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MAI-Image-2.5-Proとは?料金や使い方、GPT-Image-2やNano Bananaとの違いを解説

この記事のポイント

  • MAI-Image-2.5-Proはヒーロー画像・EC商品写真・複数カット制作など、品質・オブジェクト一貫性がスループットより優先される場面の第一候補
  • 公式価格はテキスト入力$5・画像入力$8・画像出力$106/1Mトークン。Flash($1.75/$1.75/$19.50)と比べ画像出力で約5倍差
  • Artificial Analysis画像編集ではMAI-Image-2.5(Standard)が#4、Arena Image Editでは#3。Proは単独評価が公表されていないためStandardの評価をベースに参照する
  • Proのデプロイ・APIの公式経路はMicrosoft Foundry、試用はMAI Playgroundも公式に案内されている。OpenRouter・PowerPoint・OneDriveはStandardの経路として整理される
  • MAI-Thinking-1やMAI-Voice-2-Flash等と同じMAI群の一部で、Microsoftが掲げる「長期的な自立性」戦略の中で位置づけられる
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

MAI-Image-2.5-Proは、Microsoftが2026年7月23日にMicrosoft Foundryで公開した、MAI画像モデル群の上位バリアントです。
Build 2026で発表された7つの内製MAIモデルにMAI-Image-2.5とMAI-Image-2.5-Flashが含まれ、Proはそのファミリーに後発で加わった品質重視ラインです。

本記事では、Foundryカタログ上の位置づけ・主要機能・想定されるユースケース・Pro/Standard/Flashの使い分け・料金・Artificial AnalysisやArena Image Editでの評価・Microsoft Foundryでの使い方・導入判断で見落としがちな論点までを、2026年7月時点の公式一次情報で体系的に解説します。

目次

MAI-Image-2.5-Proとは?Microsoftが内製した最上位の画像生成モデル

Build 2026・MAI画像3ライン構成におけるProの位置

MAI-Image-2.5-Proの主要機能と技術的な強み

オブジェクトとキャラクターの一貫性

高精度なテキスト描画

素材・物理特性の精度と空間・幾何学推論

自然言語での局所編集と顔・アイデンティティ保持

MAI-Image-2.5-Proが得意なユースケース

キャンペーン用ヒーロー画像とマルチフレームストーリーテリング

商品写真とECカタログ

ストーリーボードとプリビジュアライゼーション

センシティブ用途で必要な人手確認の注意

Pro / Standard / Flashの使い分け——3ラインナップ選定の判断軸

MAI-Image-2.5-Proを選ぶべきケース

MAI-Image-2.5(Standard)を選ぶべきケース

MAI-Image-2.5-Flashを選ぶべきケース

MAI-Image-2.5-Proの料金

3ラインナップの料金比較

実効コストは実運用データで検証する

GPT-Image-2・Nano Bananaとの比較

Arena Image EditとArtificial Analysisでの評価位置

得意領域の違い

単価と品質のバランス

MAI-Image-2.5-Proの使い方——Foundryでのデプロイ・APIとMAI Playgroundでの試用

Microsoft Foundryでの利用

参考:Standard版が採用されているMicrosoft製品と外部プラットフォーム

プロンプト設計のコツ

MAI-Image-2.5-Pro導入判断で見落としがちな3つの論点

1. パブリックプレビュー段階のSLA・機能変更リスク

2. 品質評価フローの設計

3. 出力コスト管理と権限設計

MAI-Image-2.5-Proを業務Agent基盤に組み込むなら

まとめ

MAI-Image-2.5-Proとは?Microsoftが内製した最上位の画像生成モデル

MAI-Image-2.5-Proとは Microsoftが内製した最上位の画像生成モデル

MAI-Image-2.5-Proとは、Microsoftが2026年7月23日にMicrosoft Foundryで公開した、MAI-Image-2.5ラインの上位バリアントです。

Microsoftの社内AI組織「Microsoft AI(MAI)」が主導し、専門クリエイティブワークフローに耐える高忠実度の画像生成を狙って設計されました。

Microsoftは2026年6月2日のBuild 2026で7つの内製MAIモデルを一度に発表しており、Proは画像トラックのMAI-Image-2.5・2.5-Flashに対する上位追加という位置づけです。

