AI総合研究所

SHARE

X(twiiter)にポストFacebookに投稿はてなブックマークに登録URLをコピー

ChatGPTでやってはいけない12のこと【2026年版】危険な使い方と注意点を徹底解説

この記事のポイント

  • 医療診断・資産運用・緊急時の安全判断にChatGPTを使ってはいけない。命や財産に関わる判断は必ず専門家に委ねるべき
  • 機密情報や個人情報はChatGPTに絶対に入力しない。Samsung・Amazon等の漏洩事例が示す通り、入力データは学習に使われるリスクがある
  • 企業利用ではTeam/Enterprise/API経由を選ぶべき。データがモデル学習に使われない契約が前提でなければ業務利用は危険
  • 未成年の利用にはペアレンタルコントロールを必ず有効にすべき。無監督での利用は不適切コンテンツへの接触リスクが高い
  • 社内AIポリシーは「入力禁止情報の定義」「利用可能プランの指定」「出力の人間レビュー義務」の3点を最低限定めるべき
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


ChatGPTは業務効率化や創作支援に役立つ強力なAIツールですが、すべての用途に万能なわけではありません。医療診断・資産運用・機密情報の入力など、使い方を誤れば深刻なリスクにつながるケースがあります。


本記事では、ChatGPTでやってはいけない12のことを2026年最新の情報をもとに徹底解説します。実際に起きた情報漏洩事例、最新の利用規約の禁止事項、企業が講じるべき安全対策、さらに料金プラン別のセキュリティの違いまで幅広くカバーしています。


ChatGPTの新料金プラン「ChatGPT Go」については、以下の記事をご覧ください。
ChatGPT Goとは?料金や機能、広告の仕様、Plus版との違いを解説

✅最新モデル「GPT-5.4」については、以下の記事をご覧ください。
GPT-5.4(ChatGPT5.4)とは?使い方や料金、GPT-5.2との違いを徹底解説

ChatGPTでやってはいけない12のこと(2026年最新版)

ChatGPTでやってはいけない12のこと(2026年最新版)

ChatGPTは2026年現在、世界で最も利用されている生成AIツールの一つですが、すべての用途に万能なわけではありません。特に生命・健康・法的責任・情報セキュリティに関わる判断にChatGPTを頼ることは、深刻なリスクを招く可能性があります。

以下の表に、ChatGPTで避けるべき12のNG行為をカテゴリ別に整理しました。各項目の詳細は、表の後で個別に解説します。

No. カテゴリ やってはいけないこと
1 健康・安全 痛みや病気の自己診断
2 健康・安全 メンタルヘルスの問題解決
3 健康・安全 緊急時の安全判断
4 財務・法律 個人的な資産運用や税金対策
5 情報セキュリティ 機密情報や規制対象データの入力
6 法律・規約 違法行為への利用
7 教育 宿題やテストの不正利用
8 情報品質 リアルタイム情報の取得
9 活用方法 曖昧な目的のない質問
10 法律・規約 著作権を侵害するコンテンツの生成
11 法律・規約 虚偽情報の意図的な拡散
12 教育・安全 未成年者の無監督利用


この12項目は、健康・安全からセキュリティ、法律、教育まで幅広い領域にまたがっています。以下、それぞれの理由と正しい対処法を解説します。

1. 痛みや病気の自己診断

医療診断や治療方針の決定にChatGPTを使用してはいけません。ChatGPTは医療専門家ではなく、個別の症状・病歴・検査結果を総合的に判断する能力を持っていません。

「頭痛が続いているけど何の病気か」「この薬を飲んでも大丈夫か」といった質問は、重大な疾患の見逃しやアレルギー・副作用のリスクにつながります。症状がある場合は必ず医療機関を受診し、ChatGPTは一般的な健康情報の参考程度に留めてください。オンライン診療を利用する場合も、医師資格を持つ専門家に相談することが前提です。

