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DXの3つの段階とは?デジタイゼーション・デジタライゼーション・DXの違いと進め方を解説

この記事のポイント

  • DXの3つの段階(デジタイゼーション・デジタライゼーション・DX)の定義と違いを解説
  • 各段階の具体例とキッコーマン・パナソニックの事例を紹介
  • 自社のDX段階を見極めるポイントと段階別の進め方を解説
  • DXの各段階で活用できる補助金・支援制度を紹介
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するにあたり、自社が現在どの段階にあるのかを正確に把握することは、効果的なDX戦略を立てるうえで非常に重要です。DXには「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の3つの段階があり、それぞれ目的や取り組み内容が異なります。
本記事では、DXの3つの段階の定義と違い、各段階の具体例や企業事例、自社の段階を見極めるポイントと段階別の進め方をわかりやすく解説します。

DXの3つの段階とは

DXの3つの段階とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)を効率よく進めるためには、DXの段階を正確に理解することが重要です。DXには以下の3つの段階があり、それぞれ目的と取り組み内容が異なります。

以下の表で3つの段階の概要を整理しました。

段階 定義 主な目的 具体例
デジタイゼーション アナログ情報をデジタル形式に変換 情報のアクセス性と効率の向上 紙文書のPDF化、音声記録のテキスト化
デジタライゼーション デジタル技術で業務プロセスを変革 業務の効率化・自動化・最適化 クラウド導入、IoTによる生産管理
DX デジタル技術でビジネスモデル全体を変革 競争優位性の確立と新たな価値創造 新規ビジネスモデルの創出、組織文化の変革

この表のとおり、3つの段階はデジタル化の範囲と深さが段階的に広がっていきます。デジタイゼーションが「情報のデジタル化」、デジタライゼーションが「プロセスのデジタル化」、DXが「ビジネス全体のデジタル変革」と整理すると違いが明確になります。

デジタイゼーション:DXの第1段階

デジタイゼーション:DXの第1段階

デジタイゼーションとは、情報やプロセスをデジタル形式に変換することです。DXの最初のステップとして、企業がより広範なデジタル変革へと進むための基盤を築く段階に位置づけられます。

デジタイゼーションの具体例

デジタイゼーションの代表的な取り組みには以下のものがあります。

  • 紙のドキュメントをデジタル形式に変換
    請求書や契約書などの紙文書をPDFやクラウドストレージで管理し、物理的な保管スペースの削減と検索性の向上を実現します。

  • 写真や図面のデジタル化
    設計図面や現場写真をデジタルデータとして保存し、離れた拠点間でもリアルタイムに共有できる環境を整えます。

  • 音声記録のテキスト化
    会議の議事録や顧客対応の音声データをテキストデータに変換し、情報の蓄積と活用を効率化します。

デジタイゼーションのメリット

デジタイゼーションによって、データアクセスの向上、情報共有の容易化、印刷・保管コストの削減、データの保護とセキュリティの向上、物理的なスペースの最適化といったメリットが得られます。

この段階をしっかりと実行することで、次の段階であるデジタライゼーションと全体的なDXへと効果的に移行することが可能になります。デジタイゼーションは地味な作業に見えますが、DX推進の土台として欠かせないステップです。

デジタライゼーション:DXの第2段階

デジタライゼーション:DXの第2段階

デジタライゼーションとは、デジタル技術を活用してビジネスプロセス、サービス、または製品を変革するプロセスです。デジタイゼーションで蓄積したデジタルデータを活用し、業務全体の効率化・自動化・最適化を図ることが目的です。

デジタライゼーションを実現する主な技術

デジタライゼーションでは、以下のようなデジタル技術が活用されます。

  • クラウドコンピューティング
    データとアプリケーションをインターネット経由でアクセス可能にし、スケーラビリティと柔軟性を高めます。

  • AI(人工知能)技術
    データ駆動の意思決定を支援し、チャットボットによる顧客対応の自動化、予測分析、画像認識などに活用されます。

  • ビッグデータ分析
    大量のデータを収集・分析し、戦略的意思決定を支援する洞察を抽出します。

  • IoT(Internet of Things)
    物理的なデバイスをインターネットに接続し、データのリアルタイム収集と分析を可能にします。

デジタライゼーションの企業事例

実際にデジタライゼーションに取り組む企業の事例を紹介します。

キッコーマンのIoT活用事例

キッコーマンは、千葉県野田市に建設した新工場「キッコーマンフードテック 本社工場食品棟」で、最先端のIoT技術を導入しています。IoT技術を駆使した生産プロセスの自動化により生産性と効率が向上し、立体自動倉庫システムの導入で製品の保管と管理が自動化されました。さらに、FSSC22000(食品安全管理システム)に準拠した施設とプロセスを構築し、製品の安全性と品質を保証しています。

この新工場では、IoT技術を中心とした自動化と最適化が、生産効率の向上、コスト削減、持続可能な環境対策に貢献しており、食品業界におけるデジタライゼーションの注目すべき事例です。

参考:キッコーマンフードテック株式会社 本社工場食品棟 竣工

パナソニックのスマートファクトリー事例

パナソニックのグローバルマザー工場では、冷蔵庫製造のデジタライゼーションを推進しています。IoT技術を活用して機械とシステムの連携を強化し、リアルタイムでデータを収集・分析することで、生産効率の向上と品質管理の精度を高めています。

