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ChatGPTのエージェントモードとは?主な機能や使い方、料金体系を解説

この記事のポイント

  • ChatGPTエージェント(Agent Mode)は、ウェブ操作・データ分析・資料作成などを自律的に実行する統合型AIシステム
  • Operator, Deep Research, ChatGPTの3技術を統合し、指示からタスク完遂までを一貫して処理
  • 自律的ウェブ操作、マルチステップ推論、リアルタイム情報収集、高品質な資料作成機能を搭載
  • 学術評価や実務タスクのベンチマークで最先端の性能を記録し、人間の能力を超える場面も
  • ChatGPT Pro/Plus/Teamプランで利用可能、タスク実行回数にはプランごとの制限あり
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


「AIに指示を出すだけで、複雑なタスクを自動で完了してもらいたい」「リサーチから資料作成まで、一連の作業をAIに任せたい」と感じていませんか?

その願いを実現する革命的な機能が、OpenAIの「ChatGPTエージェント」として登場しました。これまでのChatGPTは会話型AIでしたが、ChatGPTエージェントは思考と行動を組み合わせて自律的にタスクを遂行する、次世代のAIシステムです。

本記事では、この「ChatGPTエージェント」について、その全貌を徹底的に解説。使い方や設定方法、驚異的な性能向上、料金体系、そして従来のAIとの決定的な違いまで、詳しくご紹介します。

ChatGPTの新料金プラン「ChatGPT Go」については、以下の記事をご覧ください。
ChatGPT Goとは?料金や機能、広告の仕様、Plus版との違いを解説

ChatGPTエージェント(Agent Mode)とは?

ChatGPTエージェントは、従来のチャット形式を超えて、ウェブブラウジング、データ分析、資料作成などを自律的に実行できる統合型AIシステムです。

これまでのChatGPTは質問に答えたり提案をするだけでしたが、ChatGPTエージェントは実際に作業を行います。たとえば、「競合他社を調査してスライドを作って」と指示すれば、ウェブサイトを回って情報を集め、分析して、プレゼンテーション資料まで完成させてくれます。

この革新的な機能は、OpenAIのOperatorDeep ResearchChatGPTという3つの技術を組み合わせることで実現されました。ウェブサイトとの対話、情報の深い分析、自然な会話能力がひとつになり、指示を受けてから成果物の完成まで一貫して処理できるようになっています。


ChatGPTエージェント(Agent Mode)の使い方

ChatGPTエージェントは、従来のChatGPTと同様に、自然言語で指示を出すだけで利用できます。特別な設定は不要で、以下の手順で簡単に始められます。

実際のエージェントモードの選択画面
実際のエージェントモードの選択画面

利用手順

  1. ChatGPTの画面で「agent mode」を選択
  2. 実行したいタスクを自然言語で入力
  3. エージェントが仮想ブラウザやリサーチツールを活用して処理を進行
  4. 情報ソースを足したいときはコネクターを利用して追加
  5. タスクの進行状況は画面に表示され、途中での割り込み操作も可能


スライド作成や旅行計画、フォーム入力など、複雑なタスクでもエージェントが自動で処理を進めます。

コネクター
コネクターの選択画面

方法2: 会話中からの移行

また会話の途中からでもエージェントモードに切り替えることができます。以下の手順で実行可能です。

  1. 通常のチャット中に「エージェントモードで実行して」と指示
  2. ChatGPTが自動的にエージェントモードに切り替え
  3. タスクの詳細確認後、実行開始

