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Veo3とは?Googleの動画生成AIの使い方・実際の性能をご紹介

この記事のポイント

  • Veo3はGoogle DeepMindが開発した次世代AI動画生成モデルで、テキストから高品質な映像と音声を同時生成できる技術です。
  • Veo3は最大8秒の動画を生成でき、プロンプトに対する忠実性が高く、指示されたトーンやスタイルを映像に反映させることができます。
  • Veo3は音声付き動画の生成能力があり、映像と自然に同期する音声(セリフ、環境音、効果音、BGMなど)も同時に生成できます。
  • Veo3は複数のショットやシーンをまたいだキャラクター一貫性を大幅に向上する機能を搭載しており、一部ケースでは安定して維持できます。
  • Veo3はプロンプトを通じてドリーショット、ズームイン・アウト、パンといった映画的なカメラワークを指示できます。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

Veo3は、Google DeepMindが開発した次世代AI動画生成モデルで、テキストから高品質な映像と音声を同時生成できる技術です。
2025年5月に発表され、その性能の高さから注目を集めています。

本記事では、Veo3の主要機能や性能、使い方、実際の生成動画、他の動画生成AIとの比較、ビジネスへの応用などを詳しく解説します。
AI総合研究所では、企業のAI導入を支援しています。お気軽にご相談ください

目次

Veo3とは?

Veo3の驚くべき主要機能と性能:何ができるのか?5つのポイント

1. 高解像度・高品質な動画生成

2. テキスト・画像プロンプトへの対応と音声生成

3. 映像と同期した音声の自動生成 (セリフ・効果音・BGM)

4. キャラクターや要素の一貫性維持

5. プロンプトによる高度なカメラコントロール

その他の注目機能

Veo3の始め方と基本的な使い方

「Veo3」へのアクセス方法:対象プランとプラットフォーム

「Veo3」を利用開始するための基本的なステップ

「Veo3」で生成する上でのポイント

実際の生成動画

赤ちゃんのVlog動画

音が生成されない場合

Veo3と連携するGoogleのAI映画作成ツール「Flow」とは?動画編集・生成ツール

「Flow」の概要

「Veo3」、「Imagen 4」、「Gemini AI」との連携

Geminiで生成するのとどっちがいいいの?その違い

Veo3の料金プランと提供状況

対象となるGoogle AIプラン

Veo3と他の主要動画生成AIとの比較 (Sora・Runway)

【比較表】主要動画生成AIの概要 (2025年5月末時点の公表情報に基づく)

Veo3を利用する上での注意点と著作権

AI生成コンテンツの倫理的課題

SynthIDによる電子透かしと透明性

著作権に関する基本的な考え方

フェイク動画生成のリスクと責任ある利用

実際の活用事例

Veo3の活用事例とビジネスへの応用

クリエイター・映像制作者の表現力向上

マーケティング・広告コンテンツ制作の効率化と高度化

教育・研修分野での教材の質の向上

Veo3の今後の展望と動画制作の未来への影響

動画生成AI技術の進化と「Veo3」の役割

クリエイティブワークフローの変化

コンテンツのパーソナライズと多様化

新たなスキルと倫理観の重要性

まとめ

Veo3とは?

Veo 3とは、Google DeepMindが開発したテキストから高品質な映像と音声を同時生成できる次世代AI動画生成モデルです。
Googleが2025年5月のGoogle I/Oで発表され、その品質の高さから注目を集めています。

https://youtu.be/6Np-WhfeX2s
Veo3での実際の生成動画

「Veo3」は、GoogleのAI分野における研究開発の成果を結集したもので、「ヴィオスリー」と読みます。このモデルは、プレビュー段階では最大8秒までの動画生成に対応しており、正式リリース時の長尺対応については現時点で公式情報がありません。プロンプトに対する忠実性が高く、指示されたトーンやスタイルを映像に反映させることができます。Googleは、この技術を通じて、誰もがより簡単に、そして豊かに映像表現を行える未来を目指しています。

Veo3の驚くべき主要機能と性能:何ができるのか?5つのポイント

「Veo3」は単に動画を生成するだけでなく、その品質、表現の幅、そして生成される音声の同期において、これまでのAI技術から大きく進歩しています。ここでは、Veo3が持つ具体的な機能と性能について、公式に発表されている情報を元に解説します。

