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【2026年最新】SAP Concurとは?機能・料金・導入事例を徹底解説

この記事のポイント

  • SAP Concurは経費精算・出張管理・請求書処理を統合管理するクラウドプラットフォームで、経費・出張管理クラウド市場においてグローバルトップシェアを維持している。
  • 主要機能はConcur Expense・Travel・Invoiceの3製品。2026年にはAI領収書分析・不正検知・事前コスト推定などの新機能が追加された。
  • 導入メリットは業務効率化・ガバナンス強化・法令対応の自動化・経費データの可視化の4点に集約される。
  • Concur Expense Standardは月額29,000円〜・初期費用0円で、1ユーザーあたり約580円から利用可能。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

経費精算や請求書処理といった間接業務は、多くの企業で手作業と時間を要する課題です。ガバナンスの維持や、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応も経営上の重要テーマとなっています。

本記事では、こうした課題を解決するクラウドプラットフォーム「SAP Concur」について、主要機能・料金体系・導入事例から2026年のAI新機能まで体系的に解説します。

SAP Concurとは

Sap Concurとは
出典:SAP Concur

SAP Concur(コンカー)は、経費精算・出張管理・請求書処理を統合的に管理するクラウドプラットフォームです。もともとは米国Concur Technologies社が開発したサービスで、2014年にSAPグループに加わりました。日本法人は株式会社コンカーが運営しています。

IDCの調査によると、SAP Concurは経費・出張管理クラウド市場で世界トップシェアを維持しており、日本国内でも長年にわたりトップシェアを獲得しています。

中核となるのは「Concur Expense」「Concur Travel」「Concur Invoice」の3つのソリューションです。申請から承認・精算までの間接業務をデジタル化し、企業全体の支出を可視化する仕組みを提供します。

SAP Concurが選ばれる理由

多くの企業がSAP Concurを採用する背景には、以下のような強みがあります。

  • 法令対応の自動化
    電子帳簿保存法の法的要件認証を取得済みで、インボイス制度にも標準機能で対応している。法改正への追随はクラウド側のアップデートで自動的に行われるため、運用ルール変更の負担が小さい。

  • グローバル標準の多言語・多通貨対応
    世界190カ国以上の言語・通貨・税制に対応しており、海外拠点を持つ企業でも統一された間接費管理が可能。

  • SAPエコシステムとの連携
    SAP S/4HANA CloudSAP BTPと接続し、会計・人事・調達といった基幹業務全体のデータを一気通貫で統合できる。



こうした特性から、国内でも大手企業を中心に幅広い業種で導入が進んでいます。


SAP Concurの主要機能

SAP Concurは、経費精算・出張管理・請求書処理の3領域をカバーするソリューションと、それらを横断するAI機能で構成されています。

コアソリューションの関係
出典:SAP Concur公式

Concur Expense(経費精算)

concur expense
出典:SAP Concur|Concur Expense

Concur Expenseは、経費精算の手作業を削減し、申請から承認・会計連携までを自動化するソリューションです。主な機能は以下のとおりです。

  • 法人カード連携
    決済データを自動取り込みし、経費明細を自動作成する。手入力が不要になる。

  • スマートフォン完結
    専用アプリで領収書を撮影すると、OCR機能が日付・金額を読み取り、電子データとして保存・申請できる。

  • ICカード自動連携(ICCI)
    SuicaやPASMOなどの交通系ICカード利用履歴を自動取り込みする。データは最短翌日に反映される。

  • 規定違反の自動チェック
    会社の経費規定を事前設定し、違反申請に自動アラートを表示する。不正やミスを未然に防ぐ仕組み。



【関連記事】
【徹底解説】Concur Expenseとは?価格・機能から使い方までわかりやすく紹介

Concur Travel(出張管理)

concur travel
出典:SAP Concur|Concur Travel

Concur Travelは、出張の申請・手配・精算をワンストップで完結させるソリューションです。出張者は会社の出張規定に準拠した選択肢から最適なプランを予約でき、出張コストの可視化とガバナンス強化を同時に実現します。

