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製薬業界におけるAI活用事例!現状の課題とAI導入のメリットを解説

この記事のポイント

  • 製薬業界のAI導入は創薬プロセスの候補化合物スクリーニングが第一候補。ノバルティスやファイザーの事例から、探索期間を数年単位で短縮できることが実証済み
  • 臨床試験の効率化にはNLP活用による文献解析と患者マッチングが有効。データ駆動型アプローチで治験コストの大幅削減が見込める
  • 副作用予測AIは中外製薬・武田薬品の導入事例が示す通り、市販後調査の精度向上に直結する。安全性管理の強化策として早期導入すべき領域
  • 個別化医療の推進にはゲノムデータとAI画像解析の組み合わせが最適。チャットボット等の業務効率化と並行して段階的に導入するのが現実的
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

製薬業界では、AI技術の導入により新薬開発の加速、臨床試験の効率化、副作用予測の精度向上、個別化医療の推進が実現しています。

本記事では、ノバルティスファーマ、ファイザー、中外製薬、武田薬品工業など国内外16社のAI活用事例と、製薬業界の課題、AI導入の5つのメリットを解説します。


Microsoft 365 Copilotの最新エージェント機能については、以下の記事をご覧ください。
Copilot Coworkとは?機能や料金、Claude Coworkとの違いを解説

目次

製薬業界を変革するAI活用事例16選

ノバルティスファーマ:ディープラーニングと画像解析で創薬を加速

GSK:AIとビッグデータを活用した個別化医療の実現

インテージヘルスケア:AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」

ファイザー:AIによる薬物治療効果判定モデルの開発

住友ファーマ:データ駆動型創薬で精神神経疾患に挑む

ロシュ・ダイアグノスティックス:画像解析AIで新規治療法開拓

バイエル薬品:画像解析AIとデータ解析で治療法開発を迅速化

中外製薬:データ解析と深層学習で新薬開発に革新をもたらす

田辺三菱製薬:AIでセキュリティアラート対応を効率化

アストラゼネカ:AIチャットボットで患者と医療従事者を支援

沢井製薬:対話型AIで医薬品情報検索を迅速化

アサイクル:AIで医薬品の在庫・欠品をスマートに管理

エクサウィザーズ:生成AIで営業・接客の人材育成を革新

武田薬品工業:AIとデジタル技術で医薬品の品質と安定供給を強化

MOLCURE:AIとロボットでバイオ医薬品開発に革命を起こす

エーザイ:AIで遺伝毒性予測の効率化を実現

製薬業界の抱える課題

製薬業界にAIを導入する5つのメリット

新薬開発のスピードと効率の向上

臨床試験の効率化

データ管理と解析の強化

副作用の予測と管理の改善

個別化医療の推進

製薬業界のAI活用から見える業務自動化の可能性

まとめ

製薬業界を変革するAI活用事例16選

AI技術の導入は、製薬業界に大きな変革をもたらしています。新薬開発の加速、臨床試験の効率化、データ管理の強化、副作用予測の精度向上、個別化医療の実現など、その影響は多岐にわたります。

以下では、国内外の製薬会社16社がどのようにAIを活用し、業界の課題を克服しているのかを紹介します。

AI Agent Hub1

ノバルティスファーマ:ディープラーニングと画像解析で創薬を加速

ノバルティスファーマ株式会社によるAI活用ノバルティスファーマ株式会社によるAI活用

ノバルティスファーマ株式会社は、ディープラーニングを用いた画像解析技術で創薬プロセスを革新しています。
人間の視覚処理を模倣する技術を開発し、薬剤が細胞に与える影響を迅速に予測。従来の手作業による評価よりも短時間で効果的な化合物を特定できるようになり、創薬のスピードと精度が大幅に向上しました。

この技術により、新薬の市場投入を早め、患者への迅速な治療提供が期待されています。

ノバルティスファーマ株式会社 機械学習で創薬プロセスを加速させる

GSK:AIとビッグデータを活用した個別化医療の実現

GSKによるAI活用
GSKによるAI活用

グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)は、AIと機械学習(ML)を活用して創薬の精度とスピードを向上させています。
具体的には、膨大な遺伝子データを解析し、新薬やワクチン開発を加速。特にがん治療では、患者の腫瘍データとAIを組み合わせて個別化医療を実現し、臨床試験の成功率を高めています。