2. メンタルヘルスの問題解決

うつ病・不安障害・自殺念慮などの深刻なメンタルヘルス問題の相談にChatGPTは不適切です。ChatGPTは心理カウンセラーや精神科医の代わりにはならず、誤ったアドバイスが症状を悪化させるおそれがあります。

「死にたい気持ちがある」「パニック発作の対処法を知りたい」「薬を減らしても大丈夫か」といった相談は、専門的な介入が必要なケースです。精神科・心療内科の受診、または以下の相談窓口を利用してください。

  • いのちの電話
    0120-783-556(24時間対応)

  • こころの健康相談統一ダイヤル
    0570-064-556

3. 緊急時の安全判断

火災・地震・事故などの緊急時の判断にChatGPTを使用してはいけません。ChatGPTはリアルタイム情報を持たず、緊急事態への即座の対応ができません。

「家が火事だけどどうすればいい」「交通事故の応急処置」といった状況では、すぐに119番(消防・救急)または110番(警察)に通報してください。緊急性の判断に迷う場合は**#7119(救急安心センター)**に電話することで、救急車を呼ぶべきかどうかのアドバイスを受けられます。

4. 個人的な資産運用や税金対策

具体的な投資判断・税務申告にChatGPTを利用してはいけません。ChatGPTは個人の財務状況やリスク許容度を考慮できず、誤った情報で経済的損失を被る可能性があります。

「この株を買うべきか」「確定申告でこの経費は認められるか」「仮想通貨の税金計算」といった質問は、それぞれファイナンシャルプランナー(FP)、税理士、証券会社の専門家に相談すべき内容です。ChatGPTは一般的な金融知識の学習にのみ活用し、具体的な投資・税務判断の根拠にしてはいけません。

5. 機密情報や規制対象データの入力

機密情報や規制対象データの入力

企業の機密情報・個人情報・規制対象データをChatGPTに入力してはいけません。入力したデータがモデルの改善に利用される可能性があり、完全な削除も保証されていません。

入力を避けるべき情報は以下のとおりです。

  • 個人情報
    氏名・住所・電話番号・マイナンバーなど

  • 企業機密
    未発表の製品情報・顧客リスト・財務データ・ソースコード

  • 規制対象データ
    医療情報・金融情報(GDPR・個人情報保護法の対象)

  • 認証情報
    パスワード・APIキー・アクセストークン


安全に利用するには、機密情報をマスキング(伏せ字)してから入力する、ChatGPT Business/Enterpriseプランで学習除外設定を利用する、重要データは社内限定のプライベートLLMで処理する、といった対策が有効です。実際に起きた情報漏洩事例については、後述のセクションで詳しく紹介します。

6. 違法行為への利用

違法行為の計画・実行にChatGPTを使用することは厳禁です。OpenAIの利用規約でも明確に禁止されており、アカウント停止や法的措置の対象になります。

禁止されている利用例としては、マルウェア・ウイルスのコード生成、フィッシング詐欺メールの作成、ハッキング手法の具体的な指示、違法薬物の製造方法の問い合わせなどが挙げられます。2026年現在、OpenAIは違法コンテンツ検出の精度を大幅に強化しており、違反ユーザーのアカウント永久停止や、重大な違反の法執行機関への報告も実施しています。

7. 宿題やテストの不正利用

宿題の丸写し・試験のカンニングにChatGPTを使用してはいけません。ChatGPTを不正利用すると、本来身につけるべきスキルや知識が習得できず、長期的な学力低下につながります。

2026年現在、教育現場ではAI生成文章検出ツール(Turnitin、GPTZero等)の導入が進んでおり、不正利用が発覚した場合は単位取り消しや退学処分の対象になります。一方で、概念の理解を深めるための質問、自分で書いた文章の文法チェック、プログラミングのエラー解決のヒント取得など、ChatGPTを学習補助として適切に活用する方法も広がっています。

