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AzureにおけるJDKとは?Java開発環境のクラウド統合を解説

この記事のポイント

  • Azure上のJava開発にはMicrosoft Build of OpenJDKを選ぶべき。TCK認証済み・無償・四半期パッチ提供で最も手堅い選択肢
  • Java 8が必要な場合はEclipse Temurinが唯一の推奨。Microsoft Build of OpenJDKはJava 8を提供していない
  • 新規プロジェクトはOpenJDK 25 LTSで開始すべき。OpenJDK 11/17は2027年9月にサポート終了のため早期移行が必要
  • Zulu for Azureは2022年に廃止済み。まだ使っているならMicrosoft Build of OpenJDKへ今すぐ移行すべき
  • WebアプリならApp Service、Spring BootならSpring Apps、マイクロサービスならAKSがデプロイ先の第一候補
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


AzureでJavaアプリケーションを開発・運用するには、適切なJDK(Java Development Kit)の選択が重要です。
Microsoftは自社でOpenJDKのLTSビルドを提供しており、Azure上のJavaサービスと密に連携しています。


本記事では、Azure JDKの概要からMicrosoft Build of OpenJDKの特徴、2025年9月にリリースされたOpenJDK 25 LTSを含むサポートロードマップ、インストール手順、Azureサービスへのデプロイ方法、利用時の注意点までを体系的に解説します。


Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説
✅Microsoft 365 Copilotの最新エージェント機能「Copilot Cowork」については、以下の記事をご覧ください。
Copilot Coworkとは?機能や料金、Claude Coworkとの違いを解説

Azure JDKとは

Azure JDK(Java Development Kit)は、Microsoft Azure上でJavaアプリケーションを開発・実行するために用意されたJava開発環境の総称です。Microsoftは自社でOpenJDKのビルドを提供しており、**Azure Functions、Azure App Service、Azure Kubernetes Service(AKS)**といったクラウドサービスとの連携を前提に最適化されています。

Javaは「Write Once, Run Anywhere(一度書いて、どこでも実行)」の設計思想を持つプログラミング言語で、プラットフォームに依存しないアプリケーション開発が可能です。この特性はクラウド時代の多様な実行環境で特に有利に働きます。

MicrosoftはJavaをAzure上の主要な開発言語の一つとして位置づけており、Azure SDK for Javaを通じてストレージ、データベース、AIサービスへのアクセスを効率化しています。2025年にはJava at Microsoft 2025 Year in Reviewが公開され、OpenJDK 25 LTSのリリースやGitHub Copilotの統合など、Javaエコシステムへのコミットメントが一段と強化されました。

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Javaとは

Javaは、1995年にSun Microsystems(現Oracle)が開発したオブジェクト指向プログラミング言語です。Java Virtual Machine(JVM)上で動作する仕組みにより、Windows、macOS、Linux、クラウドインフラストラクチャなど、異なる環境で同じコードを実行できます。

エンタープライズアプリケーション、Webサービス、モバイルアプリ(Android)、ビッグデータ処理、機械学習基盤など、幅広い領域で活用されています。Azure上でJavaを用いることで、クラウドネイティブなアプリケーション開発、マイクロサービスアーキテクチャの採用、スケーラブルなデータ処理基盤の構築が可能です。

OpenJDKとは

OpenJDK(Open Java Development Kit)は、Javaプラットフォームのオープンソース実装です。Oracle Corporationが主導するプロジェクトで、Javaの標準仕様(Java SE)に準拠した参照実装として位置づけられています。

OpenJDKそのものはソースコードのプロジェクトであり、実際に利用するにはビルド済みのバイナリが必要です。そのため、Microsoft、Eclipse Foundation(Adoptium)、Azul Systems、Amazon、Red Hatなどの各ベンダーが独自のビルドを提供しています。次のセクションで主要なディストリビューションを比較します。


Azure JDKの主要ディストリビューション

Azure上でJavaを開発・実行する際に利用できるOpenJDKディストリビューションは複数あります。Microsoftが推奨するのはMicrosoft Build of OpenJDKEclipse Temurinの2つです。

Microsoft Build of OpenJDK

Microsoft Build of OpenJDKは、Microsoftが自社でビルド・テスト・配布するOpenJDKの無償ディストリビューションです。Azure上でのJava開発における第一推奨とされています。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 無償で利用可能
    誰でもどこにでもデプロイできるオープンソースのバイナリです。商用利用にも追加費用はかかりません。

  • LTS(長期サポート)リリース
    OpenJDK 11、17、21、25のLTSバイナリが提供されています。四半期ごと(1月・4月・7月・10月)にセキュリティアップデートとパッチが配信されます。

  • TCK認証済み
    OracleのJava Technology Compatibility Kit(TCK)テストに合格しており、Java仕様との完全な互換性が保証されています。

  • Azureとの統合
    Azure App Service、Azure Functions、Azure Cloud Shellなどのマネージドサービスで既定のJavaランタイムとして使用されています。

