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DXリテラシーとは?ITリテラシーとの違い・4つの要素・企業事例をわかりやすく解説

この記事のポイント

  • DXリテラシーはデジタル技術を活用して組織やビジネスの変革を推進する能力であり、ITリテラシーよりも広い範囲をカバーする
  • DXリテラシーはデータリテラシー・デジタルツールの理解・イノベーションの理解・ビジネスプロセスのデジタル化の4つの要素で構成される
  • 経済産業省の「デジタルスキル標準」はDXリテラシー標準とDX推進スキル標準の2つで構成されている
  • 住友ゴム工業・キヤノン・イオンディライトなど、企業のDXリテラシー導入事例を紹介している
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

デジタル時代に不可欠なDXリテラシーとは、組織やビジネスのデジタルトランスフォーメーションを推進する能力を指します。本記事では、DXリテラシーの定義やITリテラシーとの違い、4つの構成要素、経済産業省のデジタルスキル標準の概要、そして企業の導入事例までをわかりやすく解説します。

DXリテラシーとは

DXリテラシーとは

DXリテラシーとは、デジタル技術を駆使して組織やビジネスの変革を推進する能力を指します。具体的には、デジタル技術の理解やデータの活用能力に加え、ビジネスプロセスの再設計やイノベーションを促進する能力が求められます。

DXリテラシーとITリテラシーの違い

DXリテラシーと混同されやすい言葉にITリテラシーがあります。両者の違いを見ていきましょう。

以下の表で、両者の違いを整理しています。

比較項目 ITリテラシー DXリテラシー
対象範囲 デジタル技術そのものの操作・活用 デジタル技術による組織・ビジネスの変革
主なスキル PC操作、オフィスソフト、プログラミング基礎 データ活用、ビジネスモデル創出、プロセス革新
目的 業務の効率化 企業や組織の根本的な変革

この表が示すとおり、DXリテラシーはITリテラシーを土台としつつ、デジタル技術を活用して組織やビジネスに変革を起こす能力までを含むより広い概念です。

DXリテラシーの4つの要素

DXリテラシーは以下の4つの要素で構成されています。

  • データリテラシー
    データを理解し、分析し、活用する能力です。データの収集方法、分析ツールの使用、データを基にした意思決定などが含まれます。

  • デジタルツールの理解
    最新のデジタル技術やツールの理解とその活用方法です。クラウドコンピューティング、AI、機械学習、IoTなどが該当します。

  • イノベーションの理解
    新しいアイデアや技術を活用して、製品やサービス、ビジネスプロセスを改善する能力です。デザイン思考やアジャイル開発などの手法が含まれます。

  • ビジネスプロセスのデジタル化
    企業の業務プロセスをデジタル技術で効率化する能力です。デジタルマーケティング、サプライチェーンのデジタル化などが該当します。

経済産業省の「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」

経済産業省の「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」

経済産業省のデジタルスキル標準は、「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2つの部分で構成されています。前者はすべてのビジネスパーソンが習得すべき基本的なDX知識とスキルを定義し、後者はDXを具体的に推進する役割を持つ人材のためのスキルセットを明確にしています。

2023年8月の改訂版では、社会の変化、特に生成AIの出現とその影響を反映し、多くの新たな記述が加えられました生成AIの導入がDXの進行を加速させる可能性があり、これに伴いビジネスパーソンはより高度なスキルとリテラシーを身につける必要があります。

DXリテラシー標準とは

経済産業省が定める「DXリテラシー標準」は、企業や組織がDXを効果的に推進するために必要な基礎的な知識とスキルの指針を提供するものです。主な目的は、すべての従業員がDXに関する基本的なリテラシーを持つことで、企業全体のDX推進力を高めることです。

DXリテラシー標準には、以下のような内容が含まれています。

  • 社会の変化
    デジタル技術の進化や社会の変化に対応するための知識

  • 顧客価値の変化
    顧客のニーズや行動の変化に対応するための知識

  • データリテラシー
    データの収集、分析、活用方法

  • デジタル技術の理解
    クラウド、AI、IoTなどの基礎知識

  • 倫理とコンプライアンス
    デジタル技術を活用する際のモラルや法律の理解

DX推進スキル標準とは

DX推進スキル標準は、企業や組織がDXを推進する上で必要となる具体的なスキルや能力を定義しています。DXを実際に推進するリーダーや専門家が必要とする高度なスキルを明確にし、体系的に身に付けるための指針を提供するものです。

