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NVIDIA Agent Toolkitとは?主要機能や導入事例、料金を解説

この記事のポイント

  • LangChain・CrewAI・LlamaIndex・Semantic Kernel・Google ADK・Agno・AutoGen・Strandsなど主要フレームワークに対応し、移行不要で既存エージェントを統合可能
  • Nemotron推論モデル・AI-Qブループリント・OpenShellセキュリティランタイム・cuOpt最適化エンジンの4コンポーネント構成
  • MCP(Model Context Protocol)とA2A(Agent-to-Agent)の両プロトコルに対応し、異なるフレームワーク間のエージェント連携を実現
  • IQVIA(150以上のエージェント展開)・Salesforce・Box・Siemensなど17社のパートナーが採用
  • Apache 2.0ライセンスで無料利用可能、クラウド推論のみ従量課金が発生する料金構造
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


NVIDIA Agent Toolkitは、AIエージェントの構築・評価・最適化を統合的に支援するオープンソースライブラリです。
LangChain・CrewAI・LlamaIndex・Semantic Kernel・Google ADKをはじめとする主要フレームワークに対応し、既存のエージェントを移行なしでそのまま統合できます。

本記事では、GTC 2026で発表されたv1.5.0の全体像、Nemotron・AI-Q・OpenShell・cuOptの4つの主要コンポーネント、MCP/A2Aプロトコル対応、IQVIA・Salesforce・Siemensなどの導入事例、そして料金体系までを体系的に解説します。

NVIDIA Agent Toolkitとは?

NVIDIA Agent Toolkit(正式名称:NVIDIA NeMo Agent Toolkit)は、AIエージェントの構築・評価・最適化を統合的に支援するオープンソースライブラリです。2026年3月16日に開催されたGTC 2026で、Jensen Huang CEOが発表しました。

NVIDIA Agent Toolkitとは?


このツールキットの最大の特徴は「フレームワーク非依存」という設計思想です。LangChain、LlamaIndex、CrewAI、Microsoft Semantic Kernel、Google ADK、Agno、AutoGen、Strandsといった主要なAIエージェントフレームワークと並行して動作し、既存のエージェントを書き換えることなくそのまま統合できます。

企業がAIエージェントを開発する際に直面する「Day 2問題」、つまりエージェントをAPIとして公開する方法、本番環境での監視・評価の仕組み、セキュリティの担保といった運用フェーズの課題を解決するために設計されています。

ライセンスはApache 2.0で、商用利用を含めて無償で利用可能です。2026年3月12日にリリースされた最新バージョンはv1.5.0で、GitHubリポジトリのStars数は2,000を超えています。


NVIDIA Agent Toolkitの位置づけ

NVIDIAは2026年時点で、AIエージェント分野において複数のプロダクトを展開しています。Agent Toolkitはその中核に位置する開発基盤であり、他のコンポーネントと組み合わせてエンタープライズ向けのエージェントプラットフォームを構成します。

NVIDIA Agent Toolkitの位置づけ

Agent Toolkitのエコシステム内での位置づけを以下の表にまとめました。

コンポーネント 役割 関係性
NeMo Agent Toolkit エージェント開発・評価・最適化の統合ライブラリ エコシステムの中核
Nemotron エージェント推論に最適化されたオープンモデル群 GTC 2026で推奨された推論モデル
AI-Q Blueprint 企業データに接続するリサーチエージェントの参照実装 Agent Toolkit上に構築
OpenShell ポリシーベースのセキュリティランタイム Agent Toolkitと併用
NemoClaw OpenClaw向けのセキュリティプラグイン OpenShell上で動作
cuOpt GPU加速の組合せ最適化エンジン Agent Toolkitのスキルとして統合
NVIDIA Dynamo 推論インフラの最適化ランタイム Agent Toolkitと連携して推論を高速化


