AI総合研究所

SHARE

X(twiiter)にポストFacebookに投稿はてなブックマークに登録URLをコピー

ChatGPTの商用利用は可能!著作権や規約上の注意点を解説

この記事のポイント

  • ChatGPTは2025年10月現在、OpenAIの利用規約に従えば商用利用が可能です。
  • GPT-5、GPT-4o、o3などの最新モデルでは、画像生成・動画生成・高度な推論機能が利用可能になりました。
  • 商用利用時の主な注意点:著作権侵害リスク、機密情報の取り扱い、ハルシネーション(誤情報)への対策、AI生成物の明記義務。
  • ChatGPT Businessプラン(旧:Team)では、データ学習オプトアウト、SOC 2準拠、管理コンソールなど企業向け機能が充実。
  • 最新の利用規約(2025年版)では、医療・金融・法律などの専門分野での利用制限が明確化されています。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

ChatGPTをビジネスで活用したいが、「商用利用が可能なのか」また、「使用する際の注意点が気になっている」という方は多いのではないでしょうか。
**結論から言うと、ChatGPTは商用利用が可能です。**ただし、OpenAIが定める利用規約に従う必要があります。
本記事では、2025年10月時点の最新情報を踏まえ、商用利用時の留意点や活用方法について詳しく解説していきます。ChatGPTを業務に取り入れることで、生産性の向上や新たなビジネスチャンスの創出が期待できますが、同時にリスクへの対策も欠かせません。
この記事を通じて、ChatGPTの商用利用に関する理解を深め、適切な活用方法を学ぶことで、AIの力をビジネスに安全かつ効果的に活かしていきましょう。

2025年12月12日に発表された最新モデル、「GPT-5.2(ChatGPT 5.2)」については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎GPT-5.2(ChatGPT 5.2)とは?その性能や使い方、料金体系を徹底解説!

ChatGPTは商用利用できる?

ChatGPTは商用利用が可能です。ただし、OpenAIの利用規約に従う必要があります。

本記事では、2025年10月現在の最新情報を踏まえ、ChatGPTの商用利用に関する注意点や活用方法について詳しく解説します。

2025年の最新モデルと商用利用

GPT-5の登場により、商用利用の可能性が大きく拡大しました:

  • GPT-5(gpt-5-main):高度な推論能力、GPT-5 Thinkingモード、マルチモーダル対応
  • GPT-4o:引き続き利用可能で、無料プランでも一部機能を利用可能
  • o3/o3-pro:専門的な推論タスクに特化したモデル
  • Sora2:動画生成機能で、マーケティングコンテンツ制作が可能

ChatGPTの商用利用可能画像
ChatGPTの商用利用可能画像

商用利用時の責任について

重要: 商用利用でトラブルが起こった際の責任は、ユーザーに帰属します。 そのような事態を防ぐためにも、以下で解説する留意点をしっかりと理解しておくことが重要です。

この記事では、ChatGPTを商用利用を考えている方に向けて、その活用例と押さえておきたいポイントを解説します。

AI研修


ChatGPTの商用利用時に注意したいポイント6選

ChatGPTを商用利用する際には気をつけるべきポイントは、以下の6点です。

詳しくは以下で解説していきます。

ChatGPT商用利用イメージ
ChatGPT商用利用イメージ

1.知らぬ間に著作権を侵害している恐れがある

ChatGPTが生成するコンテンツの著作権は、基本的にはOpenAIからユーザーへと譲渡されるため、問題ないと考えられています。ただし、以下のようなケースでは著作権侵害のリスクがあるため注意が必要です。

著作権侵害の恐れがあるケース

著作権のある画像をインプットした場合
生成された文章が既存の著作物と類似している場合
他者のプロンプトを無断で流用した場合

このような事態を防ぐには、次の2点に留意することが重要です。

  • 入力データに著作権が含まれていないか確認する
  • 出力されたコンテンツが既存の著作物を侵害していないか確認する

2025年の最新画像生成機能について:

ChatGPTの画像生成機能は大きく進化しています:

  • DALL-E3:ChatGPT Plusで利用可能、著作権侵害を回避するよう設計
  • GPT-5の画像生成:より高度な画像理解と生成が可能
  • Sora2:動画生成機能により、物理法則を理解した動画コンテンツを作成可能

ただし、これらの機能も完全ではありません。したがって、ChatGPTを使用する際は、入力データと出力コンテンツの両方について、著作権侵害のリスクがないか十分に確認することが求められます。著作権法に基づいて適切に利用し、AIによる創作物を安全に活用することが重要です。