Microsoft Build of OpenJDK 21のダウンロード画面
Microsoft Build of OpenJDK 21のダウンロード画面


Azureの有償サポートプランを契約している場合、Azure上にデプロイしたJavaワークロードに対して商用サポートを受けることもできます。

Eclipse Temurin(Java 8向け)

Eclipse Temurinは、Eclipse Adoptiumワーキンググループが提供するOpenJDKビルドです。MicrosoftはJava 8についてはMicrosoft Build of OpenJDKを提供しておらず、Java 8が必要な場合はEclipse Temurinを推奨しています。

TemurinはAdoptOpenJDK(現Adoptium)の後継であり、幅広いプラットフォームで利用可能です。MicrosoftもEclipse Adoptiumのワーキンググループに参加しており、一部のAzureサービスではJava 8のランタイムとしてTemurinが組み込まれています。

その他のOpenJDKディストリビューション

Azure上では任意のJDKを利用できます。以下の表に、主要なOpenJDKディストリビューションの特徴を整理しました。

ディストリビューション 提供元 主な特徴 推奨ユースケース
Microsoft Build of OpenJDK Microsoft Azure最適化、TCK認証、四半期パッチ Azure上のJava開発全般
Eclipse Temurin Eclipse Foundation コミュニティ主導、幅広いプラットフォーム Java 8が必要なAzureワークロード
Oracle OpenJDK Oracle 公式参照実装、最新機能 最新Java機能の評価・開発
Amazon Corretto Amazon AWS最適化、LTS AWSとのマルチクラウド環境
Azul Zulu Azul Systems 幅広いプラットフォーム、商用サポート マルチクラウド、オンプレミス環境
Red Hat OpenJDK Red Hat RHEL統合、エンタープライズサポート Red Hat環境、OpenShift
SAP Machine SAP SAPアプリ最適化 SAPアプリケーション環境


Azure上でのJava開発には、まずMicrosoft Build of OpenJDKを選択するのが最もシンプルです。Java 8が必要な場合はEclipse Temurin、既にAWSやRed Hat環境で使い慣れたディストリビューションがある場合はそのまま持ち込むことも可能です。


AzureでサポートされるJavaバージョン

Azure上でJavaを利用する際に把握しておくべきバージョンのサポート状況を解説します。Microsoft Build of OpenJDKのLTSリリースのサポートロードマップは以下のとおりです。

Javaバージョン サポート状態 Microsoft Build リリース日 サポート終了予定日
OpenJDK 11 LTS 一般提供(GA) 2021年5月 2027年9月
OpenJDK 17 LTS 一般提供(GA) 2021年9月 2027年9月
OpenJDK 21 LTS 一般提供(GA) 2023年9月 2028年9月
OpenJDK 25 LTS 一般提供(GA) 2025年9月 2030年9月


サポート終了予定日は初期目標であり、Microsoftが延長する可能性があります。LTSリリースは四半期ごと(1月・4月・7月・10月)にセキュリティアップデートが配信されます。

2025年9月にリリースされたOpenJDK 25 LTSが最新の長期サポートバージョンです。新規プロジェクトの開始や既存システムの移行先として推奨されます。OpenJDK 11と17のサポート終了が2027年9月に予定されているため、早めの移行計画が重要です。

Java 8については、Microsoft Build of OpenJDKでは提供されていません。一部のAzureサービス(Azure App Service等)ではEclipse Temurinベースのランタイムが組み込まれていますが、新規開発でJava 8を選択する積極的な理由は少なくなっています。

詳細なサポートポリシーはMicrosoft Build of OpenJDKサポートロードマップを参照してください。

AzureサービスのJavaランタイム管理

Azureのサービスは、Javaランタイムの管理方法によって2つに分類されます。

Microsoftがランタイムを管理するサービスは、以下のとおりです。これらのサービスでは、Microsoft Build of OpenJDKまたはEclipse Temurinが既定で組み込まれており、JDKのインストールや更新をユーザーが行う必要はありません。

  • Azure App Service(Windows / Linux)
  • Azure Functions
  • Azure Spring Apps(旧Azure Spring Cloud)
  • Azure Container Apps
  • Azure HDInsight
  • Azure Cloud Shell


一方、ユーザーがJavaランタイムを選択するサービスもあります。

  • Azure Virtual Machines
  • Azure Kubernetes Service(AKS)
  • Azure Container Instances(ACI)
  • Azure Red Hat OpenShift
  • Azure App Service Web App for Containers


これらのサービスでは、任意のJDKを選択してデプロイできます。MicrosoftはMicrosoft Build of OpenJDKまたはEclipse Temurinの利用を推奨しています。


Azure JDKのインストール方法

Azure上でJavaアプリケーションを開発するために、Microsoft Build of OpenJDKをローカル環境にインストールする手順を紹介します。

Windows環境でのインストール

  1. Microsoft Build of OpenJDKのダウンロードページにアクセスします。

  2. インストールするバージョン(OpenJDK 21 LTSまたはOpenJDK 25 LTS推奨)とプラットフォーム(Windows / macOS / Linux)を選択し、MSIインストーラーまたはZIPファイルをダウンロードします。

