この記事のポイント
Azure OpenAI Serviceの認証方式(キー/IDベース)の全体像
APIキーの取得手順とローテーション運用
リソース作成からエンドポイント利用までの導線
料金の考え方(モデル・トークン・メーター)と価格例
セキュリティ観点(権限分離、キー管理、ネットワーク制御)

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
AIとクラウドの技術進化に伴い、ビジネスや研究の現場での最適化が急速に進んでいます。中でもMicrosoft Azureが提供する「Azure OpenAI Service」は、その一環として注目されるサービスです。
しかし、このサービスを利用するにはAPIキーの取得が必要なため、どのようにして取得・利用すればよいのか、具体的なステップが気になる方も多いでしょう。
本記事は、Azure OpenAI ServiceのAPIキー取得から利用方法までを網羅的に解説し、最先端のAI技術を活用したいビジネスパーソンや研究者にとって、実践的なガイドとなることを目指しています。 APIを利用する上で重要なセキュリティの考慮点や、様々な利用シナリオに応じた導入のコツなども詳しく説明します。
Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
➡️Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説
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GPT-5.4(ChatGPT5.4)とは?使い方や料金、GPT-5.2との違いを徹底解説
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Copilot Coworkとは?機能や料金、Claude Coworkとの違いを解説
目次
Azure OpenAI Serviceの料金体系(2026年2月時点)
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
Azure OpenAI Serviceとは
Azure OpenAI Serviceは、Azure上で生成AIモデル(テキスト、画像、音声など)をアプリケーションから呼び出すためのマネージドサービスです。モデル提供に加えて、Azureの認証・ネットワーク・監査と組み合わせた運用設計がしやすい点が、企業利用で評価されやすいポイントです。
利用の基本は「リソース作成 → モデルのデプロイ(deployment作成) → エンドポイントと認証情報でAPI呼び出し」です。認証はAPIキーだけでなく、Microsoft Entra ID(マネージドID等)によるIDベース認証も選択肢になります。
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➡️Azure OpenAI Serviceとは?概要や使い方、料金をわかりやすく解説
Azure OpenAI APIの概要
Azure OpenAI APIは、Azure OpenAI Serviceにデプロイしたモデルをアプリケーションから呼び出すためのAPIです。アプリ側は、エンドポイント、デプロイ名(deployment name)、認証(APIキーまたはMicrosoft Entra ID)を指定し、チャット・埋め込み・画像などのAPIを利用します。
利用シナリオ
Azure OpenAIのAPIを活用することで、最先端AIモデルを、様々な利用シナリオに適用することができます。実際のアプリケーションへの応用は次のようなものが考えられます。
- 顧客サポートを自動化するチャットボットの開発
- 画像からのテキスト抽出や解析
ここでのAPI利用の利点は、特定の役割に特化するようカスタマイズされたAIモデルを、外部アプリケーションに組み込むことができることです。
ブラウザで使う生成AIと違い、認証、監査、ネットワーク制御まで含めた運用設計を前提に実装しやすい点が、企業利用での大きな違いになります。
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Azure OpenAI Serviceの料金体系(2026年2月時点)
Azure OpenAIのAPIキー自体は認証情報であり、料金はキーではなくAzure OpenAI Serviceの利用量に対して発生します。Standard(従量課金)とProvisioned(PTU)などの購入オプションがあり、利用するモデルとトークン量によってコストが決まります。単価の一覧は公式の価格ページ(Azure OpenAI の価格 | Microsoft Azure)に掲載されています。
料金体系の構成要素
料金は、どのプランで、どのモデルを、どれくらい使うかで決まります。
- Standard(従量課金)
入力トークンと出力トークンなど、利用量に応じて課金されます。
- Provisioned(PTU)
一定のスループットを事前に確保する方式で、安定した性能と予測しやすいコスト設計に向きます。
- モデルごとのメーター
テキスト、埋め込み、画像、音声などで課金単位が変わります。
価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)
| 項目 | 単位あたりの価格 | 補足 |
|---|---|---|
| gpt-4o(入力) | 0.0025 USD / 1,000トークン | Standardの入力トークン課金例 |
| gpt-4o(出力) | 0.0100 USD / 1,000トークン | Standardの出力トークン課金例 |
| text-embedding-3-small(入力) | 0.00002 USD / 1,000トークン | 埋め込みの入力トークン課金例 |
※価格は2026年2月時点、リージョン:Japan East、通貨:USDの参考値です。