入出力共に、文化庁のJASRAC作品検索J-WJやコピー判定ツールで確認することが大切です。

現在各国政府は、生成AIによる著作権侵害・その他知的財産権侵害を防止するための法律や規制を策定する動きを強化しています。
最終的には、AIを利用する際には法令遵守が不可欠であり、各国の規制に対する適切な理解と対応が、企業や個人の信頼性や持続可能性を確保する上で重要です。

【関連記事】
➡️AIで生成した作品の著作権はどうなる?注意したいポイントを徹底解説


2.入力データはAI学習にデータとして使用される

ChatGPTに入力した情報は機械学習に使われる可能性があり、企業機密の取り扱いには注意が必要です。実際に韓国のサムスン電子では社員が機密情報をChatGPTに入力した結果、社内情報が漏洩したケースがあります。

2025年の企業向けデータ保護機能:

企業でChatGPTを安全に利用するための選択肢が拡充されています:

  • ChatGPT Businessプラン(旧:Team):入力データがモデル学習に使用されない保証付き($25-30/ユーザー/月)
  • ChatGPT Enterpriseプラン:最高レベルのデータ保護、SOC 2 Type 2準拠
  • オプトアウト設定:個人利用でも設定可能(無料・Plus・Proプラン)

【関連記事】
➡️ChatGPTのオプトアウトとは?入力データを学習させない為の設定方法
➡️ChatGPT Businessプラン(旧:Team)の特徴と料金

入力データ機械学習画像
入力データ機械学習画像

参考:Samsung Bans ChatGPT Among Employees After Sensitive Code Leak
Lessons learned from ChatGPT’s Samsung leak


3.最新情報の確認やファクトチェックが必要

AIは入力されたデータを学習し、それに基づいてコンテンツを生成します。そのため、ハルシネーションと呼ばれる誤情報や偏りが結果に反映される可能性があります。

GPT-5でのハルシネーション対策:

2025年8月に登場したGPT-5では、ハルシネーション削減のための機能が強化されています:

  • GPT-5 Thinkingモード:複雑な問題に対して段階的に推論し、誤情報を削減
  • Deep Research機能:複数の情報源を自動的にクロスチェック
  • 改善された事実確認:GPT-4と比較してハルシネーション率が大幅に低下

ただし、現段階でも人間による最終確認が重要です。AIの利便性を活用するためには、その正確性を保証するファクトチェックが欠かせません。

【関連記事】
➡️ハルシネーションとは?その原因やリスク、対策方法を解説
➡️GPT-5 Thinkingモードの詳細と使い方

最新情報の確認必要性画像
最新情報の確認必要性画像


4.AIによる生成物であることの明記

OpenAIの利用規約では、AIが作ったコンテンツを人が作ったかのように見せかける行為は禁じています。
そのため、商用利用の際は、そのコンテンツがAIによって作成されたと明記する必要があります。しかし、すべてAIで生成されたといった表現もNGです。

あくまで、公開されるコンテンツの最終的な責任は利用者にあります。

参考:openai 共有・公開ポリシー

AI生成の明記画像
AI生成の明記画像

5.最新の利用規約の確認

OpenAIの利用規約は定期的に更新されています。2025年10月現在の最新規約では、GPT-5やSora2などの新機能追加に伴い、内容がさらに詳細化されました。

商用利用においては、規約違反が発生しないよう、ChatGPTの最新の利用規約をこまめにチェックすることが重要です。

2025年版利用規約の主な更新点:

  • 動画生成(Sora2)の利用制限:ディープフェイク、誤情報拡散目的での動画生成禁止
  • エージェント機能の規約:ChatGPTエージェントの商用利用に関する明確化
  • データプライバシー強化:GDPR、CCPA準拠の詳細規定

例えば、以下の範囲に該当するコンテンツについては利用が禁止されています。

違法行為や犯罪に関連するコンテンツ

  • 児童への性的虐待や搾取、危害を加える素材・コンテンツ
  • 嫌がらせや暴力的なコンテンツ
  • 詐欺や不正行為、スパムなどの活動

倫理的に問題のあるコンテンツや活動

  • アダルトコンテンツ、アダルト産業、出会い系アプリ
  • 政治運動またはロビー活動
  • 個人のプライバシーを侵害する活動

専門知識が必要な分野での不適切な情報提供

  • 有資格者が情報を確認せずに法律・財務に関するアドバイスを提供する
  • 病状の診断や治療サービスの提供
  • 命を脅かす問題のトリアージや管理
  • 法執行や刑事司法、移住・亡命などに関する政府の意思決定

他者への悪影響や未成年者への配慮欠如

  • 他人のプライバシーを侵害する目的での使用
  • 他者の安全・幸福・権利に重大な影響を与える目的での使用
  • 未成年者にとって不適切な影響を与える目的での使用
  • 13歳未満のユーザーをターゲットにすること


