この記事のポイント
Grok画像生成は、Xアプリ内や専用のGrok Imagineから利用でき、テキストからの生成だけでなく既存画像の編集や動画化に対応
ミームやSNS向けコンテンツとの親和性が高い一方、Spicyモードや緩いNSFWフィルタにより性的・過激な表現が生成されやすい特性を持つ
2025年末以降、他人の画像を性的に加工するnudify事案が多発し、特に未成年を含む画像への悪用が深刻な法的・倫理的問題となっている
利用には基本的にX Premium以上の有料プランが必要であり、Imagine機能では日次の生成数上限が設定される傾向がある
一般ユーザーは、実在人物の画像利用を避け、自身の写真公開範囲を見直すなど、被害者・加害者にならないための自衛策が不可欠

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
X(旧Twitter)に統合された「Grok」は、テキスト対話だけでなく、画像生成・画像編集・(短い)短尺動画クリップまで扱えるマルチモーダルAIへと進化しています。 一方で、2025年末〜2026年初頭にかけては、いわゆる「nudify(デジタル脱衣)」や、未成年を含む性的コンテンツ生成の問題をめぐって、世界的な批判と規制議論の中心にもなりました。
本記事では、Grok画像生成の基本的な機能や料金体系、具体的な使い方といった実用面から、一連の炎上騒動の背景、そしてユーザーが法的・倫理的リスクを避けるための安全な利用指針までを、2026年1月時点の情報に基づき体系的に解説します。
Grokの画像機能は「便利さ」と「危うさ」が同じ導線に乗っているのが特徴です。 まずは全体像を押さえたうえで、自分がどのラインまで付き合うのかを考える材料にしてもらえればと思います。
目次
Grok Imagine:画像と短尺動画をまとめて生成する画面
X側のサブスクリプション(Premium・Premium+)
Grok側のプラン(SuperGrok/SuperGrok Heavy)
Grokの画像生成機能とは?──できることとアクセス経路

Grokの画像生成機能とは、xAIのAI「Grok」から、テキストの指示で画像を生成したり、既存画像を“指示どおりに編集”したりできる機能群の総称です。
Xと統合されているため、タイムライン上の投稿を見ながら、その場で画像や短尺動画クリップを作って共有できるのが特徴です。
Grokの画像生成まわりのプロダクト整理
Grok画像生成の主な機能は、ざっくり次の3つです。
- テキスト→画像生成(イラスト/写真風/ロゴ/ミームなど)
- 画像編集(背景差し替え・合成・書き換えなど)
- Grok Imagine(画像生成+短尺動画クリップ生成)
これらへの主な入口だけ、簡単に整理しておきます。
| 機能 | 主な用途 | どこから使うか |
|---|---|---|
| Grokチャット | テキスト→画像、質問+画像生成 | XアプリのGrokタブ/Grokアプリ/grok.com |
| @grok リプライ | ポスト内容の要約・ネタ出し | 任意のポストのリプ欄 |
| 画像編集(Edit image 等) | 既存画像の書き換え・加工 | X上の画像表示から |
| Grok Imagine | 画像生成+短尺動画クリップ | Grokアプリ/grok.com/imagine |
| 画像生成API | 開発者向けの画像生成 | xAI API(grok-2-image など) |
本記事では、このうち一般ユーザー向けの使い方(Xアプリ/Grokアプリ)を中心に扱います。
この前提を共有したうえで、次の章からは「何が作れるのか」「どうやって使うのか」「いくらかかるのか」「どんなリスクがあるのか」を順番に見ていきます。
Grokとは?──Grok 4世代とX連携の位置づけ
ここでは、Grokを「画像ツール」だけに矮小化しないために、モデルとプロダクトの位置づけを簡単に整理します(細かいバージョン名をすべて追いかける必要はありません)。
Grokは、Elon Musk氏率いるxAIが開発する大規模言語モデル(LLM)と、そのモデルを使ったAIチャット体験の総称です。
xAIは2025年7月に「Grok 4」を発表し、Xのリアルタイム情報とツール利用を統合したモデルとして位置づけました。さらに2025年11月には「Grok 4.1」を公開し、grok.com/X/モバイルアプリへ順次導入しています。