GSKはキングス・カレッジ・ロンドンと提携し、腫瘍研究ハブを設立。AI技術を用いた新たな治療法の開発を推進しています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
GSK グラクソ・スミスクライン株式会社 AI and ML power better predictions for patient impact

インテージヘルスケア:AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」

株式会社インテージヘルスケアによるAI活用
株式会社インテージヘルスケアによるAI活用

株式会社インテージヘルスケアは、AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」で創薬プロセスを効率化しています。
Deep Quartetは、深層強化学習、ファーマコフォアモデル、機械学習ベースのターゲット予測技術を組み合わせ、新薬候補化合物の設計から実合成までを一貫して行う創薬ワンストップサービスを展開。

製薬企業が新薬の開発を迅速かつ精度高く進めることが可能となり、研究開発のスピードと効率が向上しています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
株式会社インテージヘルスケア Deep Quartet

ファイザー:AIによる薬物治療効果判定モデルの開発

ファイザー株式会社による薬物治療効果判定AIモデル
ファイザー株式会社による薬物治療効果判定AIモデル

ファイザー株式会社は、宮崎大学とNTTデータと協力し、日本初の肺がん患者に対するAIモデルを開発しました。このモデルは、複数の医療機関の電子カルテデータを解析し、肺がん患者の薬物治療効果を迅速かつ正確に判定することが可能です。具体的には、電子カルテの非構造化データを自然言語処理技術で解析し、治療効果を抽出します。BERT技術(双方向変換器による表現学習)を用いることで、異なる医療機関からのデータにも対応可能。この技術により、個別化医療が大きく進展し、患者への治療提供が早まることが期待されています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
ファイザー株式会社 日本初、複数医療機関の電子カルテデータに適用可能な薬物治療効果判定AIモデルを構築

住友ファーマ:データ駆動型創薬で精神神経疾患に挑む

住友ファーマ株式会社によるAI活用
住友ファーマ株式会社によるAI活用

住友ファーマ株式会社は、AIを活用して創薬の効率と精度を向上させています。独自開発の「DrugOME」や「インシリコ創薬」などのテクノロジーを活用し、精神神経疾患やがん領域での薬剤標的やバイオマーカーの探索を実施。

また、AIによる化合物の体内動態・安全性予測システムを確立し、研究開発の成功率を高めるとともに、データ駆動型の創薬アプローチを推進しています。
これにより、迅速かつ効果的な新薬開発を目指しています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
住友ファーマ 戦略的投資により獲得した内製テクノロジーの最適活用

ロシュ・ダイアグノスティックス:画像解析AIで新規治療法開拓

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社による画像解析AIロシュ・ダイアグノスティックス株式会社による画像解析AI

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は、AIと機械学習を駆使して創薬を進めています。

Genentechと共同でAIを用い、疾患の治療ターゲットを特定し、新しい予測モデルを構築。特に乳がん治療薬の開発においてAIが効果を発揮し、従来の方法では見つけられなかった新たな治療法を発見しています。
また、Recursion Pharmaceuticalsとの提携により、細胞の画像データを解析し、革新的な治療法の開発を加速させています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 Harnessing the power of AI

バイエル薬品:画像解析AIとデータ解析で治療法開発を迅速化

バイエル薬品株式会社によるAI活用
バイエル薬品株式会社によるAI活用

バイエル薬品株式会社は、AI技術を活用して医療と創薬の分野で革新を進めています。
医療画像解析においては、AIソリューションを用いて放射線科医の診断支援を行い、病変の自動検出や分類を実現。具体例として、心血管疾患の早期発見や、腫瘍のサイズと位置の特定にAI技術を導入し、診断の迅速化と正確性を向上させています。

また、AIを用いた新薬開発では、データ解析を通じて新しい治療ターゲットを特定し、予測モデルを構築することで、治療法の開発を迅速化し、患者への早期治療提供を可能にしています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
バイエル薬品株式会社 バイエル薬品が目指す画像診断の未来 〜バイエルAIの可能性〜