基本的な使用例

例1: スライド生成

今回は、AIに関するスライドの生成を依頼しました。
するとエージェントモードが起動し、生成を開始します。

生成の開始
生成の開始


おおよそ20分ほどでスライドが生成され、以下のような内容が出力されました。

生成されたスライド1


グラフなども選択できる形で生成されるので、必要に応じてカスタマイズが可能です。

生成されたスライド2
生成されたスライド2

例2: 市場調査レポートの作成

指示: 「日本のクラウドストレージ市場について調査し、
主要プレイヤー3社の比較レポートを作成して」

実行内容:
- 業界レポートの収集・分析
- 各社の公式情報・財務データの取得
- 競合比較表の作成
- PowerPoint形式でのレポート出力

例3: イベント企画の準備

指示: 「来月の会社イベント用に会場を3つ候補を選んで、
予算・アクセス・設備を比較した資料を作って」

実行内容:
- 会場検索サイトでの候補選定
- 各会場の詳細情報収集
- 比較表の作成
- 予約手順の整理

ChatGPTエージェント(Agent Mode)でできること

ChatGPTエージェントは、従来のAIアシスタントの枠を大きく超えた多彩な機能を搭載しています。これらの機能により、複雑な業務フローを一貫して処理できるようになりました。

ビジュアルブラウザーとマルチツール対応

ChatGPTエージェントには、状況に応じて最適な方法でウェブにアクセスできる複数のツールが搭載されています。

グラフィックによるユーザーインターフェースを介してウェブと対話するビジュアルブラウザー、シンプルな推論ベースのクエリに適したテキストブラウザー、さらにはAPI への直接アクセスなど、あらゆるウェブツールを使い分けます。


例えば、API を通じて金融データやスポーツのスコアをすばやく取得したり、人間向けに設計されたウェブサイトと視覚的にやり取りしたりできます。

これらの操作はすべてChatGPT専用のコンピューター上で行われ、どのツールを組み合わせてもタスクに必要なコンテキストが一貫して共有されます。

ユーザーコントロールと対話的な作業進行

ChatGPTエージェントは、従来のモデルに比べて格段に対話的かつ柔軟な設計となっています。

重要なアクションを行う前には必ずユーザーの許可を求めるため、いつでも処理を中断したり、ブラウザーの操作を引き継いだり、タスクを終了させることができます。
タスクを実行中でも、途中で中断して指示を明確にしたり、タスクの方向性を修正することが可能です。


中断後もChatGPTは前回の状態から再開でき、新しい情報を追加しても、それまでの進行状況が失われることはありません。タスクに時間がかかりすぎたり、行き詰まった場合は、一時停止したり、進捗サマリーを確認したり、作業を打ち切って部分的な成果だけを受け取ることもできます。

ChatGPTコネクターとの連携

ChatGPTエージェントは、ChatGPTコネクターを活用することで、ユーザーにとって最も関連性の高い情報へ安全にアクセスできます。

認証後は、読み取り専用のコネクターがChatGPTに情報を提供し、例えば受信トレイの要約や会議出席可能な時間の検索などを行えます。実際にアクションを実行する場合は、エージェントがサイトとやり取りできるようにするため、ユーザーがブラウザーでログインするよう促されます。

ChatGPTのコネクター機能

資料作成とスケジュール実行

ChatGPTエージェントは、調査結果をスライドやスプレッドシートに整理して出力することができます。

現時点ではスライドショーの生成機能はベータ版ですが、生成される各要素(テキスト、グラフ、画像)はすべて編集可能なベクター形式で構成されており、構造と柔軟性のバランスが最適化されています。

また、「毎週月曜日の朝に週次メトリクスレポートを自動で生成する」といった完了タスクを定期的に繰り返すようスケジュールすることも可能です。


ChatGPTエージェント(Agent Mode)の料金と回数制限

ChatGPTエージェントの料金体系は既存のChatGPTプランに統合されており、有料プラン(Pro、Plus、Team)のユーザーを対象に段階的に提供されています。
ただし、月間のタスク実行回数には制限があります。

プラン名 月額料金 エージェント月間タスク数
Plus $20 40タスク
Pro $200 無制限
Team $30/ユーザー 40タスク/ユーザー
Enterprise 要相談 カスタム

【関連記事】
▶︎ChatGPT料金プラン徹底比較!無料・有料版の違いと選び方【2025年最新】


1タスクは1つの完結した業務(レポート作成、データ分析など)として定義され、超過分は柔軟なクレジットベースで追加購入が可能となる予定です。
Plusプランなら1タスクあたり約$0.5と、従来の外注費用と比較して大幅なコスト削減が期待できます。


