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DXに向けた組織づくりとは?3つのモデルとポイント、成功事例を解説

この記事のポイント

  • DX推進には専門組織型・IT部門拡張型・事業部門主導型の3つの組織モデルがある
  • DX推進組織には戦略立案・技術選定・変革管理・人材育成の4つの役割が求められる
  • 適切な人材の配置・全社的な意識改革・外部組織の活用が組織づくりの3つのポイント
  • トヨタ自動車・三井住友銀行・ユニクロのDX組織づくり成功事例を紹介
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためには、最新のデジタル技術を導入するだけでなく、組織自体がDXに対応できる体制を整えることが重要です。DX推進に特化した組織を設置している企業は、DX成熟度が高い傾向にあることが調査でも明らかになっています。
本記事では、DX推進に必要な組織づくりについて、3つの組織モデル、DX推進組織の役割、構築のポイント、そしてトヨタ自動車や三井住友銀行などの成功事例まで詳しく解説します。

DXにおける組織づくりの重要性

DXにおける組織づくりの重要性

DX(デジタルトランスフォーメーション)を効果的に推進するためには、技術の導入だけでなく、DXに対応できる組織体制を整えることが不可欠です。DX推進部門を設置することで、DXに特化した戦略立案やプロジェクト管理を一貫して行うことができ、企業全体での方向性が明確になります。

DX推進において組織づくりが重要な理由は、大きく分けて以下の3点です。

  • DXを効率的に推進できる
    DX推進部門があることで、DXの進捗を一元管理し、必要に応じて柔軟に対応することができます。各部門がバラバラにDXに取り組むよりも、統合的な推進が可能となります。

  • 各部門の負担を軽減できる
    DX推進部門を設けることで、各部門は通常の業務に集中しつつ、DX推進部門からのサポートを受けてスムーズにデジタル化を進めることができます。

  • 部門間の連携を強化できる
    DXは組織全体に影響を与える取り組みであり、各部門やチーム間の連携が不可欠です。効果的な組織体制を整えることで、部門間の情報共有や協力体制が構築され、一丸となってDXを推進することができます。

IPAの調査では、DX専門組織とシステム部門が協同して推進している企業は、DX成熟度レベル3以上に達している割合が約64%に上る一方、システム部門のみで推進している企業では約9%にとどまるという結果が報告されています。このデータからも、DX推進における組織づくりの重要性は明らかです。

DX推進組織の3つのモデル

DX推進組織の3つのモデル

DXを推進するための組織構成には、大きく分けて3つのモデルがあります。以下の表で各モデルの特徴を整理しました。

モデル 概要 メリット デメリット
専門組織型 DX推進を専門とする独立した部門を設置 集中的・統合的な推進が可能 DXに精通した人材が不在だと機能しにくい
IT部門拡張型 既存のIT部門にDX推進チームを追加 既存のITインフラやリソースを活用できる 他部門の業務ノウハウが不足しやすい
事業部門主導型 各事業部門が自らDX推進を担当 現場のニーズに即した迅速な変革が可能 IT技術の知識が不足しやすい

自社の状況や課題に応じて最適なモデルを選択することが重要です。以下に各モデルの詳細を解説します。

専門組織型

専門組織型は、DX推進を専門とする独立した部門やチームを設置する組織構成です。「DX推進室」や「デジタルイノベーション部門」といった名称で設けられることが多く、DXに関する戦略立案から実行、進捗管理までを一手に引き受けます。

専門的な知識とスキルを持ったメンバーが集まり、集中的にDXの推進に取り組むことで、迅速かつ統合的な推進が可能となります。多くの企業がこの専門組織型を採用しています。

一方、メンバーの中にDXを積極的に推進でき、DXに関する知識に精通している人材がいない場合は効果的に機能しないというデメリットもあります。

IT部門拡張型

IT部門拡張型は、既存のIT部門を拡張し、その中にDX推進チームを追加するモデルです。IT部門はもともとデジタル技術やシステムの管理を担っているため、これを基盤にしてDX推進を行うことができます。

既存のITインフラやリソースを活用しつつ、新たなデジタル技術や変革プロジェクトを取り込むことで、効率的にDXを進められるのが強みです。

ただし、IT部門は他部門の業務に関するノウハウを持っていないことが多く、業務フローの効率化などの推進が難しい場合があります。IT部門を拡張する際には、他部門の業務内容を理解している人材を追加することが重要です。

事業部門主導型

事業部門主導型は、事業部門が自らDX推進を担当し、現場のニーズに即した形でDXを推進するモデルです。各事業部門が独自のDX戦略を立案し実行するため、実践的かつ迅速な変革が可能です。

しかし、事業部門はIT技術に関する知識を持ち合わせていないケースも多いため、デジタル化など技術的な変革を行う際はIT部門と密に連携を取る必要があります。

DX推進組織の役割

DX推進組織の役割

DX推進において、組織にはいくつかの重要な役割が求められます。それぞれの役割が明確に定義され、効果的に機能することで、DXの成功が可能になります。

戦略立案とビジョン策定

DX推進組織の最も重要な役割の一つは、DXの全体的な戦略を立案し、企業のビジョンを策定することです。DXが企業のビジネスモデルや業務プロセスにどのような影響を与えるかを明確にし、その方向性を定めます。経営層と連携をとり、経営方針と方向性を一致させることが重要です。

