この記事のポイント
- この記事は大林組が開発したAI設計技術「AiCorb」を用いた業務革新について解説しています。
- 「AiCorb」の導入により、スケッチや3Dモデルから迅速にファサードデザインを生成し、設計フェーズの時間短縮と効率化を実現しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
建設業界に革命をもたらすべく、大林組がAI技術を用いた業務革新を進めています。自社開発の「AiCorb」を活用し、スケッチや3Dモデルから瞬時にファサードデザインを生成することに成功した結果、設計フェーズの効率化と時間短縮を実現しました。従来、時間と労力を要していた設計プロセスを改善することで、顧客のニーズに迅速に対応し、競争力の向上を図るという同社の挑戦を本記事で詳細にお伝えします。さらに、設計者がクリエイティブな作業に注力できる環境を整備し、顧客満足度の向上にも貢献している点にも注目です。
建設・建築業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。建築・建設業界では、IoT機器・データとAIを活用した事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
株式会社大林組
建設大手の株式会社大林組は、AI技術を駆使して設計作業の革新を図りました。自社開発した技術「AiCorb」を用いて、スケッチや3Dモデルから多様なファサードデザインを即座に生成することに成功。この取り組みにより設計フェーズの時間短縮と効率化を実現しました。
【導入の背景】
大林組は競争の激しい建設業界において、迅速な顧客ニーズの把握と設計提案が重要な要素となっています。顧客との合意形成のスピードや提案の質向上が求められたため、革新的な技術の導入を志向しました。
【元々の課題】
従来の建築設計は、顧客の要望を踏まえながら手作業でスケッチやCADを用いた提案を行っており、時間と手間がかかる課題がありました。再提案の際も同様のプロセスを要し、効率性に課題を抱えていた。
【解決策】
この問題を解決するために大林組が開発したのが「AiCorb」というAI技術です。複数のデザインを学習させ、スケッチや3Dモデルから即座にファサードデザインを生成することができるようになりました。連携する設計プラットフォームHyparでボリュームデザインとファサードデザインの合意形成を効率化しました。
AiCorbの導入
【効果】
AiCorbとHyparの連携により、設計初期段階での迅速な提案と合意形成が可能になり、大幅な時間短縮と効率の向上を実現。これにより、設計者のクリエイティブな作業により多くの時間を割くことができ、顧客満足度の向上にも寄与しています。
出力された3Dモデル