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Azure RBACとは?設定手順やカスタムロールをわかりやすく解説!

この記事のポイント

  • リソースへのアクセス権限を「役割(ロール)」に基づいて一元管理する認可システム
  • 2025年後半より全管理者操作にMFA(多要素認証)が完全義務化。自動化ツールの対応も必須
  • PIM(Privileged Identity Management)により、必要な時だけ権限を付与する JITアクセスを実現
  • ABAC(属性ベースのアクセス制御)を併用することで、タグに基づいたさらに緻密な制御が可能
  • ワークロードIDへの移行により、コード内へのシークレット埋め込みを排除した安全な認証を推進
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

Azure RBAC(ロールベースのアクセス制御)は、Azureリソースへの「誰が」「何に対して」「どのような操作ができるか」を厳格に管理する仕組みです。最小権限の原則を実現し、セキュリティ事故を未然に防ぐための基盤となります。

本記事では、2026年現在の管理者MFA義務化やPIM、ABACといった最新のセキュリティ要件を踏まえ、仕組み、設定方法、運用上の注意点を初心者の方にも分かりやすく解説します。

Azure RBACとは

クラウド環境では、権限設定のミス一つが大規模なデータ漏洩につながるリスクがあります。

Azure RBAC(Role-Based Access Control / ロールベースのアクセス制御) は、Azureリソースに対するアクセス許可をきめ細かく管理するための認可システムです。特定のユーザーやグループに対して、業務に必要な最小限の権限(役割)だけを割り当てることで、誤操作や不正アクセスによる被害を最小化します。

2026年現在、マイクロソフトが提唱する「ゼロトラスト・セキュリティ」の要として、多要素認証(MFA)や特権管理(PIM)と深く統合された運用が求められています。

RBACの3つの基本要素

RBACは、以下の3つの組み合わせによって定義されます。

  • セキュリティ プリンシパル(誰が)
    ユーザー、グループ、サービスプリンシパル(システムアカウント)、マネージドIDなどが対象です。

  • ロール定義(何を)
    「閲覧のみ」「作成・削除可能」といった権限のセットです。Azureには数百種類の「組み込みロール」が用意されています。

  • スコープ(どこに対して)
    権限を適用する範囲です。「管理グループ」「サブスクリプション」「リソースグループ」「特定のリソース」の4段階で指定できます。

RBAC概念図
Azure RBACの基本概念

公式情報として、最新の仕様はMicrosoft Learnの概要ページを基準に確認できます。
➡️Azure RBAC の概要 - Microsoft Learn

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2026年最新のセキュリティ要件と変化

クラウドの脅威が高まる中、RBACの運用ルールも厳格化されています。

管理者操作へのMFA完全義務化(2025年〜)

Microsoftは2024年末より、AzureポータルやCLIを介したリソース操作に対して、多要素認証(MFA)を完全に義務化するフェーズを開始しました。

  • 影響範囲: 管理コンソールへのサインインだけでなく、Azure CLI、PowerShell、TerraformなどのIaCツールを利用した更新・削除操作もMFAの対象となります。
  • 自動化への対応: ユーザーIDを用いた自動化スクリプトは動作しなくなるため、後述する「ワークロードID」や「マネージドID」への完全移行が2026年現在の必須課題です。

ワークロードIDへの移行推進

パスワードやシークレットをソースコードに書かない「パスワードレス」な認証が標準となりました。

  • マネージドID: Azure VMやFunctions自体に権限を持たせる手法です。
  • Workload ID: GitHub ActionsやKubernetes上のポッドに対して、フェデレーション(信頼関係)を用いて一時的なアクセス権を付与します。これにより、シークレット漏洩のリスクを根本から排除します。

高度なアクセス管理機能(PIMとABAC)

大規模な組織や、より高度なセキュリティが必要な場合に活用される機能です。

Privileged Identity Management (PIM)

「常に強い権限を持っている状態」は非常に危険です。PIMはこれを解消します。

  • Just-In-Time (JIT) アクセス: 必要なときだけ権限を有効化し、数時間後には自動的に剥奪します。
  • 承認ワークフロー: 管理者権限を使う際、上長による承認を必須にできます。
  • アクティベーションログ: 「いつ、誰が、何の理由で強い権限を使ったか」を完全に監査できます。

