この記事のポイント
Claude Code on Microsoft Foundryとは、Azure環境でClaude Codeを利用するための統合方法である
認証にはAPIキー方式とMicrosoft Entra ID方式の2種類があり、法人運用ではEntra IDが推奨される
利用可能モデルはOpus 4.6/4.5/4.1、Sonnet 4.6/4.5、Haiku 4.5の6種類(2026年2月時点)
料金はAnthropicの標準API価格に準じ、Azure Marketplace経由で課金される
対応リージョンはEast US2とSweden Centralの2拠点に限定される

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
「Claude CodeをAzure環境で使いたいけれど、設定方法がわからない」「Anthropic APIと何が違うの?」
Microsoft Foundry(旧Azure AI Foundry)では、AnthropicのClaude Code CLIやVS Code拡張機能を直接接続して利用できます。Azure上で認証・課金・ガバナンスを一元管理できるため、法人利用の第一候補として注目されています。
本記事では、Claude Code on Microsoft Foundryの概要から、具体的なセットアップ手順、認証方式の違い、利用可能なモデル、料金体系、そして導入時の注意点までをまとめて解説します。
✅Claude Codeの基本については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
Claude Codeとは?主な特徴や使い方、料金体系・拡張機能まで徹底解説
目次
Claude Code on Microsoft Foundryとは?
Claude Code on Microsoft Foundryでできること
Step 1 Microsoft Foundryでリソースを作成する
Step 2 Claude Code CLIをインストールする
Claude Code on Microsoft Foundryとは?
Claude Code on Microsoft Foundryとは、Anthropicが提供するAIコーディングエージェントClaude Codeを、Microsoft Foundry(旧Azure AI Foundry)のインフラストラクチャ上で動作させるための連携方法です。
通常、Claude Codeを利用する場合はAnthropicのAPIに直接接続しますが、Microsoft Foundry経由で利用することにより、Azureサブスクリプションを通じた一元的な課金管理、Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)による組織レベルの認証、そしてAzureのRBAC(ロールベースアクセス制御)によるガバナンスの適用が可能になります。
つまり、企業が既にAzure環境を導入している場合、追加のAnthropicアカウントや個別のAPI契約を結ばずとも、Azure Marketplace経由でClaude Codeを利用開始できるのです。この仕組みにより、開発チームへのAIコーディング支援ツールの展開を、既存のIT管理体制の中に組み込むことができます。
Claude Code on Microsoft Foundryでできること
このセクションでは、Microsoft Foundry経由で利用する場合のClaude Codeの機能と、Azure統合によって得られるメリットについて解説します。
Claude Codeの基本機能
Claude Codeは、ターミナルやVS Code上で動作するAIコーディングエージェントです。Microsoft Foundry経由で利用する場合も、基本的な機能はAnthropicのAPI直接利用時と同等です。
以下に、Claude Code on Microsoft Foundryで利用できる主要な機能を整理しました。
-
コード生成・編集 プロジェクトのコンテキストを読み取り、ファイルの作成や修正を自律的に実行します。CLAUDE.mdファイルによるプロジェクト固有の指示にも対応しています。
-
拡張思考(Extended Thinking) Opus 4.6やSonnet 4.6では、Adaptive Thinking(適応的思考)にも対応しており、タスクの複雑さに応じて推論の深さを自動調整します。
-
エージェントスキル(Agent Skills) カスタムスキルを定義して、特定のワークフローやコマンドをClaude Codeに学習させることができます。
-
VS Code拡張機能 VS Code Marketplace上で提供されている拡張機能をインストールすることで、エディタ内のサイドパネルからClaude Codeを利用できます。オートアクセプト編集モードやプランモードなども利用可能です。
ここで注目すべきは、これらの機能がすべてMicrosoft Foundryのデプロイメントを経由して動作するという点です。つまり、コードの生成や編集といった処理に使用されるAPI呼び出しが、すべてAzureの課金・認証基盤の管理下に置かれます。
【関連記事】
Claude CodeのAgent Skillsとは?使い方・設計・活用パターンを徹底解説
Azure統合による法人向けメリット
Microsoft Foundry経由でClaude Codeを利用することで、Anthropic APIの直接利用にはない法人向けの管理機能が加わります。
以下の表で、直接API利用との主な違いを整理しました。
