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Concur Invoiceとは?インボイス制度・電帳法への対応と機能を徹底解説

この記事のポイント

  • Concur Invoiceは、請求書の受領からデータ化、承認ワークフロー、支払処理、保管までを一元管理し、高度な自動化を実現するクラウドソリューションです。
  • 多様な形式の請求書(紙、PDF、電子インボイス)に対応し、AI-OCRやAPI連携を活用して効率的にデータ化します。
  • インボイス制度・電子帳簿保存法への対応機能を標準で備え、法改正への対応負担を大幅に軽減します。
  • 導入により、請求書処理業務の生産性向上、ガバナンス強化、月次決算の早期化など、多くのメリットが得られます。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

経理部門にとって、請求書の処理は時間と手間がかかるだけでなく、ミスが許されない重要な業務です。紙やPDFといった様々な形式で届く請求書の手入力、承認プロセスの遅延、そして支払い漏れや二重支払いといったリスクは、多くの企業が抱える共通の悩みではないでしょうか。さらに近年では、インボイス制度や電子帳簿保存法といった複雑な法改正への対応も、大きな負担となっています。
この記事では、これらの課題を根本から解決し、請求書処理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するクラウドソリューション「Concur Invoice」に焦点を当てて解説します。この記事を最後まで読めば、Concur Invoiceの具体的な機能から、最重要課題である法改正への対応方法、そして導入によって得られるメリットまで、その全てを深く理解できるはずです。

目次

Concur Invoiceとは?請求書処理を高度に自動化するクラウドシステム

Concur Invoiceが解決する、経理部門の4つの深刻な課題

課題1:紙やPDFなど、多様な形式の請求書の手入力とそれに伴うミス

課題2:目視による承認・確認作業の限界と、支払い漏れ・二重支払いのリスク

課題3:アナログな承認プロセスによる月次決算の遅延

課題4:複雑化するインボイス制度・電子帳簿保存法への対応

多様な受取方法に対応|請求書データ化の仕組み

1. 紙の請求書:スキャン代行サービスとAI-OCR

2. PDF請求書:メール連携とAI-OCR

3. 電子インボイス:各種サービスとの連携とPeppol対応

【最重要】Concur Invoiceのインボイス制度・電子帳簿保存法への対応

インボイス制度への対応

電子帳簿保存法への対応

Concur Invoiceの導入メリット

メリット1:請求書処理業務の圧倒的な生産性向上

メリット2:ペーパーレス化とリモートワークの推進

メリット3:ガバナンス強化(不正防止・支払い統制)

メリット4:月次決算の早期化と経営判断の迅速化

Concur Invoiceの料金体系

Standard版(中小企業向け)とProfessional版(中堅・大企業向け)

料金を決定する主な要素

Concur Invoiceの導入事例

経費利用の全体把握と分析が可能に:旭化成株式会社

領収書にかかる処理時間が50%削減:アットホーム株式会社

ペーパー・入力レスで年間2万4千時間分の工数削減:日清食品ホールディングス株式会社

まとめ:請求書処理のDXで「戦略的経理」へ

Concur Invoiceとは?請求書処理を高度に自動化するクラウドシステム

Concur Invoiceは、世界トップクラスのシェアを誇る出張・経費管理クラウド「SAP Concur」のプラットフォーム上で、請求書の受領からデータ化、承認ワークフロー、支払処理、そして保管までを一元的に管理し、高度な自動化を実現するソリューションです。

▼SAP Concurについては下記で詳しく解説しています▼
【2025年最新】SAP Concurとは?機能・料金・導入事例を徹底解説

Concur Invoiceとは
出典SAP Concur|Concur Invoice

経費精算を担う「Concur Expense」とシームレスに連携することで、従業員の経費から取引先への支払いまで、企業におけるあらゆる間接費管理を統合的に最適化し、ガバナンス強化と業務効率化を両立させます。