中外製薬:データ解析と深層学習で新薬開発に革新をもたらす

中外製薬株式会社によるAI活用
中外製薬株式会社によるAI活用

中外製薬株式会社は、AI技術を駆使して創薬を革新しています。
例えば、AIを用いたデータ解析により、バイオマーカーや新薬候補の発見が迅速化。特に、リウマチ治療薬「アクテムラ」やがん治療薬「アレセンサ」の開発にはAIが大きな役割を果たしました。

また、深層学習を利用したモデルで、化合物の安全性と効果を予測し、研究開発の成功率を高めています。この取り組みは、患者の治療効果を向上させるための大きな一歩となっています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
中外製薬株式会社 デジタルを活用した革新的な新薬創出

田辺三菱製薬:AIでセキュリティアラート対応を効率化

田辺三菱製薬のAI活用セキュリティ戦略田辺三菱製薬のAI活用セキュリティ戦略

田辺三菱製薬株式会社では、新しいセキュリティモデルへの移行後、セキュリティアラートが英語での表示となっておりその解読と対応に多くの時間を要していることが課題となっていました。
そこで「Azure OpenAI Service」を駆使して、英語のセキュリティアラートを日本語に翻訳・要約し、わかりやすく情報を提供するシステムを構築。

導入後、インシデント確認作業は1件当たり約10分からわずか1分程度に短縮され、メンバーのセキュリティリテラシー向上と年間約550時間の時間削済が見込まれるなど、田辺三菱製薬のクラウドセキュリティ運用の効率が大幅に改善しました。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
田辺三菱製薬のAI活用セキュリティ戦略

アストラゼネカ:AIチャットボットで患者と医療従事者を支援

アストラゼネカ株式会社によるAI型チャットボット「アズポート」アストラゼネカ株式会社によるAI型チャットボット「アズポート」

アストラゼネカ株式会社は、AI型チャットボット「アズポート」と「アズトリート」を導入し、患者と医療従事者に向けた情報提供を強化しています。

アズポートは、患者さん向けのAIチャットボットサービスであり、気管支喘息治療薬の使用方法について、患者の質問にチャット形式で回答できることに加えて動画での説明も可能。
一方、アズトリートは、医療従事者の質問や製品情報の確認を支援し、コールセンターとの連携も行っています。

この取り組みは、迅速で的確な情報提供を通じて、アストラゼネカ製品の適正使用と患者の治療効果向上を目指しています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
アストラゼネカ株式会社 AI型チャットボットによる情報提供を開始。患者さん向け「アズポート」および医療従事者向け「アズトリート」

沢井製薬:対話型AIで医薬品情報検索を迅速化

沢井製薬「対話型自動応答AIサービス」のイメージ
沢井製薬の「対話型自動応答AIサービス」のイメージ

日立システムズは、沢井製薬株式会社に対してAIチャットボットシステムを導入し、医薬品情報へのアクセスを効率化しました。
この導入により、医療従事者は必要な情報を従来よりも半分の時間で検索できるようになりました。さらに、外部データベースと連携することで、医薬品データを自動的に更新するようにし、保守作業の負担を大幅に軽減。

このチャットボットは、ユーザーが直感的に操作できるインターフェースを使用しており、正確な情報を迅速に提供することで、医療業界全体の業務効率向上を目指しています。
加えて、コールセンターとの連携も強化され、医療従事者が必要とする詳細な製品情報の確認をよりスムーズに行えるようになっています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
HITACHI 沢井製薬株式会社様 対話型自動応答AIサービス~医療関係者の迅速な医薬品検索に向けて~

アサイクル:AIで医薬品の在庫・欠品をスマートに管理

アサイクル 医薬品の在庫・欠品をAIで削減

アサイクル 医薬品の在庫・欠品をAIで削減

アサイクルは、AIを活用した調剤薬局向けの在庫管理・発注システム「ASKAN」を開発しました。このシステムは、過去の販売データ、季節変動、地域特性などに基づいて医薬品の需要を予測し、過剰な在庫や欠品を防ぎます。