ChatGPTエージェント(Agent Mode)の活用シーン完全解説|職場・プライベート

ChatGPTエージェントは、様々な業務シーンで実践的な価値を発揮します。職場での業務効率化からプライベートでの生活支援まで、具体的な活用例を通じてその可能性を探ります。

職場での活用例

財務分析とレポート作成
月次・四半期の財務分析レポートを自動化できます。ChatGPTエージェントは財務データベースから数値を取得し、前年同期比較や業界平均との比較分析を実行。グラフ付きのプレゼンテーション資料まで一貫して作成します。

業績の変動要因について外部ニュースや市場動向も併せて調査し、説得力のある分析レポートを短時間で完成させることが可能です。

プレゼンテーション資料自動生成
営業提案書や企画書の作成を大幅に効率化できます。競合他社の情報収集から始まり、市場動向の分析、自社の強みの整理、提案内容の構成まで一連の流れを自動実行。

ベクター形式で編集可能なスライドを生成するため、細かな調整や追加も容易に行えます。

会議準備とスケジュール調整
重要な会議の事前準備を包括的にサポートします。参加者の背景調査、関連する過去の議事録の整理、業界の最新動向調査を実行。さらに、カレンダーシステムと連携して最適な日程調整も自動化できます。

競合分析とマーケットリサーチ
新規事業や製品開発の検討において、包括的な市場調査を実行します。競合他社のWebサイト、プレスリリース、財務情報、特許情報を横断的に収集・分析。

SWOT分析や市場規模の算出、参入障壁の評価まで含めた戦略立案に必要な基礎資料を作成できます。

プライベートでの活用例

旅行計画と予約手配
旅行先の選定から具体的な予約まで一貫してサポートします。予算と期間に基づいた最適な旅程を作成し、航空券・宿泊施設・現地アクティビティの比較検討を実行。

現地の天気予報、治安情報、文化的配慮事項なども調査し、安心して旅行できる詳細プランを提案します。

イベント企画と会場手配
誕生日パーティーや結婚式などのイベント企画を総合的にサポート。ゲストの人数と予算に応じた会場選定、ケータリング業者の比較、装飾・エンターテイメントの手配まで一括で調整できます。

各種業者への問い合わせや見積もり取得も自動化し、最適なプランを提案します。

専門家検索と予約
医療、法律、税務などの専門サービスが必要な際に、最適な専門家を検索・紹介します。資格、専門分野、評判、料金体系を総合的に比較し、ニーズに最も適した専門家を特定。

初回相談の予約手配まで代行し、スムーズな専門サービスの利用を実現します。

SNSでの利用報告

  • 自己反復での画像生成

  • パワポ資料の作成

  • サムネの作成


ChatGPTエージェントの技術的進化とベンチマーク

ChatGPTエージェントが実現した驚異的な性能は、単なるモデルの改良によるものではありません。それは、複数の先進技術を統合し、それぞれの限界を克服した「技術的進化」の結果です。

ここでは、その性能を支える技術的な背景と、それによって達成された客観的なベンチマーク結果を合わせて解説します。

OperatorとDeep Researchの進化

ChatGPTエージェントの革新性は、OpenAIが開発した2つの先進技術「Operator」と「Deep Research」を統合したことにあります。

  • Operatorの強みと限界: ウェブサイトを人間のように操作(クリック、入力等)できましたが、収集した情報の深い分析やレポート作成は苦手でした。
  • Deep Researchの強みと限界: 高度な分析や要約は得意でしたが、動的なウェブ操作や認証が必要なサイトへのアクセスは不可能でした。


この2つの技術は互いの弱点を補完し合う関係にありました。そこでOpenAIは両者を完全に統合。これにより、柔軟なウェブ操作で情報を集め、即座に高度な分析を行い、成果物を作成するという、シームレスなワークフローが1つのシステム内で完結できるようになったのです。

