この記事のポイント
- この記事は株式会社レオパレス21のクラウド化を実現した事例について紹介しています。
- レオパレス21は、約30年前に構築されたメインフレームの基幹系システムをMicrosoft Azureへ移行しました。
- クラウド移行によって、迅速なスペック対応や保守コストの削減が可能になりました。
- また、生成AIを活用し、社内の生産性向上にも成功しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上で、既存のシステムのモダナイズは避けて通れない課題です。本記事では、住宅関連ビジネスを展開するレオパレス21が、約30年前に構築されたメインフレームシステムからMicrosoft Azureへのクラウド移行を成功させた事例を紹介します。老朽化した基幹系システムのモダナイズにはどのような課題があったのか、クラウド化によってどのような効果が得られたのか、DX推進のための手法と効果について、具体的な取り組み内容と共に詳しく解説していきます。レオパレス21の事例から、システム更新の重要性とクラウドサービスの利用がもたらす利点を学び、自社のDX戦略に役立てるヒントを得られる内容となっています。
不動産業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。不動産業界では、顧客向けサービスにAIを搭載してカスタマーエクスペリエンスを向上する事例、自社効率性の向上の事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
レオパレス21の企業ロゴです
住宅関連ビジネスを行う株式会社レオパレス21は、DX戦略の一環として、約30年前に構築されたメインフレーム上の基幹系システムをモダナイズする大規模な取り組みを進めました。オープン化を経て最終的には、Microsoft Azureへのクラウド化を実現し、DXを推進する体制を整えました。
【導入の背景】
レオパレス21が掲げる「新しい価値の創造」という企業理念の下、スマートロックやオンライン契約サービスの提供など、デジタル技術の導入に向けた取り組みを進めています。一連のDX推進策の基盤となるためには、古い基幹系システムのモダナイズが必須でした。
【元々の課題】
元々レオパレス21は、30年前にメインフレームで開発された基幹系システムを利用しており、そのシステムはすでに老朽化が進んでいました。メンテナンスの難しさとハードウェアの保守切れが課題となり、脱メインフレームを目指しオープン化を実施後、更なるクラウド化が必要となりました。
【解決策】
解決策としてレオパレス21は、クラウドサービスのMicrosoft Azureを基盤とし導入しました。これには成長率の高さ、Microsoft Office 365との親和性、そして国内法適用の明確さが決定理由となりました。オンプレミスの更新コストとAzureへの移行コストを比較し、AzureがTCO(総保有コスト)を抑えられるという結論に至りました。
【効果】
レオパレス21のクラウド移行対策
クラウド化により、スペック不足時の迅速な対応や、ハードウェアの保守切れに伴う更新コスト削減が可能となりました。さらに、データ連携基盤のクラウド移行も併せて実施し、ライセンス料節減を実現。また、「Azure OpenAI Service」を用いた自社開発による生成AIの展開が社内の生産性向上に寄与しています。