つまりAgent Toolkitは「AIエージェントを作る」部分を担い、Nemotronが「考える」、OpenShellが「守る」、cuOptが「最適化する」、Dynamoが「速くする」という役割分担になっています。

v1.5.0の新機能

2026年3月12日にリリースされたv1.5.0では、以下の機能が追加されています。

v1.5.0の新機能

  • Dynamo Runtime Intelligence
    推論リクエストにレイテンシ感度や期待出力長などのメタデータを付与し、Dynamoルーターが優先度に基づいてリクエストを最適に振り分ける機能。NeMo Agent ToolkitとDynamoの組み合わせにより、NVIDIA Hopper上でLlama 3.1モデルを実行した場合、最大4倍のTTFT(初回トークン生成時間)低減と1.5倍のスループット向上が確認されている

  • Agent Performance Primitives(APP)
    LangChain、CrewAI、Agnoなどのグラフベースのエージェントフレームワークを加速するプリミティブ群。並列実行、投機的分岐、ノードレベルの優先度ルーティングに対応

  • FastMCPワークフロー公開
    NeMo Agent Toolkit上で構築したワークフローをMCPサーバーとして公開できる機能。他のMCPクライアントからエージェントを呼び出せるようになる

  • LangSmithネイティブ統合
    LangChainのオブザーバビリティプラットフォームであるLangSmithとのネイティブ連携。LangChainが発表したNVIDIAとのエンタープライズ連携の一環

これらの機能はいずれもエージェントの「運用品質」を高めるためのものです。v1.5.0以前にもプロファイリングや評価機能は存在しましたが、推論インフラとの統合や標準プロトコルへの対応が大幅に強化されました。


NVIDIA Agent Toolkitの主要コンポーネント

Agent Toolkitのエコシステムは、推論モデル、リサーチブループリント、セキュリティランタイム、最適化エンジンの4つのコンポーネントで構成されています。それぞれが独立したオープンソースプロジェクトとして提供されており、必要に応じて組み合わせて利用できます。

NVIDIA Agent Toolkitの主要コンポーネント

Nemotron — エージェント推論に最適化されたモデル群

Nemotronは、NVIDIAが開発したオープンソースのLLMファミリーです。Agent Toolkit自体はモデルに依存しない設計ですが、GTC 2026の発表やAI-Qブループリントでは推奨モデルとして前面に打ち出されています。

Nemotron — エージェント推論に最適化されたモデル群

2026年3月時点のフラッグシップモデルはNemotron 3 Super 120Bで、主なスペックは以下のとおりです。

項目 仕様
総パラメータ数 120B
アクティブパラメータ数 12B(Mixture-of-Experts)
アーキテクチャ Mamba-2 + MoE + Attentionのハイブリッド
コンテキスト長 1,000,000トークン(ネイティブ)
推論速度 478トークン/秒(前世代比5倍以上)
学習データ 25兆トークン(NVFP4精度)
対応言語 英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、スペイン語、中国語
ライセンス オープンソース


120Bのパラメータを持ちながらアクティブパラメータは12Bに抑えたMoE(Mixture-of-Experts)アーキテクチャにより、推論コストとパフォーマンスのバランスが取られています。AI-Qブループリントではフロンティアモデルとの併用も可能で、複雑なオーケストレーションにはフロンティアモデル、リサーチタスクにはNemotronを使い分けることで、公式発表によるとクエリコストを50%以上削減しつつ精度を維持できるとされています。

AI-Q — エンタープライズデータに接続するリサーチブループリント

AI-Q(NVIDIA AI-Q Blueprint)は、企業データに接続してリサーチタスクを実行するエージェントの参照実装です。ERP、CRM、データウェアハウス、PDFなど複数のデータソースに対し、自動的に適切なソースを選択して分析を行います。

AI-Qの技術的な特徴を以下にまとめました。

AI-Q — エンタープライズデータに接続するリサーチブループリント

  • マルチモーダルデータ抽出
    テキスト、PDF、画像、テーブル、データベースなど多様なデータソースからの情報抽出に対応

  • ハイブリッドアーキテクチャ
    複雑なオーケストレーションにはフロンティアモデル、リサーチタスクにはNemotronオープンモデルを自動で使い分ける構成。コスト効率と精度の両立を図る

  • DeepResearch Benchで1位
    AI-Qのディープリサーチエージェントは、DeepResearch Bench I(スコア55.95)とII(スコア54.50)の両方で1位を獲得。22分野にわたるPhDレベルの研究タスクで最高精度を実証した