Build 2026・MAI画像3ライン構成におけるProの位置

MAIファミリーにおけるMAI-Image-2.5-Proの位置づけ

Microsoftが「長期的な自立性(long term self-sufficiency)」を掲げて内製化を進めるMAI群のうち、画像トラックはPro/Standard/Flashの3ラインで役割を明確に分業した構成です。

  • MAI-Image-2.5-Pro(本記事)
  • MAI-Image-2.5(Standard)
  • MAI-Image-2.5-Flash(Flash)


ここでのポイントは、Proは「Standard/Flashと共通のMAI-Image-2.5世代」の上に「品質重視でチューニングされた上位バリアント」として乗る設計、という点です。

Microsoft Foundry上では推論のMAI-Thinking-1でプロンプト設計を推論させ、MAI-Image-2.5-Proで実制作を回すといった他トラックとの組み合わせパイプラインも構成できます。

AI Agent Hub1


MAI-Image-2.5-Proの主要機能と技術的な強み

MAI-Image-2.5-Proの主要機能と技術的な強み

MAI-Image-2.5-Proが「Standard/Flash」から一段上に位置づけられるのは、単に解像度や見た目のリッチさではなく、プロダクション制作で崩れやすい要素を制御できる点にあります。

Microsoft公式(Foundry Model docs)はProの主要capabilitiesとして、オブジェクト一貫性・キャラクター一貫性・素材と物理特性の精度・空間と幾何学推論の4点を明示しています。

MAI-Image-2.5-Proの生成サンプル8枚コラージュ
MAI-Image-2.5-Proの生成サンプル。香水広告や書籍表紙、トートバッグ商品カットまで、画像内テキスト("ORPHÉON""LEMONS""BATIZ"等)が破綻せず描画されている(出典:Microsoft AI

Microsoft公式が示すサンプル群を見ても、広告ビジュアル・パッケージ・書籍・室内空間まで用途が横断しており、複数カットにわたるビジュアル制作を想定した設計が読み取れます。

オブジェクトとキャラクターの一貫性

オブジェクトとキャラクターの一貫性

キャンペーンや商品カタログのように「同じ製品・同じ人物を複数カットで見せる」制作では、モデル間のブレが致命的になります。

MAI-Image-2.5-Proはオブジェクト一貫性を強化しており、Microsoft公式docsは「オブジェクトが視覚的に密なコンポジション全体でアイデンティティ・素材・比率・マーキング・向きを保持する」と説明しています。パッケージ・ラベル・素材・反射といった商品要素を、角度違い・カラーバリエーション違いのカットに展開しても同一の見た目を保ちやすくなっています。

同様に人物についても、公式docsは「ポーズ・カメラアングル・表情・服装・照明条件を跨いでキャラクターの同一性を保持する」と記載しており、マルチフレームのストーリーテリングに適した設計です。

高精度なテキスト描画

高精度なテキスト描画

画像生成AIの実務投入で長年ネックだったのが「画像内の文字」の破綻です。

MAI-Image-2.5世代のStandard版はテキスト描画のスコアが前世代比+107ポイントと最大の伸びを示しており、Pro発表でもラベル・ポスター・パッケージ・看板等の画像内テキストの正確性が個別に訴求されています(Pro単独のスコアは公表されていません)。

国内メディアでも、MAI-Image-2.5の日本語キャッチコピー入り販促物の生成に触れた記事が公開されています。

比較画像や再現可能なプロンプトまでは示されていないものの、日本語出力への言及として参考にできます。

素材・物理特性の精度と空間・幾何学推論

Proでとりわけ強化されているのが、素材の物理特性と空間の幾何学的な位置関係の推論です。

Microsoft公式docsは、素材について「反射・半透明・重さ・テクスチャ・変形など、実世界の特性に基づいて素材が見え、振る舞う」と説明しています。金属の反射、ガラスの透過、布のしわ、液体の表面張力といった、物性の違いをそれっぽく描き分ける方向性です。

