画面全体が柔らかい雰囲気になり、心理描写を表すようなエモーショナルな背景が生成されます。モノローグ(独白)用の四角いフキダシが出やすくなるのも特徴です。

【今回使用したプロンプト】
少女漫画スタイルで描いてください。
繊細なタッチ、大きな瞳、柔らかい線を使い、背景に花・光の粒子・キラキラ・トーンを入れてください。
心理描写が伝わるような、エモーショナルで華やかな演出にしてください。
モノローグ風の四角いフキダシや、柔らかいグラデーション背景があっても構いません。
【4コマ漫画風】日常系のほのぼの感
「きらら系4コマ漫画」「日常系アニメスタイル」「縦に並んだ4つのコマ」と指定します。
等間隔に並んだ4つのコマが生成され、キャラクターも少しデフォルメされた可愛い頭身になります。オチを意識した構成にすると、より完成度が高まります。

【今回使用したプロンプト】
「4コマ漫画」風に、縦に4つのコマを等間隔で並べて描いてください。
日常系アニメのような柔らかい線とシンプルな配色で、キャラクターはデフォルメ気味の可愛い頭身にしてください。
背景はシンプルで、ほのぼのした雰囲気になるように描いてください。
4コマ漫画の形式(起→承→転→結)が分かる構成にしてください。
【Webtoon風】スマホ特化のフルカラー
「Webtoon(ウェブトゥーン)スタイル」「フルカラー」「縦スクロール形式」と指定します。
これまでの白黒とは一転、鮮やかな色彩の縦長画像が生成されます。スマホで読むことを前提とした、コマとコマの間隔が広いレイアウトになります。

【今回使用したプロンプト】
Webtoon(ウェブトゥーン)スタイルで描いてください。
縦長のフルカラー画像で、スマホ閲覧を想定した縦スクロール形式にしてください。
コマとコマの間に余白を広めにとり、明るく鮮やかな色彩で描いてください。
スタイリッシュで現代的な雰囲気を出しつつ、読みやすいレイアウトにしてください。
Nano Banana Proで漫画を作成する上でのポイント
「もっと思い通りの漫画にしたい!」「プロっぽい原稿に仕上げたい」
そんな時は、言葉での指示(プロンプト)に加え、Nano Banana Proの「画像認識機能」と「対話能力」をフル活用しましょう。