この統合により、エージェントはタスクに応じて「ビジュアルブラウザー」「テキストブラウザー」「API連携」といったツールを自動で使い分け、常に最適なアプローチでタスクを遂行する能力を獲得しました。

主要ベンチマーク結果

ChatGPTエージェントは、複数の学術的評価や実務タスクを模したベンチマークにおいて、最先端(SOTA)の性能を相次いで記録し、従来のAIシステムを大幅に上回る結果を示しています。

特に、専門的な業務においては人間のパフォーマンスを超える場面も確認されており、その驚異的な能力が客観的な数値によって証明されています。

Humanity's Last Exam:専門レベルの質問応答能力

広範な主題にわたる専門家レベルの質問でAIの総合的な知能を測定する「Humanity's Last Exam」において、ChatGPTエージェントは41.6%という高いスコアを記録しました。

複数のツール(ブラウザー、コンピューター、ターミナル)を組み合わせることで、ツールを使わない場合(23.0%)と比較してスコアが大幅に向上しており、外部ツールを駆使して情報を収集・分析し、複雑な問題に解答する能力の高さを示しています。

Humanity's Last Examのベンチマーク結果グラフ
Humanity's Last Examのベンチマーク結果グラフ (参考:OpenAI)

DSBench:データサイエンス業務での人間超え

データ分析とモデリングという、実際のデータサイエンティストの業務に近いタスクで性能を評価する「DSBench」では、ChatGPTエージェントが人間の専門家を大幅に上回る結果を叩き出しました。

特にデータ分析部門では、人間のスコア(64.1%)を25ポイント以上も上回る89.9%を記録。データモデリング部門でも人間のスコア(65.0%)を圧倒しており、専門的な分析業務における即戦力としての高いポテンシャルを証明しました。

DSBench(データ分析・モデリング)のベンチマーク結果グラフ
DSBench(データ分析・モデリング)のベンチマーク結果グラフ (参考:OpenAI)

SpreadsheetBench:スプレッドシート操作での圧倒的優位性

現実世界のシナリオに基づいたスプレッドシートの編集能力を評価する「SpreadsheetBench」では、ChatGPTエージェントが新たなSOTA記録を樹立。従来の最先端モデルであったGPT-4o(18.4%)の2倍以上の性能を達成しました。

さらに、Excelファイル(.xlsx)を直接編集する機能を用いた場合は**45.5%**というスコアを記録し、Microsoft公式のExcel Copilot(20.0%)をも凌駕する、圧倒的な実務能力を示しています。

SpreadsheetBenchのベンチマーク結果グラフ
SpreadsheetBenchのベンチマーク結果グラフ (参考:OpenAI)

投資銀行業務:専門金融タスクでの実用性

1〜3年目の投資銀行アナリストが行う財務モデル作成といった、高度に専門的な業務を想定した社内ベンチマークにおいても、ChatGPTエージェントは高い性能を発揮。
タスクの平均精度(Mean Accuracy)で41.0%を記録し、これは他のAIモデルを大きく引き離す結果です。

さらに、オンラインで情報を参照する能力を含めた総合スコアでは**71.3%**に達しており、専門性の高い金融分野での確かな実用性が確認されています。

投資銀行業務ベンチマークの結果グラフ
投資銀行業務ベンチマークの結果グラフ (参考:OpenAI)

WebArena:実世界ウェブタスクでの操作能力

ユーザーの指示に基づき、ECサイトでの商品検索や予約サイトでの日程調整など、現実のウェブサイトを自律的に操作してタスクを完了させる能力を評価する「WebArena」ベンチマーク。ここでもChatGPTエージェントは**65.4%**という高いスコアを記録し、人間の操作精度(78.2%)に迫るパフォーマンスを見せました。

これは、単に情報を取得するだけでなく、実際に行動を起こすエージェントとしての能力の高さを物語っています。

WebArenaのベンチマーク結果グラフ
WebArenaのベンチマーク結果グラフ (参考:OpenAI)