空間・幾何学推論については、「オブジェクトが3次元空間に整合的に配置され、スケール・パースペクティブ・オクルージョン・構造関係が信頼できる形で表現される」とされています。

ストーリーボードやプロダクトビジュアライゼーションで、カメラ位置・被写体の重なり・寸法比が破綻しない画作りに効きます。

自然言語での局所編集と顔・アイデンティティ保持

自然言語での局所編集と顔・アイデンティティ保持

生成後の編集フローでは、「画像の一部だけを直したい」「人物の顔は変えたくない」というニーズが常に出てきます。

MAI-Image-2.5世代は特定領域だけを更新するローカライズド編集(オブジェクト削除・置換・属性変更・インペインティング・テキスト更新・アーティファクト除去)と、ポーズ・表情・視点変化を跨いで顔とアイデンティティを保つ制御の両方を備えており、Pro版ではこの制御がプロ制作水準にチューニングされています。

編集操作は自然言語のプロンプトで指定でき、Photoshopのようなレイヤー操作に不慣れなマーケティング担当者でも、テキストベースで反復編集を回せる点が実務投入時の強みになります。


MAI-Image-2.5-Proが得意なユースケース

MAI-Image-2.5-Proが得意なユースケース

Microsoft AIのFoundry Blogは、MAI-Image-2.5-Proが向くシーンとしていくつかの典型的なユースケースを紹介しています。

いずれも「品質がスループットより優先される」領域で、Standard/Flashで量産するのではなく、Proで丁寧に作り込む想定です。

ただしMicrosoft公式は、法務・医療・金融など影響が大きい領域の出力には人手による確認を求めているため、Proが向く用途と、そのまま自動運用に載せてよい用途は分けて考える必要があります。

キャンペーン用ヒーロー画像とマルチフレームストーリーテリング

広告代理店やインハウスのマーケティングチームが、キャンペーン全体で使うヒーロー画像・SNSバリエーション・店頭サイネージ・デジタル広告を作る場面が該当します。

ローンチキャンペーンや商品発表のクリエイティブでは、キービジュアルから派生する複数カット全体で、製品・キャラクター・ブランド要素の一貫性が求められます。

MAI-Image-2.5-Proは、この「キービジュアル1枚に留まらない、シリーズものクリエイティブの制作」を、モデル切り替えなしで完結できる想定になっています。

商品写真とECカタログ

商品写真とECカタログ

小売・消費財ブランドが、商品写真をECサイト・カタログ・広告に展開する際にProが選ばれます。

パッケージ・ラベル・素材・反射といった商品要素の描写精度が高く、同一商品を複数アングル・複数カラー・複数ライフスタイルシーンに展開しても、商品そのものの見た目がぶれない制御が入っています。

従来はスタジオ撮影+レタッチが必要だった案件を、生成AIベースのワークフローに寄せていく際の主戦力になります。

ストーリーボードとプリビジュアライゼーション

映画スタジオ・ゲーム開発・クリエイティブプロダクションが、企画段階でシーンのビジュアルコンセプトを詰めるためにProを使うケースです。

キャラクター・環境・小道具・シーンを、絵コンテを跨いで一貫させながら開発する用途で、視覚推論の強化によりカメラ方向・照明・ステージング指示への追従精度が上がっています。

高価な物理制作に入る前に、AI生成のプリビズで意思決定を回すワークフローが現実的になっています。

センシティブ用途で必要な人手確認の注意

センシティブ用途で必要な人手確認の注意

MicrosoftはMAI-Image-2.5の発表のなかで、法務・医療・金融のようなセンシティブな用途ではモデル出力を必ず人手でレビューする必要があると明記しています。

MAI-Image-2.5-Proでも同じ扱いで、Proが向く用途(キャンペーン・商品カット・ストーリーボード)と、自動生成のまま社外露出させてよい用途は分けて設計する必要があります。

規制業界での実務投入は、Proを初稿生成に位置づけ専門家レビューを挟むワークフローで組むのが前提です。

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Pro / Standard / Flashの使い分け——3ラインナップ選定の判断軸

