この記事のポイント
Gemini in Chromeは、ブラウザに直接統合された新しいAIアシスタント機能で、2025年9月18日に発表
開いているページの要約や、複数タブにまたがる情報の比較・整理をAIが自動で行う
「先週見たサイト」といった曖昧な記憶から過去のページを自然言語で探せる
将来的には、予約や注文などの複数ステップのタスクを自律的に実行するエージェント機能も搭載予定
Gemini Nanoを活用した高度な詐欺検出や、侵害されたパスワードの自動変更などセキュリティ機能も強化

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
「Webリサーチをもっと効率的にしたい」「タブを何個も開いての比較作業が面倒…」と感じていませんか?2025年9月18日、Googleはそんな悩みを解決する、ブラウザにAIアシスタントを直接統合した「Gemini in Chrome」を発表しました。
これは、ブラウザがユーザーを能動的にサポートする「知的なパートナー」へと進化することを意味する、Chrome史上最大級のアップグレードです。しかし、具体的に何ができるようになり、私たちのブラウジング体験はどう変わるのでしょうか。
本記事では、この「Gemini in Chrome」について、その全貌を徹底的に解説します。
発表された10の革新的な新機能から、具体的な使い方、日本での展開時期まで、公式情報を基に詳しくご紹介します。
11月18日発表された最新モデル「Gemini 3」については以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎Gemini 3とは?使い方や料金、Antigravityなど新機能を解説!"
Gemini in Chromeとは?
Gemini in Chromeは、2025年9月18日にGoogleが発表した、Webブラウザ「Chrome」に直接統合された新しいAIアシスタント機能です。
Googleの最新AIであるGeminiを活用し、ユーザーのニーズを先読みして、より複雑な情報を理解し、生産性を向上させることを目的としています。
これは単なる追加機能ではなく、ブラウザ自体がユーザーをサポートする「知的なパートナー」へと進化する、Chromeの歴史上最大級のアップグレードと位置づけられています。
「Gemini in Chrome」の日本での利用はいつから?
2025年9月18日の発表時点では、残念ながら「Gemini in Chrome」はまだ日本では利用できません。
現在、この機能は米国在住で、言語設定を英語(米国)にしているMacおよびWindowsユーザーを対象に段階的に提供が開始されています。
しかし、Googleは「今後数週間でより多くの国と言語に展開していく」と発表しており、日本での対応も遠くないと考えられます。具体的な日程は未定ですが、これまでのGoogleの新機能展開の傾向を踏まえると、2025年内には日本でも利用できるようになることが期待されます。
Gemini in Chromeの主要機能
今回のアップデートでは、ブラウジング体験を根本から変える10の主要な新機能が発表されました。
単なる機能の羅列ではなく、「ブラウジング体験の進化」「検索と情報アクセスの強化」「セキュリティの進化」という3つの大きなテーマに沿って、その核心を解説します。
1. Geminiによるブラウジング体験の進化
AIがブラウザに深く統合されることで、これまで人間が行っていた面倒な作業をAIが代行し、より創造的な活動に集中できるようになります。

Geminiによるブラウジング体験の進化:メニューバーからワンクリックでGeminiを呼び出し可能に (参考:Google
ページの要約から、複数タブの横断整理まで
開いているページの要約や解説はもちろん、複数のタブにまたがる情報を比較・整理する能力は、情報収集のあり方を一変させます。
例えば、旅行の計画で飛行機、ホテル、観光地のタブを複数開いている場合に、それらの情報を基に一つの旅程表を自動で作成させることが可能です。これは、タブを何度も行き来する手間を省き、思考の分断を防ぎます。

複数のページを同時に理解(参考:Google
過去の情報を、人間の記憶のように呼び出す
「先週見た、くるみの机が載っていたサイトは?」といった曖昧な記憶から、目的のWebページを自然言語で呼び出せるようになります。これは、機械的な履歴検索ではなく、人間の記憶に近い形で情報に再アクセスできる画期的な機能です。

過去のタブを呼び出す(参考:Google
Googleアプリとのシームレスな連携
YouTube、Googleマップ、カレンダーといった他のGoogleアプリとの連携が強化され、タブを切り替えることなく、動画の特定部分を検索したり、会議をスケジュールしたりすることが可能になります。
これにより、作業の流れが中断されることなく、タスクをスムーズに完結できます。

