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Concur Travelとは?出張管理のコスト削減と危機管理を実現する機能、価格を解説

この記事のポイント

  • Concur Travelは、出張の「手配」と「管理」を担う中核的なソリューションであり、経費精算を担うConcur Expenseと完全に連携している点が最大の特徴です。
  • 主要機能には、オンライン予約機能(OBT)、申請・精算プロセスとの完全連携、そして危機管理機能が含まれ、出張管理の3大課題を解決します。
  • 導入により、出張コストの可視化と削減、ガバナンス強化、生産性向上、そして従業員の安全確保(Duty of Care)を実現します。
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

多くの企業にとって、出張は事業成長に不可欠な活動です。しかしその裏側では、「出張費が高止まりしている」「従業員が出張規定を守らない」「誰がどこに出張しているか分からず、有事の際の安否確認ができない」といった、コスト、ガバナンス、そして危機管理の面で深刻な課題を抱えているケースが少なくありません。
この記事では、これらの課題を根本から解決するために設計された出張管理ソリューション「Concur Travel」に焦点を当てて解説します。この記事を最後まで読めば、Concur Travelが持つ核心機能から、導入によって得られる具体的なメリット、そして企業の成長をいかに支えるかまで、その全てを深く理解できるはずです。

Concur Travelとは?出張管理に特化したクラウドシステム

Concur Travelは、世界トップクラスのシェアを誇る出張・経費管理クラウド「SAP Concur」のプラットフォーム上で、出張の「手配」と「管理」を担う中核的なソリューションです。

▼SAP Concurについては下記で詳しく解説しています▼
【2025年最新】SAP Concurとは?機能・料金・導入事例を徹底解説

Concur Travelとは
出典:SAP Concur|Concur Travel

最大の特徴は、経費精算を担う「Concur Expense」とデータが完全に連携している点にあります。これにより、出張の事前申請から、航空券・宿泊先の手配、そして出張後の経費精算まで、これまで分断されがちだったプロセス全体をシームレスに繋ぎ、自動化することが可能になります。

SAP Concurには「Expense」「Travel」「Invoice」の3つの主要なソリューションが含まれていますが、ここでは出張(旅費)管理を担う「Travel」について詳しく解説していきます。

Concur Expense、Concur Invoiceについては下記で詳しく解説しているので気になる方はこちらもご覧ください。

▼請求書管理を担う「Concur Invoice」▼
Concur Invoiceとは?インボイス制度・電帳法への対応と機能を徹底解説

▼経費精算管理を担う「Concur Expense」▼
【徹底解説】Concur Expenseとは?価格・機能から使い方までわかりやすく紹介

3つの経営課題|なぜ今、出張管理システムが必要なのか?

Excelやメールでの出張申請や、従業員が各自で予約サイトを使うといった従来の管理方法では、対応しきれなくなってきている3つの経営課題が存在します。

課題1:個々の従業員による予約が横行し、出張規定が守られずコストが増大する

従業員が自由に予約サイトで手配を行うと、会社が推奨する安価なプランや法人契約が利用されず、出張規定も形骸化しがちです。結果として、見えないコストが積み重なっていきます。

課題2:出張申請と手配、精算が分断され、申請者・承認者・経理部門の全員に非効率な手作業が発生する

申請、手配、精算が別々のツールで行われると、同じような情報を何度も入力する手間が発生します。また、経理部門は領収書と申請内容の突合に多くの時間を費やすことになります。

課題3:災害や事件発生時、どこにどの従業員が出張しているのかを即座に把握できず、安全配慮義務(Duty of Care)を果たせない

テロや自然災害、感染症のパンデミックなど、予期せぬ事態が発生した際に、自社の従業員がどこにいるのかを即座に把握できなければ、迅速な安否確認や避難指示が出せません。これは、企業が従業員に対して負うべき「安全配慮義務」を怠るリスクに直結します。


