AI総合研究所

SHARE

X(twiiter)にポストFacebookに投稿はてなブックマークに登録URLをコピー

Imagen 4とは?Googleの高精度画像生成AIの特徴・使い方・活用事例を解説

この記事のポイント

  • Imagen4とは、Google DeepMindが開発した最新の画像生成AIモデルであり、テキストから高精度かつ多様なスタイルの画像を生成することができるツールです。
  • Imagen 4は、自然言語プロンプト(命令文)をもとに、ユーザーの意図に即した画像を瞬時に出力します。2025年5月に正式発表されたImagen 4は、従来バージョン(Imagen 3)と比べて以下の点で大きく進化しています。
  • 画像のディテール表現がよりリアルに:たとえば、金属の質感、ガラスの反射、水面の揺らぎなどが繊細に再現されます。
  • 生成スタイルの多様化:現実的な写真風画像だけでなく、アニメ風、ポップアート風、絵画風など、幅広いジャンルに対応します。
  • 多言語入力への対応:日本語を含む複数の言語でプロンプトを指定できるため、グローバルな利用が可能です。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


画像生成AIの進化が止まりません。なかでも2025年5月にGoogleが発表したImagen 4(イマジンフォー)は、画像の精度・スタイルの多様性・生成速度において大きな注目を集めているモデルです。
近年、DALL·EやMidjourneyなどの画像生成AIが多く登場していますが、それぞれに得意分野と課題があります。
Imagen 4は、Google DeepMindによる技術の蓄積をもとに、精緻な表現力と実用性のバランスを追求して設計されており、プロフェッショナルのクリエイティブ用途から日常的なコンテンツ作成まで幅広く活用できます。

本記事では、Imagen 4の基本的な仕組みや特徴、活用できるプラットフォーム、導入時の注意点などを体系的に解説します。これから画像生成AIの導入を検討する企業・教育機関・個人にとって、選択肢のひとつとなる情報を提供します。

AI総合研究所では、AI導入の伴走支援を行っています。
お気軽にご相談ください

Imagen 4とは?

Imagen 4とは、Google DeepMindが Google I/O 2025 で発表したtext-to-image生成AIです。
Geminiアプリ、Whisk、Vertex AIで利用でき、最大2K解像度・多言語プロンプト対応などプロ用途を見据えた機能が特徴です。

Imagen4
Imagen4

本記事では、画像生成AIの最前線に立ちたいと考える方々に向けて、Imagen 4の技術的特徴から実際の活用方法、競合サービスとの比較まで詳しく解説します。

Imagen 4の基本概要

Imagen 4は、Google DeepMindが開発したtext-to-image拡散モデルの最新版です。
自然言語のテキストプロンプトから高品質で多様な画像を生成する能力を持ち、「創造性」を重視した設計となっています。

Imagenシリーズの進化ポイント

  1. 微細ディテールとタイポグラフィの大幅向上
    肌や毛皮、複雑な素材といった細部の描写力がさらに進化しました。
    また、文字(タイポグラフィ)の綴りやフォントの再現精度も大きく向上しており、ポスターやロゴ制作など実用レベルで読みやすい文字生成が可能になりました。

  2. 2K解像度 & 多様なアスペクト比
    これまでImagen 3では最大「1メガピクセル(約1024×1024ピクセル)」までだった生成解像度が、Imagen 4では2K解像度(約2048×2048ピクセル)へと倍増しました。
    これにより、印刷物やプレゼン用スライドなど高精細な用途にも直接活用できるようになりました。また、縦長や横長など多様なアスペクト比にも柔軟に対応しています。

  3. 最大10倍高速の Fast バージョン
    画像生成の待ち時間を大幅に短縮できる高速モデル(Fastバージョン)が、Google公式ブログで「近日提供」とアナウンスされています。
    これにより、大量生成やプロトタイピングが従来の最大10倍速く行えるようになる見込みです。

  4. 多言語プロンプト対応
    Vertex AIの公式ドキュメントでは、日本語・中国語をはじめとした多言語プロンプトへの対応が明記されています。
    非英語圏のユーザーでも、言語による精度差を気にせず高品質な画像生成を利用できます。

以下に、主要機能をImagen3と比較した表を示します。

項目 Imagen 4 Imagen 3 からの主な改善点
画質・ディテール 肌・毛皮・質感まで緻密に再現 微細なディテール表現の強化、アーティファクトの大幅減少
スタイル幅 フォトリアルから抽象画・アニメ調まで幅広く対応 どのスタイルでも安定した高品質な生成
タイポグラフィ 綴り・レイアウト含め文字の再現精度が大幅向上 実用レベルのポスター・ロゴ作成が可能に
解像度 最大2K(約2048×2048)、可変アスペクト比に対応 1メガピクセル(1024×1024)・縦横比固定から大幅に拡張
生成速度 「Fast」バージョンで最大10倍高速に(近日提供) イテレーションや大量生成の効率が大幅アップ
多言語 英語・日本語・中国語など多言語プロンプトに対応 英語のみから日本語等を新規追加