大学生における生成AI利用とその影響に関する研究では、ChatGPTの使用が先延ばしの傾向や記憶の低下を引き起こし、学業成績を低下させる可能性があると報告されています。学習の補助ツールとして使いつつ、自分の力で考える習慣を維持することが重要です。

8. リアルタイム情報の取得

最新ニュース・株価・天気などのリアルタイム情報取得にChatGPTは不向きです。2026年3月時点ではGPT-5.3が全ログインユーザーのデフォルトモデルですが、リアルタイム情報の正確性にはプランごとに差があります。

2026年3月時点のプラン別の状況は以下のとおりです。

  • Free(無料版)
    Webブラウジング機能は制限あり。リアルタイム情報の正確性は保証されない

  • Plus / Pro
    Deep ResearchやWebブラウジングを利用可能。ただし、株価や為替のリアルタイム数値は専門サービスを使うべき


リアルタイム性が求められる情報は、証券会社のアプリ、ニュースサイト、天気予報サービスなどの専門ソースを利用してください。ChatGPTは過去の傾向分析や一般的な知識の学習に向いています。

9. 曖昧な目的・背景のない質問

具体性のない質問では、ChatGPTから期待する回答は得られません。ChatGPTは文脈から最も確率の高い回答を返すため、曖昧な質問には一般的な回答しか返せないのです。

たとえば「どう思う?」「これについて教えて」「良い方法ある?」といった質問は避けてください。代わりに、目的・対象・条件・出力形式を含めた具体的な質問をすると回答精度が向上します。

  • 「Pythonで画像処理を行う際、OpenCVとPillowの違いを教えて」
  • 「マーケティング戦略で、SNS広告とSEOのどちらを優先すべきか、費用対効果の観点から比較して」
  • 「英語のプレゼンで緊張を和らげる具体的なテクニックを3つ教えて」


質問の精度がそのまま回答の精度に直結するため、プロンプト設計のスキルを身につけることもChatGPT活用の重要なポイントです。

10. 著作権を侵害するコンテンツの生成

他人の著作物をそのまま再現・模倣するコンテンツの生成は著作権侵害にあたります。ChatGPTで生成したコンテンツが既存の著作物に酷似している場合、法的責任を問われる可能性があります。

「ハリー・ポッターの続編を書いて」「〇〇のロゴをDALL-Eで生成して」といった指示は、著作権・商標権侵害のリスクがあります。2026年現在、日本ではAI生成物の著作権は「人間の創作的寄与」がなければ成立しないとされており、完全なAI生成物は著作権保護の対象外です。AI生成物を商用利用する場合は、弁護士や知的財産の専門家に確認することを推奨します。

11. 虚偽情報の意図的な拡散

フェイクニュース・デマの作成や拡散にChatGPTを使用してはいけません。ChatGPTで作成したもっともらしい虚偽情報を拡散する行為は、名誉毀損・業務妨害・偽計業務妨害罪などの犯罪になる可能性があります。

OpenAIの利用規約でも、他人を操作・欺くための利用や、人権の行使を妨げるための利用は明確に禁止されています。2026年現在、AI生成コンテンツの透明性表示義務化が一部の国で進んでおり、プラットフォーム各社もAI生成コンテンツの検出を強化しています。

12. 未成年者の無監督利用

13歳以上の未成年者がChatGPTを保護者の監督なしに利用することは避けるべきです。不適切なコンテンツ生成の試み、宿題の丸写しによる学習機会の喪失、個人情報の入力、誤情報を鵜呑みにするリスクがあります。

OpenAIが実装したペアレンタルコントロール機能を活用することで、利用時間帯の制限や一部機能の制限、危険な対話の検知時の保護者通知などの管理が可能です。詳しい設定方法は「安全に使うための対策」セクションで紹介します。