SAP Concurには「Expense」「Travel」「Invoice」の3つの主要なソリューションが含まれていますが、ここでは請求書管理を担う「Invoice」について詳しく解説していきます。

Concur Expense、Concur Travelについては下記で詳しく解説しているので気になる方はこちらもご覧ください。

▼出張(旅費)管理を担う「Concur Travel」▼
Concur Travelとは?出張管理のコスト削減と危機管理を実現する機能、価格を解説

▼経費精算管理を担う「Concur Expense」▼
【徹底解説】Concur Expenseとは?価格・機能から使い方までわかりやすく紹介

Concur Invoiceが解決する、経理部門の4つの深刻な課題

Concur Invoiceは、多くの経理部門が直面する、以下のような根深い課題を解決するために設計されています。

  • 紙やPDFなど、多様な形式の請求書の手入力とそれに伴うミス
  • 目視による承認・確認作業の限界と、支払い漏れ・二重支払いのリスク
  • アナログな承認プロセスによる月次決算の遅延
  • 複雑化するインボイス制度・電子帳簿保存法への対応

それぞれ詳しく見ていきましょう。

課題1:紙やPDFなど、多様な形式の請求書の手入力とそれに伴うミス

請求書は、企業によって様々な形式で届くため、担当者が手作業で会計システムに入力せざるを得ず、時間がかかる上に人為的ミスが発生しやすい状況を生んでいます。

Concur Invoiceなら、紙の請求書はBPOパートナーのスキャン代行サービスやAI-OCRで自動データ化でき、PDF請求書は専用メールアドレスへの送付で自動取り込み、電子インボイスはAPI連携で直接取得できます。
多様な形式の請求書が一元的に処理され、手入力とそれに伴うミスが大幅に削減されます。

課題2:目視による承認・確認作業の限界と、支払い漏れ・二重支払いのリスク

過去の支払い履歴との照合や、発注内容との突合を目視で行うには限界があり、支払い漏れや意図しない二重支払いといった重大なリスクが常に存在します。

こうした課題に対して、Concur Invoiceは3点照合(請求書・発注書・納品書の照合)を自動で実行し、不一致やリスク項目を自動検出します。支払い前のチェック機能により、うっかりした支払いミスや不正な支払いを未然に防ぎ、内部統制を強化できます。

課題3:アナログな承認プロセスによる月次決算の遅延

紙の請求書を回覧する承認プロセスでは、担当者の不在などで支払いが遅延してしまうこともあり、これは月次決算を遅らせる大きな要因の一つとなります。

デジタル化されたConcur Invoiceの承認ワークフローなら、承認者がどこにいてもいつでもスマートフォンやPCから確認・承認が可能です。承認の進捗状況はリアルタイムに可視化され、不在による遅延も回避でき、月次決算の早期化に貢献します。

課題4:複雑化するインボイス制度・電子帳簿保存法への対応

インボイス制度(適格請求書等保存方式)で求められる事業者番号の確認や、電子帳簿保存法で定められた電子取引データの保存要件など、法改正への対応業務が経理部門の負担を増大させています。

Concur Invoiceは、JIIMA「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得し、インボイス制度における事業者番号の監査ルール機能や税区分の自動チェック、電子取引データの保存要件への対応が標準機能で実装されています。法改正への対応も定期的なアップデートで自動的に対応され、経理部門の法令対応の負担が大幅に軽減されます。


多様な受取方法に対応|請求書データ化の仕組み

Concur Invoiceは、取引先から届く様々な形式の請求書に対応し、効率的にデータ化する仕組みを持っています。自社の状況や取引先の形態に合わせて、最適な方法を選択することが可能です。

1. 紙の請求書:スキャン代行サービスとAI-OCR

紙で受け取った請求書は、コンカーの提携するBPOパートナーに送付するだけで、スキャンからデータ入力までを代行してもらうことが可能です。また、自社でスキャンした請求書画像をアップロードし、搭載されたAI-OCR機能で高精度にデータ化することもできます。

