この記事のポイント
①Veo 2はGoogle DeepMindが開発した動画生成AIで、最大4K解像度・長尺動画対応・物理法則理解・映画撮影用語対応を実現
②Gemini APIで$0.35/秒、Vertex AIで$0.50/秒で利用可能。コンシューマー向けはGoogle AI Pro($19.99/月)で90本/月のVeo 3.1 Fast動画を生成可能
③後継モデルVeo 3.1は4K(3840x2160)・最大60秒・ネイティブ音声同期を実現。Veo 2はコスト効率重視の用途で引き続き有効
④2026年3月のSora撤退後、動画生成AI市場はVeo 3.1・Runway Gen-4.5・Klingの三つ巴。Veoはネイティブ音声と4Kで差別化
⑤商用利用ではVertex AI経由のAPI利用が推奨。SynthIDによる電子透かし付きで、コンテンツの出所証明が可能

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
「テキストから映画のような高品質な動画を作りたい」「AIに複雑なカメラワークを指示できたら…」そんなクリエイターの夢を現実にするAIがGoogleから登場しました。それが、動画生成AI「Veo」シリーズです。
初代Veo 2は最大4K解像度と物理法則の理解で動画生成AIの水準を引き上げ、後継のVeo 3/3.1は音声同期生成と4K対応でさらに進化しています。2026年3月にはOpenAIのSoraが撤退し、Veoシリーズは動画生成AI市場における主要な選択肢となっています。
本記事では、Veo 2の技術的特徴から、後継モデルとの比較、料金体系、利用方法まで徹底的に解説します。
Nano Banana 2については、以下の記事をご覧ください。
Nano Banana 2とは?特徴・料金・使い方を徹底解説
目次
Veo 2とは
Veo 2は、Google DeepMindが開発した動画生成AIです。テキストプロンプトから最大4Kの高品質な動画や、従来の動画生成AIに比べて長尺の動画を生成できます。2024年12月に発表され、Googleの動画生成AI「Veo」シリーズの第2世代にあたります。
Veo 2の最大の特徴は、ユーザーが入力したテキストを正確に理解し、その内容に基づいて動画を自動生成することです。現実世界の物理法則や多様な視覚スタイルをシミュレートし、プロンプトのニュアンスやトーンまで捉えることで、シンプルかつ複雑な指示にも忠実に応えます。
Googleは長年にわたるAI研究の集大成としてVeo 2を開発し、「品質と制御の再定義」と位置付けています。他の主要な動画生成モデルとの比較評価においても、Veo 2は動画の品質とプロンプトへの忠実さで最高レベルの結果を達成しています。
下のグラフは、Veo 2と他の動画生成モデル(Meta Movie Gen、Kling v1.5、Minimax、Sora Turbo)を比較したものです。

Veo2のベンチマーク結果
これらのグラフから、Veo 2は「総合評価」と「プロンプトへの忠実度」の両方において、比較対象となった主要な動画生成モデルよりも優れた評価を獲得しています。
なお、Veo 2の発表後、2025年5月にVeo 3(音声同期対応)、同年10月にVeo 3.1(4K・60秒対応)がリリースされています。Veo 2は現在もAPI経由で利用可能であり、コスト効率を重視する用途では引き続き有効な選択肢です。後継モデルとの比較は本記事後半で詳しく解説します。
Veo 2の特徴
Veo 2は、従来の動画生成AIの常識を覆す数々の革新的な特徴を備えています。高画質・高精細な動画生成能力、長時間動画生成、リアルな表現力、物理法則の理解、映画撮影用語への対応、そしてハルシネーションの抑制について解説します。
高画質・高精細な動画生成(最大4K)
Veo 2は、最大4Kの高画質・高精細な動画を生成できます。従来の動画生成AIの多くが720p〜1080pに留まっていた時点で、4K出力に対応した点は大きなアドバンテージでした。細部まで鮮明に描かれた映像は、プロダクション用途でも十分な品質を持ちます。
長時間動画生成(数分)
Veo 2は、数分間の長時間動画を生成することが可能です。従来の動画生成AIの多くは数十秒程度の短い動画しか生成できなかったため、これは大きな進歩です。長いストーリーを表現できるようになり、動画制作の幅が大きく広がります。
リアルな表現力
Veo 2は、非常にリアルな表現力を持っています。人物の表情や動き、物体の質感など、細部まで現実世界のように表現できます。