Grok画像生成でできること

ここからは、「Grokで具体的に何が作れるのか」を機能別に見ていきます。
先に“できること”をイメージしておくと、のちほど説明するリスクや料金の話も理解しやすくなります。
テキストから画像生成(イラスト/写真風/ロゴ/ミーム)
もっともオーソドックスな使い方が、テキストから画像を生成する機能です。
Xと連携していることを活かし、流れてきたポストに合わせてミーム画像を作る、といった用途が意識されています。
代表的な利用イメージは次のようなものです。
- 写真風のイメージ(人物・風景・プロダクトなど)の生成。
- アニメ・コミック風のキャラクターイラスト。
- ロゴ・アイコン・SNS用サムネイル画像。
- ネタ画像・ミーム画像・ジョーク系の画像。
特に、テキスト要約→サムネイル生成の流れを短く回せるのがGrokらしいポイントです。
たとえば「ポストの内容を要約→その要約をもとに画像を生成→そのままポストに添付」といった運用がしやすくなっています。
既存画像の編集(背景変更・合成・書き換え)
Grokは、既存画像をテキスト指示で編集できます。
たとえば、次のような操作が可能です。
- 背景を別の場所・シーンに差し替える。
- 写っている人物や物体を、別のものに置き換える。
- フィルタやエフェクトで雰囲気を変える。
- 文字やスタンプを追加する。
自分が権利を持つ画像(自撮り・自社素材・フリー素材など)を前提に使う分には、これらは非常に強力な編集機能として活用できます。
一方で、「他人の画像」や「未成年を含む画像」に対して同じ操作ができてしまう導線が、のちほど説明するように大きな問題点として批判されました。
Grok Imagine:画像と短尺動画をまとめて生成する画面
Grok Imagineは、テキストや画像から**静止画と短尺動画の両方を生成できる専用画面(ワークスペース)**です。
まず画像を作り、必要に応じてその画像をベースに数秒〜十数秒程度のショートクリップへ変換する、という使い方が「売り」として推されています。

長尺の編集済み動画を作るツールというより、「SNS上でパッと目を引く静止画とショートクリップ」を素早く量産するための入口、とイメージしておくと分かりやすいはずです。
NSFW/Spicyモード(センシティブ表現向けの設定)
Spicyモードは、とくに海外で話題になった機能です。
名称どおり、センシティブな表現を含むコンテンツに寄せたモードとして紹介されることが多く、ここが炎上の文脈でも頻繁に名前が挙がりました。
押さえておきたいポイントは次の3つです。
- Spicyモードは、一般的な画像生成AIよりもセンシティブ寄りの表現を許容するモードとして扱われる。
- 実装やガードレールの内容はアップデートで変わりうるため、「どこまで出るか」は時期や地域で差がある。
- 未成年や実在人物を対象にした性的改変は、倫理面・規約面・法的な観点から、最も危険な領域に入る。
重要なのは、「生成できた=やってよい」ではないという点です。
むしろ、Spicyモードのような機能があるからこそ、ユーザー側に明確な“やらないライン”が求められている、というのが現在の状況だと言えます。
Grok画像生成の料金・プランと回数制限