ChatGPTの情報漏洩リスクと実際の事例

ChatGPTの情報漏洩リスクと実際の事例

ChatGPTの利用には情報漏洩のリスクが伴います。ここでは実際に発生した事件とOpenAIのデータ取り扱い方針を整理し、リスクの実態がどの程度のものかを把握するための情報を提供します。ChatGPTのセキュリティリスクを体系的に理解したい方は、あわせてご覧ください。

企業の機密情報が流出した事例

最も広く知られている事例は、2023年3月に韓国のサムスン電子で発生した情報漏洩インシデントです。社員がプログラムのエラー解消のためにソースコードをChatGPTに入力したほか、社内会議の録音内容をテキスト化して入力したことで、機密情報がOpenAIの学習データに取り込まれるリスクが発生しました。

この事件を受けてサムスン電子は、社内ネットワークおよび業務端末でのChatGPT利用を全面禁止するポリシーを策定しました。同様の対応はJPモルガン・チェース、Apple、Amazonなどのグローバル企業でも広がっています。

2026年1月には、米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)の長官代行が「For Official Use Only」マーク付きの政府文書を公開版ChatGPTにアップロードしていたことが報道されました。サイバーセキュリティの責任者ですら、利便性を優先して公開版AIに機密情報を入力してしまうという事実は、組織的なガイドライン整備の重要性を改めて示しています。

また、悪意あるユーザーによってChatGPTがソーシャルエンジニアリング攻撃や詐欺に利用されるおそれもあります。BBCの調査では、ユーザーが独自のAIアシスタントを構築できるGPTs機能が、サイバー犯罪用ツールの作成に利用可能であることが報告されました。信頼関係を構築するための巧みな会話文やフィッシングメールを生成させるケースが想定されるため、こうした攻撃に巻き込まれないよう警戒が必要です。

アカウント情報の大規模流出

2025年2月には、「emirking」というハンドルネームのサイバー犯罪者がダークウェブのフォーラムで2,000万件を超えるOpenAIアカウントの認証情報を販売していたことが判明しました。盗まれた認証情報が悪用されると、過去の会話履歴に含まれる機密情報へのアクセス、標的型フィッシング詐欺への利用、有料機能の不正利用といった被害が想定されます。

2025年11月には、OpenAIの分析パートナーであるMixpanelへの不正アクセスにより、APIユーザーの名前・メールアドレス・おおよその所在地などが流出する事件も発生しています。チャット内容やAPIキーの漏洩はなかったものの、OpenAIはMixpanelとの契約を即時終了し、全ベンダーのセキュリティレビューを実施しました。

それ以前にも、インフォスティーラー(個人情報を抜き取るマルウェア)によって10万件のChatGPTアカウント情報がダークウェブで売買されていた事例が報告されています。ChatGPTのアカウントは会話履歴を含むため、一般的なWebサービス以上にアカウント保護が重要です。二要素認証の設定、パスワードの使い回し回避、定期的な会話履歴の整理を推奨します。

OpenAIのデータ保持方針

OpenAIのデータ保持方針

OpenAIはユーザーが削除したチャット履歴を30日以内にシステムから削除する予定としています。ただし、匿名化済みデータや法的・安全上の理由により一部が保持される場合があります。

プラン別のデータ取り扱いは以下のとおりです。

プラン データの扱い
Free / Plus / Pro チャット履歴はアカウントに保存。削除後30日以内にシステムから消去予定(安全目的で追加保持の場合あり)
一時チャット 30日後に自動削除。モデルトレーニングには使用されない。安全目的で追加最大30日保持される場合あり
Business ワークスペース管理者が管理。データは無期限保持。学習には使用されない
Enterprise / Edu 管理者が保持ポリシーを設定可能。学習には使用されない
API デフォルトでは不正利用監視のため最大30日間ログを保持。対象組織はゼロデータ保持(ZDR)を申請可能


2025年9月26日以降、過去の訴訟に基づくデータ保持義務が解除されたため、削除処理は通常どおり実行されるようになっています。ただし機密情報を入力してしまった場合、即座の完全削除は困難です。入力する前にリスクを判断することが最も効果的な対策です。

