ビジネス全般に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。日本では、ChatGPTの登場から生成AIを用いたシステム、Azureなどのセキュリティを高めた生成AI活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例の概要】
ソフトバンク株式会社は、全社的な業務効率化に向けて、Azure OpenAI Serviceを活用した営業部門特化の生成AIを導入しました。
社内の営業活動を革新し、その効果が定着率7割以上という驚異的な数値で示されています。
【導入の背景】
近畿以西の地域を担当するソフトバンク西日本営業本部では、顧客により良い提案を行うために、営業部門主導で生成AIの導入を開始しました。
営業活動でお客様にAIの価値を伝えるには、まず営業自身が生成AIを深く理解し、利用して業務効率化を実感する必要がありました。
【元々の課題】
ソフトバンクの法人営業部門では、営業社員の業務負担が増大していた一方で、顧客に生成AIの良さや価値を伝えるための実体験が不足していました。
これを解消するため、自身が生成AIを利用し、そのメリットを体験する必要がありました。
【解決策】
ソフトバンクは、営業業務の効率化および深い理解促進のため、Azure OpenAI Service の「生成AIパッケージ」を導入しました。
営業部門に特化した生成AIツールの社内展開には、他部門との協力を得て、要件定義から約3ヶ月の短期間で実現しました。
導入した生成AIには、営業活動に役立つ12個のプロンプトがプリセットされています。
文書作成や編集を行う「文書要約」、ソフトバンクのサービスを学習した「商材学習済みbot」、提案時の「企業・業界分析」の3カテゴリに分かれており、外出先でもモバイルから気軽に利用できます。
【効果】
営業向け生成AI導入以降、通常期待される定着率が20-30%であるのに対し、実際の定着率は70%以上という顕著な成果が得られました。
これは、理解促進施策と活用促進施策を同時に進めたことが成功要因とされています。
勉強会の開催や情報過多にならないよう少しずつ情報を届けるなど、生成AIを身近に感じる取り組みを行ったことで、高い定着率につながりました。
営業社員は必要な情報をすぐに生成AIから得られるようになり、業務効率が大幅に改善しています。
ソフトバンクは今後も、営業部門での生成AI活用をさらに推進し、お客様への提案力強化と業務の生産性向上を目指していきます。先進テクノロジーを取り入れることで、営業活動のDXを加速させていく方針です。
【出典】
SoftBank