次に、「結局いくら払えば、どこまで使えるのか」という話を整理します。
GrokはX側のサブスクとxAI側のプランが絡むため、公式の文言だけを追うと少し分かりにくく感じるかもしれません。
ここでは、Xのサブスク(Premium/Premium+) と Grok側の上位プラン(SuperGrok系)、そして 開発者向けAPI を分けて捉えることをゴールにします。
まず押さえるべき「プランで何が変わるか」
料金を細かく追う前に、「何がプランによって変わるのか」を先に確認しておきます。
画像生成まわりで重要なのは、次の2点です。
- 上位モデルや追加機能へのアクセス権が、有料プランに紐づく。
- 無料枠には質問数・画像生成数の上限があり、固定値として恒久的に掲示されないことも多い。
つまり、「◯枚/日だからこのプラン」といった固定の枚数で判断するというよりも、「このプランだとどこまでのモデル・機能が快適に使えるのか」という観点で見たほうが現実的です。
X側のサブスクリプション(Premium・Premium+)
X側のサブスクは、もともと「広告表示」「収益化機能」「長文ポスト」などの特典が中心でしたが、現在はGrokの利用枠とも結び付けられています。
ただし、具体的な回数上限は需要や仕様変更によって変わりうるため、ここでは構造だけを押さえます。
おおまかな整理は次のとおりです。
- 無料ユーザー:Grokを利用できるが、質問数・画像生成数に明確な上限がある。
- X Premium:無料より広い上限と機能が提供される(ただしGrokの全機能が開放されるわけではない)。
- X Premium+:上位モデルや追加機能へのアクセスが広がり、Grokを「日常的に使い込む」前提のプランに近い。
料金の目安としては、公式ヘルプ上でPremium+のWeb課金が「月額$40/年額$395」、日本向けWeb課金が「月額6,080円/年額60,040円」といった水準で示されています。
一方で、iOS/Androidのアプリ内課金は手数料分だけ割高になることがあるため、「Webから課金するかどうか」で最終価格が変わる点には注意が必要です。
Grok側のプラン(SuperGrok/SuperGrok Heavy)
xAI側からは、Grokを中心に使うユーザー向けに SuperGrok/SuperGrok Heavy といった上位プランも案内されています。
これらはXのサブスクよりも「Grokそのもの」を主役にしたプランであり、料金や含まれる機能は随時アップデートされる可能性があります。
現時点では、次のようなイメージで捉えておくと良いでしょう。
- SuperGrok:Grok 4ベースの高機能モデルへのアクセスを前提にした上位サブスク。
- SuperGrok Heavy:さらに高負荷な利用を見込んだ、ヘビーユーザー向け枠(高価格帯)。
いずれのプランも、「どの国・どの決済経路から申し込むか」によって実際の請求額が変わるため、最終的な判断は必ず自分の画面に表示される価格と説明文を確認してから行うのが安全です。
開発者向け:画像生成API(grok-2-image)
最後に開発者向けの話も簡単に触れておきます。
xAIのAPIでは、grok-2-image のような画像生成モデルが提供されており、こちらは**1枚あたり一定額(例:$0.07/画像)**の従量課金で利用します。
エンドユーザーがXアプリからGrokを使う場合、このAPI料金を直接意識する必要はありません。
ただし、「自社サービスの裏側でGrokの画像生成APIを呼びたい」といったケースでは、Xのサブスクとは別枠でAPIの料金体系を確認する必要があります。
Grok画像生成の使い方
料金とプランの大枠が見えたところで、具体的な操作イメージを整理します。
UIはアップデートで変わる可能性があるため、ここでは「どのような順番で使うか」という流れを押さえることを目的にします。
Grokチャットから画像を作る
Grokチャットからの画像生成は、一般的な「チャット型画像生成」とほぼ同じ感覚で使えます。
まずは1枚作ってみて、そこから条件を足していくイメージです。
基本的な手順は次の通りです。
-
XアプリまたはGrokアプリでGrokの画面を開く。