BrowseComp:高度なウェブ情報検索能力

ウェブ上に散在する、見つけにくい情報を能動的に検索・統合する能力を測定する「BrowseComp」において、ChatGPTエージェントは68.9%というスコアで最先端(SOTA)を更新しました。

これは、既存の高度なリサーチツールであるDeep Research(51.5%)をも上回る結果であり、優れたリサーチアシスタントとしての性能を裏付けています。
BrowseCompのベンチマーク結果グラフ
BrowseCompのベンチマーク結果グラフ (参考:OpenAI)


ChatGPTエージェントと他のAIエージェントとの比較分析

ChatGPTエージェントは、競合するAIエージェントサービスと比較して独自のポジションを確立しています。主要な競合サービスとの詳細比較を通じて、その特徴と優位性を明確にします。

Gensparkとの徹底比較

AI Agent競争の新星として2025年4月に登場したGenspark Super Agentは、ChatGPT Agentに対する最も直接的な競合製品の一つです。Gensparkは「AI Agent Engine」として、特化したAIエージェントが研究・実行・創作を自律的に行う包括的プラットフォームを提供しています。

技術アーキテクチャの違いでは、ChatGPT Agentが統合型システムを採用しているのに対し、Gensparkは「Mixture of Agents」アーキテクチャを実装しています。8つの専門LLMと80以上のツールキット、10以上の独自データセットを組み合わせ、タスクの複雑さに応じて最適なモデルを動的に選択します。

項目 ChatGPT Agent Genspark Super Agent
開発元 OpenAI(米国) Genspark(米国、中国系創設者)
技術基盤 Operator + Deep Research + ChatGPT統合 Mixture of Agents(8つのLLM + 80ツール)
自律性 エンド・ツー・エンド ワークフロー 完全自律マルチステップ実行
特殊機能 ウェブ操作・調査・資料作成統合 AI音声通話・リアルタイムAPI呼び出し
料金 Pro/Plus/Team(月40〜無制限タスク) 無料プラン200クレジット/日、Plus $24.99/月
アクセス 即座に利用可能 即座に利用可能(待機リストなし)
出力形式 スライド・レポート・ダッシュボード Sparkpages・動画・ウェブサイト・プレゼン
データ取得 ウェブスクレイピング主体 直接API呼び出し(構造化データ)
音声機能 なし AI音声通話(レストラン予約等)
成長速度 段階的展開 45日で$36M ARR達成

Manus AI

Manus AIは2025年3月に正式ローンチし、完全自律型のAIエージェントとして大きな注目を集めました。
ChatGPTエージェントが統合型システムを採用しているのに対し、Manus AIは企画・実行・検証を独立したエージェントが担当するマルチエージェントアーキテクチャを実装しています。

自律性の設計思想も大きく異なり、ChatGPTエージェントが責任ある自律性(重要アクション前の確認)を重視するのに対し、Manus AIは完全自律での作業継続を特徴としています。

主な違いは以下の通りです。

項目 ChatGPTエージェント Manus AI
技術基盤 Operator + Deep Research + ChatGPT統合 Claude 3.7 Sonnet + マルチエージェントシステム
自律性 高度な自律実行(ユーザー確認システム付き) 完全自律でタスクを独立して計画・実行・結果提供
技術アーキテクチャ 統合型エージェントシステム マルチエージェントアーキテクチャ(企画・実行・検証の分離)
動作環境 OpenAI専用クラウド環境 クラウドでの非同期実行(ユーザー切断後も継続動作)
料金 Pro/Plus/Team(段階的提供、月40タスク〜無制限) Starter $39/月、Pro $199/月(クレジット制)
透明性 リアルタイム進捗表示、ユーザー監視可能 「Manus's computer」サイドパネルで作業過程表示
出力形式 スライド・レポート・ダッシュボード・Webサイト 機能的Webサイト・ゲーム・ダッシュボード・分析レポート