- 細かな表情の変化
喜び、悲しみ、驚きなど、人間の複雑な感情を表情に反映させることが可能
- 自然な動き
歩く、走る、踊るといった動作を、違和感なく表現
- リアルな質感
金属の光沢、水の流れ、炎の揺らめきなど、様々な物質の質感をリアルに再現
物理法則の理解
Veo 2は、物理法則を理解し、それを動画生成に反映させることができます。重力に従って物が落下したり、水が波立ったりといった現実世界の物理現象を自然に表現します。この能力は、不自然なアーティファクトを避けたい商用利用において特に重要な差別化要因です。
映画撮影用語への対応
Veo 2は、「ドリーズーム」や「タイムラプス」など、映画撮影で用いられる専門用語を理解し、その指示に従った動画を生成できます。これにより、映画監督のような精密なカメラワーク制御が可能になります。
対応する撮影技法の例を以下に示します。
- 「ドリーズームで被写体に迫る」
- 「タイムラプスで花の開花を撮影」
- 「ドローンで空撮」
- 「ローアングルでの追跡ショット」
ハルシネーションの抑制
Veo 2は、ハルシネーション(幻覚)の発生を抑制する技術が組み込まれています。これにより、プロンプトに忠実で一貫性のある動画を生成できます。さらに、生成された動画にはGoogleのSynthIDによる電子透かしが埋め込まれ、AI生成コンテンツであることの検出と出所証明が可能です。
Veo 2の仕組み
Veo 2は、Googleの最先端AI技術を組み合わせてテキストプロンプトから高品質な動画を生成します。その根幹を支えるAIモデル、テキスト解釈の方法、動画構成の仕組みを解説します。
AIモデル(Imagen 3とGemini)
Veo 2は、Googleの画像生成AIモデル「Imagen 3」と、大規模言語モデル「Gemini」を組み合わせた基盤の上に構築されています。
- Imagen 3
高品質な画像を生成する役割を担い、動画の各フレームを生成
- Gemini
テキストプロンプトを解釈し、動画全体のストーリーや構成を理解する役割を担当
これらのAIモデルが連携することで、テキストから高品質かつ意味的に正確な動画を生成することが可能になります。
Veo 2を支える基盤技術
Veo 2は、Google DeepMindが長年にわたって蓄積してきた以下の基盤技術の上に構築されています。
- Generative Query Network(GQN)
3Dシーンの理解と生成に貢献
- DVD-GAN
高品質な動画生成を可能にする基礎技術
- Imagen-Video
テキストから動画を生成する技術基盤を提供
- Phenaki
長く一貫性のある動画生成を実現
- WALT
テキスト、画像、動画を統合的に扱うモデル
- VideoPoet
大規模言語モデルを用いた動画生成技術
- Lumiere
空間と時間の両方で一貫性のある動画生成を実現
これらの技術はそれぞれ異なる強みを持ち、Veo 2の高度な動画生成能力を支えています。詳細はGoogle DeepMindのVeo公式ページで確認できます。
テキストプロンプトの解釈
Veo 2は、Geminiの高度な自然言語処理能力により、ユーザーが入力したテキストプロンプトを正確に解釈します。単語の意味だけでなく、文脈やニュアンスまで理解することで、プロンプトに忠実な動画を生成します。
- キーワードの抽出
プロンプトに含まれる重要なキーワード(被写体、場所、アクション等)を抽出
- 文脈の理解
キーワード同士の関係性や、文章全体の文脈を理解
- ニュアンスの把握
「明るい」「暗い」「穏やか」「激しい」といった、言葉の持つニュアンスを把握
動画の構成
Veo 2は、テキストプロンプトに基づいて動画の構成を自動的に決定します。シーンの切り替え、カメラワーク、登場人物の動きなど、動画全体の流れを自然に演出します。
- シーンの切り替え
プロンプトの内容に応じて、適切なタイミングでシーンを切り替え
- カメラワーク
ズームイン、パン、ティルトなど多様なカメラワークを駆使して動画に動きを付与
- 登場人物の動き
プロンプトで指示された動作を、キャラクターに自然に実行
Veo 2の使い方と利用環境
Veo 2は、2026年3月時点で複数のプラットフォームから利用可能です。当初はGoogle Labsの「VideoFX」経由のウェイトリスト制でしたが、現在はAPIやコンシューマー向けアプリから直接アクセスできるようになっています。
API経由での利用(開発者・企業向け)