1. 高解像度・高品質な動画生成

Veo3」は、プレビュー段階では720pの解像度で最大8秒までの動画を生成することができます。正式リリース後に4K対応を予定しているものの、現時点では詳細は未公開です。ユーザーは詳細なプロンプトから、鮮明でプロフェッショナルな品質の映像コンテンツを作成できます。

2. テキスト・画像プロンプトへの対応と音声生成

Veo3」は、主に以下の入力形式に対応しています。

  • テキストプロンプト: 生成したい動画のシーン、登場人物、アクション、雰囲気、スタイルなどを文章で具体的に指示します。
  • 画像プロンプト: 参照となる画像を提示し、そのスタイルや構図、色調などを元に動画を生成させることが可能です。


これらに加え、Veo3の大きな特徴として音声付き動画の生成能力があります。

3. 映像と同期した音声の自動生成 (セリフ・効果音・BGM)

「Veo3」は、映像だけでなく、その映像と自然に同期する音声(登場人物のセリフ、環境音、効果音、BGMなど)も同時に生成できます。これにより、より没入感があり、完成度の高い動画コンテンツを一度の指示で作成することが可能になります。リップシンク(口の動きと音声の同期)にも対応しているとされています。

4. キャラクターや要素の一貫性維持

「Veo3」は、複数のショットやシーンをまたいだキャラクター一貫性を大幅に向上する機能を搭載しており、一部ケースでは安定して維持できますが、まだ完全ではなく、微調整が必要な場合があります。

5. プロンプトによる高度なカメラコントロール

「Veo3」では、プロンプトを通じてドリーショット(被写体に近づいたり遠ざかったりする動き)、ズームイン・アウト、パン(カメラを左右に振る)といった映画的なカメラワークを指示できます。

ただし、現時点では一部のワーク(Orbit、Pan、Truckなど)はVeo2品質にフォールバックする仕様となっており、完全にVeo3品質で反映されない場合があります。

その他の注目機能

  • First and Last Frames (開始・終了フレーム指定):
    本来はアップロードした2つの画像をもとにシームレスな動画を生成できますが、2025年5月時点のプレビューでは画像アップロード機能が制限されており、テキストプロンプトから自動でフレームを生成してつなぐ形が一般的です。

  • Add and Remove Objects (オブジェクトの追加・削除):
    動画シーン内のオブジェクトを追加または削除できます。
    ただし、Scene Builder上で一部編集を行うと音声やVeo3品質が低下する場合があります。

  • Flexible Motion Control (柔軟な動きの制御):
    動画オブジェクトの動きをカスタマイズ。


Veo3の始め方と基本的な使い方

Googleの最新AI動画生成モデル「Veo3」は、プレビュー段階において、特定の有料プラン加入者向けに提供が開始されています。
ここでは、現時点で判明している「Veo3」へのアクセス方法と、利用を開始するための基本的なステップについて、解説します。

「Veo3」へのアクセス方法:対象プランとプラットフォーム

現時点(2025年6月17日)で「Veo3」のプレビューを利用するには、Googleの有料AIサブスクリプションプランへの加入が必要です。主に以下のプランとプラットフォームを通じてアクセスできます。

モデルが使えるグーグルサービス
モデルが使えるグーグルサービス

  • Google AI Pro プラン加入者:
    • Gemini アプリ: モバイルアプリまたはウェブ版のGemini内で、「Veo3 Fast」を利用した動画生成機能に限定的トライアルアクセス (8秒まで生成可) が可能です。
    • Flow (AI映画作成ツール): Googleの新しいAI映画作成ツール「Flow」内で、「Veo3」を限定的に利用できます。
  • Google AI Ultra プラン加入者:
    • Gemini アプリ:Veo3」のプレビュー機能に対して、より多くの利用回数が許可されますが、生成時間は8秒までとなります。
    • Flow (AI映画作成ツール): 「Flow」内で、「Veo3」を利用でき、かつ将来的に正式版リリース時には長尺対応が予定されています。

日本でのプレビュー提供開始時期: 米国では2025年5月20日頃からプレビュー提供が開始され、その後順次日本を含む各国へ拡大され、2025年5月30日時点で多くの国で利用可能となっています。

「Veo3」を利用開始するための基本的なステップ

  1. 対象プランへの加入:
    • 上記の「Google AI Pro」または「Google AI Ultra」のいずれかのプランに加入している必要があります。加入はGoogleの公式サイト等から行えます。
  2. 正しいGoogleアカウントでのサインイン:
    • プランに紐づいたGoogleアカウントで、GeminiアプリやFlowにサインインしていることを確認してください。
  3. プラットフォームからのアクセス:

新しいプロジェクトを作成
新しいプロジェクトを作成

    *   Flowのツール内で、「**Veo3**」を動画クリップ生成エンジンとして利用し、他のAI機能(例: Imagen 4による画像生成、Gemini AIによるストーリー構成支援)と組み合わせて映像制作を行います。

モデルの選択
モデルの選択

  1. プロンプト入力と動画生成:
    • テキストプロンプト: 生成したい動画の内容(シーン、被写体、アクション、雰囲気、スタイル、カメラワークなど)を具体的にテキストで記述します。
    • 音声付き動画の生成:Veo3」は、テキストプロンプトに基づいて、映像と同期した音声(セリフ、環境音、BGMなど)も生成できます。
    • 生成時間: プレビュー版では8秒生成に対して、平均3~5分程度かかる場合があります。複雑な指示やサーバー負荷によってはさらに時間がかかることがあります。
  2. 生成結果の確認と調整:
    • 生成された動画を確認し、必要に応じてプロンプトを調整して再生成します。

「Veo3」で生成する上でのポイント

  • プロンプトの具体性: 高品質な動画を生成するためには、具体的で詳細なプロンプトが重要です。場所、時間、登場人物、動作、雰囲気、色合い、カメラアングルなどを細かく指示することが推奨されています。
  • SynthIDによる電子透かし: Googleの生成AIモデルによって生成されたコンテンツには、識別用の電子透かし「SynthID」が埋め込まれます。Flowプラットフォーム経由で生成した場合には可視的なウォーターマークも追加されることがあります。
  • 利用上限とクレジット: Veo3の生成には1回あたり150クレジットを消費します。Google AI Ultraプランでは初月12,500クレジット(以降12,000クレジット相当)が付与され、FlowやGeminiアプリなどで共有されます。Google AI Proプランではクレジット数は公式に明記されていませんが、限定的なトライアル利用が可能です。詳細は公式サイトを参照してください。

実際の生成動画

上記の方法を利用して、実際に「Veo3」で生成された動画の例をいくつか紹介します。

赤ちゃんのVlog動画

プロンプトは以下のようにしました。

Hyperrealistic Selfie Vlog Style video of a photo realistic medieval baby n in 1 years

生成待ちの画面
生成待ちの画面

比較のために、同じプロンプトでVeo3とVeo3-Fastで生成してみました。

https://youtu.be/6Np-WhfeX2s
実際の生成動画(Veo3-Fast)

https://youtu.be/Gt0YaYAzHi0
実際の生成動画(Veo3)

やはりVeo3の方が、より高品質な動画が生成されていることがわかりますね。

Flowでの編集画面
Flowでの編集画面

また生成した後に追加で編集や延長も可能です。geminiでの生成よりも編集のしやすさが向上しています。

geminiでの生成の場合
geminiでの生成の場合

生成後はGifや動画(mp4)でのダウンロードが可能です。

gif画像でのダウンロード
gif画像でのダウンロード

音が生成されない場合

Veo3では、音声付き動画の生成が可能ですが、音声が生成されない場合もあります。これは、プロンプトの内容や生成条件によるものです。以下は、音声が生成されなかった例です。

・日本語で生成した場合
・モデルがVeo3でない場合(Veo2などでは生成されません)


Veo3と連携するGoogleのAI映画作成ツール「Flow」とは?動画編集・生成ツール

実際のFlowでのモデル選択画面
実際のFlowでのモデル選択画面

「Veo3」の能力を最大限に引き出し、より統合的な映像制作体験を提供するために、GoogleはAI映画作成ツール「Flow(フロウ)」も発表しました。
「Flow」は、「Veo3」を含む複数のAIモデルと連携し、ストーリーテリングから編集までのプロセスを支援します。

Flow」の概要

Flow」は、ユーザーがアイデアを入力すると、AIがショットリストの提案、シーン構成の支援、そして「Veo3」による動画クリップの生成、さらには「Imagen 4」による画像素材の生成などをシームレスに行い、最終的な映像作品へと仕上げていくことを目指すプラットフォームです。

複雑な編集ソフトの操作知識がなくても、直感的なインターフェースとAIのサポートにより、映画のような作品制作を可能にすることを目標としています。

「Veo3」、「Imagen 4」、「Gemini AI」との連携

Flow」の核となるのは、Googleの最先端AIモデル群との連携です。

  • Veo3: 高品質な動画クリップを生成します(プレビューでは8秒まで)。
  • Imagen 4 (アイメージェンフォー): 背景、キャラクター、小道具などの高品質な静止画像を生成します。
  • Gemini AI (ジェミニエーアイ): 脚本執筆、セリフ作成、ナレーション、ストーリーのアイデア出しなどを支援します。

