この記事のポイント
- この記事は、大阪市がICTを活用して行政サービスの質を高め、効率化を達成した取り組みについて紹介しています。
- 行政運営のデジタル化には、Microsoft Teamsの活用やBYODポリシーの導入が含まれ、日常業務の効率化と災害時の迅速な対応が可能になりました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
昨今、テレワークの導入が加速している中、大阪市はICTを積極的に取り入れることにより、行政サービスの質の向上と効率化をめざし、その成功事例が注目されています。本記事では、2016年に策定された大阪市のICT戦略から始まり、Microsoft Teamsの活用、BYODの導入によるテレワーク環境の構築、さらには災害対応のためのクラウド基盤の整備まで、大阪市が果たしてきた革新的な取り組みを紹介しています。日常業務だけでなく、災害時における迅速なコミュニケーション確保への挑戦は、他の自治体にとっても参考となる内容です。この成功事例を通じて、ICTを活用したテレワークの可能性と行政の役割に関する理解を深めていただけるでしょう。
自治体で活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。自治体では、生成AIをチャットボットとして自治体独自の情報を活用する事例が多く報告されています。セキュリティの観点からAzureクラウド上で構築されている例が大半を占めています。
AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
大阪市の自治体ロゴ
大阪市はICTを駆使し、市民サービスの向上や行政運営の効率化を進めている最前線の例です。2016年のICT戦略策定から、Microsoft Teamsの導入やBYODの採用によるテレワーク環境の実現、そして災害対応としてクラウド基盤を整えるなど、組織横断的なデジタル化を推進しています。
【導入の背景】
大阪市がICT戦略を策定した背景には、「行政と市民の距離を縮め、市民サービスの向上を図る」という強い意志があり、テレワークの推進を含め、業務プロセスの全面的な見直しが求められました。これにより、市民生活の質の向上と、行政の生産性向上が目指されています。
【元々の課題】
既存のオンプレミスのシステムは災害が発生した際の対応に限界があり、また日常業務の中でのコミュニケーションツールの不足が指摘されていました。東日本大震災や熊本地震を受けて、ICT戦略室が設置され、より強固で柔軟なクラウド基盤への追求が始まりました。
【解決策】
解決策として、庁内の情報共有基盤のクラウド化や、Microsoft 365の採用、ビデオ会議システムMicrosoft Teamsの導入、そしてBYODポリシーの実施によるテレワーク環境の整備が進められました。これにより、災害時だけでなく日常の業務効率化も同時に実現されています。
Microsoft Teamsの導入
【効果】
導入後、Teamsでのビデオ会議の数は1日あたり約250件と増加し、テレワーク移行が迅速に展開されるなど、コミュニケーションの効率化が実感されています。また、多様な業務内容を担う約20,000人の職員がクラウドサービスを活用することで、いつでもどこでも柔軟に業務を推進できるようになりました。