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OpenAI Academyとは?無料で学べる公式AI講座ハブの使い方と活用ロードマップ

この記事のポイント

  • OpenAI Academyは、動画、ライブイベント、配布資料を通じてAIスキルを習得できる無料の公式学習プラットフォーム
  • 基礎リテラシーから、ビジネス実務、教育、ニュースメディア向けまで、職種や業界に特化したコンテンツを提供
  • 単方向の動画学習だけでなく、ワークショップや特定テーマのコミュニティ(Clubs)を通じた双方向の学びが可能
  • 認定バッジや資格付与は「AI Foundations」などの別コースで扱われており、Academyはその前段階の学習ハブとして機能する
  • 企業研修や教育現場への導入においては、既存のテンプレートを活用しつつ、実務に直結したプロンプトやユースケースを共有する運用が推奨される
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


OpenAIは、AIリテラシーの向上とリスキリングを支援する公式学習プラットフォーム「OpenAI Academy」を展開しています。これは動画講座やウェビナー、業界別の学習コミュニティを集約したハブであり、基礎的なChatGPTの使い方からニュース組織向けの専門トレーニングまで、幅広いコンテンツを無料で提供するものです。

本記事では、OpenAI Academyで提供される教材の種類や効率的な学習導線、そして別途展開されている認定コースとの違いについて、企業や教育機関での活用を見据えた視点で解説します。

OpenAI Academyとは?──OpenAI公式の無料AI学習ハブの全体像

OpenAI Academy(https://academy.openai.com/)は、OpenAIが提供する「AI学習の玄関口」ともいえる無料の教育プラットフォームです。

ワークショップ、オンラインイベント、オンデマンド動画、配布資料などを通じて、基礎的なAIリテラシーから、エンジニア向けの高度な統合・開発手法までを扱うことが明確に打ち出されています。

OpenAI Academy
OpenAI Academy


OpenAI本体は「AIをより多くの人・組織に安全かつ有用な形で届けること」をミッションに掲げていますが、OpenAI Academyはそのうち「学習・リスキリング」を支える入口の役割を担う位置づけです。

2024〜2025年の拡張:コンテンツ・業界別・地域別の広がり

2024〜2025年にかけて、OpenAI Academyは主に以下のような方向で拡張されてきました。

  • コンテンツの拡充:
    K-12教育向けのウェビナー、ChatGPT Edu紹介セッション、業種別の活用セミナーなどが追加。

  • 業界別アカデミーの立ち上げ:
    ニュースメディア向けの「OpenAI Academy for News Organizations」が開設され、記者・編集者・プロダクト担当を対象としたトレーニングが開始。

  • 地域プログラムの拡大:
    インドを中心としたBuildathon(ハッカソン)シリーズなど、地域コミュニティと連動した取り組みも。


こうした動きから分かるのは、OpenAI Academyが単なる「講座集」ではなく、業界・地域・職種ごとのニーズに合わせた“場づくり”を伴う学習ハブになりつつあるという点です。


OpenAI Academyの料金・対応言語・提供形式

OpenAI Academyの大きな特徴のひとつが、「基本的なコンテンツは無料で公開されている」という点です。

公式サイト上で公開されているイベント情報やコンテンツページは、サインインを前提としつつも、受講自体に追加料金は設定されていない形で運用されています。

OpenAI Academyとその他の学習・資格要素の関係を、簡単な表にまとめると次のようになります。

項目 OpenAI Academy AI Foundations など認定コース ChatGPTサブスクリプション(Plus/Pro/Businessなど)
主な目的 無料の学習ハブ(動画・イベント・教材) 体系的なスキルトレーニング+認定 高機能なChatGPTの利用(モデル・トークン枠など)
料金 無料 提供形態により異なる(例:外部プラットフォームで無料参加可のコースあり) 月額課金(プランにより異なる)
認定・証明 基本なし(イベント参加証などはあり得る) 修了バッジや「OpenAI Certification」への道筋 基本的になし
提供場所 academy.openai.com ChatGPT内の学習体験(パイロット)/Courseraなど chat.openai.com 等

