この記事のポイント
AIによる異性化は、ChatGPTやGeminiの画像編集機能を活用し、自撮り写真とテキスト指示のみで手軽に実行可能
ChatGPTは対話形式での微調整に強く、Geminiは同一画像のバリエーション展開や比較がしやすい特徴を持つ
プロンプトでは「元の特徴を残す」「加工感を弱める」といった指示を加えることで、AI特有の不自然さを防ぎリアリティを高められる
男性化では眉や輪郭、女性化では目や髪型の微調整がポイントとなり、具体的なパーツへの指示がクオリティを左右する
他人の写真の無断利用や性的な加工は厳禁であり、サービス側のデータ利用設定を確認するなどセキュリティへの配慮が不可欠

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
SNSを中心に、AIを使って自分の顔写真を異性化(男性化・女性化)して楽しむトレンドが急速に広がっています。
ChatGPTやGeminiといった身近な生成AIツールを活用することで、特別なスキルがなくても、自撮り写真をアップロードし日本語で指示するだけで、自然な仕上がりの加工が可能になりました。
本記事では、ChatGPTとGeminiそれぞれを用いた具体的な異性化の手順から、違和感をなくし魅力を引き出すプロンプトのコツ、そして顔写真をAIにアップロードする際に必ず押さえておくべきプライバシーと倫理的な注意点について解説します。
話題のAIで男性化・女性化(異性化)する方法とは?
ここ最近、SNSでは「AI男性化」「AI女性化」「異性化チャレンジ」のような、自分の顔をAIで変換した画像を投稿する流れが一気に広がっています。
スマホで撮った自撮り1枚を元に、「もし自分が男性だったら」「もし自分が女性だったら」というパラレルワールドの姿を遊び半分で試せるのが受けているポイントです。

この異性化遊びの中心にいるのが、ChatGPTとGeminiの画像機能です。どちらも「自撮り写真をアップロードして、日本語で指示を出す」だけで、男性化・女性化を含む自然な顔の編集ができます。
この記事では、細かいツール比較は脇に置いて、どちらでも再現できる手順とプロンプトの考え方に絞って解説します。
まず押さえておきたい前提と注意点

AIを使った男性化・女性化は、あくまで見た目を変える画像加工であり、性自認や医療の話とは別物です。
軽い遊び感覚であっても、最低限のルールと「データの扱われ方」は押さえておきましょう。
特に注意したいのは、主に次のポイントです。
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自分以外の顔は使わないこと。
他人・芸能人・未成年の顔を勝手に加工するのはトラブルの元です。肖像権・プライバシー権の侵害になる可能性があります。
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公開するなら「拡散される前提」で考えること。
一度SNSに流した画像は完全には回収できません。たとえ鍵アカでも、スクショや転載で広がるリスクはゼロではありません。
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性的な文脈には寄せないこと。
ネタのつもりでも、受け手によっては強い不快感や炎上につながる可能性があります。特に、性的な画像をAIで加工して共有するのは避けましょう。
「AIサービスに画像をアップロードする」こと自体のリスクを理解しておくこと。
ChatGPTやGemini などの一般向けサービスでは、設定によっては、アップロードした画像や会話内容がモデル改善のために利用されたり、一定期間サービス側に保存されたりする場合があります。
- ChatGPT は「データ管理」や「モデル改善への利用」に関する設定をオフにすると、今後の会話やアップロードファイルが学習に使われないようにできます。また、履歴の削除やアカウント自体の削除も可能です。
- Gemini も「Gemini アプリのアクティビティ」から履歴の確認・削除や、「Google AI の改善にデータを使うかどうか」の制御ができます。
とはいえ、「絶対に漏れない」「サービス側に一切残らない」と言い切れるものではないので、住所や社内の機密情報が映り込んだ写真、会社PCの画面、制服や名札がはっきり写った写真などはアップロードしないのが無難です。
どのAIを使えばいい?まずはChatGPTかGeminiを選ぼう
本記事では、日本語で指示できて、難しい設定なしで始めやすいという意味で、多くの人が触りやすい ChatGPT と Gemini を前提に解説します。