Veo 2をプログラムから利用する場合は、Gemini APIまたはVertex AI経由でアクセスします。
- Gemini API
最もコスト効率の良いアクセス方法です。$0.35/秒でVeo 2の動画生成が可能で、Google AI Studioから直接テストすることもできます
- Vertex AI
エンタープライズ向けのフルマネージドAIプラットフォームです。$0.50/秒とGemini APIより割高ですが、VPC Service Controls、監査ログ、SLAなどの企業向け機能が利用できます。詳細はVertex AI Veoドキュメントを参照してください
コンシューマー向けアクセス
一般ユーザーは、以下の方法でVeoシリーズを利用できます。
- Geminiアプリ
Google AI Pro(月額$19.99)で、Veo 3.1 Fastによる動画生成を月90本まで利用可能。Veo 2ではなく後継モデルが使用されます
- Google AI Ultra
月額$249.99の最上位プランで、Veo 3.1を含む全モデルへのフルアクセスが可能
- Flow
Googleの映像制作ツールで、Veoモデルと連携した動画編集・生成が可能です。Ingredients to Video、Frames to Video、Extend、Insert/Removeなどの高度な編集機能を搭載しています
以前のVideoFX経由のアクセス
Veo 2のリリース当初は、Google Labsの「VideoFX」というツール上でウェイトリストに登録後、承認される方式で提供されていました。


現在はVideoFXに加えて、上記のGemini API、Vertex AI、Geminiアプリ、Flowからもアクセスが可能になっており、利用のハードルは大幅に下がっています。
Veo 2の料金体系
Veo 2の料金は、利用するプラットフォームによって異なります。以下に2026年3月時点の料金体系を整理しました。
| プラットフォーム | 対象モデル | 料金 | 対象ユーザー |
|---|---|---|---|
| Gemini API | Veo 2 | $0.35/秒 | 開発者 |
| Vertex AI | Veo 2 | $0.50/秒 | 企業・エンタープライズ |
| Gemini API | Veo 3 | $0.40/秒 | 開発者 |
| Gemini API | Veo 3 Fast | $0.15/秒 | 開発者(高速・低コスト) |
| Gemini API | Veo 3.1 | 要確認 | 開発者 |
| Gemini API | Veo 3.1 Lite | Veo 3.1 Fastの50%以下 | 高ボリューム用途 |
| Google AI Pro | Veo 3.1 Fast | $19.99/月(90本/月) | 一般ユーザー |
| Google AI Ultra | Veo 3.1 | $249.99/月 | プロフェッショナル |
料金を具体的にイメージすると、Gemini APIでVeo 2の8秒動画を生成した場合のコストは$2.80(約420円)です。Veo 3 Fastであれば$1.20(約180円)で同じ長さの動画が生成できます。
SIerとしてのコスト観点からの推奨は、以下の3段階です。第一に、まずGemini APIのVeo 2で検証を開始し、品質と用途の適合性を確認すること。第二に、音声同期や高品質が必要な場合はVeo 3/3.1に切り替えること。第三に、大量生成が必要なプロダクション用途ではVeo 3.1 LiteまたはVeo 3 Fastを検討すること。
コンシューマー向けには、Google AI Pro($19.99/月)が最もコストパフォーマンスに優れています。月90本のVeo 3.1 Fast動画が含まれるため、SNS向けコンテンツ制作やプロトタイプ作成には十分な量です。料金の最新情報はGemini API公式料金ページで確認してください。
Veo 2の後継モデルと動画生成AI市場
Veo 2のリリース後、動画生成AI市場は急速に変化しています。Googleの後継モデルと競合の動向を把握することで、Veo 2を含むツール選定の判断材料になります。
Veo 3 / Veo 3.1の進化
以下の表でVeoシリーズの各モデルを比較しました。用途に応じたモデル選択の参考にしてください。
| 項目 | Veo 2 | Veo 3 | Veo 3.1 |
|---|---|---|---|
| リリース | 2024年12月 | 2025年5月 | 2025年10月 |