実証試験を経て改良され、導入企業では在庫を2~5割削減する成果が見られ、欠品も大幅に減少。さらに、薬が供給されない場合でも、代替品を提案する機能があり、調剤業務の効率化に貢献しています。

例えば、コメヤ薬局では、ASKANを導入したことで発注業務が効率化され、現在では7店舗に拡大導入されています。アサイクルは、全国5000店舗への導入を目指し、3年後には20億円の売上を目標としています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
医薬品の在庫・欠品をAIで削減 調剤薬局向けシステム

エクサウィザーズ:生成AIで営業・接客の人材育成を革新

両サービスの連携のイメージ

両サービスの連携のイメージ

株式会社エクサウィザーズは、生成AIを活用して人材育成を支援する新事業を開始しました。従来のOJTや集合研修に代わり、AIアバターを使った「exaBase ロープレ」で営業シミュレーションが可能になり、時間やコストを削減しながら継続的な育成が実現します。また、2024年12月には「exaBase 面談要約」をリリース予定で、AIが営業面談の内容をリアルタイムで記録・分析し、即座に共有できる機能が追加。これにより、営業トークの改善やハラスメントの防止、ノウハウの継承をサポートします。

さらに、両サービスを連携させることで、ロールプレイで学んだスキルが現場でどの程度実践できているかを確認し、育成の循環を強化。特に若手の早期離職や多様な人材育成において効果を発揮し、組織全体の営業力向上を目指しています。エクサウィザーズは、このシステムの全国展開を進めると同時に、今後は音声合成や外国人対応機能も提供し、多言語や異文化対応を強化する予定です。また、社内システムとの連携を可能にする「exaBase Studio」を活用し、企業のシステム構築やデータベース連携を支援します。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
エクサウィザーズ 生成AIを用いた 営業・接客領域における人材育成の支援事業を開始

武田薬品工業:AIとデジタル技術で医薬品の品質と安定供給を強化

武田薬品工業
武田薬品工業の「Factory of the Future」プログラム

武田薬品工業は「Factory of the Future」は、製薬会社がAIやデジタル技術を活用し、医薬品の品質と安定供給を強化するグローバルプログラムを行っています。
予知保全や在庫最適化を導入し、生産現場の効率化を図っています。また、VRやARを使用した従業員トレーニングによって、作業の習得が効率的に行えるようになりました。

これにより、医薬品の品質を保ちつつ、より迅速かつ柔軟な供給体制が構築されています。環境への負荷軽減も図られ、全世界での展開が進んでいます。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
Factory of the Futureの実現に向けた製造DXについて

MOLCURE:AIとロボットでバイオ医薬品開発に革命を起こす

バイオ医薬品探索のイメージ
バイオ医薬品探索のイメージ

株式会社MOLCUREは、AIとロボット技術を活用して新薬開発を効率化するバイオ医薬品分子設計技術を提供しています。
AIが分子設計とスクリーニングを自動化し、高精度かつ迅速に医薬品候補分子を発見。現在、国内外の製薬企業と10以上の共同創薬プロジェクトを進めており、ロボット「HAIVE」による実験の自動化で効率をさらに向上させています。

将来的には、核酸医薬や細胞療法分野への拡大も計画しており、新たな医薬品の開発も行っています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
AIとロボットで新薬開発を加速する MOLCUREの分子設計技術とは

エーザイ:AIで遺伝毒性予測の効率化を実現

遺伝毒性予測システムYosAIの概要
遺伝毒性予測システムYosAIの概要

エーザイ株式会社は、AIを活用した遺伝毒性評価技術を開発し、化学物質がDNAに与える影響を効率的に評価できるシステムを構築しています。
このAIモデルにより、従来の手法に比べて大幅に時間とコストを削減し、膨大なデータを解析してリスクを早期に特定することが可能。

