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LangChain v0.2登場:新機能とGDPR準拠のLangSmithを搭載した開発者向けプラットフォームの進化

この記事のポイント

  • LangChain v0.2がリリースされ、安全性とGDPR準拠に関する重要なアップデートがなされました。
  • 役割ベースのアクセス制御の導入やEUのデータ保護規則に対応したことで、セキュリティが強化されています。
  • ペアワイズ評価機能の追加により、開発者は複数の出力から最適なものを選ぶことが容易になりました。
  • マルチエージェントシステムの構築を容易にするLangGraphの導入と、バージョン化されたドキュメントによりユーザビリティが向上しています。
  • 非同期サポートや新しいイベントストリーミングAPIなど、開発者のニーズに応えるための多くの新機能が追加されています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

開発者向けの進化したプログラミングプラットフォーム、LangChainの最新バージョンv0.2が登場しました。
セキュリティの強化とGDPRへの準拠を果たし、役割ベースのアクセス制御やEUのデータ保護規則に対応した新機能を搭載。また、ペアワイズ評価による出力の質を向上させることで、開発者が理想的なレスポンスを選択できるようになります。

さらに、LangGraphを用いて簡単にマルチエージェントシステムを構築可能とし、非同期サポートや新しいAPIを通じたストリーミングサポートなどを実現することで、安定性とユーザビリティの向上にも寄与しています。

次世代の開発に不可欠なLangSmithを搭載したLangChain v0.2の特長と可能性を見ていきましょう。

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LangChain v0.2の新機能とセキュリティの強化

2024年の5月13週にLangChain v0.2がリリースされ、開発者たちが待ち望んでいたセキュリティとコンプライアンスの強化が実現しました。

この新バージョンでは、特にLangSmithにおいて役割ベースのアクセス制御(RBAC)が導入され、組織内のユーザーに対し、それぞれの役割に応じたアクセス権限を割り当てることが可能になりました。

これにより、管理者はリソースへのアクセスをより細かく制御できるようになり、セキュリティが一層向上しました。

また、GDPRへの準拠も大きな進歩であり、EU内でLangSmithを使用するクライアントに対して、データ保護規則を遵守することを保証します。

APIキーのアクセス制御も改良
APIキーのアクセス制御も改良

ペアワイズ評価による出力の質向上

LangSmithでは、テキスト生成やチャットのテストにおいて、ペアワイズ評価機能が追加されました。
これは、特定の基準に基づいて2つの異なる出力を比較し、どちらがより優れているかを判断するためのものです。

この機能により、開発者は「正しい」答えが存在しない状況でも、最適な応答を選択できるようになります。

ペアワイズ評価は、LangChain v0.2のリリースにより利用可能になり、ビデオチュートリアルやドキュメントを通じて、その使用方法を学ぶことができます。

LangChain v0.2の安定性とユーザビリティの向上

LangChain v0.2では、プラットフォームの安定性とユーザビリティが向上しました。
バージョン化されたドキュメントにより、開発者はバージョンごとの情報を簡単に確認できるようになり、LangGraphを使用することでマルチエージェントシステムの構築が推奨されています。

自律型リサーチエージェントの構築例
自律型リサーチエージェントの構築例

これにより、開発者はエージェントのサイクルを定義し、組み込まれたメモリを活用して、より簡単にカスタマイズや修正が行えるようになります。

さらに、非同期サポートや新しいイベントストリーミングAPIを通じたストリーミングサポートなど、開発者のニーズに応える多くの改善が施されています。

出典:LangChain

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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