| 比較項目 | Anthropic API直接利用 | Microsoft Foundry経由 |
|---|---|---|
| 課金管理 | Anthropicアカウントに紐づく | Azureサブスクリプションで一元管理(MACC対応) |
| 認証方式 | Anthropic APIキー | APIキーまたはMicrosoft Entra ID |
| アクセス制御 | APIキーの共有管理 | Azure RBAC(ロールベースアクセス制御) |
| コンプライアンス | Anthropicの規約に準拠 | Azure + Anthropicの両規約に準拠 |
| 利用可能リージョン | グローバル | East US2、Sweden Central |
| 対応サブスクリプション | 個人・法人問わず | Enterprise / MCA-Eのみ |
ここで注目すべきは、MACC(Microsoft Azure Consumption Commitment)への対応です。企業がMicrosoftと締結している既存の年間利用コミットメント契約のなかで、Claude Codeの利用料を消化できるため、新規のベンダー契約プロセスが不要になるケースがあります。つまり、調達部門の承認フローを大幅に短縮できるという実務上のメリットがあります。
一方で、対応サブスクリプションがEnterprise / MCA-E(Microsoft Customer Agreement for Enterprise)に限定されている点は制約となります。CSP(Cloud Solution Provider)経由の契約やスポンサーアカウントなどでは利用できません。
利用可能なClaudeモデル一覧
このセクションでは、2026年2月時点でMicrosoft Foundry上にデプロイ可能なClaudeモデルの一覧と、それぞれの特性について解説します。
以下の表に、Microsoft Foundryで利用可能な全Claudeモデルとその主な用途を整理しました。
| モデル名 | モデルID | コンテキスト長 | 最大出力 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| Claude Opus 4.6 | claude-opus-4-6 | 1Mトークン(beta) | 128Kトークン | 最高性能のコーディング・エージェント・企業ワークフロー |
| Claude Opus 4.5 | claude-opus-4-5 | 200Kトークン | 64Kトークン | 高性能コーディング・エージェント・コンピュータ操作 |
| Claude Opus 4.1 | claude-opus-4-1 | 200Kトークン | 64Kトークン | 長時間の集中的タスク・大規模コード修正 |
| Claude Sonnet 4.6 | claude-sonnet-4-6 | 1Mトークン(beta) | 128Kトークン | コスト効率と性能のバランスに優れたコーディング・エージェント |
| Claude Sonnet 4.5 | claude-sonnet-4-5 | 200Kトークン | 64Kトークン | 本番ワークフロー・高スループット処理 |
| Claude Haiku 4.5 | claude-haiku-4-5 | 200Kトークン | 64Kトークン | 高速・低コスト処理・サブエージェント |
ここで注目すべきは、2026年2月5日にMicrosoft Foundryでも利用可能となったClaude Opus 4.6です。Anthropicのモデルラインナップの中で最も高性能なこのモデルは、1Mトークン(約75万語相当)というベータ版のコンテキストウィンドウを備えており、大規模コードベースの分析やリファクタリングといったタスクに適しています。
すべてのモデルはGlobal Standard(グローバル標準)デプロイメントタイプとして提供されています。また、すべてのモデルでExtended Thinking(拡張思考)が利用可能であり、特にOpus 4.6とSonnet 4.6ではAdaptive Thinking(適応的思考)にも対応しています。
セットアップ手順
ここでは、Claude Code on Microsoft Foundryを利用するための具体的なセットアップ手順を、ステップごとに解説します。前提条件の確認から、モデルのデプロイ、認証設定、動作確認までを順番に進めていきます。
前提条件
セットアップを始める前に、以下の要件を確認してください。
-
Azureサブスクリプション Enterprise(EA)またはMCA-E(Microsoft Customer Agreement for Enterprise)契約のサブスクリプションが必要です。CSPやスポンサーアカウント、シンガポール・韓国のEnterprise契約は対象外となっています。
-
Azure Marketplace へのアクセス権限 Claudeモデルのサブスクリプション作成には、Azure Marketplaceへのアクセスと購入権限が必要です。
-
リソースグループへの権限 モデルをデプロイするリソースグループに対して、ContributorまたはOwnerロールが割り当てられている必要があります。
-
Node.js 18以上 Claude Code CLIの実行環境として必要です。
-
Azure CLI(任意) Microsoft Entra ID認証を利用する場合に必要です。
Step 1 Microsoft Foundryでリソースを作成する
まず、Microsoft Foundryポータルにアクセスし、プロジェクトを作成します。