対応言語・字幕・ローカライズ状況

OpenAI AcademyのUIおよび教材は、現時点では英語が中心です。
動画コンテンツには英語字幕が用意されているものが多く、教育向け・ニュースメディア向けなど一部の講座でも英語を前提とした説明が行われています。

日本語を含む多言語対応については、全面的な日本語UI・教材が整備されているわけではありません。

そのため、日本の読者がOpenAI Academyを活用する場合は、次のような補助的な方法を組み合わせるケースが現実的です。

  • ブラウザの自動翻訳機能(Chromeの翻訳など)でページ全体を日本語にする。
  • 動画の英語字幕+要約を、日本語のChatGPTに貼りつけて要約させる。
  • 日本語メディアによる解説記事とセットで理解する。

コンテンツ形式と学習スタイル

OpenAI Academyでは、複数の形式が組み合わされています。

代表的なものは次のとおりです。

  • オンデマンド動画(録画ウェビナー、チュートリアル)。
  • ライブ配信イベント・ワークショップ。
  • イベント資料(スライド、プロンプト例など)の配布。
  • コミュニティ・クラブ(News Organizations、India など)での情報交換。

<Br>これらを整理すると、次のようなイメージになります。

形式 向いている学習スタイル 補足
オンデマンド動画 K-12向けChatGPT入門、ChatGPT Edu紹介 すきま時間で少しずつ視聴したい アーカイブ視聴が前提
ライブイベント/ワークショップ Buildathon向けハンズオン、教育者向けライブセッション その場で質問したい/インタラクティブに学びたい 時差・言語のハードルあり
コミュニティ・クラブ News Organizations、Indiaクラブ 同業種・同地域の事例を知りたい 参加にはアカウント登録が必要
配布資料/スライド プロンプト集、授業用スライド 自分の業務・授業に転用したい ローカルの資料作りに活用しやすい


自分が「動画中心で学びたい」のか、「イベント参加型で学びたい」のかをあらかじめ決めておくと、無理なく継続しやすくなります。


OpenAI Academyの受講方法

OpenAI Academyを「結局どこから触ればいいのか」を迷わないように、基本の3導線を整理します。

最初はこの3つを押さえるだけで、学習の迷子になりにくくなります。

Content:まずは録画・教材で“土台”を作る

Content:まずは録画・教材で“土台”を作る
Contentは、オンデマンド動画や記事形式のコンテンツを探す入口です。

最初はここから入るとペースを作りやすくなります。

  • まずは「fundamentals」「intro」「for beginners」系の1本を選ぶ。
  • 視聴しながら、紹介されたプロンプトを手元のChatGPTで試す。
  • 良かったものはテンプレ化して、再利用できる形にする。

Events:新しいテーマを“効率よく拾う”

 Events:新しいテーマを“効率よく拾う”

Eventsは、今後の開催予定や過去イベント(録画含む)をまとめて追う入口です。

「新機能の活用」「業界別セッション」のように、時期性のあるテーマはEventsが効率的です。

  • 開催予定よりも、まずは録画・資料がある過去イベントから消化する。
  • 自分の職種に近いイベントを優先し、視聴後に“社内・授業に持ち帰るメモ”を残す。

Communities:事例と運用ノウハウを“横展開”する

 Communities:事例と運用ノウハウを“横展開”する
Communitiesは、特定テーマ(News Organizations、Indiaなど)で学びや事例を共有する入口です。

「個人の理解」よりも、「組織・チームでの運用」になった瞬間に価値が上がりやすい領域です。

  • まずは同業界・同テーマのクラブを1つ選び、投稿や資料を眺める。
  • 参考になった事例は、社内Wikiや授業設計に落として共有する。

OpenAI Academyで学べる主なコンテンツとコース体系

OpenAI Academyの中身は幅広く見えますが、実務で迷わないためには「自分の目的に近いカテゴリから当たる」ことが重要です。

ここでは、Academyで扱われやすい学習テーマを5つの軸に整理し、どこから入ると効率が良いかをつかめるようにします。

基礎系コンテンツ:AIリテラシーとChatGPTの基本

基礎系コンテンツでは、AIリテラシーとChatGPTの基本的な使い方を学ぶことができます。
AIリテラシーとは、「AIの仕組みや限界・リスクを理解し、日常や仕事で適切に活用できる力」のことです。