ChatGPTエージェントは、Gensparkの革新性・低価格攻勢やManus AIの完全自律性といった競合他社の特徴的な強みに対して、企業導入における実用性と運用安定性を重視したバランス型アプローチで差別化を図っています。

まだクオリティ面における物足りなさはかじられますが、AI Agent市場が技術実証段階から本格的な実用化段階へと移行する現在、継続的かつ信頼性の高いビジネス価値提供を求める企業ニーズに最も適合した戦略的ポジションを確立していると評価できます。


ChatGPTエージェントの安全性について

ChatGPTエージェントは、AI技術の進歩と安全性の両立を目指し、包括的なセキュリティフレームワークを実装しています。ウェブ上でのアクション実行という新しい能力に伴うリスクを最小化しながら、ユーザーが安心して利用できる環境を提供します。

ブラウザの制御イメージ
ブラウザの制御イメージ

明示的ユーザー確認システム

3段階のリスク評価による確認体制により、ChatGPTエージェントは実行するアクションの重要度と影響度を自動判定し、適切なレベルの確認を求めます。この段階的アプローチにより、作業効率を損なうことなく高いセキュリティを維持できます。

レベル1(自動実行): 情報収集、データ分析、文書作成など影響の限定されるタスク
レベル2(簡易確認): ファイルダウンロード、外部API呼び出しなど軽微なリスクを伴うアクション
レベル3(厳格確認): フォーム送信、購入手続き、メール送信など重大な影響を与える可能性のあるアクション


重要なアクションの実行前には、具体的な操作内容、対象サイト、送信されるデータの詳細が画面上に表示され、ユーザーの明示的な承認を待ちます。
承認画面では「実行」「修正」「中止」の選択肢が提供され、必要に応じてパラメータの調整も可能です。

プロンプトインジェクション対策

指示階層システムにより、ChatGPTエージェントは信頼できる指示(ユーザーからの直接指示)と信頼できない指示(Webページ上のテキストなど)を明確に区別します。
悪意のある第三者が外部サイト上に仕込んだ命令文によってエージェントが操作されることを防ぐ、重要なセキュリティ機能です。

継続的な監視体制により、プロンプトインジェクション攻撃の兆候を検出した場合は即座にタスクを中断し、ユーザーに状況を報告します。この際、検出されたリスクの内容と推奨される対応策を分かりやすく説明し、ユーザーが適切な判断を下せるよう支援します。

また、学習ベースの防御機能として、新しいタイプの攻撃パターンが発見された場合、システム全体に即座に対策が展開される仕組みも実装されています。

プライバシー保護機能

データ処理の透明性により、ChatGPTエージェントは収集・処理するデータの種類、保存期間、利用目的を明確に開示します。リモートブラウザーへの入力データは安全に処理され、OpenAIのサーバーに永続的に保存されることはありません。

ユーザーは設定画面から、データの取り扱い方法を詳細に管理できます。

設定項目 デフォルト ユーザー選択肢
閲覧履歴の保存 一時的(セッション終了時に削除) 完全無効化・30日保存・無期限保存
Cookieの取り扱い サイトポリシーに従う 全て拒否・セッション限定・サイト別設定
ログイン情報 保存しない 暗号化保存・セッション限定・完全拒否
操作ログ 匿名化して保存 完全無効化・詳細保存・概要のみ保存


ワンクリック完全削除機能として、全ての閲覧データの削除とアクティブセッションからの即座のログアウトが可能です。緊急時や機密作業終了時に、迅速にデータの痕跡を消去できます。

監視モードとリスク軽減策

アクティブ監督モードでは、メール作成・送信、機密アプリケーションの操作、金融取引に関わるタスクなどにおいて、各ステップでユーザーによる積極的な確認と承認を求めます。このモードでは、ChatGPTエージェントは提案と実行準備のみを行い、最終的な実行判断は必ずユーザーが行います。

積極的なリスク対応策として、以下のタスクは自動的に拒否されます:

  • 金融取引や投資判断を伴う操作
  • 法的に機密性の高いやり取り
  • 個人情報の大量収集・処理
  • セキュリティホールを利用した不正アクセス
  • 著作権侵害の可能性がある行為