MAI-Image-2.5シリーズには、Pro・Standard(無印)・Flashの3ラインナップがあります。

Microsoft公式は、Proと既存モデル(Standard/Flash)の使い分けについて「同じ高品質を提供するが、優先軸が異なる」と説明しています。実務ではワークロード全体を分解して3ラインを組み合わせる設計が現実的です。

Pro Standard Flashの使い分け 3ラインナップ選定の判断軸

MAI-Image-2.5-Proを選ぶべきケース

Microsoft公式が明示しているPro選択の判断軸は次のとおりです。

  • 最大の画像忠実度と創造的品質が必要
    プロ広告・パンフレット・ブランドサイトのキービジュアルなど、生成物がそのまま顧客に露出する制作物。

  • 複数画像でオブジェクト一貫性が必須
    シリーズものキャンペーン・商品カタログ・キャラクターグッズなど、同一商品や同一人物を跨がせる制作物。

  • 視覚推論・創造的方向性への追従が重要
    撮影ディレクション・照明指示・複雑なシーン構成を含むクリエイティブブリーフからの生成。

  • プロフェッショナルなマーケティング・広告・製品デザイン・エンタープライズ資産の制作
    外部ステークホルダー向けに公開する完成品クオリティが必要な案件。


言い換えると、「1枚あたりのコスト」よりも「品質・修正コストの合計」で回るワークフローにProが向いています。

MAI-Image-2.5(Standard)を選ぶべきケース

Standardは、Pro程の忠実度は求めないが一定の品質は必要という中間帯を担います。

社内資料・ブログ記事のアイキャッチ・SNS投稿画像・企画コンセプト検討など、「顧客向け完成品」ではなく「社内・準社内ユースの量産系」に向いています。

Standardは前世代比でテキスト描画+107・アニメ/漫画+90を記録しており、実務品質は前世代から大きく改善しています。

MAI-Image-2.5-Flashを選ぶべきケース

FlashはMicrosoft公式が「高速・大規模ワークロード向け」に位置づけている量産型のラインで、スループットとコスト効率が優先される場面を担います。

以下のようなシーンではFlashを主軸に据え、Standard/Proを部分的に呼び出す構成が合理的です。

  • バッチ処理
    EC商品画像の一括バリエーション生成、大量のサムネイル生成

  • UGC・SNS運用
    素材の高頻度更新が前提の運用

  • リアルタイム系
    チャットボット・アシスタント経由での動的画像生成


Flashは出力単価がProの約1/5.4水準に抑えられており、「まずFlashで量産→重要カットだけProで作り直す」という二段階運用が単価的にも成立します。


MAI-Image-2.5-Proの料金

MAI-Image-2.5-Proの料金

MAI-Image-2.5-Proは、Microsoft Foundry公式でパブリックプレビュー価格が公開されています。

3ライン全体を並べて比較すると、Proのポジションが明確になります(2026年7月時点)。

3ラインナップの料金比較

以下の表で、Pro・Standard・Flashの料金構造を並べました。テキスト入力・画像入力・画像出力の3項目で単価が設定されています。

モデル テキスト入力 画像入力 画像出力
MAI-Image-2.5-Pro $5 / 1M tokens $8 / 1M tokens $106 / 1M tokens
MAI-Image-2.5(Standard) $5 / 1M tokens $8 / 1M tokens $47 / 1M tokens
MAI-Image-2.5-Flash $1.75 / 1M tokens $1.75 / 1M tokens $19.50 / 1M tokens


この表から分かるのは、Proは画像出力単価がStandardの約2.3倍・Flashの約5.4倍という位置にある点です。テキスト・画像の入力単価はStandardと同じで、差分は完全に「出力の重み」で表現されています。

Microsoft公式が「品質がスループットより重要な場合の理想的な選択肢」と表現している通り、Proは「同じ入力を投げても、出力の価値がFlashの5倍あるべき用途」に絞って使うことが前提の価格設計です。

実効コストは実運用データで検証する

実効コストは実運用データで検証する

Foundry公式には画像出力の解像度上限(width × height = 1,048,576 pixels、各辺最低768px)は示されていますが、画像出力トークンの算定式は公開されていません