プロジェクトの作成先リージョンはEast US2またはSweden Centralを選択してください。Claudeモデルは、2026年2月時点でこの2つのリージョンでのみデプロイ可能です。
プロジェクト作成後、モデルカタログから利用したいClaudeモデルを検索し、デプロイメントを作成します。デプロイ完了後、以下の情報を控えておきます。
- エンドポイントURL(Target URI)
- APIキー(APIキー認証を利用する場合)
- リソース名(環境変数に使用)
Step 2 Claude Code CLIをインストールする
Claude Code CLIがまだインストールされていない場合は、npmからインストールします。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
claude --version
VS Codeで利用する場合は、VS Code Marketplaceから拡張機能(anthropic.claude-code)もインストールしてください。
Step 3 環境変数を設定する
Claude CodeをMicrosoft Foundryに接続するための環境変数を設定します。必須の設定と、認証方式に応じた追加設定があります。
必須の環境変数は以下の2つです。
export CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY=1
export ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCE=your-resource-name
ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCEには、Step 1で作成したリソース名を指定します。あるいは、フルURLで指定する場合は以下のように記述します。
export ANTHROPIC_FOUNDRY_BASE_URL=https://your-resource-name.services.ai.azure.com/anthropic
モデルバージョンの固定も重要な設定です。デプロイしたモデルに合わせて、以下のように指定します。
export ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODEL=claude-opus-4-6
export ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL=claude-sonnet-4-6
export ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL=claude-haiku-4-5
Step 4 認証を設定する
認証方式は2種類から選択できます。それぞれの特徴を理解した上で、組織の運用方針に合った方式を選んでください。
Option A APIキー認証
最もシンプルな方式です。Foundryポータルのデプロイメント詳細画面からAPIキーを取得し、環境変数に設定します。
export ANTHROPIC_FOUNDRY_API_KEY=your-api-key-here
この方式は手軽に始められる反面、キーの管理やローテーションを手動で行う必要があります。個人の検証用途には適していますが、チーム利用の場合はキーの漏洩リスクを考慮する必要があります。
Option B Microsoft Entra ID認証(推奨)
Azure CLIでログイン済みの認証情報を自動的に使用する方式です。ANTHROPIC_FOUNDRY_API_KEYが設定されていない場合、Claude Codeは自動的にAzure SDKのデフォルト認証チェーンを使用します。
az login
この方式では、AzureのRBACによるアクセス制御が適用されます。ユーザーまたはサービスプリンシパルに対して、以下のいずれかのロールを割り当てる必要があります。
- Azure AI User ロール
- Cognitive Services User ロール
法人環境での本番運用では、Entra ID認証が推奨されます。理由は、個人ごとの認証によるアクセスログの追跡が可能になること、条件付きアクセスポリシーの適用が可能になること、そしてAPIキーの漏洩リスクを排除できることです。
Step 5 接続を確認する
設定が完了したら、Claude Codeを起動し、/status コマンドで接続状態を確認します。
claude
起動後、/status で以下の項目が正しく表示されていれば設定完了です。
- API providerが「Microsoft Foundry」と表示されていること
- リソース名が正しく表示されていること
- モデル名がデプロイしたモデルと一致していること
VS Code拡張機能での設定方法
Claude Code on Microsoft Foundryは、CLIだけでなくVS Code拡張機能からも利用できます。VS Code Marketplaceで「Claude Code」(anthropic.claude-code)を検索してインストールした後、以下の手順で設定します。
- VS Codeの設定画面を開く(Command + ,)
- 「Claude Code: Environment Variables」を検索する
- 以下の環境変数を追加する
| 環境変数名 | 値 |
|---|---|
| CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY | 1 |
| ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCE | your-resource-name |
| ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL | claude-sonnet-4-6 |
- VS Codeを再起動する
- サイドパネルのClaudeアイコンをクリックして利用開始する
Entra ID認証を使用する場合は、事前にターミナルで az login を実行しておく必要があります。APIキー認証の場合は、環境変数にANTHROPIC_FOUNDRY_API_KEYを追加してください。
【関連記事】
Claude CodeのVSCode拡張機能の使い方やCLI版との違い、料金を解説
GitHub Actionsとの連携
Claude Code on Microsoft Foundryは、GitHub Actions上でも動作させることができます。CI/CDパイプラインにAIコーディングエージェントを組み込むことで、テスト生成やPRレビューの自動化が可能になります。
ユニットテスト自動生成の例
変更されたエージェントファイルに対して、Claude Codeがpytestテストを自動生成するワークフローの概要は以下の通りです。
- プルリクエストがオープンされた際にワークフローが起動する
- Claude Codeが変更されたファイルを分析する
- テストコードを自動生成してコミットする
GitHub Secretsに以下の環境変数を登録しておくことで、Foundry経由の認証が自動的に行われます。
- CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY
- ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCE
- ANTHROPIC_FOUNDRY_API_KEY(Entra ID認証の場合はサービスプリンシパルの認証情報)
PRアシスタントの例
PRコメントで @claude にメンションすることで、コードレビューやフィードバックを受け取れるワークフローも構築可能です。この場合、Claude Codeはコメントの内容を解析し、該当するコード変更に対するレビューコメントを返します。
Anthropic API直接利用との詳細比較
このセクションでは、Claude CodeをAnthropicのAPIに直接接続する場合と、Microsoft Foundry経由で利用する場合の違いを、より詳しく比較します。「どちらを選ぶべきか」を判断するための材料を提供します。
以下の表で、両方式の詳細な比較を整理しました。
| 比較項目 | Anthropic API直接利用 | Microsoft Foundry経由 |
|---|---|---|
| 初期セットアップ | Anthropicアカウント作成 + APIキー取得 | Azureサブスクリプション + Foundryプロジェクト作成 + モデルデプロイ |
| 認証管理 | APIキーのみ | APIキーまたはMicrosoft Entra ID |
| 課金経路 | Anthropicへの直接支払い(クレジットカードまたは請求書) | Azureサブスクリプション経由(MACC対応) |
| 利用可能モデル | 全Claudeモデル(廃止モデル含む) | Opus 4.6/4.5/4.1、Sonnet 4.6/4.5、Haiku 4.5 |
| リージョン | グローバル(デフォルト) | East US2、Sweden Central |
| レート制限(デフォルト) | 利用Tierに応じて変動 | Enterprise: Opus系2,000 RPM / Sonnet 4.5・Haiku 4.5は4,000 RPM |
| Batch API | 利用可能(50%割引) | 公式ドキュメントでの明示なし |
| サブスクリプション条件 | 制限なし | Enterprise / MCA-Eのみ |
ここで注目すべきは、両方式のメリットがそれぞれ異なるユーザー層に向いているという点です。
Microsoft Foundry経由が向いている場面は以下の通りです。
- 既にAzureを企業のクラウド基盤として利用している
- MACCの消化対象としてAI利用費を計上したい
- Microsoft Entra IDによる統合的なアクセス管理が必要
- Azureのコスト管理ツール(Microsoft Cost Management)で利用状況を可視化したい
Anthropic API直接利用が向いている場面は以下の通りです。
- Azureの契約がない、またはEnterprise / MCA-E以外のサブスクリプションを使用している
- Batch APIによる大量処理の割引を活用したい
- グローバルな低レイテンシアクセスが必要
- 最新モデルをリリース直後に利用したい
Claude Code on Microsoft Foundryの料金体系
このセクションでは、Microsoft Foundry経由でClaude Codeを利用する際の料金体系について解説します。
料金体系の構成要素
Microsoft Foundry経由でClaude Codeを利用する場合の費用は、主に以下の要素で構成されます。
-
モデルの推論コスト(トークン単価) 入力トークンと出力トークンに対して、モデルごとに設定された単価で課金されます。
-
Prompt Caching(任意) キャッシュ書き込みとキャッシュ読み取りに対して、それぞれ異なる単価が適用されます。
-