実際に使ってみた

詳細にいくつかのプロンプトを使って、Imagen 4の生成結果を紹介します。

create a image. 16:9

Framed in a sophisticated medium shot, the white-throated kingfisher spreads its magnificent wings against the backdrop of a serene lake environment at perhaps dusk. The low angle of the warm light saturates the bird’s plumage, making the turquoise and chestnut belly glow intensely against the cooler, perhaps slightly misty, tones of the water and distant shoreline. Water drips elegantly from the tips of its widely spread feathers, catching the golden light as distinct, sparkling trails falling towards the water below. The composition might include subtle environmental details in the soft-focus background—like silhouettes of reeds, the reflection of the colorful sky on the water—adding cinematic atmosphere. The focus remains firmly on the kingfisher, its striking colors amplified by the specific light conditions, creating a cinematic and aesthetically pleasing image that balances the subject’s beauty with the evocative mood of the surrounding landscape.

gen-image-bird
Imagen4での実際の生成画像:鳥

画像を生成してください。16:9  
静かな湖を背景に、アカショウビン(white-throated kingfisher)が美しく翼を広げている瞬間をミディアムショットで捉えた写真。夕暮れ時の暖かい光が低い角度から差し込み、鳥のターコイズブルーと栗色の羽毛を鮮やかに照らしている。広げた羽の先端からは水滴が金色に輝きながら湖面へと落ちていく。背景には葦のシルエットや水面に映る夕空が柔らかくぼかされており、映画的で美しい構図となっている。鳥の鮮やかな色彩と周囲の情緒ある風景が調和した、フォトリアリスティックで高品質な自然写真。

gen-image-bird-jp
Imagen4での実際の生成画像:鳥 指示のスタイルを調整

create a image.

A candid photograph of a Asian woman with straight, shoulder-length hair, wearing an oversized charcoal T-shirt and loose-fitting white sweatpants. She’s sitting cross-legged on a bed covered with a soft, pale pink blanket in a cozy bedroom decorated with vintage posters, plush toys, and various trinkets inspired by early 1990s Japanese pop culture. She rests her cheek on her hand, gazing thoughtfully towards the camera. In front of her, a low table is scattered with vibrant stationery supplies—colorful pens, washi tape, stickers, notebooks, and a few cute water bottles.

gen-image-person
Imagen4での実際の生成画像:アジア人女性

画像を生成してください。

ストレートな肩までの髪をしたアジア人女性が、オーバーサイズのチャコールTシャツとゆったりとした白いスウェットパンツを着ている。彼女は淡いピンク色の柔らかな毛布がかかったベッドの上にあぐらをかいて座り、部屋には1990年代初頭の日本のポップカルチャーに影響を受けたビンテージポスターやぬいぐるみ、小物が飾られている。片手で頬杖をつきながら、考え込むような表情でカメラを見つめている。目の前の低いテーブルには、カラフルなペンやマスキングテープ、シール、ノート、かわいらしい水筒など、鮮やかな文房具が散らばっている。

gen-image-person-jp
Imagen4での実際の生成画像:アジア人女性、日本語での生成

このように、英語だけでなく、日本語のプロンプトでもImagen4を使用して画像を生成することができます。

Imagen 4が使えるプラットフォーム

Imagen 4は、さまざまなユーザーのニーズに応えるため、複数のプラットフォームで利用可能です。
それぞれの特徴と適した用途を以下にまとめました。

プラットフォーム 主なアクセス方法/料金プラン 主要機能 (Imagen 4 関連) 適した用途
Geminiアプリ - Web・iOS・Android から利用
- 無料枠+Google AI Pro ($19.99/月) で生成上限や機能拡張
- テキスト / 音声プロンプトから数秒で画像生成
- 40 以上の言語に対応し日本語も自然生成
- SNS 投稿・ブログのアイキャッチ
- 個人クリエイティブや学習用
Whisk (Google Labs) - labs.google/whisk で提供(現在は米国限定・無料) - 画像3枚(被写体・シーン・スタイル)をドラッグ&ドロップし「画像→画像」生成
- 2025 I/O 以降、Imagen 4 ベースにアップグレード
- レシピ/イラスト素材の作成
- ビジュアル・ブレインストーミング
Vertex AI (Google Cloud) - GCP アカウントから REST API / SDK 呼び出し
- 従量課金(生成トークン単価+ストレージ)
- モデル ID imagen-4.0-generate-preview-06-06 など複数バージョンを提供
- バッチ生成・ストリーミング推論・SynthID 透かし検証に対応 (例: 「Generate an image and verify its watermark using Imagen」ガイド)
- 自社サービスへの画像生成 API 組み込み
- 大量生成やカスタム ML ワークフロー
Google Workspace (Docs / Slides / Vids) - Workspace 内の「画像を生成」パネルから直接呼び出し(AI Pro または組織契約が必要) - Docs・Slides・Vids で Imagen 4 による高解像度画像を即挿入
- 誤字の少ないテキスト描画・複数アスペクト比をサポート
- プレゼン資料のビジュアル強化
- 報告書・教育コンテンツの図版作成