1画像あたりの単価を先に計算して稟議を通すと、想定と実費に乖離が出やすい領域です。まず少量サンプルをFoundryで実行し、Azureのメーター実績と請求額でトークン数と料金を確認してから、想定利用量に単価を掛けて総額を出す順番が現実的です。

Proの高単価は「1画像あたりの絶対額」ではなく、「同一制作をProで1回で仕上げる vs Flash/Standardで複数回試行する」の総合コストで比較する視点で捉えます。

総額は入力料金と出力料金を生成・編集回数分積み上げて評価する形で、Proの高単価が試行回数の削減で相殺できる場合もありますが、Microsoftは削減幅を公表していないため、単価表の見た目だけで判断せず自社ワークロードで実測することが重要です。


GPT-Image-2・Nano Bananaとの比較

GPT-Image-2 Nano Bananaとの競合比較

MAI-Image-2.5-Proは、既存の主要画像モデルであるOpenAI GPT-Image-2、Google Nano Banana Pro/Nano Banana 2と直接競合します。

選定時の判断材料として、ベンチマークと得意領域の差分を整理します。

Arena Image EditとArtificial Analysisでの評価位置

Arena Image EditとArtificial Analysisでの評価位置

MAI-Image-2.5(Standard版)は、登場時のMicrosoft公式発表によれば、Arena Image EditでNano Banana 2を上回る**#2**にランクインしたとされています。
ただし当時のArena評価は「暫定的(preliminary)」とMicrosoft側から留保が付いています。

直近では第三者集計のArtificial Analysis画像編集リーダーボードでMAI-Image-2.5は**#4**(GPT-Image-2・GPT-Image-1.5・Nano Banana 2に次ぐ位置)、Arena Image Editでは**#3**(GPT Image 2・Meta Museに次ぐ位置)という数値が確認できます。

ボードごとに評価軸・投票期間が異なるため、順位は単一の絶対値として読まず、「2つの主要ボードで上位帯にはいるが、上位モデルには一歩譲る」という位置として捉えるのが実務的です。

MAI-Image-2.5 Editing Evaluation バーチャート
MAI-Image-2.5の12編集カテゴリ別Head-to-head Win rate(2026-05-31〜06-01のArena blind human評価・Standard版の登場時評価)。Image Cleanup・Text in Images・Face & Identity Consistencyなど全カテゴリで50%を超える(出典:Microsoft AI

このグラフはMAI-Image-2.5 Standard版の登場時評価で、Image Cleanup & Restorationで65%前後、Text in Imagesで57%前後の勝率と、編集タスクで満遍なく競合を上回っている構造を示しています。Pro版はStandardと同じMAI-Image-2.5世代の上位バリアントですが、Pro単独の第三者ベンチマーク数値は本記事執筆時点で公表されていないため、Proの実力はMicrosoft公式の想定用途(複数カット一貫性・素材精度・空間推論)とサンプル出力から推定する形になります。

以下の表で、直近の主要2ボードでのMAI-Image-2.5(Standard版)の位置を整理しました。

ボード 現状の順位 位置
Arena Image Edit #3 GPT Image 2・Meta Museに次ぐ
Artificial Analysis - Image Editing #4 GPT-Image-2・GPT-Image-1.5・Nano Banana 2に次ぐ


Microsoftは「MAI-Image-2.5の画像編集スコアは暫定的」と留保しており、順位そのものより投票の累積で数字が動く可能性を織り込んで見るのが妥当です。

加えて、Proは別モデルとして評価が積み上がる余地があるため、実運用選定時は自社ワークフローでのブラインド評価を挟むのが安全です。

得意領域の違い

得意領域の違い

3社モデルは、ベンチマーク上の差は僅差でも、実務で使うと得意領域が分かれます。

  • OpenAI GPT-Image-2
    プロンプト追従の制御力と、ChatGPT/APIの既存エコシステムとの統合が強み。ChatGPT上のマルチターン編集フローに乗せやすい。同社のSoraを含む動画・画像スタックと合わせて選ぶ場面が多い。

  • Google Nano Banana Pro / 2
    質感表現とネイティブなGemini連携が強み。Gemini APIの他機能(Vision・Long Context)との組み合わせで、画像→説明→再生成の循環が回しやすい。