代表的には、次のようなテーマがカバーされています。

  • 生成AIの基本概念(大規模言語モデル・トークン・プロンプトの考え方)。
  • ChatGPTの基本機能(会話、要約、翻訳、構成案作成など)。
  • 教育・ビジネス現場での「やっていいこと/慎重にすべきこと」。


こうした基礎系コンテンツは、職種を問わず「まず最初に押さえるべき土台」として位置づけられており、後述する認定コース側の内容とも接続し得る整理がしやすいです。

ビジネス実務系:マーケットリサーチ・資料作成・データ分析・中小企業向け

ビジネス実務向けのコンテンツでは、マーケットリサーチ・資料作成・データ分析・中小企業向け活用といった、より具体的な業務シーンに踏み込んだ内容が扱われます。
特に「AI for Small Business」のようなプログラムでは、スモールビジネスやスタートアップがChatGPTやOpenAI APIを使って業務を効率化する方法が紹介されています。

例えば、次のようなユースケースが想定されています。

  • 顧客からの問い合わせメールのドラフト作成。
  • 売上データの要約と簡易レポートの作成。
  • SNS投稿やキャンペーンコピーの案出し。
  • WebサイトのFAQやヘルプコンテンツの下書き。

教育・学校向けコンテンツ

教育向けコンテンツでは、K-12(初等中等教育)や高等教育・大学におけるChatGPT活用をテーマにしたセッションが提供されています。
たとえば、「Introduction to ChatGPT Edu」といった動画では、学生の学習支援や課題の理解、リサーチの補助としてChatGPTをどう使うかが具体例とともに紹介されています。

教育者にとって重要なのは、「AIを授業で禁止するかどうか」ではなく、「どうやって安全かつ効果的に組み込むか」です。
OpenAI Academyでは、以下のようなポイントに焦点を当てたセッションが増えています。

  • 授業準備(シラバス案・ワークシート・クイズ作成)の効率化。
  • 学習支援(苦手な生徒向けの追加説明・例題の自動生成)。
  • 評価とフィードバックにおけるAIの位置づけ。
  • 学生に対するAIリテラシー教育(ハルシネーションやバイアスへの注意)。


こうした教育向けの内容は、認定コース(ChatGPT Foundations for Teachers など)とも目的が近い領域があり、併用すると整理しやすいです。

ジャーナリスト・ニュースメディア向けコンテンツ

注目されているのが、「OpenAI Academy for News Organizations」です。
これは、ニュースメディアの編集・ビジネス・技術チームを対象とした学習コミュニティで、オンデマンドトレーニングなどを提供しています。

AI Essentials for Journalists では、次のようなテーマが扱われます。

  • 記者向けのプロンプト設計とドキュメント分析。
  • 調査報道や背景調査での検索・要約・比較の活用。
  • 多言語報道における翻訳とローカリゼーション。
  • データ分析・可視化の初歩。
  • ニュースルーム向けカスタムGPTの活用。


この分野は、ニュース組織とAIの関係性(著作権、透明性、信頼性など)とも密接に絡みます。
Academy(学習・コミュニティ)としての説明は、公式の「News Organizations」向け枠組みの文脈に寄せて整理すると混乱が少なくなります。

開発者・エンジニア向けコンテンツ

開発者向けには、OpenAI APIやエージェント・カスタムGPTを扱うハンズオンセッションやBuildathonが開催されています。
Buildathonでは、APIワークショップ、メンターによるレビュー、プロジェクト発表といった流れで、実践的なスキル習得の場が提供されることがあります。