個人情報の利用目的

【関連記事】
ChatGPTの情報漏洩事例はなぜ起きた?実際の事例を交えてその対策を紹介


ChatGPTの利用規約と法的リスク(2026年版)

ChatGPTの利用規約と法的リスク(2026年版)

ChatGPTの利用に関する法的リスクを理解するには、OpenAIの利用規約と日本の関連法規の両方を把握する必要があります。ここでは2026年時点の最新の規約内容と法的注意点を解説します。AI規制法の動向とあわせて把握しておくことをおすすめします。

2026年最新の利用規約と禁止事項

OpenAIの利用規約(Terms of Use)は2024年12月11日発効の版が現行であり、Usage Policiesは2025年10月29日に更新されています。主要な禁止事項は以下のカテゴリに分かれます。

  • 安全保護
    児童性的虐待コンテンツ(CSAM)の生成、他者のシステムへの攻撃・侵害、知的財産権の侵害

  • プライバシーと欺瞞
    他者のプライバシーの侵害(個人情報の無断収集・監視・プロファイリング)、人々の権利行使を妨げる操作・欺瞞

  • 専門的助言
    法律や医療など、免許を要する専門的助言を、有資格者の関与なしに提供すること

  • 自動化された重大決定
    金融・保険・法務・医療・政府サービスなど、センシティブな領域で人間のレビューなしに高リスクの意思決定を自動化すること

  • 詐欺・政治活動
    フィッシング・偽レビュー・選挙介入・ロビー活動への利用


違反が確認された場合、生成リクエストの拒否、アカウントの一時停止または永久停止が行われます。重大な違反は法執行機関に報告される場合もあります。ChatGPTのポリシー違反の詳細や回避方法については別記事で解説しています。

ユーザーはオプトアウト手続きに従うことで、モデルトレーニングへのコンテンツ利用を拒否することも可能です。企業利用では、どの範囲までOpenAIに入力を許可するかを社内で明文化しておくことが、コンプライアンス上の基本対策になります。

ChatGPTの著作権と個人情報保護法の注意点

日本国内でChatGPTを利用する際は、以下の法的リスクに特に注意が必要です。

著作権法

2026年現在、日本ではAI生成物の著作権は「人間の創作的寄与」がなければ成立しないとされています。完全にAIが生成した文章や画像は、著作権で保護されない可能性があります。一方で、既存の著作物に酷似した出力が生成された場合、利用者がその出力を公開・利用すれば著作権侵害に問われるリスクがあります。ChatGPTの商用利用を検討している場合は、著作権・規約上の注意点を事前に確認することを推奨します。

個人情報保護法

個人情報保護委員会は2023年6月にOpenAI社に対して、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を行いました。ChatGPTに個人情報を入力する行為は、個人情報の第三者提供に該当する可能性があり、本人の同意なく入力することは法律違反のリスクがあります。

OpenAI に対する注意喚起の概要
OpenAI に対する注意喚起の概要 (出典:個人情報保護委員会)


企業がChatGPTを業務利用する場合は、個人情報の取り扱いに関する社内規程を整備し、従業員への教育を徹底することが求められます。2025年3月には総務省・経済産業省がAI事業者ガイドライン第1.1版を公表しており、AI開発・提供・利用に関する基本的な指針が示されています。


ChatGPTを安全に使うための対策

ChatGPTを安全に使うための対策

ChatGPTのリスクを理解したうえで、安全に活用するための具体的な対策を紹介します。個人ユーザー向けと企業向けに分けて解説し、未成年者の保護に有効なペアレンタルコントロール機能についても取り上げます。

個人ユーザーの安全対策

個人でChatGPTを利用する際は、以下の対策を実践することでリスクを大幅に低減できます。

  • 個人情報をプロンプトに入力しない
    氏名・住所・電話番号・マイナンバーなどは、たとえ便利であっても入力を避ける

  • 回答をそのまま信じない
    ChatGPTの回答にはハルシネーション(もっともらしい誤情報)が含まれる可能性がある。ChatGPTの回答精度に関する研究では、回答の52%に何らかの誤りが含まれていたと報告されている