  • 3層マルチエージェント構成
    オーケストレーター(全体調整)、プランナー(調査計画の策定)、リサーチャー(並列の専門家チーム:事実収集・因果分析・比較分析・批判的検討・トレンド調査)の3層構成

AI-Qは「企業内のデータに対してAIが自律的にリサーチを行い、レポートを生成する」というユースケースの参照実装であり、そのままカスタマイズして自社のワークフローに組み込むことが想定されています。

OpenShell — ポリシーベースのセキュリティランタイム

OpenShellは、AIエージェントの実行環境にセキュリティ・ネットワーク・プライバシーのガードレールを適用するオープンソースのランタイムです。

OpenShell — ポリシーベースのセキュリティランタイム

具体的には、エージェントが実行できる操作をポリシーベースで制御し、認証なしの外部アクセスやファイルシステムへの無制限なアクセスを防止します。Cisco、CrowdStrike、Google、Microsoftなどのセキュリティベンダーとの互換性構築が進んでおり、既存のセキュリティスタックと統合して利用できる設計です。

NemoClawはこのOpenShell上で動作するプラグインであり、OpenClawエージェントのセキュリティ強化に特化しています。OpenShell自体はOpenClawに限らず、Agent Toolkit上で構築されたあらゆるエージェントに対してセキュリティ層を提供します。

【関連記事】
NVIDIA NemoClawとは?特徴や導入手順、料金を解説

cuOpt — GPU加速の組合せ最適化エンジン

cuOptは、NVIDIAが開発したGPU加速の意思決定最適化エンジンです。Agent Toolkitの「スキル」として統合されており、エージェントが自然言語で受けた指示を最適化問題として解くことを可能にします。

cuOpt — GPU加速の組合せ最適化エンジン

cuOptが対応する最適化問題は以下のとおりです。

問題タイプ 内容
混合整数計画法(MIP) 数十万変数規模の整数最適化
線形計画法(LP) 数百万変数・制約を持つ大規模LPを秒単位で解く
二次計画法(QP) 二次目的関数の最適化
配車問題(VRP) 車両ルーティング、サプライチェーン最適化


実務では、サプライチェーン最適化がcuOptの代表的なユースケースです。NVIDIAの技術ブログでは、NIMマイクロサービスとcuOptを組み合わせて、自然言語による指示からリアルタイムに配送ルートを最適化するAIエージェントの構築例が公開されています。


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NVIDIA Agent Toolkitの対応フレームワークとプロトコル

Agent Toolkitは「フレームワーク非依存」を設計原則としており、既存のエージェント開発環境にそのまま組み込めます。このセクションでは、対応フレームワークとプロトコルの詳細を整理します。

NVIDIA Agent Toolkitの対応フレームワークとプロトコル

対応フレームワーク

2026年3月時点で、Agent Toolkit v1.5.0は以下のフレームワークを公式にサポートしています。

対応フレームワーク

フレームワーク 用途 Agent Toolkitとの統合方法
LangChain LLMアプリケーション開発の汎用フレームワーク ネイティブ統合(LangSmith連携含む)
LlamaIndex データ検索・RAG特化のフレームワーク プラグイン統合
CrewAI マルチエージェントオーケストレーション プラグイン統合
Semantic Kernel Microsoft製のAIオーケストレーション プラグイン統合
Google ADK Googleのエージェント開発キット プラグイン統合
Agno 軽量マルチモーダルエージェント プラグイン統合
AutoGen Microsoft Research発のマルチエージェント プラグイン統合
Strands AWSのオープンソースエージェントSDK プラグイン統合


重要なのは、これらのフレームワークから「移行」する必要がない点です。Agent Toolkitは既存のフレームワークの上に追加のレイヤーとして機能し、プロファイリング・評価・セキュリティの機能を付加します。たとえばLangChainで構築したエージェントにAgent Toolkitを導入する場合、インストールは以下のコマンドで完了します。

pip install "nvidia-nat[langchain]"

既存のLangChainコードを書き換えることなく、Agent Toolkitのプロファイリングやオブザーバビリティ機能が利用できるようになります。

また、上記以外にもPythonで書かれたカスタムフレームワークやシンプルなPythonエージェントにも対応しており、NVIDIAの技術ブログではフレームワーク拡張の手順が公開されています。