Concur Travelの主要機能|出張管理の課題を解決する仕組み

ConcurTravelのアイキャッチ画像
出典:Concur Travel

前章で挙げた3つの経営課題が、Concur Travelの機能によってどのように解決できるのかをそれぞれ解説します。

【コストと規定違反の課題を解決】オンライン予約機能(OBT)

Concur Travelは、法人向けのオンライン予約ツール(Online Booking Tool)として機能し、コストと規定遵守の問題を解決します。

出張規定に準拠した航空券・ホテル・鉄道を検索・表示
事前に自社の出張規定(利用可能な航空会社、宿泊費の上限など)をシステムに設定すると、従業員が予約する際には、その規定に準拠した選択肢が表示されます。これにより、従業員は迷うことなく規定内の手配が可能になります。

規定違反の予約に対するアラート表示と承認プロセスの設定
やむを得ず規定外の予約をしようとした場合には、本人と承認者の双方にアラートが表示されます。なぜ規定外の選択をしたのか理由の入力を必須にするなど、柔軟な承認プロセスを設定することも可能です。

【非効率な手作業の課題を解決】申請・精算プロセスとの完全連携

出張前後の手作業をなくし、プロセス全体を効率化します。

事前の出張申請情報と、予約内容の自動連携
出張申請が承認されると、その情報(日程、目的地など)が予約画面に自動で引き継がれ、従業員はスムーズに手配を進められます。

Concur Expenseへの予約データの自動連携による、精算申請の手間削減
Concur Travelで予約した航空券やホテルのデータは、経費精算システムであるConcur Expenseに自動で連携されます。出張者は帰国後、領収書を見ながら手入力する必要がなくなり、経費精算の手間が大幅に削減されます。

【従業員の安全確保の課題を解決】危機管理機能

従業員の安全を守るための、高度な危機管理機能を提供します。

Concur Risk Messagingなどを通じた出張者の所在把握
「Concur Risk Messaging」などの機能を通じて、予約情報や旅程データを基に出張者の所在を把握し、管理画面のマップ上に表示します。これにより、どの国のどの都市に従業員がいるのかを可視化できます。

安否確認や緊急連絡の仕組みを提供
災害などの有事の際には、特定の地域にいる出張者をリストアップし、安否確認や緊急連絡を行う仕組みを提供します。また、提携する専門の危機管理サービスと連携することで、世界中のリスク情報を収集し、影響を受ける可能性のある出張者に自動で注意喚起を行うなど、安全確保を支援します。


Concur Travel導入のメリット

Concur Travelの導入によって企業が得られる具体的なメリットを、コスト削減から従業員の安全確保まで、4つの視点で解説します。

  • 出張コストの可視化と削減
  • 出張規定の遵守によるガバナンス強化
  • 出張者と管理部門双方の生産性向上
  • 従業員の安全確保(Duty of Care)の実現

それぞれ具体的に見ていきましょう。

メリット1:出張コストの可視化と削減

全従業員の予約が一元管理されることで、出張費の全体像がリアルタイムに可視化されます。

これまで個別の出張申請では見えなかった企業全体の出張パターンや費用傾向を分析することで、例えば「特定の路線の航空会社を統一する」「ホテルのランクを制限する」といった具体的なコスト削減施策を立案できるようになります。出張規定の遵守が徹底されるため、規定外の高額予約が減少し、実際の導入企業では10~20%程度のコスト削減が期待できます。

メリット2:出張規定の遵守によるガバナンス強化

システムによって出張規定の遵守が徹底されるため、不適切な予約や不正精算を抑止し、企業全体のガバナンスを強化します。

従業員が意図的に、あるいは無意識のうちに規定を超過する予約をしようとした場合には即座にアラートが表示されるため、ルール違反を未然に防ぐことができます。これにより、監査対応時の複雑な照合作業が削減され、企業としてのコンプライアンス体制が強化されます。

メリット3:出張者と管理部門双方の生産性向上

出張者は申請から手配・精算までの手間が大幅に削減され、本来の業務に集中できます。

従来であれば、複数のサイトで料金比較し、複数の書類を記入し、帰国後に領収書を整理して再度入力する手間が必要でしたが、Concur Travelではこれらが大幅に自動化されます。管理者や経理部門も承認やチェック業務の負荷が軽減され、それぞれが本来力を注ぐべき業務へのリソース配分が可能になります。