Azure OpenAI Service の価格 (参考:Microsoft)
コストは「出力トークン」が支配的になりやすいので、回答の長さや出力形式を制御できるようにプロンプト設計をしておくと、予算内に収めやすくなります。
Azure OpenAIのAPI認証方法
Azure OpenAIのAPIでは「APIキー認証」と「Microsoft Entra認証」の二つの方式が用意されています。
- APIキー認証
Azure OpenAI Service内から取得できるAPIキーを用いてAPI認証を行う方式です。
この方式の利点は、APIキーを用いることでAPI認証を手軽に実装できる点です。
一方でAPIキーが流出した場合、外部から簡単にアクセスできてしまうという点から、セキュリティの安全性が低いという問題があります。
- Microsoft Entra認証
AzureのクラウドベースID管理サービスのMicrosoft Entra IDを利用して、API認証を行う方式です。
この方式ではAPIキーを使わずAPI認証を行えるため、APIキーの外部流出の問題がありません。
この記事では、APIキー認証による取得手順と、運用で事故りやすいポイントを中心に説明します。商用運用では、Microsoft Entra IDを使ったキーなし運用や、Key Vaultでの保管とローテーションまで含めて設計するのが安全です。
Microsoft Entra認証に関しては次のMicrosoft Learnのページを参考にしてください。
参考:マネージド ID を使用して Azure OpenAI Service を構成する方法
Azure OpenAI APIキーの取得方法
APIキー認証ではAPIキーに加え、エンドポイントが必要になります。
これらの取得には、Azure OpenAI Studio上でリソースの作成とモデルのデプロイが完了している必要があります。
モデルのデプロイ後、APIキーとエンドポイントは次のどちらかのページで取得できます。
-
Azure OpenAI Studioのプレイグラウンドのコードの表示の画面

コードを表示を選択

赤枠がAPIキー
-
Microsoft Azureポータルのリソース管理のキーとエンドポイント

APIの呼び出し方法
ここでは、チャットを例に「APIキーでの呼び出し」と「Microsoft Entra IDでの呼び出し」を紹介します。Azure OpenAIは、モデル名ではなくデプロイ名で指定する点がつまずきやすいので、まずそこを押さえるのが近道です。
呼び出しに必要な情報
API呼び出しに必要なのは次の3点です。
- エンドポイント
- デプロイ名
- 認証情報(APIキーまたはMicrosoft Entra ID)
curlでの実行例(チャット)
最小構成の例として、チャットのリクエストを送る場合は次の形になります。URL中のdeployment名は、自分の環境のデプロイ名に置き換えてください。
curl "https://YOUR-RESOURCE-NAME.openai.azure.com/openai/deployments/YOUR-DEPLOYMENT-NAME/chat/completions?api-version=2024-10-21" \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "api-key: YOUR_AZURE_OPENAI_API_KEY" \
-d '{
"messages": [
{"role": "system", "content": "You are a helpful assistant."},
{"role": "user", "content": "Azure OpenAIのAPI呼び出し例を教えてください。"}
]
}'
Pythonでの実行例(APIキー)
Pythonからは、OpenAI公式のPythonライブラリを使うと実装が簡単です。ポイントは、modelに指定する値がデプロイ名であることです。
import os
from openai import AzureOpenAI
client = AzureOpenAI(
azure_endpoint=os.environ["AZURE_OPENAI_ENDPOINT"],
api_key=os.environ["AZURE_OPENAI_API_KEY"],
api_version="2024-10-21",
)
response = client.chat.completions.create(
model=os.environ["AZURE_OPENAI_DEPLOYMENT_NAME"],
messages=[
{"role": "system", "content": "You are a helpful assistant."},
{"role": "user", "content": "日本語で短く要点だけまとめてください。"},
],
)
print(response.choices[0].message.content)
Pythonでの実行例(Microsoft Entra ID)
商用運用では、APIキーを配らずに済むMicrosoft Entra ID(マネージドID等)の利用が推奨されます。アプリの実行環境にマネージドIDを割り当て、必要なロールを付与したうえで呼び出します。
import os
from azure.identity import DefaultAzureCredential, get_bearer_token_provider
from openai import AzureOpenAI
token_provider = get_bearer_token_provider(
DefaultAzureCredential(), "https://cognitiveservices.azure.com/.default"
)
client = AzureOpenAI(
api_version="2024-10-21",
azure_endpoint=os.environ["AZURE_OPENAI_ENDPOINT"],
azure_ad_token_provider=token_provider,
)
response = client.chat.completions.create(
model=os.environ["AZURE_OPENAI_DEPLOYMENT_NAME"],
messages=[{"role": "user", "content": "キーなしで呼び出す例を教えてください。"}],
)
print(response.choices[0].message.content)
よくあるエラーと対処
- 403や権限エラーが出る場合
Microsoft Entra IDの場合は、ロール付与の不足や、実行環境の認証設定の不備が原因になりがちです。
- 404が出る場合
URLのdeployment名が誤っている可能性があります。ポータルで作成したデプロイ名と一致しているか確認します。
- コストが膨らむ場合
1回あたりの入出力トークン量が想定より大きいケースが多いので、会話履歴や長いシステムプロンプトを持ち込みすぎていないか確認します。
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まとめ
本記事では、Azure OpenAI ServiceのAPIキー取得から、チャットAPIの呼び出し方法までを一通り整理しました。
ポイントは、デプロイ名を正しく指定することと、認証情報の扱いを運用前提で設計することです。まずはキーで検証して動作を掴み、商用ではMicrosoft Entra IDやKey Vaultを組み合わせて、権限分離とローテーションまで含めた運用に移行していくと、安全にスケールさせやすくなります。










