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NVIDIA Omniverse Kit 106 リリース:オープンUSDベースの3Dアプリケーション開発がさらに進化

この記事のポイント

  • この記事はNVIDIA Omniverse Kitの新バージョン106ベータ版のリリースについて紹介しています。
  • Kit 106では、OpenUSDベースの3Dアプリ開発がより容易で拡張性のあるものへと進化しています。
  • 要点:
  • - NVIDIA Omniverse Kit 106にはクラウドやオンプレミスのデプロイを考慮した新機能が多数含まれており、開発者のワークフローを簡素化します。
  • - 新しいKit Base Editorを利用することで、リアルタイムの設定での変更とテストが迅速に行えるようになり、開発の効率が向上します。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

3Dアプリケーション開発の最前線を支えるNVIDIA Omniverse Kitが、新たにバージョン106ベータ版をリリースしました。
本記事では、OpenUSDベースの3Dアプリケーションおよび産業デジタル化の開発を次のステージへと引き上げるこのアップデートの詳細をご紹介します。

Kit 106には、クラウドやオンプレミスでのデプロイを見据えた新機能や、開発者のワークフローを簡素化するツールが満載です。
高度なRTXレンダリング、ビジュアルスクリプティングの強化、そして新しいベータ機能のアプリストリーミングAPIまで、開発プロセスを革新し、効率的なアプリケーション構築を可能にしています。

これらの進化により、リアルタイムでダイナミックな3Dコンテンツの作成や、さまざまな産業におけるデジタル変革が促進されることでしょう。

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NVIDIA Omniverse Kit 106で実現する次世代3Dアプリケーション開発

2024年6月13日、NVIDIAはOmniverse Kitの最新版、106ベータ版のリリースを発表しました。
このリリースには、OpenUSDベースの3Dおよび産業デジタル化アプリケーション開発を容易にし、拡張可能にする新機能が多数含まれています。

NVIDIA Omniverseは、複雑な3Dワークフローや産業デジタル化のためのアプリケーションを構築するプラットフォームで、モジュラーなアーキテクチャを採用しており、必要に応じてツールやアプリケーションに直接統合できます。

新たなKit 106では、開発ワークフローをより管理しやすくする新しいツールと機能が追加され、クラウドまたはオンプレミスでのデプロイに対応するOpenUSDベースのアプリケーション開発を加速します。
サンプル環境の最適化、バックエンド構造の改善、ビジュアルスクリプティングの強化、そしてRTXレンダリングの進化が特徴です。

NVIDIA Omniverse プラットフォーム
NVIDIA Omniverse プラットフォーム

開発者体験の向上: Kit 106ベータSDKの新機能

Kit 106ベータSDKは、開発者が強力で使いやすいツールを使用してアプリケーションを構築し、テストし、確信を持ってデプロイできるようにするためのNVIDIAの取り組みを示しています。
このSDKには、アプリケーションの開発とテストを合理化するための多くの改善が施されています。

たとえば、「Kit Base Editor」は、Kit 106ベータSDKの目玉機能であり、テストと開発に最適化された準備完了のサンプル環境を提供します。
この機能により、リアルタイムの設定での変更をすばやく確認し、テストすることができ、開発サイクルの効率を向上させます。

さらに、キット拡張のバックエンド構造が改善され、拡張機能と依存関係をより高いレベルでコントロールできるようになりました。
これにより、コードの管理とメンテナンスが簡素化されます。

ビジュアルスクリプティングツールのOmniGraphも、このリリースで大幅な強化を受けており、開発において視覚的アプローチを好む方や迅速なプロトタイピングが必要な方にとって、より使いやすく効率的になりました。

Kit Base Editor
Kit Base Editor

高度なRTXレンダリングとOmniverse Kitアプリテンプレートリポジトリの導入

Kit 106ベータSDKは、RTXレンダラーをアップデートし、DLSS 3.5に基づいたHydra準拠のハイブリッドAIパストレーサーを搭載しています。
これにより、リアルタイムのフレームレートで、リアルで視覚的に魅力的な結果を実現する、改良されたマテリアルとライティングモデルを利用したより優れたリアルタイムレンダリングが可能になります。

また、Kit 106ベータSDKと共にリリースされたKitアプリテンプレートリポジトリは、OpenUSDベースのアプリケーションを構築するための迅速な方法を提供します。

このリポジトリには、プロジェクトの特定のニーズに合わせてカスタマイズできる様々なテンプレートが含まれており、開発時間を大幅に削減し、仮想工場シミュレーションや3D製品コンフィギュレータなど、革新的なソリューションの構築に集中できるように支援します。

Omniverse Kitテンプレートを用いた3Dシュミレーション例
Omniverse Kitテンプレートを用いた3Dシュミレーション例

OmniverseアプリストリーミングAPIによるクラウドへの展開

新しいOmniverseアプリストリーミングAPIを使用すると、Kitベースのアプリケーションをクラウドにデプロイし、クラウドからインタラクティブにストリーミングすることができます。

これにより、これらのアプリケーションを任意のパブリッククラウド上で自己ホスティングし、ウェブベースのソリューションにシームレスに統合することが可能になります。

Kit 105.1.2以降のKitベースのアプリケーションと互換性があり、オンプレミスとパブリッククラウドのインフラストラクチャの両方でのデプロイをサポートしています。
このAPIは間もなくベータ版としてリリースされます。

出典:NVIDIA

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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