    同社のImagen 3は2026年8月17日に提供終了予定で、Googleは画像生成タスクでNano Banana系への移行を推奨しています。

  • Microsoft MAI-Image-2.5-Pro
    オブジェクト・キャラクター一貫性、素材と物理特性の精度、空間と幾何学推論の4点が強み。Microsoft Foundry上でEntra ID認証を含めた統合デプロイができ、既存のMicrosoftテナント上のワークフローに載せる場面で有利。

これら3社以外にも、Midjourney(クリエイティブ品質重視)、Adobe Firefly(商用ライセンスの整備)、Recraft V3(デザイン領域)、FLUX.1(オープン系)、Grokの画像生成(X連携)など複数のフロンティアモデルがあり、選定は「一番強いモデル」ではなく「自社の既存基盤との相性」で決まる局面が増えています。

Microsoft 365やAzureをすでに主要スタックにしている企業では、MAI-Image-2.5-Proが第一候補になりやすい構造です。

より広範なモデル比較は画像生成AIサービスの比較記事も参考になります。

単価と品質のバランス

競合3社モデルの単価は、直接比較すると仕組みが異なるため単純比較は難しいものの、Proの出力$106/1Mトークンは業界最上位クラスの水準に置かれています。

同じ品質を求める場合の総コストは、入力料金と出力料金を生成・編集回数分積み上げて比較する形で評価します。Proの高単価が「試行・修正回数の削減」で相殺できるかが導入判断の分かれ目になりますが、削減幅はMicrosoftから公表されていないため、実際のワークロードで実測して確認する必要があります。

キャンペーンキービジュアルのように1カットあたりの単価が問題にならない用途では総コストが下がる場合もあり、単価表の見た目だけで判断しないことが重要です。


MAI-Image-2.5-Proの使い方——Foundryでのデプロイ・APIとMAI Playgroundでの試用

MAI-Image-2.5-Proの使い方 Foundryでのデプロイ・APIとMAI Playgroundでの試用

MAI-Image-2.5-Proは、Microsoft Foundryがデプロイ・API利用の公式経路として案内されており、ブラウザ上での試用はPro発表blogで案内されているMAI Playgroundから開始できます。

一方、OpenRouterに掲載されているのは同じMAI-Image-2.5世代のうちStandard版のみ、PowerPoint・Bing・OneDrive等のMicrosoft製品への組み込みも公式アナウンス上はStandard版の展開として説明されており、Pro版がそのまま入っているわけではありません。

Microsoft Foundryでの利用

Microsoft Foundryでの利用

Foundryは、Microsoft Azure上で提供されるAIサービス群を統合的にデプロイ・運用できる基盤で、Azureで利用可能なAIサービス群の一部として位置づけられています。

Foundryの Model Catalog から MAI-Image-2.5-Pro のカードを開き、デプロイすると Azureエンドポイントが払い出されます。認証は**Entra IDトークンまたはAPIキー**で行い、既存のAzureテナントで運用する場合はEntra ID認証を選択するのが標準的な運用です。

デプロイ可能なリージョンは West Central US・East US・West US・West Europe・Sweden Central・South India・UAE North のGlobal Standard deploymentが公式に案内されています(日本リージョンでの提供は本記事執筆時点では公式に確認できません。)。

デプロイ後は image generations API にはプロンプトと width/height を、image edits API にはプロンプトと参照画像を渡す形でリクエストします。

スタイル指定はプロンプト内に文言として書き込むのが公式の想定です。

参考:Standard版が採用されているMicrosoft製品と外部プラットフォーム

MAI-Image-2.5世代全体としては以下の経路でも利用可能ですが、ProではなくStandard版が採用されている点は明示的に区別する必要があります。

参考 Standard版が採用されているMicrosoft製品と外部プラットフォーム

  • PowerPoint / Bing / OneDrive
    Microsoft公式は、PowerPointの画像生成・Microsoft Copilot(Bing AI)の生成体験・OneDriveの写真編集にMAI-Image-2.5(Standard版)を組み込む形で展開すると発表しています。これらの製品内で利用できるのはStandard版の品質で、Pro相当の出力ではありません。