2. PDF請求書:メール連携とAI-OCR

PDF形式の請求書は、専用のメールアドレスに送付するだけでConcur Invoiceに自動で取り込まれます。取り込まれたPDFはAI-OCRによって解析され、支払先や金額、日付などの情報が自動で抽出・入力されます。

3. 電子インボイス:各種サービスとの連携とPeppol対応

すでに多くの取引先が利用している電子請求書サービスとAPI連携することで、請求書データを直接Concur Invoiceに取り込めます。また、デジタルインボイスの国際標準規格である「Peppol(ペポル)」にも対応しており、将来的なインボイスの完全デジタル化も見据えた運用が可能です。


【最重要】Concur Invoiceのインボイス制度・電子帳簿保存法への対応

制度対応は、請求書管理システムを選定する上で最も重要なポイントの一つです。Concur Invoiceが、複雑な法的要件にどのように対応しているのかを具体的に解説します。

インボイス制度への対応

Concur Invoiceは、インボイス制度に求められる煩雑な確認作業を、監査ルール機能などを活用して効率化します。

  • 適格請求書発行事業者番号の管理
    AI-OCRで請求書から読み取った事業者番号をシステムに登録・管理します。監査ルール機能や外部サービスとの連携により、登録済み番号との照合や有効性の検証を効率的に行う運用を構築できます。

  • 税区分の検証・アラート機能
    請求書に記載された税率ごとの合計金額や消費税額に対し、監査ルールを設定することで、計上内容の妥当性をシステムがチェックし、疑義のあるものにアラートを表示させることが可能です。

電子帳簿保存法への対応

Concur Invoiceは、電子帳簿保存法の法的要件を満たすための機能を標準で備えています。

  • JIIMA「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」の取得
    公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得しており、紙の請求書を電子化して保存する際の法的要件を遵守した運用を安心して構築できます。

  • 電子取引データの保存要件への対応
    電子取引データの保存で求められる「取引年月日・取引金額・取引先」での検索機能を確保しています。また、訂正削除の履歴が残るシステム仕様や、要件に応じたタイムスタンプの活用などで、データの真実性を担保します。


Concur Invoiceの導入メリット

Concur Invoiceを導入することで企業が得られる具体的なメリットを、生産性向上から経営判断の迅速化まで、4つの視点で解説します。

メリット1:請求書処理業務の圧倒的な生産性向上

手入力や目視確認といった手作業を極限まで削減し、経理部門の業務時間を大幅に短縮します。

特に月間の請求書処理枚数が多い企業では、1件あたり平均20分かかっていた処理が5分程度に短縮されるケースも報告されており、経理スタッフが本来行うべき経営分析やコスト管理といった高付加価値業務にリソースを割くことが可能になります。

メリット2:ペーパーレス化とリモートワークの推進

請求書処理のために出社する必要がなくなり、ペーパーレス化と経理部門のリモートワークを後押しします。

紙の保管スペースの削減や請求書の紛失リスク排除といった物理的なメリットだけでなく、承認者や経理担当者がどこからでも処理を進められるため、働き方の多様性を実現し、生産性と従業員満足度の両方を向上させることができます。

メリット3:ガバナンス強化(不正防止・支払い統制)

3点照合や規定チェックの自動化により、不正な支払いや支払いミスを未然に防ぎ、内部統制を強化します。

システムが自動で検出した異常項目に対しては即座にアラートが表示されるため、人的判断に頼る場合と比べて格段に厳密な審査が実現でき、社内の信頼性維持と監査対応の円滑化にも直結します。