MCP / A2Aプロトコル対応

Agent Toolkit v1.5.0は、エージェント間通信の2つの標準プロトコルに対応しています。

MCP A2Aプロトコル対応

  • MCP(Model Context Protocol)
    ツールとコンテキストの統合プロトコル。Agent Toolkitで構築したエージェントをMCPサーバーとして公開したり、外部のMCPツールをエージェントに統合したりできる。v1.5.0で追加されたFastMCPワークフロー公開機能により、ワークフロー全体をMCPサーバーとして外部に提供することも可能

  • A2A(Agent-to-Agent Protocol)
    Linux Foundation配下のオープン標準プロトコル。エージェント同士が相互に通信・タスク委譲する仕組みで、認証付きの分散エージェントチームの構築に対応。MCPがツールやコンテキストへのアクセスに使われるのに対し、A2Aは複雑なタスクを他のエージェントに委譲する用途に使われる

MCP/A2Aの両方に「クライアント」と「サーバー」の機能を持つため、Agent Toolkitで構築したエージェントは他のエージェントシステムと双方向に連携できます。異なるフレームワークで構築されたエージェント同士が標準プロトコルを通じて連携する「インターオペラビリティ」が、Agent Toolkitの差別化ポイントの1つです。

プロファイリングとオブザーバビリティ

Agent Toolkitは、エージェントの動作を可視化・分析するための機能を内蔵しています。

プロファイリングとオブザーバビリティ

  • ワークフロープロファイリング
    エージェントレベルからトークンレベルまでの粒度でメトリクス(トークン消費量、レイテンシ、ツール呼び出し回数など)を計測する。パフォーマンスのボトルネック特定に使える

  • オブザーバビリティ統合
    Phoenix、Weave、Langfuseとのネイティブ連携に対応。OpenTelemetry形式でテレメトリデータを出力するため、既存のモニタリング基盤にも統合しやすい

  • 評価システム
    ワークフローの精度を検証する内蔵評価機能。ハイパーパラメータやプロンプトの最適化、強化学習ベースのファインチューニングにも対応

  • セキュリティミドルウェア
    プロンプトインジェクション、ジェイルブレイク、ツールポイズニングといった攻撃ベクトルに対するレッドチーミング機能。脆弱性をダッシュボードで可視化し、プラグイン型の防御レイヤーを適用できる

これらの機能は、開発フェーズだけでなく本番運用中のエージェントの監視にも利用でき、エージェントの品質を継続的に改善するためのフィードバックループを構築できます。


NVIDIA Agent Toolkitの導入事例

Agent ToolkitはGTC 2026の発表時点で17社のパートナー企業を公表しています。ここでは、具体的な活用内容が明らかになっている事例を紹介します。

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AIエージェントとは──日本・世界の事例を徹底紹介

NVIDIA Agent Toolkitの導入事例

IQVIA — 製薬業界で150以上のエージェントを展開

ライフサイエンス大手のIQVIAは、NemotronとAgent ToolkitをIQVIA.aiプラットフォームに統合しています。臨床試験、商業運営、リアルワールドデータ分析の各領域で150以上のエージェントを社内およびクライアント環境に展開済みです。

対象顧客には世界上位20社の製薬企業のうち19社が含まれており、規制の厳しいヘルスケア業界でのAIエージェント活用の先行事例として注目されています。

Salesforce — SlackからAgentforceを操作

Salesforceのリファレンスアーキテクチャでは、NemotronモデルとAgent Toolkitを使ったAgentforceエージェントをSlack経由で運用する構成が公開されています。営業・マーケティング・カスタマーサービスの各業務で、従業員がSlack上の会話の延長としてAIエージェントにタスクを委譲できる設計です。

オンプレミスとクラウドの両方のデータ環境に対応しており、データの所在に関わらずエージェントが業務データにアクセスできる点が特徴です。

Box — ファイル管理とAIエージェントの融合

BoxはAgent Toolkitを統合し、Boxのファイルシステムを作業環境とするAIエージェントを構築しています。請求書抽出、契約ライフサイクル管理、RFPソーシング、GTMワークフローといったプリビルトスキルを備えたエージェントにより、ドキュメント中心の業務プロセスを自動化しています。