リスク評価は機械学習モデルとルールベースシステムの組み合わせにより実行され、誤検知を最小限に抑えながら高い精度でリスクを特定します。


ChatGPTエージェント利用時の注意点

ChatGPTエージェントは革新的な機能を提供する一方で、現在も開発が継続中のシステムであり、いくつかの制限事項と注意点があります。これらを理解した上で利用することで、より効果的で安全な活用が可能になります。

現在の制限事項

  • スライドショー作成機能のベータ版制約
    現時点では既存プレゼンテーションファイルのアップロード・編集機能やテンプレート活用機能が未実装です。ゼロから作成する場合の出力品質は実用レベルに達していますが、既存資料との統合や企業テンプレートの活用には制限があります。

生成されるスライドの構成要素(テキスト、グラフ、画像)はすべて編集可能なベクター形式となっているため、後から手動での調整は十分に可能です。次世代バージョンでは、より豊富な機能と改良されたフォーマット対応が予定されています。

  • 複雑タスクでの誤り可能性
    ChatGPTエージェントは高い精度を持ちながらも、特に多段階にわたる複雑な作業や専門性の高い判断が必要なタスクでは誤りを犯す可能性があります。生成された資料や分析結果は、必ず人間による最終確認を経てから重要な意思決定に使用することを推奨します。

  • 処理時間の変動
    タスクの複雑さやWebサイトの応答速度により、完了までに15〜20分程度要する場合があります。緊急性の高いタスクでは、時間的制約を考慮した計画立てが必要です。

データ取り扱いに関する注意

  • 機密情報の取り扱い
    企業の機密データや個人情報を含むタスクでは、データの外部送信や保存に関する社内ポリシーとの整合性を事前に確認する必要があります。ChatGPTエージェントは高いセキュリティ基準を満たしていますが、業界や企業によってはより厳格な管理が求められる場合があります。

  • 第三者サービスとの連携
    ChatGPTエージェントが外部APIやWebサービスにアクセスする際、それらのサービスの利用規約やプライバシーポリシーも適用されます。特に海外のサービスを利用する場合は、データの越境移転に関する法的要件も考慮する必要があります。

適切な利用方法

  • 段階的な利用開始
    重要なタスクでの本格活用前に、影響の少ない作業から試験的に導入することを推奨します。ChatGPTエージェントの特性や制限を理解し、自社の業務フローに最適な活用方法を見つけることが成功の鍵となります。

  • 人間との協働体制
    ChatGPTエージェントを完全な代替手段ではなく、人間の能力を拡張する支援ツールとして位置づけることが重要です。AI生成の結果に対する批判的思考と、必要に応じた人間による介入・修正を組み合わせることで、最高品質の成果物を得られます。


ChatGPTエージェントの機能は定期的にアップデートされ、新しい機能が追加される予定です。最新の機能情報や最適な活用方法について、公式ドキュメントやコミュニティ情報を定期的に確認することをお勧めします。


よくある質問(FAQ)

ChatGPTエージェントに関してユーザーから寄せられる代表的な質問と、その詳細な回答をまとめました。導入検討や利用開始の際の参考としてご活用ください。

料金・プラン関連

Q: ChatGPTエージェントを利用するには追加料金が必要ですか?

A: 対象プラン(Plus、Pro、Team)の契約者は追加料金なしで利用を開始できます。ただし、月間のタスク実行回数には制限があり、Plus・Teamプランでは月50タスク、Proプランではほぼ無制限となっています。超過分は柔軟なクレジットベースで追加購入が可能です。

Q: 1つのタスクはどのように計算されますか?

A: 1タスクは、一つの明確な目標を持った完結した業務として定義されます。例えば「競合分析レポートの作成」「会議資料の準備」「市場調査の実施」などがそれぞれ1タスクとしてカウントされます。タスク内での修正や追加指示は、同一タスクとして扱われます。

Q: Enterprise・Educationプランではいつから利用できますか?

