この記事のポイント
- Azure Web AppsはMicrosoftのクラウドサービスで、ウェブサイトやウェブアプリケーションを簡単にホスティング可能
- Web Apps、API Apps、Mobile Apps、Function Appsの4種類があり、用途に応じて選択できる
- Azure Portalから簡単にセットアップでき、多様なプログラミング言語やフレームワークをサポート
- 料金体系は従量課金制、節約プラン、予約の3種類があり、ニーズに合わせて選択可能
- TIS株式会社の事例など、実際の企業での活用例も紹介されている
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
ウェブアプリケーションの開発や運用を容易にし、迅速なデプロイメントやスケーラビリティなどのメリットを享受することができるサービス「Azure Web Apps」について知りたい方は多いのではないでしょうか。
この記事では、Azureの提供するプラットフォームの中でも特に注目されるWeb Appsサービスを深掘りし、その特徴や利点、さらには始め方や料金体系、具体的な導入事例まで詳細な情報をご紹介しています。
これからのウェブアプリケーション構築にAzure Web Appsを検討される方にとって実用的かつ貴重なガイドとなる内容をぜひご参照ください。
Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
➡️Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説
目次
Azure Web Appsとは
Azure Web Appsとはウェブアプリケーション開発を簡素化し、時間とコストを節約するクラウドサービスです。Azure App Serviceには大きく4つの種類のアプリケーションをホストすることができます。
以下は、Azure App Serviceを表にまとめたものです。
タイプ | 説明 |
---|---|
Web Apps | ウェブサイトやウェブアプリケーションをホスティング。 ブラウザからアクセス可能なアプリケーションを提供。 |
API Apps | Web APIsの開発、デプロイ、管理を簡素化。 クラウドベースのバックエンドサービスをウェブやモバイルアプリケーションに提供。 |
Mobile Apps | モバイルアプリケーションのバックエンドサービスを提供。 データストレージ、認証、プッシュ通知などの機能をモバイルアプリに統合。 |
Function Apps | イベント駆動型のサーバーレスコンピューティングを実現。 特定のイベントに応答して実行されるコード(関数)を作成、管理。HTTPリクエスト、タイマーなどでトリガー可能。 |
Azure Web Appsの始め方
- Azure Portal画面にログインし、Web Appsを検索します。
【Azure Portalの操作方法はこちら】
➡️Azure Portalとは?操作方法やメリットをわかりやすく解説!
-
AppService画面から必要な項目を選択する
選択肢は4つで、Webアプリ、静的Webアプリ、Webアプリとデータベース、WordPress on App Serviceがあります。
これらの違いは次の章でご説明します。
-
Webアプリの作成画面から自身の情報を入力し、作成
-
Webアプリが立ち上がり、管理画面への移行
これで初期のセットアップは完了です。
Azure Web Appsの種類ごとの違いについて
先ほ度ご紹介した、Azure Web appsにおける異なるウェブホスティングオプションを選ぶために、簡単に違いをご紹介します。
サービス名 | 説明 | 用途 |
---|---|---|
Azure Web Apps | サーバーサイドロジックを含む動的ウェブアプリケーションやAPIをホスティングするサービスです。 | フルスタックウェブアプリケーション、RESTful API、モバイルアプリのバックエンドなど。 |
Azure Static Web Apps | 静的なファイルとクライアントサイドJavaScriptで構築されたアプリをホスティングするサービスです。自動CI/CDを提供します。 | 静的ウェブサイト、シングルページアプリケーション(SPA)、Jamstackアーキテクチャなど。 |
Webアプリとデータベース | Azure Web AppsとAzureのデータベースサービスを組み合わせたアーキテクチャです。 | データ駆動型アプリケーション、Eコマースウェブサイト、コンテンツ管理システム(CMS)など。 |
WordPress on App Service | Azure App Service上でWordPressをホスティングするソリューションです。 | ブログ、企業サイト、ポートフォリオサイト、小規模なEコマースサイトなど。 |
これらの違いを参考に、自身の目的に合ったサービスを選びます。選択する際は、アプリケーションの性質、必要な機能、管理のしやすさなどを考慮することで自身の要件に沿うことが可能になります。
Azure Web Appsの料金体系
従量課金制
特徴
コンピューティング容量の分だけ支払い、オンデマンドで使用量を増減できます。
用途
変動が大きいトラフィックや、短期的なプロジェクトに適しています。
Azure 節約プラン**
特徴
1年間または3年間の固定使用量をコミットすることで、コンピューティングサービスのコストを節約できます。
用途
予測可能な使用量のあるワークロードに適しています。
予約
特徴
1年間または3年間の契約でAzureサービスの割引が受けられます。
用途
長期的に安定した使用が見込まれるサービスに適しています。
価格プラン | 特徴 |
---|---|
Freeプラン | SLAがなく、運用ワークロードには推奨されない |
Basicプラン | 小規模なワークロード向け。自動スケーリングや高度なトラフィック管理機能は不要 |
Premiumプラン | ハイパフォーマンス、高信頼性、高拡張性を提供。運用ワークロード向けのフラッグシップ製品 |
【関連記事】
➡️Azureの料金体系を解説!サービスごとの料金例や確認方法も紹介
その他の料金要素
- App Service Environment
完全に分離された専用環境でApp Serviceアプリを実行。高スケールとセキュリティを提供。 - ドメイン
カスタムドメインを購入し、Azureサービスに割り当てることができる。 - SSL証明書
カスタムドメイン用のSSL証明書を購入し、セキュアな接続を提供。
最新の情報はMicrosoftのホームページよりご確認ください。
Azure Web Appの導入事例
TIS株式会社の事例
西日本テクノロジー&イノベーション室が、Azure App Serviceを使用し、社内プロジェクト用のWebサイトを構築した経験を共有しています。このプロジェクトは、サービスの情報を提供するポータルサイトの開発であり、サイトは静的であり、限定されたユーザーのみがアクセス可能です。
Azureの様々なサービスを活用し、App ServiceでWebサイトをデプロイし、Azure DevOpsでソースコードを管理しました。
TIS株式会社のアーキテクチャ (参考:Fintan
まとめ
本記事ではAzure Web Appsの概要から、実際の使い方、各機能の説明、導入事例に至るまで、幅広いトピックを解説しました。
読者がこの情報を参考にして、独自のビジネスニーズに合ったAzure Web Appsの利用方法を見出し、クラウドコンピューティングのメリットを最大限に引き出していくことができれば幸いです。