これらのAIが「Flow」上で協調することで、ユーザーは個々のツールを切り替えることなく、スムーズに映像制作を進めることができます。

Geminiで生成するのとどっちがいいいの?その違い

Flow」は、特にリソースが限られる個人のクリエイターや小規模な制作チームにとって、映像制作のハードルを大幅に下げる可能性があります。アイデアの着想から完成までの時間を短縮し、より多くの人々が創造性を発揮して質の高い映像作品を生み出せる環境を提供することを目指しています。

Geminiで生成する動画と「Flow」で生成する動画の違いは、主に以下の点にあります。

比較項目 Flow(Gemini + Flow) Gemini(単体)
位置付け タイムライン編集ツール(演出+編集重視) チャット型プロンプト入力で生成
特徴 シーンの順序や構成を視覚的に調整可能 単発の短い動画(8秒まで)をすぐ生成
使い方 ストーリーボードのように複数の動画を編集 「シネマ風の動画を作って」など自然言語で依頼
対応プラン Google Workspace + Veo対応(Pro以上) Gemini Advanced(ProまたはUltra)
操作感 クリエイター・編集者向け(複数素材を統合) カジュアルで直感的、非クリエイターにも最適
おすすめ用途 CM風動画、PR映像、シナリオ付き短編など SNS投稿、短いデモ動画、発想メモ代わりなど

本格的に利用するときにはFlowで生成することが推奨されます。

Veo3の料金プランと提供状況

「Veo3」を利用するためには、Googleが提供する特定の有料プランへの加入が必要です。ここでは、現時点で判明している料金プランと、Veo3利用に関連するクレジット消費について解説します。

Veoモデルの詳細
Veoモデルの詳細


対象となるGoogle AIプラン

Veo3」は、以下のGoogle AIサブスクリプションプランを通じてプレビューが提供されています。

  • Google AI Pro プラン (ストレージ容量は選択可能)
  • Google AI Ultra プラン
プラン名 ストレージ容量 共有可能人数 月額料金(税込) 備考
Google AI Pro 2 TB 最大5人まで ¥2,900 Gemini 1.5 Pro搭載/Veo 3アクセス可
プレミアム 5TB 5 TB 最大5人まで ¥3,600 大容量ストレージ/Gemini対応
プレミアム 10TB 10 TB 最大5人まで ¥7,280 動画・画像編集ユーザー向け
プレミアム 20TB 20 TB 最大5人まで ¥14,500 法人・クリエイター向け大容量
プレミアム 30TB 30 TB 最大5人まで ¥21,800 高画質動画保存に最適
Google AI Ultra(割引中) 30 TB 最大5人まで ¥18,000(3か月)
※通常¥36,400/月
Gemini Ultra・Veo 3高度機能に対応
※3か月後は通常料金に自動移行

これらのプランに加入することで、GeminiアプリやAI映画作成ツール「Flow」内で「Veo3」のプレビュー機能を利用できます。
プランによって、利用できる機能の範囲や上限が異なります。Ultraプランの方がより多くのトライアル回数が付与されます。


詳細な料金、各プランで提供される機能の全容、クレジットの正確な消費レートについては、必ずGoogleの公式サイトで最新情報をご確認ください。


Veo3と他の主要動画生成AIとの比較 (Sora・Runway)

「Veo3」は動画生成AI分野における新たな選択肢ですが、他にも注目すべきAIモデルが存在します。

ここでは、OpenAIの「Sora」やRunwayMLの「Gen-3 Turbo」といった他の主要な動画生成AIと「Veo3」を、公表されている情報を基に比較します。

【比較表】主要動画生成AIの概要 (2025年5月末時点の公表情報に基づく)

特徴・機能 Google Veo3 (プレビュー) OpenAI Sora RunwayML Gen-3 Turbo
開発元 Google DeepMind OpenAI Runway
スペック (公式) – プレビュー版:
• 解像度:720p
• フレームレート:24FPS
• 動画長:最大8秒 (プレビュー)