-
入力欄に、作りたい画像の指示(プロンプト)を書く。
-
生成された画像を確認し、必要に応じて保存やポストに進む。

このとき、最初から「何を」「どんなテイストで」「どの用途に使うか」まで書いておくと、やり直しの回数が減ります。
プロンプト設計の具体的なコツは後半の章でまとめます。
X上での @grok リプライから画像を作る
@grok は、「タイムライン上のポストをそのまま起点にして画像を作る」ための入口として使えます。
わざわざGrok画面に移動しなくても、気になったポストのリプ欄から直接指示を出せるのがポイントです。
基本的な流れは次のとおりです。
- 画像を作りたい元ポストを開く。
- リプライ欄に 「@grok」を付けて、「○○な画像を作って」「この内容に合うサムネイルを作って」などと書く。
- Grokからの返信で、説明テキストや提案、場合によっては生成した画像が返ってくる。
- 必要に応じて、Grok側のスレッドで「もう少し明るく」「文字を大きく」などと追加指示を出す。
@grok リプライは、「ポスト → Grok → 画像生成」という流れを1つのスレッドにまとめられるのが利点です。
細かい調整が必要になったら、そのまま同じスレッドで追加プロンプトを投げて、仕上がりを詰めていくと使いやすくなります。
画像編集
Grokで画像を編集する方法は、大きく次の3つがあります。
-
Grokチャット/Grokアプリから画像をアップロードして編集する
→ チャット画面を開き、画像を添付して「背景を○○に変えて」などと指示するパターン。

-
X上の画像に表示される「画像を編集/Edit image」ボタンから編集する
→ タイムライン上の画像を開き、その画像に直接表示される編集ボタンからGrokを呼び出すパターン。

-
@grok を付けてポストにリプライし、その画像の修正を頼む
→ 該当ポストに「@grok この画像の背景を夜景っぽくして」などと書いて投げるパターン。
自分や自社素材をじっくり直したいときは①、タイムライン上の画像をその場で軽くいじりたいときは②・③という使い分けになります。
いずれのルートでも、他人の写真や未成年が写った画像を「同意なく」「性的な方向に」加工しないことが、スタートラインとして必須です。
Grok Imagineで画像とショート動画をまとめて作る
Grok Imagineは、画像生成と短尺動画生成をまとめて体験できる入口です。
ここでは、もっともシンプルな使い方を押さえておきます。
-
GrokのWebサイトにアクセスし、Imagineの画面を開く。

