この記事のポイント
- この記事ではGoogleの新しいセキュリティ技術「パスキー」の特徴とその利点を紹介しています。
- パスキーは、指紋や顔認証などの生体認証またはPINコードにより、パスワードを使わずにサインインが可能な方式です。
- Googleは「ワールド・パスワード・デー」に合わせて、4,000万以上のアカウントで10億回以上使われるなど、パスキーの普及を進めており、今後もアドバンスドプロテクションプログラムでの利用を拡大予定です。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
インターネットのセキュリティを高めるため、Googleは「ワールド・パスワード・デー」に合わせて、新たな認証技術「パスキー」の導入とオンライン安全強化の取り組みを展開しています。
パスキーはパスワードよりも安全かつ迅速にサインインできるため、パスワード漏洩やフィッシング攻撃のリスクを減らします。
また、Googleはパスキーを4,000万以上のアカウントで10億回以上の認証に使用し、高リスクユーザーのセキュリティを更に強化するアドバンスドプロテクションプログラムへの適用を計画しています。
さらに、クロスアカウント保護プログラムを通じて、非Googleサービスのアカウントも保護され、ユーザーのプライバシー守りつつセキュリティ通知を共有します。パスキー技術はAmazonやeBayなどの大手パートナーにも展開されており、利用可能なサービスが拡大し続けています。
この記事では、Googleがどのようにパスキー技術を推進し、オンラインセキュリティを強化していくのかを掘り下げてご紹介いたします。
目次
Googleの新しいセキュリティ技術「パスキー」とは?
Googleはオンラインセキュリティの強化のために、「パスキー」という新しい認証技術を開発しました。パスキーは、従来のパスワードを使ったログイン方法に代わる、もっと安全で簡単な方法です。
パスキーを使うと、指紋や顔認証などの生体認証またはPINコードだけでサインインが可能になります。
これにより、パスワードが不要になるため、パスワードを忘れたり、盗まれたりするリスクが減ります。さらにパスキーはフィッシング攻撃にも強く、従来のパスワードよりも50%速くログインができるため、使いやすさも向上しています。
Googleアカウントのセキュリティが強化される新機能
Googleは、パスキーを利用したアカウント認証が4,000万以上のアカウントで10億回以上行われたと発表しました。これは、パスキーが広く受け入れられ、多くのユーザーに利用されている証拠です。
また、Googleは高リスクユーザー向けのセキュリティ機能として、アドバンスドプロテクションプログラム(APP)へのパスキーの使用をサポートする予定です。
APPは、選挙運動のスタッフやジャーナリストなどを標的型攻撃から守るためのプログラムで、これまではハードウェアセキュリティキーが必要でしたが、パスキーを使ってさらに保護を強化することができるようになります。
Googleのクロスアカウント保護プログラムとは?
Googleのクロスアカウント保護プログラムは、非Googleのアプリやサービスを利用する際にもユーザーのセキュリティを守るためのものです。
このプログラムを通して、Googleはプライバシーを保護しながら、セキュリティ通知を他社のアプリやサービスと共有します。
これにより、サイバー犯罪者がユーザーの1つのアカウントを乗っ取り、他のアカウントにアクセスすることを防ぐのに役立ちます。
現在、このプログラムは340万のアプリとサイトで24億のアカウントを保護しており、今後もパートナーシップを拡大していく予定です。
パスキーの利用範囲の拡大と業界サポート
パスキーの導入以来、Googleはさまざまなパートナー企業と協力し、パスキーの利用範囲を広げています。Amazon、1Password、Dashlaneなどの有名な企業がパスキーを取り入れ始めており、eBayやUberなどの既存のパートナーに加わっています。
これにより、ユーザーがパスキーを使用することで、より簡単で速いサインインが可能となり、セキュリティを強化しながらも利便性を損なわない体験が提供されます。
また、ユーザーはパスキーをどこに保存するか選ぶことができ、独立したパスワードマネージャーを利用することも可能です。
出典:Google