  • OpenRouter
    OpenRouterにはMAI-Image-2.5(Standard版)が掲載されており、OpenAI互換APIとしてFoundryを経由せず呼び出せます。

    Pro版のOpenRouter提供は本記事執筆時点で確認できません。


Pro品質を求める場合は、デプロイ・API利用はFoundry、簡易試用はMAI Playgroundと割り切って設計するのが妥当です。

プロンプト設計のコツ

プロンプト設計のコツ

MAI-Image-2.5-Proはプロンプト追従性が高いモデルなので、プロンプトを構造化して渡すほど生成品質が安定します。

実務的には、プロンプトに主題・スタイル・シーン・照明・画像内テキスト・レイアウト・ブランド指定などを含めると、要件を構造化しやすくなります。

テストワークフローとしては、まずFoundry Playgroundでプロンプトを反復し、image edits API で Flash → Standard → Pro の順にコスト効率と品質差を確認していく流れが実務的です。

本番投入前に代表的な入力を20〜30サンプル程度、両バリアントで生成して品質差を人手で評価するのは、生成AI選定で一般に採られる評価設計です。

Foundryのimage generations APIはプロンプト最大32,000トークン、出力は width × height ≤ 1,048,576 pixels の制約があるため、評価用サンプルはこの範囲内で設計します。

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MAI-Image-2.5-Pro導入判断で見落としがちな3つの論点

MAI-Image-2.5-Pro導入判断で見落としがちな3つの論点

MAI-Image-2.5-ProはFoundryカタログからワンクリックでデプロイできますが、実務投入では単価表とベンチマークだけでは見えない論点が3つあります。導入前に押さえておきたい観点です。

1. パブリックプレビュー段階のSLA・機能変更リスク

MAI-Image-2.5-Proは本記事執筆時点でパブリックプレビューとして提供されています。

Azure/Microsoft Foundryのプレビュー製品は、GA(一般提供)と比べて機能追加・料金改定・SLA未確約といった変更が発生しやすい状態にあります。

制作コアの1本目にプレビューモデルを組み込むと、GA移行時のマイグレーション作業が発生するリスクがあります。Proを本番ワークフローに組み込む場合は、Foundryの更新履歴を定期的に追う運用ルールを最初から設けておくのが安全です。

2. 品質評価フローの設計

品質評価フローの設計

「品質重視」を掲げるProの選定は、品質評価の基準そのものを設計しない限り、Proを選んだ効果を測れないという前提とセットになります。

具体的には次のような論点を、導入前に決めておく必要があります。

  • 評価者は誰か
    社内クリエイティブ担当・外部制作会社レビュー・顧客反応のどれを主軸にするか

  • 評価軸は何か
    ブランド適合・視覚品質・テキスト正確性・修正工数・NGカット率など、複数軸をどう重み付けするか

  • サンプルサイズ
    20〜30カットで判断するか、100カット規模で回すか


この評価フローが曖昧なまま「感覚でPro」に寄せると、Standard/Flashで済むワークロードまで高単価に流し込むことになりがちです。品質評価を設計してからPro/Standard/Flashに配分する順番が実務的です。

3. 出力コスト管理と権限設計

出力コスト管理と権限設計

出力$106/1Mトークンという単価は、社員が試験利用で回し始めると想像以上に伸びる規模感です。

Azure側の運用では、Azure Cost ManagementのBudgetアラートと、Foundry側のクォータ(Requests Per Minute)を組み合わせるのが有効な統制手段になります。

ただしAzure Budgetsは使用額到達時にサービスを自動停止するSpending capではなくアラート通知の仕組みで、上限に達したら呼び出しを止める運用は通知をトリガーにした手動対応か、Automationやゲートウェイ側での独自制御を追加で組む必要があります。

Pro/Standard/Flashの呼び出しを厳密に分けたい場合も、Foundry RBACの標準ロールだけでは「Proの呼び出しだけ承認済みプロンプトに限定」まで実現できません。