Imagen 4の活用事例

Imagen 4がどのように活用されているか、またどのような活用が期待されるかについて紹介します。

ビジネス資料作成での活用

Docs、Slides、Vidsでワンクリックで画像を生成し、そのまま資料に貼り付けることで編集工数を大幅に削減できることが強調されています。
多くのビジネスユーザーから「これは革命的」「プレゼン作成が楽になる」といった反応が寄せられています。

クリエイティブ制作

画像生成AIによるテキスト描画は、従来はOpenAIのDALL-E 3(GPT-4o)など一部のモデルで高品質な表現が可能となっていましたが、
Imagen 4でも、同じレベルかそれ以上の精度で実現できるようになっています。
これによって、広告バナーやポスターの文字入れがそのまま使える品質になったことが評価されています。


Imagen 4の注意点と制約

Imagen 4は優れた機能を持つ一方で、利用時に理解しておくべき制約もあります。

編集機能は非対応(マスクや除去不可)

現在のImagen 4では、生成後の画像に対する部分的な編集機能がサポートされていません。具体的には:

  • インペインティング:画像の特定部分を選択的に修正する機能は利用不可
  • アウトペインティング:画像の範囲を拡張する機能は非対応
  • オブジェクト除去:不要な要素を削除する機能は実装されていない

これらの編集が必要な場合は、他のツール(DALL-E 3やPhotoshop)との併用が必要になります。

複雑な構図や図形配置の再現には限界

Imagen 4は高度なプロンプト理解力を持ちますが、以下のような複雑な要求には限界があります:

  • 精密な幾何学的配置:複数のオブジェクトの正確な位置関係の指定
  • 小さな図形の詳細な配置:細かい要素の位置合わせが崩れる場合がある
  • 多数のオブジェクトを含むシーン:要素が多すぎると一部が省略される可能性

AI透かし「SynthID」が自動付加される

Imagen 4で生成されたすべての画像には、SynthIDという不可視のデジタル透かしが自動的に埋め込まれます:

  • 検出可能:専用の検証APIで確認可能
  • 除去困難:一般的な画像編集では除去が難しい
  • 透明性の確保:AI生成画像であることを明確化

この機能は、誤情報の拡散防止や著作権問題の明確化に役立ちますが、完全に「人間が作った」ように見せたい用途には適さない可能性があるという点に注意が必要です。

Imagen 4は誰におすすめか?

クリエイティブ職への推奨ポイント
Imagen 4の高精度タイポグラフィと質感描写は、クリエイティブ職にとって大きな価値を提供します。

  • 広告デザイナー:テキスト入りバナーやポスターの高速制作
  • UIデザイナー:モックアップやプロトタイプの迅速な作成
  • イラストレーター:アイデア出しやコンセプトアートの制作

特に、従来は手作業で行っていたテキストレイアウトを含むデザイン作業が大幅に効率化されます。

ビジネス現場での活用メリット

Google Workspace連携により、ビジネス文書作成に大きな変化をもたらす可能性があります。

  • 営業チーム:提案書用のカスタムビジュアル即座生成
  • マーケティング部門:レポート用のインフォグラフィック作成
  • 経営企画:プレゼン資料の視覚的強化

既存のワークフローを変更することなく、高品質な画像を文書に組み込めることが最大の利点です。

まとめ

Imagen 4は、特に実用性と効率性を重視するユーザーに最適です。Googleエコシステムとの深い統合により、日常的なビジネスタスクや教育活動において、他のツールでは実現できない利便性を提供します。特にビジネスの現場で創造的な作業を効率化する可能性を秘めています。

AI総合研究所では、Imagen 4をはじめとする最新の生成AI技術を活用した導入支援を行っています。
お気軽にご相談ください

AI活用のノウハウ集「AI総合研究所」サービスご紹介資料

「AI総合研究所 サービス紹介資料」は、AI導入のノウハウがないというお客様にも使いやすい最先端のAI導入ノウハウを知れる資料です。

資料ダウンロード
AI総合研究所サービス紹介資料
監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

関連記事

AI導入の最初の窓口。

お悩み・課題に合わせて活用方法をご案内いたします。
お気軽にお問合せください。

AI総合研究所 Bottom banner

ご相談
お問い合わせは
こちら!