Microsoft Foundryプラットフォーム利用料 プラットフォーム自体の利用料は無料です。追加のホスティング費用も発生しません。課金されるのは、API推論の呼び出し(トークン使用量)のみです。
モデル別料金(2026年2月時点)
料金はAnthropicの標準API価格に準じており、Azure Marketplace経由でAzureサブスクリプションに対して課金されます。以下の表は、2026年2月時点の公式価格です。
| モデル | 入力トークン(MTok) | 出力トークン(MTok) | 5分キャッシュ書込み(MTok) | キャッシュ読取り(MTok) |
|---|---|---|---|---|
| Claude Opus 4.6 | $5 | $25 | $6.25 | $0.50 |
| Claude Opus 4.5 | $5 | $25 | $6.25 | $0.50 |
| Claude Opus 4.1 | $15 | $75 | $18.75 | $1.50 |
| Claude Sonnet 4.6 | $3 | $15 | $3.75 | $0.30 |
| Claude Sonnet 4.5 | $3 | $15 | $3.75 | $0.30 |
| Claude Haiku 4.5 | $1 | $5 | $1.25 | $0.10 |
MTok = 100万トークンあたりの価格(USD)
ここで注目すべきは、Opus 4.6とOpus 4.5が同一価格であるという点です。最新のOpus 4.6は、1Mトークンの大規模コンテキストウィンドウ(beta)や、128Kの最大出力トークン、Adaptive Thinking対応といった機能強化が追加されていますが、トークン単価は据え置きとなっています。つまり、同じコストでより高性能なモデルを利用できるため、Opus 4.5から4.6への移行は費用面でのハードルがありません。
長文コンテキスト利用時の追加料金
Opus 4.6とSonnet 4.6では、1Mトークンのコンテキストウィンドウ(beta)を利用できます。ただし、入力トークンが20万トークンを超えた場合、プレミアム料金が適用される点に注意が必要です。
| モデル | 20万トークン以下 | 20万トークン超過 |
|---|---|---|
| Claude Opus 4.6 | 入力: $5 / 出力: $25 | 入力: $10 / 出力: $37.50 |
| Claude Sonnet 4.6 / 4.5 | 入力: $3 / 出力: $15 | 入力: $6 / 出力: $22.50 |
単位: 100万トークンあたり(USD)
Claude Codeで大規模なコードベースを一括分析するような場面では、20万トークンを超えるケースが発生しやすいため、プレミアム料金の適用を想定した予算策定が重要です。
価格に関する注記
- 上記の料金はAnthropicの公式価格ページ(2026年2月時点)に基づいています。Microsoft Foundry経由の場合もこの標準価格が適用されると公式に説明されています。
- Azure Startupクレジットや無料クレジットはClaude モデルの利用には適用されません。
- MACC(Microsoft Azure Consumption Commitment)の消化対象にはなります。
- 為替レートの変動により、日本円での実質コストは変動します。
【関連記事】
Claude Codeの料金体系ガイド!利用制限や確認・可視化方法を解説
レート制限とクォータ
Microsoft Foundry上でClaudeモデルを利用する場合のレート制限は、Anthropic APIの直接利用時とは異なる体系が適用されます。ここでは、デフォルトのレート制限と、増枠の方法について解説します。
以下の表に、Enterprise / MCA-Eサブスクリプション向けのデフォルトレート制限を整理しました。
| モデル | リクエスト/分(RPM) | トークン/分(TPM) |
|---|---|---|
| Claude Opus 4.6 | 2,000 | 2,000,000 |
| Claude Opus 4.5 | 2,000 | 2,000,000 |
| Claude Opus 4.1 | 2,000 | 2,000,000 |
| Claude Sonnet 4.6 | 2,000 | 2,000,000 |
| Claude Sonnet 4.5 | 4,000 | 2,000,000 |
| Claude Haiku 4.5 | 4,000 | 4,000,000 |
ここで注目すべきは、Enterprise / MCA-E以外のサブスクリプションではデフォルトのRPM・TPMが0に設定されているという点です。つまり、対象外のサブスクリプションでは事実上利用できません。この制限は、前述の「前提条件」で記載した、サブスクリプション種別の要件と対応しています。
デフォルトのレート制限を超える利用が必要な場合は、Azureのクォータ増加リクエストフォームから申請が可能です。
レート制限への対処法
Claude Codeを利用する中で429エラー(Too Many Requests)が発生した場合の対処法を以下にまとめます。
-
リトライロジックの実装 指数バックオフ(Exponential Backoff)によるリトライを組み込むことが推奨されています。
-
リクエストのバッチ処理 複数のプロンプトを可能な限りまとめて送信します。
-
利用状況のモニタリング Microsoft Foundryポータルの「Operate」セクションでトークン消費量とレイテンシを追跡できます。
-
トークン上限の設定 環境変数 ANTHROPIC_MAX_TOKENS を設定することで、1回のリクエストあたりの最大トークン数を制限できます。