A: 2025年7月からの提供開始が予定されています。これらのプランでは、より高度なセキュリティ機能、監査ログ、管理者向けコントロール機能なども含まれる予定です。

技術・機能関連

Q: ChatGPTエージェントはどのようなWebサイトにアクセスできますか?

A: 一般的に公開されているWebサイトであれば、ほぼすべてのサイトにアクセス可能です。ただし、以下のサイトはアクセス制限または利用制限があります:

  • 明確に悪意のあるサイトやマルウェア配布サイト
  • 違法コンテンツを含むサイト
  • 過度にアクセス制限が厳格なサイト
  • 技術的にアクセスが困難な特殊な認証を要するサイト

Q: 生成された資料の著作権はどうなりますか?

A: ChatGPTエージェントが生成した資料の著作権は、基本的にユーザー(依頼者)に帰属します。ただし、生成過程で参考にした外部ソースの著作権は元の権利者に帰属するため、商用利用の際は適切な引用表記や権利処理が必要な場合があります。

Q: オフラインでも利用できますか?

A: ChatGPTエージェントは、リアルタイムな情報収集とクラウドベースの処理を基盤としているため、安定したインターネット接続が必要です。オフライン環境での利用はできません。

安全性・プライバシー関連

Q: 企業の機密情報を扱っても安全ですか?

A: ChatGPTエージェントは企業レベルのセキュリティ基準を満たしていますが、機密性の高い情報を扱う際は以下の点をご確認ください:

  • 社内のデータ取り扱いポリシーとの整合性
  • 業界特有の規制要件(金融、医療、防衛など)
  • データの保存・処理場所に関する制約
  • 第三者サービスとの連携に関する社内規定

Q: ChatGPTエージェントが収集した情報はどこに保存されますか?

A: 作業中に収集された情報は、専用の仮想環境内で一時的に処理され、タスク完了後は自動的に削除されます。ユーザーが明示的に保存を指示した成果物のみが、ユーザーのChatGPTアカウントに関連付けられて保存されます。詳細なデータ保持ポリシーは設定画面で確認・変更できます。

トラブルシューティング

Q: タスクの実行中にエラーが発生した場合はどうすればよいですか?

A: エラーが発生した場合、ChatGPTエージェントは自動的に問題を分析し、可能であれば代替手段を提案します。解決できない場合は、実行済みの部分的な結果を提供し、手動での続行方法を案内します。複雑なエラーの場合は、技術サポートへの連絡方法も表示されます。

Q: 生成された資料の品質が期待と異なる場合の対処法は?

A: 以下の方法で品質改善を図ることができます:

  • より具体的で詳細な指示の提供
  • 参考資料や希望する形式の明示
  • 段階的なフィードバックによる調整
  • 一部手動での修正と再実行の組み合わせ
    品質向上のコツについては、公式ガイドラインやコミュニティフォーラムでも情報共有されています。

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まとめ

ChatGPTエージェントは、AIアシスタントの概念を根本的に変革する革新的なシステムです。従来の「質問→回答」形式から、「指示→自律的実行→成果物提供」という新しいパラダイムへの転換により、知識労働の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。

Operator、Deep Research、ChatGPTという3つの先進技術の統合により実現された包括的なタスク実行能力は、情報収集から分析、資料作成まで一貫したワークフローを自動化します。学術的評価における最先端記録の達成と、実務タスクでの人間レベル超越は、その技術的優位性を明確に示しています。

現在はベータ版的な側面もありますが、継続的な機能拡張と改善により、近い将来にはビジネスプロセスの標準的なツールとして定着することが予想されます。安全性とユーザーコントロールを重視した設計により、企業での本格導入にも十分な信頼性を提供しています。

ChatGPTエージェントの導入を検討されている方は、まず小規模なタスクから試験的に開始し、組織の業務フローに最適な活用方法を見つけることをお勧めします。AIと人間の協働により、これまで不可能だった新しい価値創造の可能性が広がっています。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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