モデル別にFoundryリソースを分離するか、アプリ側・APIゲートウェイ側でモデル指定とプロンプトの妥当性を制御するレイヤーを設けるのが確実です。
「誰がProを叩けるか」を最初から明示する運用は、これらの分離設計と組み合わせて成立します。


MAI-Image-2.5-Proを業務Agent基盤に組み込むなら

MAI-Image-2.5-Proのようなフロンティア画像モデルは、Foundryに載せた瞬間に業務が変わるものではなく、モデル選定・権限設計・出力コスト管理・品質評価フローを整えてはじめて成果が出ます。

特にPro/Standard/Flashの3ラインを組み合わせる設計は、PoCの1〜2案件では見えず、複数部門で回してはじめて最適配分が見えてくる領域です。

このレイヤーを担うのが、自社Azureテナント内で動くエンタープライズAIエージェント基盤です。AI総合研究所のAI Agent Hubは、Teamsから呼び出せる業務特化Agent群を1つのダッシュボードで統合管理し、MAI-Image-2.5-Proを含む画像生成モデルを用途別にスイッチしながら業務プロセスに載せる運用基盤として機能します。

  • Pro/Standard/Flashを用途別にAgentへ割り当て
    高精度クリエイティブはPro、大量制作はStandard、下書き・アイデア出しはFlash、といったAgent単位のモデルルーティングを設計。誰がProを叩けるかを最初から明示する運用を、Agent基盤側で担保できます。

  • プロンプト・出力コスト・監査ログを1画面で統制
    記事で扱った権限設計・出力コスト管理・品質評価フローを、Agent単位のアクセス権限・実行ログ・Human-in-the-Loop承認で実装できます。

  • 構築基盤が違ってもAgent管理は1つ
    Copilot Studio・n8n・Foundry製Agentを1つのダッシュボードに集約。実行ログ・アクセス権限・セキュリティスキャンを一元管理します。

  • データは100%自社Azureテナント内に保持
    Foundry経由のMAI呼び出しをテナント内で完結。AIの学習対象から完全除外、Azure Managed Applicationsとして自社テナント内で動作が完了する設計です。



AI総合研究所の専任チームが、MAI-Image-2.5-Proを含む画像生成モデル選定から業務Agent基盤の統合設計まで一貫して支援します。AI Agent Hubのサービスページで、画像生成×Agentの実装例をご確認ください。

画像生成Agentを業務基盤に統合

AI Agent Hub

Pro/Standard/Flashを用途別振り分け

MAI-Image-2.5-ProのようなフロンティアモデルをFoundryで動かすだけでは業務は変わりません。AI Agent Hubは業務特化Agent群を1つのダッシュボードで統合管理し、画像生成をPro/Standard/Flashで振り分けながら業務プロセスに載せる運用基盤として機能します。


まとめ

本記事では、MAI-Image-2.5-Proについて、Foundryカタログ上の位置づけ・主要機能・想定ユースケース・Pro/Standard/Flashの使い分け・料金・評価ベンチマーク・Microsoft Foundryでの使い方・導入判断で見落としがちな論点までを、2026年7月時点の最新情報で解説しました。

2026年時点で押さえておくべきポイントは次の3つです。

  • MAI-Image-2.5-ProはMicrosoftが2026年7月にFoundryで公開した品質重視の画像生成モデルで、Build 2026で発表された7つの内製MAIモデルの後発として追加された上位バリアント
  • 公式料金はテキスト入力$5・画像入力$8・画像出力$106/1MトークンでFlashの約5.4倍、Artificial Analysis #4・Arena Image Edit #3(いずれもStandard版)でPro単独の第三者ベンチマークは未公表
  • Proの公式経路はMicrosoft Foundry・試用はMAI Playgroundで、PowerPoint/Bing/OneDrive/OpenRouterで触れるのはStandard版という棲み分け

自社のクリエイティブワークフローで「品質重視のカットだけProに寄せる」設計を組めるかが、MAI-Image-2.5-Proを活かせるかどうかの分かれ目です。既存のMicrosoft 365/Azureスタックを持つ企業ほど選定の合理性が高く、まずはMAI Playgroundで実サンプルを走らせる小さな検証から始めるのが、最も現実的な第一歩になります。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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