  • 一時チャットを活用する
    機密性の高い会話では一時チャットを利用する。一時チャットのメッセージは30日後に自動削除され、モデルトレーニングには使用されない(安全目的で追加保持される場合あり)

  • 学習設定を確認する
    「設定」→「データコントロール」から、チャット内容をモデルトレーニングに使用するかどうかを管理できる。プライバシーを重視する場合はオフに設定する。ChatGPTの履歴をオフにする方法も参照

  • AIへの過度な依存を避ける
    ChatGPTは優れた補助ツールだが、最終的な意思決定は人間が行う必要がある。自分自身の創造力や批判的思考を鍛え、AIとのバランスを保つことが重要


大学生における生成AI利用の研究でも、ChatGPTへの過度な依存が先延ばし傾向の増加や記憶力の低下に関連していることが明らかになっています。ChatGPTに頼りすぎず、自分の判断力を磨くことで、AIの力を最大限に活かしつつその限界を理解した賢明な利用が可能になります。

【関連記事】
ChatGPTの危険性は?そのリスクや実際の事例を交えて徹底解説!

企業の社内AIポリシー策定

企業の社内AIポリシー策定

IPAの調査によると、AI利用企業の約60.4%がセキュリティ脅威を感じているにもかかわらず、適切な規則や体制を整備している企業は20%未満にとどまっています。企業がChatGPTを安全に導入するには、社内AIポリシーの策定が不可欠です。従業員が無断でAIツールを業務利用する「シャドーAI」のリスクも含めて対策を講じる必要があります。

ポリシーに含めるべき主要項目は以下のとおりです。

  • 入力禁止情報の定義
    顧客情報・ソースコード・財務データ・未公開の事業計画など、ChatGPTに入力してはいけない情報のカテゴリを明確にする

  • 利用プランの選定
    ChatGPT Business/Enterpriseプランは、入力データがモデルトレーニングに使用されない設計になっている。社内利用にはこれらのプランを推奨する

  • 従業員教育の実施
    ChatGPTのリスクと適切な利用方法について、全従業員を対象とした研修を定期的に実施する

  • 利用状況のモニタリング
    ChatGPTの利用状況を定期的に確認し、ポリシー違反が発生していないかモニタリングする体制を構築する


社内のChatGPT利用をすべて禁止するのではなく、適切なルールのもとで安全に活用するアプローチが、生産性とセキュリティを両立させるうえで効果的です。自社の規模やセキュリティ要件に応じて、ChatGPT Business/Enterpriseの導入か、Azureテナント内にプライベートLLM環境を構築するかを判断してください。ChatGPTの法人契約の進め方については別記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
ChatGPTの問題点とは?その危険性や社会に与える影響を解説

ペアレンタルコントロール機能の活用

2025年後半より、ChatGPTにペアレンタルコントロール機能が実装されています。13歳以上の未成年者のアカウントを保護者がリンクし、以下のような設定を管理できます。

  • サイレント時間(Quiet Hours)
    利用可能な時間帯の制限

  • 一部機能の利用制限
    保護者が選択した設定の管理(音声モード等)

  • リスク検知アラート
    危険な対話の兆候を検知した際の保護者への通知


Common Sense MediaのAIプログラム担当ディレクターRobbie Torney氏は、「ペアレンタルコントロールは、保護者が10代の子どものChatGPT使用を管理するのに適した出発点です。責任あるAI利用に関する絶え間ない話し合いと組み合わせることで、その効果を最大限に発揮します」と述べています。

家庭内では、ChatGPTで何を調べているかの定期的な確認、宿題での利用は学習補助のみに限定するルール、個人情報を入力させないルールの設定を推奨します。


ChatGPTでできること(正しい活用方法)