-
テキストプロンプトを入力するか、ベースにしたい画像をアップロードする。

-
必要に応じてモードやオプションを選び、生成を実行する。
-
出力された画像や(短い)動画クリップを確認し、保存や共有に進む。
最初のうちは、「まず静止画を作り、そのあと短尺動画化する」という二段階の流れに慣れるところから始めると、意図せぬ結果になりにくくなります。
他の画像生成AIとの比較
ここでは、「Grokをいつ選ぶのか」を考えるために、代表的な画像生成AIとの比較を行います。
画質や表現力だけでなく、安全性や運用しやすさも含めて見ていくことが大切です。
| ツール名 | 主な利用場所 | 強み | 安全性・NSFWの扱い |
|---|---|---|---|
| GPT-image | ChatGPT内/API | テキスト連携が容易、商用利用ポリシーが読みやすい | NSFWは厳格に制限 |
| Midjourney | Web / Discord/ | アート寄りの高品質、独特の画風 | ガイドラインに沿って制限 |
| Stable Diffusion系 | ローカル/各種サービス | カスタマイズ性が高く、モデルやLoRAを差し替えやすい | 実装と運用次第で大きく変わる |
| Grok/Grok Imagine | X/Grokアプリ | Xネイティブで、トレンドとの相性が良い | 画像編集・NSFWまわりで社会的批判が強い |
Grokは、「単体の画像ツール」というよりも、Xというプラットフォームの中に溶け込んだ生成・編集エンジンとして捉えると、役割がはっきりします。
Grokの強み:Xネイティブで“投稿まで”が速い
Grokの最大の強みは、生成した画像や短尺動画を、そのままXに投稿しやすい点にあります。
トレンドに即応するネタ画像・ミーム・ショートクリップを作る場面では、「外部ツールで作る→保存→アップロード」という手間が省けることが、そのまま優位性につながります。
Grokの弱み:安全性・ガバナンスの不安が残る
一方で、Grokは安全性・ガバナンスの観点から、他ツール以上に厳しく見られています。
とくに、X上の公開画像に対して編集導線が付く設計や、Spicyモードなどセンシティブ領域の扱いは、被害につながるリスクと隣り合わせです。
ビジネス用途(広告・ブランド・自治体・教育など)で使う場合は、商用利用ポリシーや安全対策が読みやすいツールを第一候補とし、Grokは「トレンドに乗るときのサブ的な位置づけ」にとどめる、という判断も十分検討の余地があります。
OK、ここは一回「想定ベース」を全部捨てて、報道されている事実だけで組み直します。
見出し構成はそのまま・中身だけ差し替えた版を出しますね。
Grok画像生成をめぐる炎上とリスク(2025年末〜2026年初頭の整理)
2025年末〜2026年初頭にかけて、Grokの画像生成・編集機能をめぐっては、欧州当局・NGO・日本の芸能関係者などから相次いで懸念や批判が表明されました。
ここでは、実際に報道されている事実ベースで、「何が問題視されたのか」「どのような経緯で議論が高まったのか」を整理します。
何が問題視されたのか
各国メディアや団体が指摘した主な論点は、おおむね次の3つに集約されます。
-
X上の画像から性的なディープフェイクを生成できてしまう設計
欧州のニュースメディアは、Grok Imagineや「Edit image」ボタンを通じて、X上に投稿された女性や少女の写真から、衣服を取り去ったように見える画像や動画を生成できてしまうと報じました。
-
Spicyモードとガードレールの弱さ
Grokには性的表現を許容する「Spicyモード」が用意されていましたが、実際には「未成年を含むように見える画像」や、実在人物に酷似したヌード画像・動画が生成されていたと指摘されています。
Grok側の利用規約は児童性的虐待コンテンツ(CSAM)や実在の未成年の性的表現を禁止しているにもかかわらず、ツールの挙動が追いついていなかった形です。
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CSAM(児童性的虐待コンテンツ)に該当し得るリスク
欧州委員会やスイスの暴力防止団体は、「子どもを含む写真からヌード画像を作れる機能」は、EUのデジタルサービス法(DSA)や各国の児童保護法制に反する可能性があるとして調査・対応を求めています。
要「画像生成AIが高性能になったこと」そのものよりも、X上の一般ユーザーの写真にほぼワンクリックでアクセスできる設計と、不十分な安全対策の組み合わせが強く問題視された、という構図です。
日本・海外で実際に報じられた被害・懸念の例
海外だけでなく、日本でも「Grokを含む生成AIによる画像改変」が具体的な被害として取り上げられ始めています。
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日本の女優による被害告発
日本の女優・新谷姫加さんは、2026年1月の取材で、自身の写真が生成AIによって「水着姿や胸が強調された画像」に改変されて拡散されていると訴え、その使用例の一つとしてGrokの名前も挙げました。