1. プロンプトで「漫画の文法」を指示する
ただ漫然と「漫画を描いて」と指示するだけでは、AIは「イラストを並べただけ」の画像を作ってしまいます。
漫画として成立させるための、必須の指示テクニックが以下の3つです。
① 「読む順番」と「視線誘導」を指定する
AIは欧米の学習データが多いため、放っておくと「左から右(Z字)」のコマ割りになりがちです。日本の漫画として読ませるには、順序を明示する必要があります。
| 解決したい問題 | 日本語プロンプト例 |
|---|---|
| 読む順番 | 「右から左へ読む日本の漫画レイアウト(Right-to-left reading layout)」 |
| 視線誘導 | 「視線を右上のコマから左下のコマへ誘導する構図」「重要なシーンを大きく配置」 |
| コマの形 | 「斜めのコマ割り(Diagonal panels)」「タチキリ(枠なし)」 |
② 複数キャラクターは「関係性」を指定する
2人以上のキャラを出すと、全員が棒立ちでカメラを見てしまう「記念写真」になりがちです。
キャラ同士がどう関わっているか(Interacting)を定義しましょう。
| 指定したい関係 | 日本語プロンプト例 |
|---|---|
| 会話 | 「互いに向き合って話している(Facing each other)」「目線を合わせている(Eye contact)」 |
| 位置 | 「AがBの背後に隠れている」「Aの手前にBがいる(肩越しの構図)」 |
| 接触 | 「AがBの肩を掴んでいる」「背中合わせで戦っている」 |
③ 漫画独自の「記号」と「アングル」を指定する
漫画特有の記号やカメラワークを指定することで、画面にドラマが生まれます。
| 指定したい演出 | 日本語プロンプト例 |
|---|---|
| カメラワーク | 「顔のアップ(Close-up)」「俯瞰(High angle)」「アオリ(Low angle)」 |
| 感情表現 | 「頭に怒りマーク」「顔に冷や汗」「驚いて目が飛び出る」 |
| 効果演出 | 「背景に集中線(Speed lines)」「『ドン!』という描き文字」 |
2. 手書きの「ラフ画(ネーム)」を清書させる
言葉だけで「右上のコマは斜めで、左下は…」と伝えるのは大変です。
そんな時は、白い紙にボールペンで描いた**「棒人間レベルのラフ画(ネーム)」**を写真に撮って読ませるのが一番確実です。
- ラフからの生成(Sketch to Image)
手書きのラフ画をアップロードし、プロンプトに以下のように加えます。
【レイアウト参照】
アップロードしたラフ(下書き)のコマ割り・構図・キャラ配置に忠実に従って漫画ページを仕上げてください。
ラフの配置やバランスを正確に再現しつつ、線画として清書するように描いてください。
これだけで、あなたが描いたコマ割りや構図が、プロの画力でそのまま清書されます。画力がなくても、演出意図を100%反映できる最強のテクニックです。
3. 対話(チャット)で「修正指示」を出す
一発で完璧な画像が出なくても、プロンプトを最初から打ち直す必要はありません。
Nano Banana Proは文脈を理解できるため、チャットで「ダメ出し」をして描き直させることができます。
- 修正のプロンプト例:
- 「2コマ目の視線がおかしい。AはカメラではなくBを見て」
- 「3コマ目と4コマ目の順番が逆。右から左に流れるように直して」
- 「セリフの文字が潰れているので、フキダシを大きくして書き直して」
このように、編集者としてAIに指示を出し続けることで、外部ツールを使わなくても理想の原稿に近づけることができます。
プロの実践ノウハウを参照する
ここで紹介した内容は、あくまでAI漫画生成のための参考プロンプトです。
より深い技術を知りたい場合は、X(旧Twitter)で漫画家さんやイラストレーターさんが投稿している制作ノウハウが圧倒的に参考になります。
- 線の強弱の付け方
- コマ割りと時間表現
- 視線誘導や構図の心理学
- トーン貼りの上級テクニック
- キャラのシルエット整理
など、「プロの現場の知恵」が無料で学べます。
本ガイドはAI利用者向けの基礎編。より本格的に漫画を作りたい方は、ぜひプロの知見(特にX)も参考にしてください。
Nano Banana ProでAI漫画を作る際の著作権について
AIで作成した漫画を公開・販売する前に、以下の権利関係と仕様を確認してください。

既存キャラクターの利用はNG
「有名なアニメキャラの名前」をプロンプトに入れたり、ネットで拾った「版権キャラの画像」を読み込ませて、漫画を作る行為は避けましょう。
私的利用の範囲を超えてSNSなどで公開した場合、著作権侵害になるリスクが高いです。
必ず「オリジナルのキャラクター」で創作を楽しみましょう。
商用利用のルールと仕様
Nano Banana Proの商用利用および仕様については、以下の2点が公式情報として確認されています。
1. 商用利用の推奨環境
前モデル(Nano Banana)の公式発表において、**「広告利用を含む商業利用で利用する場合は、Google Workspace with Gemini もしくは Vertex AI をご利用ください」**と明記されています。
Nano Banana Proにおいても、ビジネス目的での利用はこれらの環境が前提となります。
2. 生成画像の「透かし(ウォーターマーク)」
契約プランによって、生成された画像に**可視的な透かし(Geminiスパークル)**が入るかどうかが異なります。
| プラン / 利用環境 | 可視的な透かし |
|---|---|
| 無料プラン | あり |
| Google AI Pro | あり |
| Google AI Ultra | なし |
| Gemini API / Vertex AI | なし |
漫画作品として仕上げる場合、透かしが入らない「Google AI Ultra」以上のプラン、またはAPI経由での利用が必要となる場合があります。
画像・動画生成AIを企業で活用するには?
まとめ
本記事では、Xで話題の『Nano Banana Pro』を活用し、誰でも簡単に漫画を描く方法を解説しました。
- 手軽に描きたいなら:日本語プロンプトでキャラを定義する(手法A)
- こだわって描きたいなら:キャラ画像を読み込ませる(手法B)
この2つの方法を使い分けることで、あなたの頭の中にしかなかった物語が、実際の「漫画」として世の中に生まれます。
絵が描けなくても、ストーリーとアイデアさえあれば、あなたはもう立派な漫画家です。
ぜひ、この記事のプロンプトをコピーして、あなただけの作品を描き始めてみてください!









