この記事のポイント
- 三菱重工業はDX推進の一環としてコンテナ技術とクラウドサービスを導入し、システム開発の標準化と迅速なサービス提供が可能となりました。
- Azure Red Hat OpenShift(ARO)の採用により、運用管理の効率とセキュリティ強化が実現し、60以上のコンテナアプリケーションの稼動に成功しました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進中の三菱重工業がコンテナ技術とクラウドサービスの導入を実施しました。この記事では、三菱重工のニーズに合わせたシステムの統廃合や共通化を目指した取り組み、具体的にはAzure Red Hat OpenShift(ARO)の採用による運用管理効率化、セキュリティ強化などの成果を解説します。60以上ものコンテナアプリケーション稼働に成功し、社内でのアジャイル開発やクラウドネイティブ技術の理解が深まった結果、ビジネスモデル変革とDX推進への道を拓いた三菱重工の事例をご紹介します。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
導入事例概要
三菱重工企業ロゴ
三菱重工業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める一環として、コンテナ技術とクラウドサービスを導入しました。この取り組みにより、システム開発の標準化と迅速なサービス提供が可能になりました。特に、Azure Red Hat OpenShift(ARO)の採用によって、運用管理の効率化とセキュリティの強化が達成され、60以上のコンテナアプリケーションの稼働に成功しています。
導入の背景
三菱重工業では、新しい時代のニーズに応えるため、グループ全体でシステムの統廃合や共通化を進めていました。この中には、レガシーシステムのマイグレーションから新規サービスの迅速な開発まで幅広い取り組みが含まれており、DX推進が中心となっています。こうした中でコンテナ技術とクラウドサービスの採用が注目されました。
元々の課題
従来のシステムは変更や更新が困難で、新しい技術への対応が遅れがちでした。また、異なるシステム間の統合や共通機能のモジュール化が進んでおらず、開発の柔軟性やスピードに課題がありました。三菱重工では、これらの問題を解決し、DXを加速するために新たな技術導入が求められていました。
解決策
三菱重工業は、自然言語処理サービスの開発をきっかけにKubernetesを活用したオンプレミスの基盤構築を行い、その後、Azure Red Hat OpenShift(ARO)を導入しました。このAROはフルマネージドのコンテナプラットフォームを提供し、運用管理の効率化、セキュリティおよびネットワーク機能の高度化、そして迅速なアプリケーション開発と展開を可能にしています。
効果
AROの導入
AROの導入により三菱重工業は運用管理性やメンテナンス性の向上を実現し、認証含むネットワークとセキュリティの高度化に成功しました。また、アジャイル開発やクラウドネイティブ技術の理解が社内に浸透し、開発の標準化が進みました。これにより、今後の速やかに60以上のコンテナアプリケーションの稼働が可能になり、ビジネスモデルの変革やDXへの貢献が期待されています。