– 正式版:仕様未公開 (要申請・順次拡大中)
– ChatGPT Plus:
• 解像度:最大720p
• 動画長:最大10秒
– ChatGPT Pro:
• 解像度:最大1080p
• 動画長:最大20秒
– モデル:Gen-3 Turbo
• 解像度:720p
• フレームレート:24FPS
• 動画長:最大10秒 (Last Frame指定時は最大5秒)
入力形式 • テキストプロンプト
• 画像プロンプト (プレビュー)
• テキスト
• 画像または動画 (ChatGPT連携)
• テキストプロンプト
• 画像プロンプト
音声生成 • プレビュー版:BGM・効果音・簡易セリフ (ネイティブで生成)
– 正式版:同様対応予定
• 非対応 (映像生成のみ) • 非対応
アクセス条件 – Google AI Pro/Ultraプラン加入者向けプレビュー (要申請) – ChatGPT Plus/Pro加入者 (米国・英国・EUなどサポート国で利用可能) – Runway 有料プラン (Standardプラン以上でGen-3 Turbo利用可)
特記事項 – プレビュー時点で「8秒生成」の仕様のみ明示。正式版で長尺対応がどうなるか未発表。
– 電子透かし「SynthID」を全動画に埋め込む ※Flow経由では可視ウォーターマーク表示
– Soraは研究プレビュー段階から移行し、一般公開済み。
– ChatGPT Plusでは720p×10秒、ChatGPT Proでは1080p×20秒。
– 「Last Frameコントロール」により、5~10秒の動画を生成可能。

Veo3を利用する上での注意点と著作権

AIによるコンテンツ生成技術を利用する際には、倫理的な側面や著作権に関する理解が不可欠です。「Veo3」を利用するにあたっても、いくつかの重要な注意点があります。

AI生成コンテンツの倫理的課題

「Veo3」を含む高度なAIは、意図しないバイアスを反映したり、誤情報や不適切なコンテンツを生成したりする可能性があります。

GoogleはAI倫理に関する原則を掲げ、責任ある技術開発に取り組んでいますが、ユーザー側も生成されたコンテンツの性質を理解し、慎重に利用することが求められます。

SynthIDによる電子透かしと透明性

Googleは、AIによって生成されたコンテンツの透明性を高めるため、SynthIDという電子透かし技術を導入しています。「Veo3」で生成された動画にも、このSynthIDが埋め込まれ、AIによる生成物であることを識別可能にする取り組みが進められています。

また、Flowプラットフォーム経由で生成された場合は、可視的なウォーターマークも表示されます。

著作権に関する基本的な考え方

AIによって生成されたコンテンツの著作権の帰属については、法的な議論が進行中であり、国や地域によって解釈が異なる場合があります。
一般的に、AIモデル自体が著作権を持つことはありません。

Veo3」で生成した動画の著作権や商用利用の可否については、Googleが提供する利用規約やAIサービスのポリシーを必ず確認することが重要です。
これらの規約には、生成されたコンテンツの所有権、利用範囲、制限事項などが明記されています。

フェイク動画生成のリスクと責任ある利用

Veo3」の高い動画生成能力は、悪意を持って利用された場合、精巧なフェイク動画(ディープフェイク)の作成につながるリスクも伴います。
ユーザーは、この技術を倫理的に、そして責任を持って利用する義務があります。


実際の活用事例

Veo3は実際どのように活用されているのでしょうか?以下に、Veo3を利用した具体的な活用事例をいくつか紹介します。

  • ガラスのASMR動画

音と相まって、視覚的にも楽しめるガラスのASMR動画がVeo3で生成されました。音声と映像がシームレスに同期し、リアルな質感を表現しています。

  • 歴史を再現したVlog動画

  • 動物が話しているような動画

  • Veo3での動画の自動生成→投稿システム

  • ネズミの探検

色々なジャンルでの活用が進んでおり、Veo3の可能性を感じさせる事例が多く見られます。特に、音声と映像の同期が自然で、視覚的にも楽しめるコンテンツが多いことが特徴です。


Veo3の活用事例とビジネスへの応用

Veo3」のような高度な動画生成AIは、クリエイティブな表現を豊かにするだけでなく、ビジネスの様々な場面での活用が期待されます。

ここでは、Googleの発表やデモンストレーションから読み取れる、想定される活用事例や応用分野について解説します。

クリエイター・映像制作者の表現力向上

Veo3」は、アイデアを迅速に映像化し、従来よりも少ないリソースで高品質な動画コンテンツを制作する手段をクリエイターに提供します。

  • ストーリーボードの映像化: テキストや簡単なスケッチから、具体的なシーンを音声付きでプレビジュアライゼーション。
  • 短編映画・アニメーション制作の支援: 個人や小規模チームでも、キャラクターの一貫性を大幅に向上させつつ、独自の映像作品を制作。
  • ミュージックビデオやアート作品の創出: 音楽の世界観や抽象的なアイデアを、独創的な映像として表現。