特に、医療、金融、法律などの専門知識が必要な分野での情報生成は、誤情報の拡散を防ぐために制限されています。

【関連記事】
➡️ChatGPTポリシー違反とは?回避する方法や警告メールについて解説


6.モデル名やロゴの使用の範囲

OpenAIのブランドガイドラインによると、「〇〇GPT」という名称を製品名やアプリ名に使用することは禁止されています。また、OpenAIのロゴやマークの改変も禁止されており、商用製品やサービスでこれらを使用する場合、ガイドラインに従う必要があります。

モデル名やロゴの使用の範囲
モデル名やロゴの使用の範囲 (参考:OpenAIブランドガイドライン)

モデル名使用イメージ
モデル名使用イメージ


ChatGPTのビジネスへの活用例

ChatGPTは、カスタマーサポートの自動化、コンテンツ生成、言語翻訳など、ビジネスの幅広い領域で利用することが可能です。
2025年のGPT-5、Sora2の登場により、活用範囲がさらに拡大しています。

2025年最新の活用事例

用途 活用法 実際の事例・新機能
動画マーケティング(NEW) Sora2による商品紹介動画、広告動画の自動生成 物理法則を理解した動画生成により、製品デモや説明動画を数分で作成可能
AI エージェント(NEW) ChatGPTエージェントによる業務自動化 定型業務の自動実行、データ収集・分析の自動化
カスタマーサポート GPT-5による高度な顧客対応、FAQの即答 AIチャットボット導入で顧客満足度90%以上を達成(東京電力エナジーパートナー株式会社)
コンテンツ制作 GPT-5 Thinkingによる高品質な記事・マーケティングコピー生成 AIによるコンテンツ生成サービス「AMAIZIN(アメイジン)」がSEO記事の自動生成を簡略化 - コンテンツ制作の業務負担を軽減へ
教育・トレーニング GPT-5による個別最適化された学習指導、カスタマイズ教材作成 教育活動に生成AI活用 成果報告会で各校が取り組み事例報告
プログラミング支援 o3-proによる高度なコード生成、デバッグ支援 プログラミング支援AIサービスが主要各社から出そろう 各サービスのまとめ GitHub/AWS/Google/GitLab/JetBrains
言語翻訳 GPT-5による文脈理解型翻訳、リアルタイム会話翻訳 サムスン電子が新型スマホ 通話をAIで翻訳 日本語など13言語
Deep Research(NEW) 複数情報源の自動調査・レポート生成 市場調査、競合分析、技術動向調査を自動化
データ分析・レポート作成 GPT-5による高度なデータ分析とレポート自動生成 AIが現場の作業状況を把握、NECが現場分析サービス
エンターテイメント ゲームのストーリー作成、Sora2による動画コンテンツ生成 キーワードから3Dモンスターを自動生成、UGCへの活用に期待―東大松尾研発AIスタートアップEQUESとセガの共同プロジェクト
パーソナルアシスタント GPT-5エージェントによるスケジュール管理、情報検索 高齢者の詐欺被害防止 AI機器設置を全額助成へ 東京 調布

【関連記事】
➡️ChatGPTの活用事例50選!企業や自治体、教育現場での例を徹底解説!

AI駆動開発


まとめ

ChatGPTは、2025年10月現在、OpenAIの利用規約に従えば商用利用が可能です。

GPT-5、GPT-4o、o3などの最新モデルの登場により、以下のような高度な活用が可能になりました:

  • 高度な推論と問題解決:GPT-5 Thinkingモードによる複雑なビジネス課題の解決
  • 動画コンテンツ制作:Sora2による物理法則を理解した動画生成
  • 業務自動化:ChatGPTエージェントによる定型業務の自動実行
  • 調査・分析:Deep Researchによる市場調査や競合分析の自動化

商用利用時の重要ポイント

  1. 著作権侵害リスクの確認:入出力コンテンツの著作権チェック
  2. データ保護:企業機密情報の取り扱い(Businessプラン以上推奨)
  3. ファクトチェック:AI生成コンテンツの正確性確認
  4. AI明記義務:AI生成物であることの適切な表示
  5. 最新規約の確認:2025年版利用規約の定期的なチェック
  6. モデル名・ロゴ使用:OpenAIブランドガイドラインの遵守

これらの要素を適切に対応し、ChatGPTを効果的に活用しましょう。

企業向けサポート

AI総合研究所では、企業のChatGPT導入支援や社内研修を提供しています。GPT-5やSora2などの最新機能の活用方法から、セキュリティ対策まで、包括的にサポートいたします。

ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。

AI総合研究所お問い合わせ

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

関連記事

AI導入の最初の窓口。

お悩み・課題に合わせて活用方法をご案内いたします。
お気軽にお問合せください。

AI総合研究所 Bottom banner

ご相談
お問い合わせは
こちら!