これにより、医薬品開発の初期段階での安全性確認が素早く行い、安全かつ有効な医薬品をより早く市場に提供できることを目指しています。

詳細は以下の公式ページを参照してください。
AIによる遺伝毒性予測


製薬業界の抱える課題

製薬業界は、新薬開発を阻む複数の深刻な課題を抱えています。

  • 長期化・高コスト化する開発プロセス
    新薬の開発には、平均して10年以上、数十億ドルの費用がかかると言われています。この長期間にわたる研究開発は、製薬企業にとって大きな経済的負担となっています。

  • 臨床試験の高い失敗率
    新薬候補が最終段階の臨床試験で失敗するケースは少なくありません。安全性や有効性が確認できないことが主な理由であり、開発中止は企業にとって多大な損失となります。

  • 膨大なデータの管理・解析
    研究開発では膨大なデータが生成されますが、その効率的な管理や解析は容易ではありません。データが適切に活用されないことで、機会損失が生じている可能性もあります。

  • 副作用の予測と管理
    新たな副作用の発見は、開発の遅延や中止、さらには製造販売承認の取り消しにもつながりかねません。より精度の高い副作用予測技術の確立が求められています。


これらの課題を克服することが、製薬業界の発展、ひいては患者への迅速かつ安全な治療薬の提供につながります。


AI研修

製薬業界にAIを導入する5つのメリット

  • 新薬開発のスピードと効率の向上
  • 臨床試験の効率化
  • データ管理と解析の強化
  • 副作用の予測と管理の改善
  • 個別化医療の推進

新薬開発のスピードと効率の向上

AIは、新薬開発の初期段階でのデータ解析を迅速に行うことができます。従来の手法では数年かかる解析が、AIの導入により数週間から数ヶ月で完了。新薬候補の発見が加速されます。

これにより、研究開発の時間とコストを大幅に削減し、新薬の市場投入を迅速に行うことが可能となります。

臨床試験の効率化

AIは患者データを解析し、臨床試験に最適な被験者を迅速に特定することが可能です。
これにより、臨床試験の設計や実施が効率化され、試験の成功率が向上します。

さらに、リアルタイムで試験データを監視することで、早期に問題を検出し対応することができ、試験中のリスクを減少させることが可能です。

データ管理と解析の強化

製薬業界では膨大な量のデータが生成されますが、AIはこれらのデータを統合し、迅速にパターンやトレンドを特定することができます。
これにより、研究開発プロセス全体でより迅速かつ正確な意思決定が可能となり、研究の質が向上します。

また、製薬会社では情報セキュリティの強化も非常に重要であり、セキュリティ強化の場面でもAIの活躍が期待されています。

副作用の予測と管理の改善

AIは過去のデータや臨床試験データを基に副作用の予測モデルを構築することができます。これにより、開発の初期段階で潜在的なリスクを特定し、早期に対策を講じることが可能となります。

これにより、薬の安全性が向上し、開発プロセスのリスクが軽減されます。

個別化医療の推進

AIは患者ごとの遺伝情報やライフスタイルデータを解析し、最適な治療法を提案することで、治療効果を最大化し、副作用を最小限に抑えることができます。

これにより、患者ごとに最適化された個別化医療が推進され、治療の質が向上します。


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まとめ

本記事では、製薬業界における国内外16社のAI活用事例と、AI導入のメリットを解説しました。

製薬業界でAIを活用する価値は、大きく3つあります。

1つ目は、創薬プロセスの大幅な効率化です。ノバルティスファーマのディープラーニング画像解析や中外製薬のデータ駆動型創薬に見られるように、AIは新薬候補の発見から安全性評価までを加速し、開発期間とコストの削減を実現しています。

2つ目は、臨床試験と品質管理の高度化です。ファイザーのAI治療効果判定モデルや武田薬品工業のFactory of the Futureのように、データ解析とAI予測を組み合わせることで、臨床試験の成功率向上と医薬品の安定供給を両立できます。

3つ目は、業務効率化とコミュニケーション支援です。田辺三菱製薬のセキュリティアラート自動翻訳(年間約550時間削減)やアストラゼネカのAIチャットボットのように、創薬以外の業務領域でもAIが効果を発揮しています。

まずは自社の製薬プロセスにおけるボトルネックを特定し、データ解析や予測モデルなど効果が実証されている領域からAI導入を検討してください。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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