トラブルシューティング
Claude Code on Microsoft Foundryの導入・運用時に発生しやすいエラーと、その対処法を以下にまとめます。
以下の表で、よくあるエラーとその解決策を整理しました。
| エラー | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 401 Unauthorized | APIキーが無効、またはEntra IDトークンのスコープが不正 | APIキーを再確認する。Entra IDの場合はスコープに https://cognitiveservices.azure.com/.default を指定しているか確認する |
| 403 Forbidden | リソースまたはサブスクリプションへの権限不足 | リソースグループにContributor / Ownerロール、Entra ID認証時はCognitive Services Userロールが割り当てられているか確認する |
| 404 Not Found | エンドポイントURLまたはデプロイメント名が不正 | ベースURLが https://リソース名.services.ai.azure.com/anthropic の形式であることを確認する |
| 429 Too Many Requests | レート制限を超過 | 指数バックオフによるリトライを実装する。必要に応じてクォータ増加を申請する |
| Model not found | 環境変数のモデル名とデプロイメント名の不一致 | ANTHROPIC_DEFAULT_xxx_MODEL の値がFoundryのデプロイメント名と一致しているか確認する |
| Region errors | サポートされていないリージョンでのデプロイを試行 | East US2またはSweden Centralを選択する |
| サブスクリプション不適格エラー | Enterprise / MCA-E以外のサブスクリプション | サブスクリプションの種別を確認し、対象の契約形態に変更する |
ここで注目すべきは、「Model not found」エラーの原因です。前述の通り、Claude Codeの環境変数でモデルエイリアス(例:claude-opus-latest)を指定すると、Foundry上に存在しないバージョンを参照してこのエラーが発生する場合があります。必ず具体的なバージョンID(例:claude-opus-4-6)を指定してください。
注意点と制限事項
Claude Code on Microsoft Foundryを導入する際に把握しておくべき主要な制限事項を、ここでまとめて解説します。
-
対応リージョンの制限 2026年2月時点で、Claudeモデルをデプロイ可能なリージョンはEast US2とSweden Centralの2拠点のみです。日本リージョン(Japan East / Japan West)には対応していません。Azureのリージョン詳細についてはこちらの記事も参考にしてください。
-
対応サブスクリプションの制限 Enterprise(EA)およびMCA-E(Microsoft Customer Agreement for Enterprise)サブスクリプションのみが対象です。CSP、スポンサーアカウント、Azure無料アカウントでは利用できません。
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プレビュー提供 2026年2月時点で、すべてのClaudeモデルは「preview」ステータスで提供されています。一般提供(GA)の時期は公表されていません。
-
コンテンツフィルタリング Microsoft Foundryでは、Claudeモデルに対する組み込みのコンテンツフィルタリングはデプロイ時に提供されていません。推論時にAIコンテンツセーフティを構成する必要があります。
-
認証コマンドの無効化 Microsoft Foundry経由で利用する場合、Claude Codeの /login および /logout コマンドは無効化されます。
-
Azureスタートアップクレジットの非対応 Azure無料クレジットやスタートアップ向けクレジットは、Claudeモデルの利用料には適用されません。
まとめ
本記事では、Claude Code on Microsoft Foundryの概要、セットアップ手順、認証方式、利用可能モデル、料金体系、そして注意点について解説しました。
Claude Code on Microsoft Foundryは、既にAzure環境を利用している企業にとって、AIコーディングエージェントを既存のIT管理体制に組み込むための有力な選択肢です。Entra IDによるアクセス制御、Azure Marketplaceを通じた一元課金、MACCの消化対象であることなど、法人利用に最適化されたメリットがあります。
一方で、対応リージョンがEast US2とSweden Centralに限定されること、Enterprise / MCA-Eサブスクリプションが必要であること、すべてのモデルがプレビューステータスであることなど、導入前に確認すべき制限もあります。
まずは小規模なパイロットプロジェクトで動作検証を行い、レート制限やコスト感を把握した上で、段階的に開発チームへの展開を進めることを推奨します。Claude Code on Microsoft Foundryのセットアップに関する最新情報は、Microsoft Learnの公式ドキュメントおよびClaude Code公式ドキュメントで確認できます。