開発者向けコンテンツの特徴は、単にAPIの仕様説明にとどまらず、次のような要素が組み込まれている点です。

  • 実際のユースケースに基づくアプリ設計(例:医療・教育・小売向けアプリ)。
  • プロンプト設計と評価のベストプラクティス。
  • セキュリティ・プライバシー・安全対策に関するガイドライン。
  • チーム開発・プロダクト開発におけるAI機能の組み込み方。


これにより、学生エンジニア〜現場のソフトウェアエンジニアまでを想定した「応用寄りの学習環境」が形作られています。


タイプ別おすすめ導線:最短で“使える”状態にする

ここでは、立場ごとに「何を見るか」ではなく「どう進めるか」を優先して整理します。
最初から全部は追わず、1〜2パターンに絞る方が定着します。

個人・ビジネスパーソン:業務テンプレを1つ作る導線

ゴールは「日々の業務を効率化し、アウトプットの質を底上げすること」です。
次の順で進めると、最短で成果が出やすくなります。

  1. Contentで基礎系を1本だけ視聴する。
  2. その場でプロンプトを試し、業務に当てはめて言い換える。
  3. 「自分用テンプレ」にして、1週間使い続ける。

教員・教育機関:授業準備の負荷を下げる導線

ゴールは「授業設計や学習評価の中に安全に組み込むこと」です。
次の順で進めると、過剰に広げずに導入できます。

  1. 教育向けセッションを1本だけ選び、授業準備に直結する部分をメモする。
  2. ワークシート/クイズ/追加説明のどれか1つに限定して試す。
  3. “AIを使う範囲”を授業内で明文化して共有する。

エンジニア・学生エンジニア:小さな成果物を残す導線

ゴールは「自分でAIアプリケーションやエージェントを構築できること」です。
次の順で進めると、学習がポートフォリオにつながります。

  1. APIや開発系コンテンツを1本見て、最小構成を真似する。
  2. 既存の課題(FAQ、要約、分類など)を1つ選び、ミニアプリ化する。
  3. 学んだことをREADMEに残し、改善点も書いておく。

企業(人事・研修担当・DX推進):研修設計テンプレで回す導線

企業側の関心は、「社員全体のAIリテラシーを底上げしつつ、特定職種の実務スキルも伸ばしたい」という点にあります。
OpenAI Academyを“社内研修”に落とすなら、まずはテンプレで設計するとブレません。

対象 目的 おすすめ導線 アウトプット例
全社員 AIリテラシーの底上げ Contentで基礎→短い共有会 利用ガイドライン+やって良い例/慎重な例
営業・企画 提案・文章の質と速度 Content→業務テンプレ化 提案書の骨子テンプレ/メールテンプレ
マーケ・広報 調査・発信の効率化 Eventsで最新テーマ→運用へ 調査フォーマット/SNS投稿の型
開発 API活用・実装力 開発系Content→小成果物 ミニアプリ+評価メモ
管理職 リスク・ガバナンス 注意点/FAQ→社内方針化 利用ルール、監査観点、例外運用

まとめ

本記事では、OpenAI Academyの位置づけ(無料の学習ハブであること)を起点に、料金・言語・提供形式といった基本情報、画面上の導線(Content / Events / Clubs)の使い分け、学べる領域(基礎/実務/教育/ニュースメディア/開発者)を整理しました。
OpenAI Academyは「情報を集める場所」に留めず、視聴した内容をテンプレ化し、業務・授業・開発に接続していくほど価値が上がります。

今後は、業界別・地域別の枠組みが増えたり、認定コースとの連携が強まったりと、学習の入口からスキル証明までの動線がより整備されていく可能性があります。
また、日本語を含む多言語対応やローカルコミュニティの拡充が進めば、日本国内での活用もしやすくなるでしょう。

一方で、AI関連サービスは変更が速く、UIや提供条件が更新されることも珍しくありません。
そのため、学習の「考え方・ユースケース」を中心に吸収しつつ、細かな手順や条件は利用時点の公式表示で確認する、というスタンスで使うのが安全です。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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