この記事のポイント
- この記事はシスメックス株式会社のDX推進と市民開発の取り組みについて解説しています。
- シスメックスはDX戦略の一環として、基幹システムの刷新と現場業務のデジタル化をMicrosoft Power Platformを活用して進めています。
- 市民開発プロジェクトの結果、多くの社員がアプリ開発に参加し、40以上のアプリが開発され業務効率化に寄与しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
医療機器企業シスメックス株式会社が、創立から一貫して医療の発展に貢献し続ける中、新たな挑戦としてデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に力を入れています。当記事では、同社が東昌芳氏の指揮のもとDX戦略推進本部を立ち上げ、基幹システムの刷新や現場業務のデジタル化にどのように注力しているのか、その中心にあるMicrosoft Power Platformを活用した市民開発促進プロジェクトの具体的な成果とともに紹介していきます。DXが企業の成長を促進し、社員一人ひとりがイノベーターとなることで、社内の働き方がいかに進化し、業務効率化へ繋がったのかをご覧ください。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
Sysmexのホームページ
シスメックス株式会社では、1968年の創立以来、検体検査事業を核として展開しており、企業の成長とデジタル技術の活用に注力しています。
東昌芳氏率いるDX戦略推進本部では、基幹システムの刷新を企図する一方で、現場業務のデジタル化を推進しており、Microsoft Power Platformを利用した市民開発促進プロジェクトを進行中です。
【導入の背景】
シスメックス社のモダンなオフィス外観
シスメックスは、検体検査を軸に健康な社会を目指す長期ビジョンを掲げつつ、事業領域の拡大や人材育成を含むさまざまな施策を進めています。
DX戦略の中で基幹システムの標準化を目的としたシステム刷新プロジェクトに取り組んでおり、これにより企業成長の加速が期待されています。
【元々の課題】
シスメックス社の方々
東氏は、基幹システムの標準化を進める一方で、現場業務の負担軽減が課題であると感じていました。
その中で、データの個別最適化が進み効率の悪化している業務フローの改善と、現場の手作業を効率化する必要性に焦点を当てました。
【解決策】
解決策として、シスメックスではMicrosoft Power Appsを中心としたMicrosoft Power Platformの利用を開始しました。
東氏はこのプラットフォームで現場主導のDXが可能と感じ、市民開発促進プロジェクトを立ち上げました。
【効果】
スマートフォン用に開発された会議室予約のアプリ画面
市民開発プロジェクトは大成功で、アプリの導入後、多くの市民開発者が現れ、短時間で業務効率化に貢献するアプリが数多く開発されました。
40以上のアプリが現場で開発され、社内DXの推進とデジタル化の促進に貢献しています。