この記事のポイント
Concur TravelはSAP Concurプラットフォーム上で出張の手配と管理を担うクラウドソリューション。Concur Expenseとデータ連携し、申請から精算まで自動化する。
オンライン予約機能(OBT)で出張規定に準拠した手配を実現し、規定外予約にはアラートを表示してガバナンスを強化する。
危機管理機能(Concur Risk Messaging)により出張者の所在を把握し、有事の安否確認・緊急連絡を迅速に行える。
導入事例では約2千万円のコスト削減や航空券単価18%減などの成果が報告されている。

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
出張は事業成長に不可欠な活動ですが、「出張費の高止まり」「規定違反の常態化」「有事の安否確認が困難」といった課題を抱える企業は少なくありません。
本記事では、これらの課題を解決する出張管理ソリューション「Concur Travel」について、主要機能・導入メリット・料金・導入事例まで体系的に解説します。
Concur Travelとは
Concur Travelは、SAP Concurプラットフォーム上で出張の手配と管理を担うクラウドソリューションです。
最大の特徴は、経費精算を担うConcur Expenseとデータが完全に連携している点です。出張の事前申請から航空券・宿泊先の手配、出張後の経費精算まで、これまで分断されがちだったプロセス全体をシームレスに自動化できます。
SAP Concurには「Expense」「Travel」「Invoice」の3つの主要ソリューションがあり、本記事では出張管理を担う「Travel」を詳しく解説します。請求書管理のConcur Invoiceもあわせてご覧ください。
Concur Travelの主要機能
Concur Travelは、出張管理における「コスト・規定違反」「手作業の非効率」「従業員の安全確保」の3つの課題を解決する機能を備えています。
Concur Travelのオンライン予約機能(OBT)
法人向けオンライン予約ツール(Online Booking Tool)として、コストと規定遵守の課題を解決します。
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出張規定に準拠した検索・表示
自社の出張規定(利用可能な航空会社、宿泊費上限など)をシステムに設定すると、従業員の予約時に規定内の選択肢が表示される。迷うことなく規定内の手配が可能になる。
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規定外予約へのアラートと承認
規定外の予約を行おうとした場合、本人と承認者にアラートが表示される。理由入力の必須化など、柔軟な承認プロセスを設定できる。
Concur Travelの申請・精算プロセス連携
出張前後の手作業をなくし、プロセス全体を効率化します。
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出張申請と予約の自動連携
出張申請が承認されると、日程・目的地などの情報が予約画面に自動で引き継がれ、スムーズに手配を進められる。
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Concur Expenseへの予約データ自動連携
Concur Travelで予約した航空券やホテルのデータがConcur Expenseに自動連携される。帰国後の手入力が不要になり、経費精算の手間が大幅に削減される。
Concur Travelの危機管理機能
従業員の安全を守るための高度な危機管理機能を提供します。
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出張者の所在把握
Concur Risk Messagingなどの機能により、予約情報・旅程データを基に出張者の所在を管理画面のマップ上に表示する。どの国のどの都市に従業員がいるかを可視化できる。
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安否確認・緊急連絡
有事の際には、特定地域にいる出張者をリストアップし、安否確認や緊急連絡を行える。提携する危機管理サービスと連携し、世界中のリスク情報を収集して影響を受ける出張者に自動で注意喚起する。
Concur Travel導入のメリット
Concur Travelの導入で得られる主な効果を整理します。
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出張コストの可視化と削減
全従業員の予約が一元管理され、出張費の全体像がリアルタイムに可視化される。費用傾向の分析により、航空会社の統一やホテルランクの制限といったコスト削減施策を立案できる。
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出張規定の遵守によるガバナンス強化
規定超過の予約には即座にアラートが表示され、ルール違反を未然に防止する。監査対応時の照合作業も削減され、コンプライアンス体制が強化される。
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出張者と管理部門の生産性向上
申請から手配・精算までの手間が大幅に自動化され、出張者は本来の業務に集中できる。承認者や経理部門の負荷も軽減される。
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従業員の安全確保(Duty of Care)
出張者の所在把握と有事の迅速なコミュニケーションにより、安全配慮義務を高いレベルで果たせる。テロ・自然災害・感染症発生時に該当地域の出張者を即座にリストアップし、安否確認・避難指示を実行できる。
Concur Travelの料金体系
Concur Travelの料金は、企業の利用状況に応じた個別見積りが基本です。
料金を決定する主な要素は以下のとおりです。
- 利用する従業員数
- 月間の予約・出張件数
- 連携する旅行代理店(TMC)や危機管理サービスの有無
Concur TravelはConcur Expenseなど他のソリューションと組み合わせて導入されることが多く、正確な費用は公式サイトまたは導入パートナーへの問い合わせが必要です。
Concur Travelの導入事例
実際にConcur Travelを導入した企業の成果を3件紹介します。
Concur Travelで出張データを可視化し危機管理を実現:横河電機

参考/出典:導入事例・横河電機株式会社
出張者の所在把握と災害時の行動管理を目的にConcur Travelを導入し、関連部署とのシームレスな連携体制を構築しました。
以下が主な導入成果です。
- 移動手段・滞在先の集中手配により約2千万円のコスト削減
- Intelligenceを活用したデータ分析が可能に
- 個人立替の削減と法人カード利用の促進
Concur Travelで業務効率化を実現:東京応化工業

参考/出典:導入事例・東京応化工業株式会社
アフターコロナを見据えた海外出張管理にConcur Travelを導入し、法人カードや複合機による領収書読み取り機能との連携で入力レスを実現しました。
以下が主な導入成果です。
- 旅費規程に準拠した入力と入力ミス防止の仕組みを構築
- 経費実績データの可視化によるコスト最適化
- 承認者・管理部門の業務負荷軽減
Concur Travelで出張コストを削減:オリンパス

参考/出典:導入事例・オリンパス株式会社
経費精算と航空券手配を一元化するためにSAP Concurを導入し、ベストプラクティスに合わせた運用見直しで業務負荷とコストの削減を実現しました。
以下が主な導入成果です。
- 航空券単価が導入前と比べ18%減少
- 海外出張の一元管理が可能に
- 安全面とコスト面の双方を担保
まとめ
Concur Travelは、出張の手配から管理・精算連携までを自動化するSAP Concurの出張管理ソリューションです。
本記事のポイントを整理します。
- オンライン予約機能(OBT)で出張規定に準拠した手配を実現し、コスト削減とガバナンス強化を同時に達成
- Concur Expenseとのデータ連携で申請から精算までの手作業を大幅に削減
- 危機管理機能により出張者の所在把握と有事の安否確認を迅速に実行
- 導入事例では約2千万円のコスト削減や航空券単価18%減を実現
出張管理の効率化やコスト削減に課題を感じている場合は、公式サイトから資料を請求し、自社の出張管理体制との適合を検討するのが第一歩です。