DX推進スキル標準に基づく主なスキルセットは以下のとおりです。

  • 戦略的思考とビジネスモデリング
    DX戦略の策定能力やビジネスモデルのデザイン能力が求められます。

  • プロジェクト管理能力
    アジャイル手法によるプロジェクト管理、迅速なプロトタイピングとフィードバックループの活用が含まれます。

  • リーダーシップと変革管理能力
    組織をリードし、変革を成功に導くためのスキルです。DX推進には経営層の強力なリーダーシップが不可欠です。

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DXリテラシーを向上させる方法

DXリテラシーを向上させる方法

DXリテラシーを向上させるためには、組織全体の教育・研修体系を強化するとともに、個人が自発的に学びを深めるためのリソースと支援が必要です。

マナビDXは、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が共同で運営するデジタル人材育成プラットフォームです。デジタルスキル全般にわたる多様な教育コースを提供しており、基礎から応用レベルまでの内容が網羅されています。プロジェクトベースの学習やケーススタディを通じて、実際のビジネスシーンで使えるDXスキルを身につけることが可能です。

また、以下の資格取得を目指すことも、体系的にDXを学ぶうえでおすすめです。

これらの資格はDX関連の具体的な業務に対する専門知識とスキルを持っていることを証明する手段として有効です。

DXリテラシーの企業導入事例

DXリテラシーの企業導入事例

実際にDXリテラシー向上に取り組んでいる企業の事例を紹介します。

住友ゴム工業株式会社

住友ゴム工業株式会社は、中期経営計画の一環として2025年までに3,500名のDX人材を育成する目標を掲げていました。基幹システムの刷新と各種DX施策の進行にあたり、全社員のDXリテラシーレベルを向上させる必要がありました。

研修を導入した結果、基本的なデジタル技術とデータ活用の理解が深まり、AIを使用したシミュレーションなど実際の業務に直結するスキルが身についています。今後は研修を受けた社員がDXスキルを活用し、企業内での学び合いと自走化を進めていく方針です。

キカガク 導入事例

キヤノン株式会社

キヤノンは全社的なDXリテラシー向上を目指し、以前から導入していた「Aidemy Business」の使用範囲を全社員に拡大しました。新たに経済産業省の「DXリテラシー標準」に沿ったコースを開発し、提供を開始しています。

全社的なDXリテラシー研修を通じて基礎的な知識やスキル・マインドが向上し、キヤノンの具体的なニーズに合わせたカスタマイズコンテンツも提供されています。今後は継続的なDX教育とリスキリングを通じて、変化に適応できる強い組織づくりを目指しています。

PR TIMES Aidemy×キヤノン

イオンディライト株式会社

イオングループに属するファシリティマネジメント企業であるイオンディライト株式会社は、DXとITリテラシー教育への注力が必要と判断し、「これだけは知っておきたいDXシリーズ」と「DX自分ごと化ワークショップ」を教育プログラムに導入しました。

全従業員のDXリテラシーが向上し、従業員が自主的に技術を業務に応用する積極的な姿勢が醸成されています。今後はDXツールを活用した内製化を進め、自走可能なビジネスモデルへの進化を目指す方針です。

日本能率協会マネジメントセンター 導入事例

DXリテラシーの今後の展望

DXリテラシーの今後の展望

DXは技術的な進歩と社会の変化に伴い進化し続けます。特に注目されるのは生成AIのような先進技術であり、データ分析、自動化プロセス、顧客サービスの向上など多方面にわたるビジネスプロセスを革新しています。

政府の支援策と企業の取り組み

日本政府はDXを国家戦略として位置づけ、資金援助、法規制の緩和、デジタルインフラ整備といった支援策を推進しています。企業側でもDXを進めるための新部門設立や人材育成プログラムの充実が進んでいます。

生成AIの適切な利用

生成AIはビジネスに革新をもたらす強力なツールですが、使用時には著作権侵害や情報漏洩リスクなどの課題に留意が必要です。日本ではこれらの課題に対処するためのガイドライン整備が進められています。

持続的な学習と適応

生成AIの影響を理解し適応するためには、継続的な学習が不可欠です。企業と個人は新技術の動向に敏感であり、常に新たなスキルを学び変化に対応する柔軟性が求められます。

DXリテラシーの未来は、技術の革新に適応しそれをビジネスや社会に適用する能力に大きく依存します。政府と企業が協力して環境を整備し、デジタル時代の変化に対応していくことが重要です。


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まとめ

本記事では、DXリテラシーの定義からITリテラシーとの違い、構成要素、経済産業省のデジタルスキル標準、企業事例、今後の展望までを解説しました。

  • DXリテラシーはITリテラシーを土台に、デジタル技術で組織やビジネスに変革を起こす能力を指す
  • データリテラシー・デジタルツールの理解・イノベーションの理解・ビジネスプロセスのデジタル化の4要素で構成される
  • 経済産業省の「デジタルスキル標準」は全ビジネスパーソン向けのDXリテラシー標準と、DX推進人材向けのDX推進スキル標準で構成されている
  • マナビDXやDX検定などの学習リソースを活用し、組織全体のDXリテラシーを高めることがDX成功の基盤となる

DXリテラシーの向上は一朝一夕には実現しませんが、継続的な学習と実践を通じて、デジタル時代における競争力を高めていくことが大切です。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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