ChatGPTでできること(正しい活用方法)

ここまでリスクと注意点を中心に解説してきましたが、ChatGPTは適切に使えば業務効率化や学習支援に大きな力を発揮するツールです。ここでは安全な範囲での主要な活用方法を紹介します。

文章の生成・要約・校正

ChatGPTは質問に応じて適切な回答を生成するほか、長い文章を簡潔にまとめる要約機能や、誤字脱字・文法の誤りを指摘する校正機能にも優れています。


ChatGPTの回答例
ChatGPTの回答例

ChatGPTで文章校正する方法は?プロンプト例や実際の手順を解説 | AI総合研究所

ChatGPTを使った文章校正のやり方と効率的な活用方法、プロンプトを詳しく解説します。日本語だけでなく英語も可能で、論文やレポートを書く際の負担軽減に役立つ情報を提供します。

https://www.ai-souken.com/article/proofreading-texts-with-chatgpt

クリエイティブコンテンツの作成

ChatGPTはレポートの作成小説執筆にも活用できます。ユーザーのアイデアをもとに、論理的で説得力のある文章を生み出す能力を持っています。

また、画像生成機能(DALL-E 3)により、広告バナーのデザインやイラストレーションの作成など、ビジュアル面でのクリエイティブワークにも対応しています。

【関連記事】
ChatGPTを使って広告バナーを作成する方法!作成例やプロンプトも紹介

プログラミング・コードレビュー

ChatGPTはプログラミングコードの生成・デバッグ・レビューに活用できます。専門家に依頼せずに素早くコードを生成したり、エラーの原因を特定したりできるため、初心者からエンジニアまで幅広く利用されています。

ChatGPT(GPT-5)をプログラミングに活用!VS Code統合・Canvas・実践例を紹介(2025年版) | AI総合研究所

ChatGPT(GPT-5・Codex)をプログラミングに活用する方法を2025年最新版で解説。VS Code統合、Canvas機能、Projects、GitHub Copilot比較など実践的な使い方を紹介。

https://www.ai-souken.com/article/using-chatgpt-in-programming

ChatGPTが対応している主要なプログラミング言語は以下のとおりです。

カテゴリ プログラミング言語
汎用言語 C, C++, C#, Python
Web開発 Java, JavaScript, PHP, Ruby, TypeScript, HTML/CSS
アプリ・ゲーム開発 Swift, Kotlin, Go
データベース SQL
統計・データ解析 R, MATLAB, Julia, SAS, SPSS


上記は代表的な対応言語であり、今後のアップデートにより対応範囲はさらに拡大する可能性があります。

言語学習のサポート

ChatGPTは日本語・英語をはじめとする多くの言語に対応しており、語学学習のパートナーとして活用できます。文章の文法チェックや翻訳支援に加え、音声会話機能を使った対話形式での語学練習も可能です。

ChatGPTで翻訳を行う方法!使い方やプロンプト例を徹底解説 | AI総合研究所

ChatGPTを翻訳に活用する方法と、プロンプトの例を徹底解説。多言語対応のAIを活かし、精確な意思疎通を実現するテクニックをお教えします。

https://www.ai-souken.com/article/translating-with-chatgpt

上記以外にも、ChatGPTは議事録の自動生成、マーケティングコピーの作成、データ分析の補助など幅広い業務に活用できます。ChatGPTの活用方法をさらに詳しく知りたい方は、ChatGPTでできること一覧をご覧ください。

AI駆動開発


ChatGPTの料金プランとセキュリティの違い

ChatGPTの料金プランとセキュリティの違い

ChatGPTには複数の料金プランがあり、プランによってセキュリティの設定や利用可能な機能が異なります。安全性を重視する場合はプラン選びが重要になります。各プランの機能差や支払い方法の詳細はChatGPTの料金プラン一覧で網羅的に比較しています。

個人向けプラン(Free / Go / Plus / Pro)