日本、中国、ベトナムなどグローバルに展開する生産拠点からのデータを統合し、世界各地の工場で品質が統一された製品を製造する体制を実現しています。

参考:Monolist

デジタライゼーションによるプロセスとワークフローの変革は、企業が市場での競争力を保ちながら成長し続けるための鍵です。これらの技術を適切に統合し継続的に改善することで、業務効率の向上、顧客との関係強化、新しいビジネスチャンスの創出が実現します。

DX(デジタルトランスフォーメーション):DXの第3段階

DX(デジタルトランスフォーメーション):DXの第3段階

DXの第3段階であるデジタルトランスフォーメーションは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデル全体を根本から変革する戦略です。顧客体験の向上、業務プロセスの再設計、新しいビジネスチャンスの創出、組織文化の変革に焦点を当て、持続可能な競争優位性を確保することを目指します。

IT化とDXの違い

IT化とDXの違い

IT化とDXは、デジタル技術を活用するという点では共通していますが、その範囲と目的には大きな違いがあります。

  • IT化
    IT技術を導入して既存システムの改善・効率化に取り組むこと。主に業務の効率化やコスト削減、データ管理の改善が目的です。

  • DX
    デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルやプロセス、組織文化そのものを根本的に変革すること。競争優位性の確保、新しいビジネスモデルの創出、顧客体験の向上、持続可能な成長が目的です。AI、IoT、ビッグデータ、クラウドなどの先進技術を統合的に活用します。

つまり、IT化が「既存業務の改善」であるのに対し、DXは「ビジネス全体の変革」を目指すという点が根本的な違いです。

DXを実現するためのポイント

DXの第3段階に到達するためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

  • 評価と計画
    現状の業務プロセスと技術使用を詳細に評価し、具体的な問題点を特定して解決の優先順位を設定します。実現可能な目標、タイムライン、予算を含む段階的な計画を策定しましょう。

  • 障壁への対応
    技術的限界、組織文化の抵抗、スキル不足といった障壁に対し、効果的なコミュニケーション、トレーニング、経営層のサポートを通じて対応します。リスク管理計画を用意し、問題発生時の体制を整えることも大切です。

  • 継続的な改善と学習
    市場と技術の進展に合わせて戦略を定期的に見直し、新技術のトレンドを監視しながら試験的なプロジェクトで採用を試みます。実施した変革の効果を分析し、必要に応じて戦略を迅速に調整しましょう。

自社のDX段階を見極めるポイント

自社のDX段階を見極めるポイント

自社が現在どのDX段階にあるかを正確に把握することは、効果的なDX戦略を立てるための出発点です。以下のチェックポイントで自社の段階を見極めてください。

チェックポイント デジタイゼーション段階 デジタライゼーション段階 DX段階
紙文書のデジタル化 一部実施 ほぼ完了 完了
業務プロセスの自動化 未着手 一部自動化 広範囲に自動化
データの一元管理 部門ごとに分散 一部統合 全社的に統合
デジタル技術による新サービス なし 検討中 実現・展開中
組織文化のデジタル対応 意識醸成段階 一部部門で推進 全社的に浸透

自社の現在地を把握したうえで、次の段階に進むために必要な取り組みを計画的に進めることが重要です。各段階を着実にクリアしていくことで、最終的なDXの実現に近づくことができます。

DXの各段階で活用できる補助金・支援制度

DXの各段階で活用できる補助金・支援制度

DXの各段階における投資負担を軽減するため、国や自治体が提供する補助金・支援制度を活用できます。

  • デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
    デジタイゼーションからデジタライゼーションの段階で活用しやすい補助金です。業務効率化やセキュリティ強化を目的としたITツールの導入費用が対象で、RPA、クラウドサービス、セキュリティ対策ツールなど幅広いソフトウェアが対象となります。

  • 新事業進出・ものづくり補助金
    デジタライゼーションからDXの段階で活用しやすい補助金です。革新的なサービス開発や生産プロセスの改善を支援し、DXに関連する新商品開発やデータ分析基盤の構築に活用できます。

  • 小規模事業者持続化補助金
    小規模事業者がデジタイゼーションに取り組む際に活用しやすい補助金です。販路開拓や業務効率化を支援し、DXツールの導入費用にも活用できます。

補助金の要件や申請期限は年度ごとに変更されるため、最新情報は各制度の公式サイトで確認してください。


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まとめ

DXの推進は、3つの段階を理解し、自社の現在地を正確に把握することから始まります。本記事のポイントを整理すると、以下の3点が重要です。

  • 3つの段階の違いを理解する
    デジタイゼーション(情報のデジタル化)→デジタライゼーション(プロセスのデジタル化)→DX(ビジネス全体の変革)と、段階的にデジタル化の範囲と深さが広がっていきます。各段階の目的と取り組み内容を正しく理解することが、DX成功の基本です。

  • 自社の段階を見極めて計画的に進める
    DXは一足飛びに達成できるものではなく、各段階を着実にクリアしていくことが重要です。自社の現在地をチェックポイントで確認し、次の段階に進むための具体的な計画を策定しましょう。

  • 技術導入だけでなく組織文化の変革も不可欠
    DXの成功は、単に技術を導入するだけではなく、ビジネスプロセス、組織文化、顧客体験の向上にどう活かすかにかかっています。経営層のリーダーシップのもと、全社的な変革に取り組むことが求められます。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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