この記事のポイント
- この記事は、SMBCグループにおけるAIアシスタントSMBC-GPTの導入と実証実験について紹介しています。
- SMBC-GPTによる業務効率化を通して、従業員の生産性向上と顧客満足度の向上が期待されています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
金融サービスの質向上と効率化を目指し、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)はAI技術の導入に着手しました。この記事では、2023年4月からスタートしたSMBC-GPTと名付けられたAIアシスタントツールの実証実験に焦点を当てています。日本マイクロソフト、日本総合研究所、NECの協力のもと、Microsoft Azureを基盤に開発されたこのAIは、文章作成、要約、翻訳などの業務自動化を通じて、SMBCグループの従業員の生産性を高め、顧客サービスの迅速化と品質向上を促進することが期待されています。本記事では、AI導入に至った背景、直面していた課題、そしてその解決策について詳しく解説していきます。
金融および保険業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。金融および保険業界では、自社金融機関内業務の効率性の向上の事例が多く報告されています。また、セキュリティが非常に重要であるため、Azure OpenAIでセキュリティを確保している特徴があります。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
SMBCグループ
三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は、Microsoft Azure上で開発されたAIアシスタントツール"SMBC-GPT"の実証実験を2023年4月に開始しました。このAIアシスタントの導入によって、文章作成や要約、翻訳などの業務を自動化し、従業員の生産性向上を目指します。
【導入の背景】
金融業界全体がデジタル化を進める中、SMBCグループも効率化とサービス品質の向上を図るため、AI技術を取り入れる必要がありました。特にチャットボットのような対話型AI技術による業務支援は、顧客サービスの迅速化と品質向上の両立が期待されます。
【元々の課題】
SMBCグループは、文書の作成や情報収集などに多くの時間を要していました。また、従業員が繰り返し行うルーチンワークによる生産性の低下と、迅速な顧客対応という課題に直面していました。
【解決策】
AIアシスタント"SMBC-GPT"を導入することで、文章の作成や要約、翻訳などを効率よく行い、従業員がより価値の高い業務に注力できるようにしました。このAIツールはAzure OpenAI Serviceを用いたSMBCグループ専用のもので、日本マイクロソフト、日本総合研究所、NECが共同で開発に取り組んでいます。
SMBC-GAIの導入
【効果】
SMBC-GPTを活用することで、業務にかかる時間を削減し、従業員の生産性を向上することが期待されています。また、AIによる迅速な案内や情報提供によって、顧客の満足度向上も目指しています。