Siemens — 電子設計の自律的ワークフロー

Siemensは、NemotronモデルをベースにFuse EDA AIエージェントを開発しています。電子設計自動化(EDA)ポートフォリオ全体にわたるワークフローを、初期チップ設計から製造段階まで自律的にオーケストレーションするエージェントです。

その他のパートナー企業

上記以外にも、以下の企業がAgent Toolkitの採用を発表しています。

企業名 主な領域
Adobe デジタルマーケティング
Atlassian プロジェクト管理
CrowdStrike サイバーセキュリティ
Cisco ネットワーク・セキュリティ
SAP ERP
ServiceNow ITサービス管理
Red Hat エンタープライズLinux
Palantir データ分析・インテリジェンス
Cadence 半導体設計
Synopsys 半導体設計
Dassault Systemes 3Dモデリング
Cohesity データ管理
Amdocs 通信


17社のパートナーは製薬、金融、製造、通信、IT、半導体といった幅広い業界にまたがっています。いずれもGTC 2026の発表段階であり、多くは統合の初期フェーズにありますが、IQVIAのように150以上のエージェントを実運用に展開している事例も出始めています。


NVIDIA Agent Toolkitの導入要件とインストール

Agent Toolkitの導入はPythonパッケージのインストールで完了します。ここではシステム要件と基本的なインストール手順を整理します。

NVIDIA Agent Toolkitの導入要件とインストール

システム要件

Agent Toolkit v1.5.0を動かすために必要な環境は以下のとおりです。

要件 詳細
Python 3.11 / 3.12 / 3.13
OS Linux(Ubuntu推奨、テスト済み)、macOS aarch64(テスト済み)、Windows x86_64(未テストだが動作想定)
GPU ローカル推論時のみ必要(クラウド推論なら不要)
Docker コンテナデプロイ時に必要


公式のインストールガイドによると、LinuxとmacOS aarch64はテスト済み、Windows x86_64は未テストながら動作想定(Should Work)とされています。NemoClawのようなUbuntu限定の制約はありません。ただし、Nemotronモデルをローカルで動かす場合はNVIDIA GPUと十分なGPUメモリが必要です。

インストール

基本インストールはpipまたはuvで実行します。

# 基本インストール
pip install nvidia-nat

# フレームワーク別の追加パッケージ
pip install "nvidia-nat[langchain]"    # LangChain統合
pip install "nvidia-nat[crewai]"       # CrewAI統合
pip install "nvidia-nat[llama-index]"   # LlamaIndex統合

インストール後はYAML設定ファイルでエージェントのワークフローを定義し、内蔵のUIチャットインターフェースから動作を確認できます。詳細な設定手順は公式ドキュメントを参照してください。


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NVIDIA Agent Toolkitの料金と必要コスト

Agent Toolkitのコスト構造は「ソフトウェアは無料、推論は選択次第」というモデルです。導入を検討する際に把握しておくべき費用項目を整理します。

NVIDIA Agent Toolkitの料金と必要コスト

オープンソースライセンス(無料)

Agent Toolkit本体はApache 2.0ライセンスで提供されており、ダウンロード・インストール・商用利用のいずれにも費用は発生しません。AI-Q Blueprint、cuOpt、OpenShellも同様にオープンソースで無料です。

Nemotronモデルもオープンソースとして公開されており、モデルの重みをダウンロードしてローカルで推論する場合はライセンス費用がかかりません。

推論コスト

推論コストは実行方式によって変わります。以下の表にコスト構造をまとめました。

推論方式 コスト 備考
ローカル推論 電気代・ハードウェア費のみ NVIDIA GPUと大容量メモリが必要
NVIDIA NIM(build.nvidia.com) モデルごとの従量課金 NIMマイクロサービス経由でAPI利用
AI-Qハイブリッド構成 フロンティアモデル + Nemotronの併用 クエリコスト50%以上削減の可能性


2026年3月時点ではAgent Toolkit固有の料金表は公開されていません。クラウド推論を選ぶ場合は、利用するモデルのbuild.nvidia.comページで最新の価格を確認してください。