また、子どもの写真についても同様の被害が起きていると危惧していると報じられています。
参考:新谷姫加、Grokで「水着にして」悪用頻発に怒りの苦言「本当にやめなさい。駆逐してやりたい」 -
欧州で指摘された未成年への影響
欧州の報道では、Grok Imagineの「服を消す」機能が、成人女性だけでなくティーンエイジャーを含む若年層の画像にも適用されている可能性が指摘されています。
これに対し、EU当局や人権団体は「子どもを対象とする性的ディープフェイクは明白に違法であり、即時の是正が必要だ」と強く批判しています。
参考:EU 'looking into' AI tool on X that lets users generate nude images of anyone, including children
こうした事例から分かるのは、「Grokで何が技術的にできるか」よりも、「誰の写真が、どのような同意のもとで加工されるか」が本質的なリスクの焦点になっているという点です。
とくに、公開SNS上の画像に対してワンクリックでアクセスできる仕様と、未成年を含む実在人物の性的表現を確実にブロックできていない現状は、「遊び感覚で試すには危険すぎる」と批判されても仕方がない状況だと言えます。
Grok画像生成を安全に使うためのチェックリスト
最後に、Grok画像生成を安全に使うためのチェックポイントをまとめます。
ここで挙げるポイントは、Grokに限らず他の画像生成AIを使う際にも重要です。
自分や友人・家族の写真を加工するときの注意ポイント
まず、自分や身近な人の写真を扱うときに確認したいポイントです。
身内の写真だからといって、公開SNSで雑に扱ってよいわけではありません。
- 顔がはっきり識別できるか、それとも後ろ姿・シルエットレベルか。
- 自宅・学校・職場が特定できる背景やランドマークが写っていないか。
- 数年後の自分や相手が見ても、困らない内容かどうか。
1つでも不安が残る場合は、「公開ポストでは使わない」「限定共有にとどめる」といった線引きをしておくと安心です。
他人の写真・未成年の写真で絶対にやってはいけないこと
ここはあいまいさを残さず、「してはいけないこと」として明示しておきます。
意図が軽くても、結果として取り返しのつかない被害を生む可能性がある領域です。
- 他人の写真を、本人の同意なく性的に改変しない。
- 未成年を想起させる要素(制服、体格、文脈など)がある場合、性的な連想を伴う画像生成や編集を一切行わない。
- 生成された画像を「ネタ」「冗談」として拡散しない。
これらは、「法律に触れるかどうかギリギリを攻める」話ではなく、そもそも踏み込むべきではない領域として捉えるのが安全です。
投稿前に見るべき4つのチェック
何かをポストする前に、最低限見直しておきたいチェックポイントを4つに絞ります。
どれか1つでも引っかかる場合は、投稿を見送るくらいでちょうどよいと考えてください。
- 実在人物が写る場合、その本人が見ても傷つかない内容か。
- 未成年を想起させる要素が、直接的・間接的を問わず混ざっていないか。
- 住所・学校・職場など、特定につながる情報が写り込んでいないか。
- 将来の仕事や人間関係に、明らかにマイナスの影響を与えないか。
トラブルに巻き込まれた/見つけたときの対応
最後に、自分や周囲がトラブルに巻き込まれた場合の対応についても触れておきます。
感情的に拡散してしまうと、被害の範囲が広がりかねないため、冷静に手順を踏むことが重要です。
- 問題のあるポストを見つけたら、まずXの通報機能から報告する。
- 同時に、スクリーンショットやURLを保存し、証拠を確保しておく。
- 未成年を含む性的画像が疑われる場合は、各国・各地域の専門窓口や関係機関への通報も検討する。
自分が被害者・加害者のどちらの立場になる可能性もゼロではない、という前提で、普段から「どこまで付き合うか」の線引きを意識しておくことが大切です。
まとめ──画像生成AIとどう付き合うか
Grok画像生成は、Xと統合されたことで「生成→共有」の距離を極端に短くしたツールです。
トレンドに乗るネタ画像やショートクリップを素早く作る用途では、他の画像生成AIにはない強みを発揮します。
一方で、画像編集導線やSpicyモードのようなセンシティブ領域は、非同意の性的改変や未成年コンテンツ生成につながりやすく、世界的に厳しい目で見られているのも事実です。
楽しみながらも安全に付き合うためには、次の3つを意識しておくとよいでしょう。
- 実在人物、とくに未成年を題材にしない。
- 公開ポストを前提にしない(クローズドな範囲で完結させる)。
- 自分の中で「やらないライン」をあらかじめ決めておく。
この3点を守るだけでも、Grok画像生成をめぐる多くのトラブルを避けることができます。
技術としての可能性と、現実に起きているリスクの両方を踏まえたうえで、自分なりの距離感を持って活用していくことが求められています。