Youtubeで特定の部分へスキップ(参考:Google
【未来の機能】自律的にタスクをこなす「エージェント」へ
将来的には、より高度なエージェント機能の導入が予定されています。
「美容院の予約」や「毎週の食料品の注文」といった、複数のステップを伴うタスクをGeminiに任せられるようになります。ユーザーは目的を伝えるだけで、GeminiがWebページ上で必要な操作を自律的に代行する、まさにSFのような未来が現実のものとなります。

Gemini in Chromeのエージェント機能イメージ(参考:Google
2. 検索と情報アクセスの強化
ブラウザの入り口であるアドレスバー(オムニボックス)が、単なるURL入力欄から、高度なAIとの対話の窓口へと進化します。
アドレスバーがAIとの対話の起点に
アドレスバーから直接、Google検索の強力な「AIモード」にアクセスできるようになります。
これにより、より長く複雑な質問を投げかけ、文脈を理解した詳細なAIの回答を得ることが可能です。

アドレスバーからAIモードへ直接アクセス(参考:Google
さらに、閲覧中のページについて直接質問することもできます。
Chromeがページ内容に基づいて関連性の高い質問を提案し、サイドパネルに表示されるAIの回答を見ながら、ページを離れることなく理解を深めることができます。
3. AIによるセキュリティとプライバシーの進化
目に見えない脅威からユーザーを守るため、AIがバックグラウンドで常に働き、より安全なブラウジング環境を提供します。
Gemini Nanoによる高度な詐欺検出
デバイス上で高速に動作するAIモデル「Gemini Nano」を活用し、従来の機能に加え、「偽のウイルス警告」や「偽の景品当選」でユーザーを騙そうとする、より巧妙な詐欺サイトからの保護機能が拡張されます。

Gemini Nanoによる詐欺検出のイメージ(参考:Google
迷惑な通知や許可要求をインテリジェントに抑制
AIがスパムや詐欺の可能性が高いWebサイトの通知を検出し、ユーザーに意思確認を促します。
また、ユーザーが許可しない可能性が高いと判断したサイトからのカメラや位置情報へのアクセス許可要求を、より控えめに表示することで、不快な体験を減らします。

スパム通知のブロック(参考:Google
侵害されたパスワードを「ワンクリック」で自動変更
パスワードの漏洩が検知された際に、Chromeが警告するだけでなく、AIがパスワードエージェントとして機能。
対応サイトであれば、ワンクリックで安全な新しいパスワードへの変更を自動で完了できるようになります。これは、セキュリティ対策のハードルを劇的に下げる重要な一歩です。

ワンクリックでパスワード変更(参考:Google
Gemini in Chromeの使い方
Gemini in Chromeは、デスクトップ版Chromeに組み込まれた機能として、順次展開されます。
利用条件
利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 18歳以上であること
- 米国在住であること
- MacまたはWindowsのPCを利用
- 最新バージョンのChromeを利用
- Chromeにサインインしていること(シークレットモードでは利用不可)
- Chromeの言語設定が**英語(米国)**であること
基本的な使い方
- Chromeブラウザのツールバー上部にある「Gemini in Chrome」アイコン**をクリックします。
- 初回利用時に、機能の利用を有効にする(オプトインする)ための画面が表示されるので、指示に従います。
- フローティングウィンドウが表示され、Geminiとのチャットを開始できます。
デフォルトでは、現在開いているタブのページ内容がGeminiと共有され、それを基に応答が生成されます。
必要に応じて、ページ内容の共有を停止したり、マイクや位置情報へのアクセス許可を変更したりすることも、設定から簡単に行えます。
AI導入でお悩みの方へ
まとめ
「Gemini in Chrome」の登場は、Webブラウザが単なる「情報を表示するツール」から、ユーザーの思考を助け、作業を代行する「能動的なアシスタント」へと進化する大きな転換点です。
- 情報収集の効率化: ページの要約や複数タブの連携により、情報収集の質と速度が向上。
- タスク実行の自動化: 将来のエージェント機能は、面倒な定型作業から人間を解放する。
- セキュリティのインテリジェント化: AIが目に見えない脅威からユーザーをプロアクティブに保護する。
まだ一部ユーザーへの提供が始まったばかりですが、このアップデートが今後のWebとの関わり方を大きく変えていくことは間違いないでしょう。