| 最大解像度 | 4K | 1080p | 4K(3840x2160、2026年1月更新) |
| 最大動画長 | 数分 | 数十秒 | 最大60秒 |
| 音声生成 | なし | 対応(台詞・効果音・環境音同期) | 対応(強化版、ネイティブ音声) |
| アスペクト比 | 16:9 | 16:9 | 16:9 / 9:16(縦型対応) |
| API料金 | $0.35/秒(Gemini) | $0.40/秒 | 要確認 |
| 主な用途 | コスト重視の動画生成 | 音声付き動画の生成 | 高品質4K・音声付き動画 |
Veo 3で最も画期的だったのは、映像と同期した音声の自動生成です。台詞、効果音、環境音がシーンに合わせて生成されるため、後から音声を付ける手間が不要になりました。Veo 3.1ではこの音声機能がさらに強化され、映画的なナラティブ制御と組み合わせた映像制作が可能です。
一方、Veo 2は音声生成機能がありませんが、API料金がVeo 3より安く、コスト効率を重視する大量生成や音声不要な用途(サムネイル動画、ループ背景、プレゼン素材等)では引き続き有効な選択肢です。
動画生成AI市場の動向(2026年3月時点)
2026年3月25日にOpenAIのSoraがサービス終了したことで、動画生成AI市場の競争環境は大きく変わりました。推定で1日あたり$1,500万のインフラコストに対し、累計収益が$210万にとどまったことが撤退の主因とされています。
Sora撤退後の市場は、以下の3つのプラットフォームが主要な選択肢として浮上しています。
- Google Veo 3.1
ネイティブ音声同期と4K出力が最大の差別化要因。Googleのエコシステム(Gemini、Vertex AI、Flow)との統合により、開発者からプロフェッショナルまで幅広い利用環境を提供
- Runway Gen-4.5
時間的一貫性とモーション制御で業界最高水準を維持。プロフェッショナルな広告制作やナラティブコンテンツにおいて特に強み
- Kling
コスト効率で差別化。高品質な動画を低価格で生成でき、大量のコンテンツ制作が必要な用途に適しています
MovieGenBenchでの評価によると、Veo 3.1は1,003プロンプトの比較テストにおいて総合評価でSora 2、Runway Gen 4、その他の競合モデルを上回る結果を出しています。
Veo 2のデモ動画
Googleは、Veo 2の性能を示すデモ動画をYouTube上で公開しています。テキストプロンプトから生成されたとは思えないほど、高品質かつ自然な映像です。
水中に飛び込むダックスフンド
顕微鏡を覗く女性
車のスピードメーターと車窓の映像
浮き輪に乗って遊んでいる犬
これらのデモ動画では、水しぶきの物理挙動、金属の質感、自然光の表現など、Veo 2の特徴である物理法則理解とリアルな質感再現が確認できます。
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Veo 2のように4K長尺動画までAIが生成できる時代になり、映像制作の工数は劇的に変わりつつあります。こうしたAI技術の進化は映像領域にとどまらず、ドキュメント作成やデータ分析、顧客対応など多くの業務分野にも波及しています。
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Veo 2のまとめ
本記事では、Google DeepMindが開発した動画生成AI「Veo 2」について、技術的特徴から料金体系、後継モデルとの比較、市場動向まで解説しました。
Veo 2は、最大4K解像度、物理法則の理解、映画撮影用語への対応、ハルシネーション抑制という4つの特徴により、動画生成AIの品質基準を引き上げたモデルです。Gemini APIで$0.35/秒、Vertex AIで$0.50/秒という料金で利用可能であり、当初のウェイトリスト制から大幅にアクセスしやすくなっています。
後継のVeo 3(音声同期)とVeo 3.1(4K・60秒・ネイティブ音声)がリリースされた現在、Veo 2はコスト効率重視の用途で引き続き有効です。一方、音声付き動画や高品質プロダクションにはVeo 3.1の利用を推奨します。2026年3月のSora撤退により、動画生成AI市場ではVeoシリーズ、Runway Gen-4.5、Klingが主要な選択肢となっており、Googleのエコシステム統合を活かしたい場合はVeoシリーズが最適な選択です。