  3. MSIインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを完了します。MSIインストーラーはPATH環境変数とJAVA_HOME環境変数を自動的に設定します。

  4. ターミナル(コマンドプロンプトまたはPowerShell)で以下のコマンドを実行し、インストールが正常に完了したことを確認します。

java -version


macOSの場合はHomebrewを使ったインストールも可能です。Linuxの場合はパッケージマネージャ(apt / yum)経由でのインストールが推奨されています。各プラットフォーム別の詳細手順はMicrosoft公式のインストールガイドを参照してください。

Zulu OpenJDKのダウンロード画面
OpenJDKのダウンロード画面

Azure Cloud Shellでの利用

Azure Cloud Shell(ブラウザからアクセスできるシェル環境)には、Microsoft Build of OpenJDKがプリインストールされています。ローカル環境のセットアップなしにAzure上でJavaのコンパイルや実行を試すことができます。

Azure PortalからCloud Shellを開き、java -version を実行するだけで利用を開始できます。


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AzureにおけるJavaデプロイ先サービス

Azure上でJavaアプリケーションをデプロイする際の主なサービスと、それぞれの特徴を整理します。ユースケースに応じた選択の参考にしてください。

サービス 特徴 推奨ユースケース
Azure App Service マネージドWebアプリホスティング、自動スケール Webアプリ、REST API
Azure Functions サーバーレス実行、イベント駆動 バッチ処理、API Gateway
Azure Kubernetes Service(AKS) コンテナオーケストレーション、柔軟なスケーリング マイクロサービス、大規模システム
Azure Spring Apps Spring Boot / Spring Cloud特化のマネージドサービス Spring Frameworkベースのアプリ
Azure Container Apps サーバーレスコンテナ、Dapr統合 イベント駆動のコンテナワークロード


各サービスの選択基準は、アプリケーションのアーキテクチャと運用要件によって異なります。

WebアプリケーションやシンプルなAPIであればAzure App Serviceが最も手軽で、GUIからのデプロイやCI/CDパイプラインとの統合も容易です。Spring Bootを使用している場合はAzure Spring Appsがフレームワーク固有の設定を自動化してくれるため、開発者の負担を大幅に軽減できます。

コンテナ化されたマイクロサービスを大規模に運用するならAKS、イベント駆動型の軽量処理ならAzure FunctionsAzure Container Appsが適しています。

Azure上のJavaサービスの料金はJDK自体は無料ですが、実行基盤となるAzureサービスのコンピューティングリソースに対して課金されます。各サービスの料金体系についてはAzure App Serviceの料金Azure Functionsの料金を参照してください。


Azure JDK利用時の注意点

AzureでJDKを利用する際に把握しておくべき注意点を整理します。

Zulu for Azureの廃止

2022年1月1日をもって、Azure向けのAzul Zulu(Zulu for Azure)はアップデートとサポートが終了しています。以前Zulu for Azureを使用していた場合は、JDK 11以降であればMicrosoft Build of OpenJDK、JDK 8であればEclipse Temurinへの移行が必要です。

この変更はMicrosoftがJDKの提供戦略をMicrosoft Build of OpenJDKに一本化したことを反映しています。移行手順はZulu for Azure終了に関する公式ブログに記載されています。

LTSバージョンの選択

新規プロジェクトでは、LTSリリース(11、17、21、25)のいずれかを選択してください。非LTSバージョンのMicrosoft Build of OpenJDKに対しては、商用サポートや四半期パッチの提供が保証されていません。

OpenJDK 11と17のサポート終了は2027年9月の予定です。これらのバージョンで稼働しているアプリケーションは、OpenJDK 21またはOpenJDK 25への移行計画を立てておくことを推奨します。

Azure Spring Cloudの名称変更

Azure Spring CloudはAzure Spring Appsに名称が変更されています。ドキュメントや設定ファイルで旧名称を参照している場合は更新してください。

商用サポートの範囲

Microsoft Build of OpenJDKの商用サポートは、有効なAzureサポートプランを持つ顧客に限り、Azure、Azure Stack、Azure Arcクラスターにデプロイされたワークロードが対象です。ローカル開発環境や他のクラウドでの利用は商用サポートの対象外となります。

Javaの学習リソース

AzureでのJava開発をさらに深く学びたい場合は、以下のリソースが参考になります。

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まとめ

Azure上でのJava開発では、Microsoftが公式に提供するMicrosoft Build of OpenJDKを利用するのが最もシンプルかつ確実な選択肢です。TCK認証済みのLTSバイナリが無償で提供され、四半期ごとのセキュリティパッチやAzureサービスとの密な連携が保証されています。

2025年9月にリリースされたOpenJDK 25 LTSが最新の長期サポートバージョンであり、2030年9月までのサポートが予定されています。OpenJDK 11/17を利用中の場合は2027年9月のサポート終了に向けた移行計画の検討が必要です。

まずはMicrosoft Build of OpenJDKをローカル環境にインストールし、Azure App ServiceやAzure Functionsにサンプルアプリケーションをデプロイしてみるのが第一歩です。Azure Cloud Shellであれば、環境構築なしにブラウザからJavaの実行を試すこともできます。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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