ABAC(属性ベースのアクセス制御)

RBAC(役割)だけでは手が届かない、さらに細かい条件を指定できます。

  • タグベースの制御: 「プロジェクトAというタグが付いたBlobストレージだけ読み取りを許可する」といった設定が可能です。
  • 条件付きアクセス: 特定のIPアドレスや特定の時間帯のみ操作を許可するといった制限を追加し、柔軟性と安全性を両立させます。

主要な組み込みロールの種類

まずは以下の代表的なロールを使い分けることから始めます。

  1. 所有者 (Owner)
    リソースの全操作に加え、他の人へのアクセス権付与(RBACの管理)も行える最高権限です。

  2. 共同作成者 (Contributor)
    リソースの作成・管理はできますが、他者へのアクセス権付与はできません。開発担当者に適しています。

  3. 閲覧者 (Reader)
    設定の確認のみ可能で、変更は一切できません。監査担当者や読み取り専用アプリに適しています。

  4. ユーザーアクセス管理者
    リソースの操作はできませんが、アクセス権の付与のみを行えます。人事やIT管理部門に適しています。

設定手順の概要(Azureポータル)

権限付与は「アクセス制御 (IAM)」メニューから行います。

  1. IAMメニューを開く: 対象のリソース(またはリソースグループ)の左メニューから「アクセス制御 (IAM)」を選択します。
  2. ロールの割り当ての追加: 「+ 追加」→「ロールの割り当ての追加」をクリックします。
  3. ロールの選択: 目的の役割(例:Contributor)を選びます。
  4. メンバーの選択: 権限を与えたいユーザーやグループを追加します。
  5. 確認と割り当て: 内容を確認し、保存します。

RBAC運用の制限とベストプラクティス

設計時にハマりやすい制限事項と、推奨される運用手法です。

1. 割り当て数の制限(最大4,000件)

1つのサブスクリプション内で作成できるロール割り当ての合計には、最大4,000件という上限があります。

  • 対策: ユーザー個別に権限を付けるのではなく、Entra IDの「グループ」を作成し、グループに対して権限を付与してください。これにより、割り当て数を劇的に節約できます。

2. スコープの最適化

権限は「なるべく狭い範囲」で付与するのが鉄則です。

  • アンチパターン: サブスクリプション全体に対して「共同作成者」を全員に付与する。
  • ベストプラクティス: 普段の作業用には「リソースグループ」単位で付与し、さらに強い権限が必要な時だけPIMで昇格させる。

3. カスタムロールの設計

組み込みロールで要件を満たせない場合、JSON形式で独自権限(カスタムロール)を定義できます。

  • 注意: 各ディレクトリあたり最大5,000個まで作成可能ですが、管理が複雑になるため、極力組み込みロールの組み合わせで対応することを推奨します。

料金体系(2026年最新版)

Azure RBAC機能そのものは無料で利用できます。

項目 料金 補足
RBAC(標準機能) $0 組み込みロールやカスタムロールの利用
PIM(特権管理) Microsoft Entra ID P2 または Microsoft 365 E5 に含まれる 高度なJITアクセスを利用する場合
監査ログの保管 Log Analytics の料金に準ずる 長期間のアクセス履歴を保存する場合

※2026年2月21日時点。PIMを利用するには、組織全体ではなく「利用する管理者ユーザー」に対してライセンスが必要となります。

参考(公式)

AI駆動開発


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まとめ

Azure RBACは、クラウドの安全性を支える最強の武器であり、同時に正しく設定しないと大きな穴となる「両刃の剣」でもあります。

2026年、MFAの義務化やワークロードIDへの移行が進む中、単に権限を割り当てるだけでなく「いかに最小限に保つか」「いかに自動化をセキュアに行うか」が問われています。まずはIAMメニューから、現在の「所有者」や「共同作成者」が多すぎないか、個別に権限を付けていないかを棚卸しすることから始めてみてください。

その地道な改善が、万が一の際の致命的な被害を防ぐ、最も確実な防波堤となります。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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