ChatGPTを使う場合
ChatGPTの画像生成は、最新だと「ChatGPT Images」の体験にまとまっています。
特徴は「指示どおりに作る」「編集で大事な部分を崩しにくい」方向に寄っています。
次のような使い方と相性が良いです。
- 自撮りをアップして「男性化」「女性化」と指示するところからすぐ始められる。
- 生成後に「もう少し元の面影を残す」「輪郭だけ控えめに」などを文章で詰めていける。
- “変えたい点”を言語化できるほど、狙った方向に寄せやすい。
Geminiを使う場合
Geminiの画像生成は「Nano Banana」系として整理されています。
アプリ上では、モデル選択で「高速モード」を選ぶと「Nano Banana」、「Thinking / Pro」を選ぶと「Nano Banana Pro」を使う流れになります。
特徴は「編集のコントロール」「テキストや細部の描画」「画作りの指定」に強みがある方向です。
次のような使い方と相性が良いです。
- ライティングやカメラ角度、アスペクト比などを指定して“画を作る”方向で詰められる。
- 男性版・女性版の比較画像など、条件を揃えた絵を作りたいときに便利。
- 同じ元画像から雰囲気違いを何枚か出して、良い方を選ぶ運用がしやすい。
ざっくりした選び方の目安
迷ったら「まずChatGPTで1枚作る」。物足りなければ「Geminiでも同じ元画像を回して比較する」。
これが一番早いです。
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文章で“直したい点”を伝えて、微調整を詰めたい。
→ ChatGPTが向きやすい。
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画角や光、雰囲気まで含めて“写真として整える”方向で詰めたい。
→ Geminiも試す価値がある。
ChatGPTで自分の顔を男性化・女性化する手順(3ステップ)
ChatGPTでの異性化は、ざっくり言うと「自撮りを選ぶ → アップロードして一言指示 → 会話で微調整」という3ステップで完結します。難しい操作は必要ありません。

ステップ1:自撮りを用意する
まずは、AIが扱いやすい自撮り写真を用意します。どんな画像でも変換できるわけではないので、最初の一枚がとても重要です。
- 明るい場所で撮る(逆光や暗所は避ける)
- 顔がはっきり写る正面〜やや斜めのアングルにする
- マスク・サングラス・手・髪で顔を隠さない
- 強すぎるフィルターや過度な美肌加工は避ける
- 集合写真ではなく、基本は一人で写っている写真を使う
ステップ2:ChatGPTに画像をアップして指示する
-
ChatGPTにログインし、チャット画面から「画像を作成する」を選択します。

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「写真とファイルを追加する」を選択し、お好きな画像をアップロードします。

今回は、以下の画像を使用します。

- 画像アップロードしたら、男性化・女性化の指示を出します。このときは、できるだけシンプルな日本語で問題ありません。

【男性化したい場合のプロンプト例】
この写真の人物を男性化してください。
同一人物だと分かる雰囲気は残したまま、自然で実在しそうな男性の顔にしてください。
加工感は弱めにして、背景や構図はそのまま維持してください。
【女性化したい場合のプロンプト例】
この写真の人物を女性化してください。
同一人物だと分かる雰囲気は残したまま、自然で実在しそうな女性の顔にしてください。
加工感は弱めにして、背景や構図はそのまま維持してください。
- プロンプトを送信すると、数秒ほどで画像が生成されます。
元の自分の面影をきちんと残したまま、性別だけスッとスライドしたような顔が出てくるので、初めて見るとちょっとしたキャラメイク感覚があります。

ステップ3:対話で細かく調整する
一発で完璧な結果が出ることはあまりありません。ここからは、チャットで追加の指示を出しながら、少しずつ理想の雰囲気に寄せていきます。
よく使う追加指示の例は、次のようなものです。
- 「もう少し中性的な雰囲気にしてください」
- 「会社員っぽい清潔感のある見た目にしてください」
- 「メイクは薄めにして、自然な印象にしてください」
- 「別人になっているので、元の顔の面影をもっと残してください」
- 「目を大きくしすぎないで、現実にいそうなバランスにしてください」
気に入ったバージョンが出てきたら、「この方向性でバリエーションを数枚作ってください」と依頼すると、同一人物感を保ったまま違う表情や髪型のパターンを増やせます。
Geminiで異性化する場合の流れ
Geminiでの異性化も、基本的な流れはChatGPTと同じです。写真をアップロードし、テキストで異性化を指示し、必要に応じて追加のプロンプトで調整します。

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Geminiアプリにアクセスし、「🍌画像を作成」を選択します。