技術選定と導入

DXを成功させるためには、適切な技術の選定と導入が不可欠です。DX推進組織は、AIやクラウド、RPAなどの新しいデジタル技術のリサーチや評価を行い、自社のニーズに合致した技術を選定します。その後、これらの技術を導入し、業務プロセスに組み込むことで、組織全体のデジタル化を進めます。

変革の推進と管理

DXは単なる技術の導入だけでなく、組織文化や業務プロセスの変革も伴います。DX推進組織は、全従業員の意識改革や新しい業務プロセスの導入、組織全体の変革に向けた取り組みを主導し、適切に管理する役割を担います。

人材育成と能力開発

DXの成功には、デジタルスキルを持った人材の育成が欠かせません。DX推進組織は、社員が必要なスキルを習得できるよう、教育プログラムや研修を実施します。リスキリングを通じて継続的に人材育成を行うことで、組織全体のDX推進力を高めることができます。

DX推進の組織づくりにおけるポイント

DX推進の組織づくりにおけるポイント

DXに向けた組織づくりを成功させるためには、以下の3つのポイントが重要です。

適切な人材を配置する

DX推進組織を作る際に最も重要なのが、適切な人材を配置することです。DXに必要な専門知識やスキルを持った人材を選び、その経験を活かせる役割を与えることで効果的にDXを推進できます。

技術に精通したIT人材だけでなく、ビジネスプロセスの理解や変革推進に強いリーダーシップを発揮できる人材の配置も重要です。異なる分野の人材を組織に配置することで、DXに多角的に取り組むことが可能となります。

企業全体の意識改革を行う

DX推進を成功させるためには、組織内の意識改革が不可欠です。新しいデジタル技術や業務プロセスに対する理解を深め、経営層から現場まですべての従業員がDXの重要性を認識し、共通のビジョンを持つことが求められます。

DX推進に伴う変化に対する抵抗を最小限に抑え、積極的に新しい取り組みを受け入れる文化を醸成するために、社内のコミュニケーションや研修プログラムの充実が重要です。

外部組織も活用する

DX推進組織の構築は、必ずしも社内のみで行う必要はありません。社内に専門的な知識やスキルが不足している場合、外部のコンサルタントや技術者、パートナー企業と協力することで、不足しているリソースを補完できます。

外部組織の客観的な視点を取り入れることで、組織内では見えにくい課題や改善点を明らかにすることも可能です。研修や育成コストを削減しつつ、DX推進のスピードと効果を向上させることができます。

DXに向けた組織づくりの成功事例

DXに向けた組織づくりの成功事例

実際にDX推進のための組織づくりに成功した企業事例を紹介します。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、DX推進において専任の「コネクティッド・カンパニー」という専門組織を設立しました。この組織は、トヨタが進める「モビリティカンパニー」への転換を支える役割を担っており、デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを開発し、モビリティサービスの提供を推進しています。

トヨタ自動車はこの組織を通じて、グローバルなネットワークを構築し、車両のデータを活用した新たなサービスの開発に取り組んでいます。これにより、トヨタは単なる自動車メーカーから、モビリティサービスを提供する企業へと進化を遂げています。

三井住友銀行

三井住友銀行は、DX推進のために「デジタル戦略部」を設立し、全社的なデジタル化の取り組みを進めています。同部門は、既存の金融サービスのデジタル化だけでなく、AIやブロックチェーンなどの最新技術を活用した新たなデジタル金融サービスの開発にも注力しています。

また、各事業部門との連携を強化し、デジタル化による効率化や新たなビジネスチャンスの創出を図っています。専門組織型と事業部門主導型を組み合わせた体制により、顧客体験の向上と業務効率化の両方を実現しています。

ユニクロ(ファーストリテイリング)

ファーストリテイリング(ユニクロ)は、DXを推進するために「デジタル&イノベーション部門」を設立し、デジタル変革を進めています。デジタル技術を活用してサプライチェーン全体の効率化を図り、顧客データを基にした商品開発やマーケティング戦略を展開しています。

特に、オンラインとオフラインを統合する「オムニチャネル戦略」を強化し、顧客がパーソナライズされた体験を受けられるシステムを構築しました。この結果、ユニクロはグローバル市場での競争力をさらに高め、DXによる持続的な成長を実現しています。


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まとめ

DXに向けた組織づくりについて、以下の3点が重要です。

  • 自社に合った組織モデルを選択する
    専門組織型、IT部門拡張型、事業部門主導型の3つのモデルから、自社の状況や課題に応じて最適なモデルを選択しましょう。DX専門組織を設置している企業のDX成熟度が高いことが調査でも裏付けられています。

  • 人材・意識改革・外部活用の3つのポイントを押さえる
    適切な人材の配置、企業全体の意識改革、外部組織の活用がDX組織づくりの成功の鍵です。技術人材だけでなく、ビジネスと技術の両方を理解できる人材の育成も重要です。

  • 段階的に組織体制を整備する
    一度にすべてを変革するのではなく、まずは小規模な専門チームから始め、成果を積み重ねながら段階的に組織体制を拡充していくことが効果的です。トヨタ自動車や三井住友銀行の事例のように、自社の強みを活かした組織づくりを目指しましょう。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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