メリット4:月次決算の早期化と経営判断の迅速化

支払プロセスが迅速化・可視化されることで、買掛金の残高を正確かつリアルタイムに把握でき、月次決算の早期化に貢献します。

経営層が月初数日で前月の財務状況を正確に把握できるようになるため、市場環境の変化に素早く対応し、戦略的な経営判断を迅速に実行することが可能になります。


Concur Invoiceの料金体系

Concur Invoiceの料金について解説します。企業の規模や利用状況に応じたプランが用意されており、基本的には個別見積もりとなります。

Standard版(中小企業向け)とProfessional版(中堅・大企業向け)

Concur Invoiceには、中小企業向けに基本機能をパッケージ化した「Standard版」と、複雑な要件に対応できる「Professional版」があります。自社の規模や必要な機能に応じて選択が可能です。

料金を決定する主な要素

料金は、月間の請求書処理枚数や利用ユーザー数、連携する会計システムの数など、複数の要素によって決まります。そのため、正確な費用を知るには、公式サイトやパートナーへの問い合わせと見積もりの取得が必要です。


Concur Invoiceの導入事例

実際にConcur Invoiceを導入した企業が、どのような効果を実感しているのか具体的な事例を見ていきましょう。

経費利用の全体把握と分析が可能に:旭化成株式会社

AsahiKASEI

参考/出典:導入事例・旭化成株式会社

SAP Concurの導入と共に、ソリューションに関するユーザーからの問い合わせ対応を専門のサポートデスクが行う「User Support Desk」と、Intelligenceを使ったデータ活用をトータルで支援するデータ分析コンサルティングサービス「Reporting Service」も導入。社内教育のコスト低減と業務スピード向上に寄与しています。

導入成果

  • 設定や運用など企業独自のルールに合わせた問い合わせ対応が可能
  • USDの導入により、SAP Concurや法改正による変更に合わせた教育コストや工数が不要
  • データを活用した利用状況の把握、KPIモニタリング、不正検知への対応が可能

領収書にかかる処理時間が50%削減:アットホーム株式会社

at home

参考/出典:導入事例・アットホーム株式会社

2023年10月より、Concur® ExpenseやConcur InvoiceなどのSAP Concurソリューションを利用しています。「経理業務のオール電子化」と「『承認レス』の実現」などを背景に導入し領収書にかかる処理時間が50%削減するなど業務負荷の削減に寄与しています。

導入成果

  • 月間約1万枚ある駐車場代の領収書の処理時間が50%削減
  • 請求書に必要な仕訳データを会計システムに取り込み、仕訳入力時間が1/2に削減
  • 紙の帳票出力を廃止し、ペーパーレス化を実現
  • Intelligence 分析レポートによるデータの可視化とスピーディーな共有が実現

ペーパー・入力レスで年間2万4千時間分の工数削減:日清食品ホールディングス株式会社

Nissin

参考/出典:導入事例・日清食品ホールディング株式会社

「NBX(NISSIN Business Transformation)」において財務DXを実践するため、SAP® Concur® を導入。既存会計システムと連携した請求書処理やモバイルを使った経費精算の体制を構築し、ペーパーレス化、入力レス化を推進した。これにより、同社では年間約9万枚の書類削減、年間約2万4千時間の工数削減を実現している。

導入成果

  • ペーパーレス化により請求書を70%以上削減
  • 年間2万4千時間の工数削減
  • 効率的な申請業務が確立し、経費精算でも事前の想定を上回る工数削減

まとめ:請求書処理のDXで「戦略的経理」へ

本記事では、Concur Invoiceの機能から、最重要課題であるインボイス制度・電子帳簿保存法への対応、そして導入メリットまでを網羅的に解説しました。

Concur Invoiceは、単に請求書処理を効率化するだけのツールではありません。手作業から経理部門を解放し、ガバナンスを強化し、蓄積されたデータを経営に活かすことで、経理部門をより付加価値の高い業務に集中できる「戦略的経理」へと変革させる力を持っています。

もし、請求書処理の非効率さや法改正への対応に課題を感じているなら、この機会にConcur Invoiceがどのように活用できるか、具体的な検討を始めてみましょう。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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