【関連記事】
Concur Travelとは?出張管理のコスト削減と危機管理を実現する機能、価格を解説

Concur Invoice(請求書管理)

concur invoiceのサービス画像
出典:SAP Concur|Concur Invoice

Concur Invoiceは、請求書の受領から承認・支払・会計連携までをデジタル化するソリューションです。紙やPDFで届く請求書を電子データとして取り込み、承認ワークフローと支払処理を自動化します。請求書の紛失リスクや支払い遅延を防ぎ、月次決算の早期化に貢献します。

【関連記事】
Concur Invoiceとは?インボイス制度・電帳法への対応と機能を徹底解説

2026年のSAP Concur AI新機能

SAP Concurは、SAP Business AIの一環としてAI機能の強化を進めています。2026年初頭から提供が始まった主な機能は以下のとおりです。

  • 領収書分析エージェント
    ExpenseItに地図やベンダーデータベース、旅行日程の文脈情報を組み合わせ、欠落フィールドを自動入力する。経費タイプの推測と異常検出により入力精度が向上する。

  • AI生成領収書チェッカー
    AI不正検知サービスVerifyの拡張機能。生成AIで作成された偽造領収書をメタデータとパターン分析で検出し、監査担当者に自動フラグ立てする。

  • 事前支出プランナー
    出張計画の詳細と企業ポリシーから、航空券・ホテル・日当の予想コストを自動推定する。渡航勧告も提示され、出張前のコスト判断を支援する。



これらのAI機能は、SAP Jouleを通じた自然言語での経費レポート操作にも対応しています。


SAP Concur導入のメリット

経費精算の手作業や法令対応に課題を抱える企業にとって、SAP Concurの導入効果は業務効率化だけにとどまりません。ここでは代表的な4つのメリットを整理します。

SAP Concurによる業務効率化とペーパーレス化

手入力・紙の確認作業がなくなり、申請から精算までの時間が大幅に短縮されます。スマートフォンやPCからいつでも申請・承認できるため、リモートワークとの親和性も高い構成です。

後述の導入事例では、経費精算の8割以上を省略化し、他部門の月間工数を20時間削減した企業もあります。

SAP Concurによるガバナンス強化と不正防止

経費規定の自動チェックに加え、AIサービスVerifyが過去の申請パターンから逸脱した申請を自動検出します。すべての申請データが一元管理され監査ログも自動記録されるため、二重申請や私的利用を防ぐ体制を構築できます。

SAP Concurによる電子帳簿保存法・インボイス制度への対応

「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得しており、電子帳簿保存法の要件を満たす運用を標準機能で実現できます。インボイス制度の事業者番号確認や税区分の自動検証にも対応しており、法改正への追随はクラウド側の定期更新で自動的に行われます。

SAP Concurによる経費データの可視化とコスト最適化

全社の経費データがリアルタイムに集約されるため、部門別・費目別の支出をダッシュボードで把握できます。無駄な支出の特定や月次トレンドの分析が容易になり、データに基づくコスト削減と経営判断の迅速化を実現します。


SAP Concur導入前の注意点

メリットの多いSAP Concurですが、導入後のミスマッチを防ぐために以下の点を事前に確認しておく必要があります。

  • 料金体系の確認
    利用する従業員数・レポート数・ソリューション構成によって料金が変動する。自社の利用規模を整理したうえで見積もりを取ることが重要。

  • 初期設定と定着の工数
    多機能なシステムであるため、経費規定や承認フローの初期設定には一定の工数がかかる。段階的な社内展開とトレーニングの計画が不可欠。

  • カスタマイズの制約
    クラウドサービスのため、自社独自の業務フローに完全に合わせた改修は困難。既存フローをシステム側に寄せる視点も求められる。


SAP Concurの料金体系

SAP Concurの料金は、企業規模と利用するソリューションに応じて複数のプランが用意されています。ここでは経費精算(Concur Expense)の代表的な2プランを比較します。