メリット4:従業員の安全確保(Duty of Care)の実現

従業員の所在地を把握し、有事の際に迅速なコミュニケーションが可能になることで、企業としての安全配慮義務を高いレベルで果たせるようになります。

テロ情報や自然災害、感染症のパンデミックといった予期せぬ事態が発生した時、システムは該当地域への出張者を即座にリストアップし、安否確認や避難指示を迅速に実行できます。これは、従業員の生命を守るだけでなく、企業の法的責任を果たすうえでも極めて重要です。


Concur Travelの料金プラン

Concur Travelの料金について解説します。Concur Expenseなど他のソリューションと組み合わせて導入されることが多く、企業の利用状況によって変動するため、基本的には個別見積もりとなります。

料金を決定する主な要素

料金は、主に以下の要素によって決まります。

  • 利用する従業員数
  • 月間の予約・出張件数
  • 連携する旅行代理店(TMC)や危機管理サービスの有無など

詳細な料金は問い合わせが必要

上記のように、料金は企業の個別要件によって大きく異なるため、公式サイトで料金表は公開されていません。正確な費用を知るには、公式サイトやパートナーへの問い合わせと見積もりの取得が必要です。

なお、一部の海外比較サイトでは「1レポートあたり9ドル」といった参考値が示される場合がありますが、これらは公式価格ではなく、契約内容によって変動するため注意が必要です。


Concur Travelの導入事例

実際にConcur Travelを導入した企業が、どのような課題を持ち、どう解決したのかを具体的な事例で紹介します。

出張データの可視化で危機管理:横河電機株式会社

横河電機株式会社

参考/出典:導入事例・横河電機株式会社

出張先の情報や万一の災害時などに出張者の行動を把握するためにConcur Travel を導入しました。出張管理業務を高度化したことで、関連部署ともシームレスに連携し、出張者の安心・安全・快適な出張を実現しました。

導入成果

  • 移動の手段や滞在先を集中手配することで約2千万円のコスト削減
  • Intelligenceを活用し分析が可能
  • 個人立替を減らし法人カードの利用促進

トータルソリューションで業務効率化を実現:東京応化工業株式会社

東京応化工業株式会社

参考/出典:導入事例・東京応化工業株式会社

アフターコロナを見据えて海外出張管理にConcur Travelを導入しました。これまで手入力に頼っていた経費精算も、法人カードや複合機による領収書の読み取り機能と連携し、徹底した入力レスを図ることで、申請者の工数を削減しました。

導入成果

  • 旅費規程に遵守した入力、および入力ミス防止の仕組み作りが可能
  • 経費実績データの可視化によるコスト最適化
  • 承認者や管理部門の業務負荷軽減

経費精算・出張手配の負荷とコストを削減:オリンパス株式会社

オリンパス株式会社

参考/出典:導入事例・オリンパス株式会社

経費精算のみでなく航空券手配を含めた多様なサービスを展開しているため経費精算システムとしてSAP Concurを導入しました。SAP Concurのベストプラクティスに合わせ、運用を見直す機会を得たことで、経費精算、出張手配業務の負荷やコストを削減が実現しました。

導入成果

  • 航空券単価が導入前と比べ18%減少
  • 海外出張の一元管理が可能
  • 安全面とコスト面双方を担保

まとめ:出張管理をコストセンターから戦略的部門へ

本記事では、Concur Travelの機能から導入メリット、そして実際の導入事例までを網羅的に解説しました。

Concur Travelは、単なる出張手配を効率化するツールではありません。出張に関わるコスト、ガバナンス、そして最も重要な「従業員の安全」という経営課題をテクノロジーで解決する、戦略的なプラットフォームです。

出張管理のあり方を見直すことは、コストセンターと見なされがちだった管理部門が、企業の成長と従業員の安全を支える戦略的部門へと進化する第一歩となるでしょう。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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