マーケティング・広告コンテンツ制作の効率化と高度化

動画はマーケティングにおいて極めて有効な手段ですが、制作コストや時間が課題となることがあります。「Veo3」はこれらの課題を軽減し、新たな可能性を開きます。

  • 多様な広告クリエイティブの迅速な生成: ターゲットやコンセプトに合わせた動画広告を短期間で複数パターン制作。
  • 製品紹介・デモンストレーション動画の質の向上: 製品の魅力を伝える動画を、よりダイナミックなカメラワークや音声解説付きで作成。
  • ソーシャルメディア向けコンテンツの量産: トレンドに応じた目を引く短尺動画を効率的に制作し、エンゲージメント向上を図る。

教育・研修分野での教材の質の向上

複雑な概念や手順を分かりやすく伝えるために、動画は効果的な教材となります。

  • 視覚的に理解しやすい説明動画の作成: 専門的な内容や抽象的な概念を、具体的な映像とナレーションで解説。
  • シミュレーション動画の生成: 危険な作業や再現が難しい状況を、安全かつリアルな動画で学習。

Googleのデモンストレーションでは、これらの分野での活用を想起させるような多様な映像が示されており、「Veo3」が幅広いクリエイティブなニーズに応えることを目指していることがうかがえます。


Veo3の今後の展望と動画制作の未来への影響

Veo3」の登場は、動画生成AI技術の進化における重要な一歩であり、今後のクリエイティブ産業やコンテンツ制作のあり方に大きな影響を与えることが予想されます。
ここでは、その将来性と影響について考察します。

動画生成AI技術の進化と「Veo3」の役割

Veo3」が示した音声付き動画生成、キャラクター一貫性の向上、高度なカメラ制御といった能力は、動画生成AIが単なる「動く絵」から、より「物語を語る」メディアへと進化していることを示しています。

この技術は、今後のAI開発における新たな目標設定や競争を促し、さらなる技術革新へと繋がることが期待されます。

クリエイティブワークフローの変化

Veo3」や「Flow」のようなツールは、映像制作の伝統的なワークフローを大きく変える可能性があります。

アイデアの具現化、プレビジュアライゼーション、素材生成といった工程が大幅に効率化され、クリエイターはより創造的な側面に時間を割けるようになるでしょう。

コンテンツのパーソナライズと多様化

高品質な動画をより低コストかつ迅速に生成できるようになることで、個々の視聴者の興味や嗜好に合わせたパーソナライズド動画コンテンツの制作が容易になります。

また、これまで映像化が難しかったニッチなテーマや独創的なアイデアも形にしやすくなり、コンテンツの多様性が増すことも期待されます。

新たなスキルと倫理観の重要性

AIを効果的に活用するためのプロンプトエンジニアリング能力や、AIが生成したコンテンツを評価し編集するキュレーション能力の重要性が増すと考えられます。

同時に、AI生成コンテンツの倫理的な取り扱いや、著作権、フェイク情報対策といった課題に対する社会全体の意識とルールの整備も、ますます重要になってきます。

Veo3」は、動画制作の未来を形作る上で、大きな役割を担う技術の一つと言えるでしょう。


まとめ

この記事では、Googleの最新AI動画生成モデル「Veo3」について、その基本的な概要、主要な機能、利用方法、そして動画制作の未来に与える影響について、現時点で判明している確実な情報を中心に解説しました。

「Veo3」は、プレビュー版では最大8秒までの動画生成に対応し、テキストや画像から音声と同期した高品質な動画を生成できる画期的なAIです。キャラクターの一貫性向上やプロンプトによるカメラ制御といった高度な機能は、映像表現の新たな可能性を大きく広げます。

現在、「Veo3」は特定の有料プラン加入者向けプレビューとして提供されており、正式リリース後に4K長尺対応が予定されています。AI映画作成ツール「Flow」との連携を通じて、より統合的なクリエイティブワークフローの実現を目指しています。

Veo3」の登場は、誰もがより手軽に、そしてより豊かに映像で物語を語れる時代の到来を予感させます。この新しい技術を理解し、責任を持って活用することで、私たちはこれまでにない創造的な体験をすることができるでしょう。今後のGoogleからのさらなる情報や機能アップデートに注目が集まります。

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