以下の表で、StandardとProfessionalの違いを整理しました。

項目 Concur Expense Standard Concur Expense Professional
対象企業規模 中小企業 中堅・大企業
月額費用 29,000円〜(50ユーザー単位) 個別見積り
初期費用 0円 個別見積り
課金モデル ユーザー数ベース ユーザー数またはレポート数ベース
主な特徴 基本機能をパッケージ化。短期間で導入可能 複雑な経費規定・外部システム連携など高度な要件に対応

2026年2月時点



ここで注目すべきは、Standardが月額29,000円・初期費用0円で提供されている点です。50ユーザー単位の契約のため、1ユーザーあたり約580円から利用を開始できます。

一方、Professionalは複雑な承認フローや外部システム連携が必要な企業向けで、要件に応じた個別見積りです。Concur TravelやConcur Invoiceを組み合わせる場合は追加費用が発生するため、自社の要件をまとめたうえで公式サイトまたは導入パートナーに問い合わせることを推奨します。


SAP Concurの導入事例

実際にSAP Concurを導入した企業の成果を3件紹介します。いずれもSAP Concur公式サイトに掲載されている事例です。

SAP Concurで経理業務を効率化:学研プロダクツサポート

学研プロダクツサポート
参考/出典:導入事例・株式会社学研プロダクツサポート

経費精算・請求書処理の効率化と法令対応を目的に、2023年にSAP Concurを導入しました。外部委託費用の削減や経理部門の人員最適化が実現し、グループ企業全体でのペーパーレス化にもつながっています。

以下が主な導入成果です。

  • 外部委託チェック業務の作業量を約40%削減
  • 経費精算の8割以上を省略化
  • 報告業務の自動化により他部門の月間工数を20時間削減

SAP Concurで請求書処理を1/4に短縮:味の素フィナンシャル・ソリューションズ

味の素
参考/出典:導入事例・味の素フィナンシャル・ソリューションズ

Concur Invoiceをグループ9社に一斉導入し、請求書処理の標準化を実施しました。1件あたり約20分かかっていた処理を約5分に短縮し、BPO委託料の大幅削減を達成しています。

以下が主な導入成果です。

  • 請求書処理時間を1件あたり約5分に短縮
  • BPO委託料の大幅削減
  • グループ9社へのインボイス制度一斉対応を実現

SAP Concurで国内30社の経費精算を標準化:村田製作所

村田製作所
参考/出典:導入事例・村田製作所

2024年にSAP Concurを導入し、村田製作所本体と国内29のグループ会社でConcur Expense・Invoice・Travelの3ソリューションを展開しました。国内グループ全社の経費精算プロセスを統一しています。

以下が主な導入成果です。

  • 国内30社の経費精算プロセスを標準化
  • 経費精算システムをSAP Concurに一本化
  • Concur Travelによる購買コントロールを実施

まとめ

SAP Concurは、経費精算・出張管理・請求書処理を統合し、間接業務全体をデジタル化するクラウドプラットフォームです。

本記事のポイントを整理します。

  • ERPの世界的リーダーであるSAPグループのソリューションであり、経費・出張管理クラウド市場でグローバルトップシェアを維持
  • Concur Expense・Travel・Invoiceの3製品が連携し、申請から精算・会計連携までを自動化
  • 2026年にはAI生成領収書チェッカーや事前支出プランナーなど、新しいAI機能が追加
  • Concur Expense Standardは月額29,000円〜・初期費用0円で中小企業にも手が届く価格帯



導入を検討する場合は、まず自社の業務フローと課題を整理し、公式サイトからデモや見積もりを依頼するのが第一歩です。SAP導入の全体像を押さえたうえで、経験豊富な導入パートナーと連携して進めることで、効果を最大化できます。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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