AI-Qのハイブリッドアーキテクチャは、コスト最適化の有効な手段です。複雑なオーケストレーションにはフロンティアモデルを使いつつ、大量のリサーチクエリにはNemotronを割り当てることで、精度を維持しながらコストを抑えることができます。

インフラコスト

Agent Toolkit自体のインフラコストはPythonの実行環境のみですが、エージェントが利用する周辺サービスのコストも考慮が必要です。

  • NIMマイクロサービス クラウド推論を利用する場合の従量課金
  • NeMo Retriever RAGパイプラインを構築する場合のエンベディングサービス
  • GPU環境 ローカル推論を選ぶ場合のハードウェア投資

検証段階ではbuild.nvidia.comの無料枠を活用し、本番導入時にローカル推論とクラウド推論のコスト比較を行うのが現実的なアプローチです。


NVIDIA Agent Toolkitの注意点と現時点の制限

Agent Toolkitは有望なツールキットですが、2026年3月時点ではいくつかの制約があります。導入を検討する際に把握しておくべきポイントを整理します。

NVIDIA Agent Toolkitの注意点と現時点の制限

エコシステムの成熟度

Agent Toolkitは急速に進化している一方で、いくつかの領域はまだ成熟途上です。

エコシステムの成熟度

  • ドキュメントの網羅性
    公式ドキュメントはv1.5.0時点で基本的な使い方をカバーしていますが、トラブルシューティングやエッジケースの情報は限定的。GitHubのIssuesやDiscussionsが実質的な情報源になっている状況

  • バージョン間の互換性
    v1.3→v1.4→v1.5と短期間でメジャーアップデートが行われており、APIの変更が発生する場合がある。本番環境ではバージョンを固定して運用することを推奨

  • コミュニティの規模
    GitHubリポジトリのStars数は2,000、コントリビューター数は76人(2026年3月時点)。LangChain(10万Stars超)やCrewAI(5万Stars超)と比較するとコミュニティの規模は小さく、サードパーティのチュートリアルやプラグインも限られている

GPU要件と環境制限

Agent Toolkit自体はPythonライブラリであるためCPU環境でも動作しますが、パフォーマンスを最大限に引き出すにはNVIDIAのGPU環境が前提となります。

  • ローカル推論 Nemotron 3 Super 120Bを動かすには大容量のGPUメモリが必要。クラウド推論を選べばローカルGPUは不要だが、レイテンシやデータプライバシーの要件で選べない場合がある
  • cuOpt GPU加速が前提の設計であり、CPU環境では本来の性能を発揮しない
  • Dynamo統合 NVIDIA Hopper以降のGPUで最大の効果を発揮する

NVIDIAエコシステムへの依存

Agent Toolkitは「フレームワーク非依存」を謳っていますが、推論最適化やセキュリティの高度な機能を活用するにはNVIDIAのエコシステム(NIM、Dynamo、OpenShell、CUDA)との統合が必要です。

推論バックエンドにOpenAI APIやAnthropic APIを使う場合はAgent Toolkitのプロファイリング機能は利用できますが、Dynamo Runtime Intelligenceなどの最適化機能は利用できません。NVIDIAスタック以外の推論基盤をメインで使っている場合は、Agent Toolkitのメリットが限定的になる可能性があります。

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自律型AIエージェントとは?その仕組みや自動化との違い、活用事例を解説


まとめ

NVIDIA Agent Toolkitは、AIエージェントの構築・評価・最適化を統合的に支援するオープンソースライブラリです。

LangChain・CrewAI・LlamaIndexなど主要8フレームワークに対応し、既存のエージェントコードを書き換えることなく、プロファイリング・オブザーバビリティ・セキュリティ機能を追加できる点が最大の特徴です。Nemotron、AI-Q、OpenShell、cuOptの4つのコンポーネントを組み合わせることで、推論からセキュリティ、最適化までをカバーするエンタープライズ向けのエージェント基盤が構築できます。

2026年3月時点ではIQVIA(150以上のエージェント展開)をはじめとする17社のパートナーが採用を発表しており、エンタープライズAIエージェントの開発基盤として存在感を高めています。Apache 2.0ライセンスで無料利用可能なため、まずはbuild.nvidia.comの無料枠を活用した検証環境での評価から始めるのが現実的な第一歩です。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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