2026年3月時点の個人向けプランの料金と主要機能は以下のとおりです。

プラン 月額料金 主な特徴
Free 無料 GPT-5.3の基本機能(制限付き)。ファイルアップロード・画像生成は回数制限あり
Go 1,500円 無料版の5倍の利用量。今後広告のテストが行われる可能性あり
Plus 3,000円 GPT-5.4 Thinkingの利用量拡大。Deep Research・Advanced Voice Mode対応
Pro 約30,000円(200ドル) GPT-5.4 Thinking + GPT-5.4 Pro。Deep Researchの上限拡大


2025年1月1日より、日本での利用には10%の消費税が加算されています。Free・Go・Plus・Proの個人ワークスペースでは、デフォルトの設定でチャット内容がモデル改善のために利用される場合があります。「設定」→「データコントロール」からオプトアウトが可能です。

法人向けプラン(Business / Enterprise)

プラン 月額料金(1ユーザーあたり) 主な特徴
Business(旧Team) 25〜30ドル Plusの全機能+管理コンソール。データは学習に使用されない
Enterprise 要問い合わせ 無制限アクセス・SSO・SCIM・監査ログ・カスタムデータ保持


OpenAIの企業向けプライバシーページによると、Business/Enterpriseプランでは入力データがモデルトレーニングに使用されず、SOC 2 Type II認証に準拠したセキュリティ体制が提供されます。

プランごとのデータ保護の違い

プランごとのデータ保護の違い

料金プランによるセキュリティの違いを整理すると、最も重要なポイントは入力データが学習に使用されるかどうかです。

セキュリティ機能 Free / Go / Plus / Pro Business / Enterprise
データの学習利用 デフォルトで利用される(オプトアウト可能) 利用されない
管理者による制御 なし(個人設定のみ) 管理コンソールで一元管理
SAML SSO なし BusinessおよびEnterpriseで対応
SCIM なし Enterpriseで対応
監査ログ なし Enterpriseで提供
データ保持管理 削除後30日で消去 Businessは無期限保持、Enterprise/Eduは管理者が保持ポリシーを設定可能


企業での利用では、機密情報の取り扱いやコンプライアンスの観点からBusiness以上のプランが推奨されます。個人利用でも、設定画面からデータコントロールを確認し、必要に応じてモデル改善への利用をオフにしておくことが安全策になります。


セキュアなAI活用をお考えの企業様へ

AI Agent Hub

AI Agent Hubで安全に業務を自動化

金融機関レベルのセキュリティで、情報漏洩リスクを抑えながらAI活用を実現。顧客Azureテナント内でデータ保持し、安心してAIを導入できます。


まとめ

本記事では、ChatGPTでやってはいけない12のことを中心に、情報漏洩リスクの実態、2026年最新の利用規約、安全に使うための対策、そして料金プランごとのセキュリティの違いまでを解説しました。

ChatGPTは業務効率化やクリエイティブな作業に大きな力を発揮するツールですが、医療・財務・法律に関する専門的判断への依存、機密情報の入力、違法行為への利用は避けなければなりません。

安全に活用するためのポイントを3つにまとめます。

  • 入力する情報を選ぶ
    個人情報・機密情報をプロンプトに入力しない。一時チャットや学習除外設定を活用する

  • 回答を検証する
    ChatGPTの出力にはハルシネーションが含まれる可能性がある。重要な判断の前には必ず一次情報で裏取りする

  • 適切なプランを選ぶ
    企業利用ではBusiness/Enterpriseプランを選択し、データが学習に使用されない環境を確保する


AIの可能性を最大限に活かすには、そのリスクと限界を正しく理解することが第一歩です。本記事を参考に、ChatGPTを安全かつ効果的に活用してください。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

関連記事

AI導入の最初の窓口

お悩み・課題に合わせて活用方法をご案内いたします
お気軽にお問合せください

AI総合研究所 Bottom banner

ご相談
お問い合わせは
こちら!