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ファイルをアップロードを選択し、画像をアップロードします。

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画像生成に使うモデルを選択します。
「高速モード」を選んだ場合は Nano Banana が、思考モードやProモードを選んだ場合は Nano Banana Pro が内部で動作します。
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モデルを選択したら先ほどと同様に、プロンプトを入力します。

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しばらくすると、異性化された画像が生成されます。
Geminiも人物の質感や雰囲気の表現が得意なので、まずは無料版の範囲でいくつかパターンを試してみると、盛れ方の傾向がつかみやすくなります。

盛れやすいプロンプトのコツ(男性化/女性化で共通)
ここからは、ChatGPTとGeminiどちらにも共通する「盛れやすいプロンプトの考え方」を紹介します。別人っぽくしすぎず、でもちゃんと“異性版の自分”として見せたいときに役立ちます。

基本テンプレ
まずは、男性化・女性化どちらでも使える基本のテンプレートを押さえておきます。これをベースに、年齢や雰囲気だけ変えていくイメージです。
元の人物だと分かる顔の特徴は残してください。
(男性化/女性化)して、年齢は〇代くらいのイメージにしてください。
全体の雰囲気は〇〇系(例:清潔感のある、落ち着いた、優しそうな)にしてください。
加工感は弱めにして、実在しそうな自然な見た目にしてください。
背景や構図は元の写真と同じに保ってください。
テンプレはできるだけ短く書いた方がAIの自由度が上がり、長く書くほど破綻は減る代わりに変化もおとなしくなります。まずはやや丁寧めに書いて試し、慣れてきたら少しずつ要素を削っていくとバランスをつかみやすくなります。
男性化のとき意識するといいポイント
男性化の見た目を決めるときは、主に次のパーツの指示が効きます。ここを軽くコントロールしておくと、変化させつつも別人化を防ぎやすくなります。
- 顎や輪郭(少しシャープにする/あまり変えない)
- 眉(太さ・濃さ・形)
- 鼻筋(通すかどうか)
- 髪型(短め・マッシュ・センターパートなど)
- ヒゲの有無(最初は「ヒゲなし」推奨)
男性化のときに使えるプロンプトの例は、次の通りです。
元の顔の特徴は残したまま、男性化してください。
眉を少し太めにして、輪郭をわずかにシャープにしてください。
ヒゲは生やさず、清潔感のある見た目にしてください。
誇張しすぎず、現実にいそうな自然な男性の顔にしてください。
「ゴリゴリのイケメン」「モデル体型」のような表現を最初から入れると、元の顔の情報よりも“理想像”が優先されてしまうことがあります。まずは「実在しそう」「清潔感」あたりから攻めると安定します。
女性化のとき意識するといいポイント
女性化では、「目」「肌」「髪」「メイク」の4つが印象を大きく左右します。ここもやりすぎると一気にAIっぽくなるため、最初は控えめを意識します。
- 目は「少し大きめ」くらいに留める
- 肌は「自然な質感」で、ツルツルにしすぎない
- メイクは「ナチュラル」「薄め」から始める
- 髪型を変えて差をつける(ボブ・ミディアム・ロングなど)
女性化のときのプロンプト例は、次の通りです。
元の顔の特徴は残したまま、女性化してください。
目はわずかに大きくして、柔らかい印象にしてください。
メイクはナチュラルで薄めにして、肌の質感は自然なまま残してください。
髪型は肩につくくらいのミディアムヘアにしてください。
加工感を強くしすぎず、実在しそうな自然な女性の見た目にしてください。
「ガッツリ盛る」方向に振りたくなるかもしれませんが、まずは控えめ設定で元の面影を残し、それから少しずつ盛っていく方が満足度は高くなりやすいです。
まとめ
AIで自分の顔を男性化・女性化する遊びは、ChatGPTやGeminiさえあれば誰でも簡単に試せます。手順は、自撮りを用意して、短い指示を出し、会話で微調整するだけです。
一方で、顔写真はセンシティブな情報でもあります。他人の顔を勝手に使わないこと、性的な文脈に寄せないこと、拡散された後のことまで軽く想像しておくことが大切です。
ルールさえ押さえておけば、「もし自分が異性だったら?」という妄想を、安全に・気楽に形にできる面白い遊びになります。自分なりのプロンプトを試しながら、ちょうど良い“盛れ具合”を探してみてください。






