この記事のポイント
- この記事は社会医療法人石川記念会HITO病院のDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入事例について述べています。
- 病院はPower BIを利用することでリアルタイムに経営指標を可視化し、迅速で柔軟な意思決定を行えるようになりました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
地域医療における課題解決と経営効率化のため、社会医療法人石川記念会HITO病院がDX(デジタルトランスフォーメーション)に着手しました。新たな試みとしてPower BIを活用し、経営指標のリアルタイム可視化を実現しました。本記事では、高齢社会の進展や医療費抑制政策、そして新型コロナウイルス感染症への対応を通じて、進化する地域医療のリアルに即したICTの活用方法と、その具体的な成果について詳しくご紹介します。データ駆動型の意思決定プロセスは、HITO病院のより迅速で柔軟な問題解決を実現し、職員間のコミュニケーションの円滑化にも応えることで、医療現場の質の向上に繋がっています。
ヘルスケアおよび福祉業界分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。ヘルスケアおよび福祉業界では、セキュリティとAIが回答を間違わないことは非常に重要です。特に患者さんなどの顧客に触れるサービスでの活用は十分に留意しましょう。
AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。
弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
社会医療法人石川記念会HITO病院
社会医療法人石川記念会HITO病院では、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める一環としてPower BIを導入しました。これにより経営指標をリアルタイムに可視化することが可能になり、迅速且つ柔軟な意思決定が現場単位で実現できるようになりました。
【導入の背景】
高齢化の進行や医療費抑制政策に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応など、地域医療を取り巻く環境が激変する中、総合的なDX対策が求められました。HITO病院ではこれらの課題に対応するため、ICTを駆使した新たな医療体制の構築に取り組みました。
【元々の課題】
従来の意思決定プロセスは時間的なロスが大きく、月一度の会議では1か月前のデータのみ使用が可能でした。日々変動するコロナ禍における病床状態や診療報酬のリアルタイムな把握が不可能であり、対応のスピード感に欠けていました。
【解決策】
Power BIを導入し、データの集計と可視化を自動化することで、経営指標を現場単位でタイムリーに把握できる体制を整えました。また、Microsoft Teamsを併用することで、職員間のコミュニケーションの円滑化も実現しました。
【効果】
導入後、報告資料の作成作業が大幅に自動化され、原則当月分のデータを用いた意思決定が可能となりました。これにより、迅速な問題解決や病院経営に必要なアクションを現場レベルで行うことができるようになり、経営の効率化だけでなく、遠隔地からのテレワーク対応も飛躍的に向上しました。
Power BIにより当月分のデータを反映