この記事のポイント
- Heygenは豊富なAIアバターと洗練された表情・動きが特徴のビデオ生成プラットフォーム
- テキスト入力だけで簡単に動画作成、自分専用のAIアバター作成も可能
- 無料版と有料プラン(Creator、Business、Enterprise)を提供、商用利用も可能
- 直感的なインターフェースで、プログラミングスキル不要で高品質な動画を作成可能
- 教育、エンターテインメント、マーケティングなど幅広い分野での活用事例あり
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
HeyGenは、AIアバター動画の作成ツールです。 2023年には、「Tekpon」というソフトウェアレビュープラットフォームにおいて、ベスト人工知能ソフトウェア の一つに選ばれたこともあります。
この記事では、HeyGenはどういったツールなのか、またその利用で何を得られるのかについて解説しています。
具体的な特徴、使用方法、料金体系、商用利用に関する情報、さらには実際の活用例まで、初心者から上級者までがHeyGenを最大限に活用するために必要な知識を網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
HeyGenとは
HeyGenは、AIを活用したビデオ生成プラットフォームです。テキストを入力するだけで、自動的に動画を作成することができます。
こちらは、Heygenで実際に作成した動画です。
この動画内で話している人物の仕草から表情まで、全てAIによって生成されています。
何らかのプログラミングスキルや専門的な知識がない状態でも、このようなアバター動画を、数クリックで生成することが可能です。
しかし、このようなアバター作成ツールやAIを使った動画作成サービスは他にも数多く提供されています。
Heygenはどういった特徴があるのでしょうか?
HeyGenの特徴
1.豊富なAIアバターの種類
heygenには、数百種類のアバターがテンプレートとして用意されています。
Heygenで使用できるアバター例 Heygenより
これらのテンプレートの顔の特徴や髪型、服装などの細かい部分を調整することもでき、オリジナルのアバターを作成することも可能です。
また、画像データをアップロードすれば、静止画に表情や仕草をつけて、アバター動画として使用することもできます。
そのため、実写の人間が話す動画だけでなく、イラスト絵やキャラクターなどが話す動画を作ることもできます。
2.洗練されたAIアバター
他のAIアバター生成ツールと比較して、HeyGenは独自のアルゴリズムによる表情や動きのリアリズムにも力を入れています。アバターは自然な表情変化を再現することができ、映像やゲーム内でリアリティを重視する開発者には特に魅力的な機能です。
さらに、継続的なアップデートによる新機能の追加と使いやすさの向上が期待されており、ユーザーのフィードバックを基にサービス改善が行われている点も、HeyGenが支持される大きな理由の一つです。
3.自分専用のAIアバターを作成できる
Heygenでは、有料プランにすることで、自分のアバターを作ることができます。
分身のようなものですね。例えば、以下で引用している動画上では、アバター同士が会議しています。
新しいメディアの形
— leo|Itsui Keito (@121_k10) February 5, 2024
AIアバター × AIアバターの対談
元木さん( @ai_syacho )のAIに聞く、ここ一カ月の生成AIについて#cursorconnect #HeyGen #Elevenlabs pic.twitter.com/0GfAc6H6nO
Heygenに2分〜5分の自分が話し続けている動画をアップロードすることで、自分専用のアバターを作成することができます。
一度アップロードしてしまえば、素材としていつでも使用出来るようになります。
日本語から多言語への翻訳が使えるので、「自分が流暢な外国語を話しながらビジネスプランについて話している動画」などを
サクッと作れてしまいます。Heygenおそるべし...
Heygenの特徴をある程度概観したところで、実際の使い方に迫っていきましょう。
HeyGenの使い方
HeyGenは、ユーザーフレンドリーなデザインにより、非常にシンプルかつ直観的に使うことができます。
まずはHeyGenのウェブサイトにアクセスしてアカウントを作成することから始めます。
1.「Get started for free」を選択し、各種アカウントで登録を行う
[Heygen_Top page] Heygenより
2.「Avator」を選択する
アカウントの登録後には、以下の画面へと移ります。
実際に動画を作成していきましょう。まずは画面左の列から「Avator」を選択します。
[Heygen_Top page -> Avator Button] Heygenより
「Avator」を選択すると、以下の3つの選択肢から、Avatorを選択する方法を選ぶことができます。
・Instant Avator:自分で作成したアバターなど
・Photo Avator:写真から作成したアバターなど
・Studio Avator:スタジオで撮影済みの、すでに作られたアバターなど
[Heygen_Top page -> Avator Button] Heygenより
今回はStudio Avatorからアジア系の女性を選択しています。
またAvatorの他にも、画面左では、上から順に「Templete」「Voice」「Video」といったボタンが並んでいます。
「Voice」を選択すれば、音声を先に決めた上で、動画の編集画面へと繊維し、「Video」を選択すれば、あらかじめ構成された映像に基づいて動画編集を行うことができます。
いずれの選択肢を使っても、最終的にアバター動画を作ることができます。
3.動画を作成する
アバターを選択すると、動画編集の画面へと繊維します。
[アバター動画編集の画面] Heygenより
この画面上では「アバターが話す文章の内容」から、「音声」、「画面構成」など、動画を完成へと持っていくための機能が総合的に操作することができます。
例えば、「Script」にてアバターに話させたい内容や声の高さなどを設定できます。
アメリカ国籍の女性の声として設定されているので、国籍や文章、声の高さなどを変更すれば、以下のような動画を作れます。
活用の具体例としては、個人がSNSのプロフィール画像として使用するケース、クリエイターがストーリーテリングの一環としてキャラクターを生成するケース、企業がマーケティング資材のためのキャラクターをつくるケースなど、多岐に渡ります。
操作の容易さと速さがHeyGenの大きなメリットであるため、一度基本を覚えれば、誰でも短時間で独自のアバターを生成して活用することができます。
動画では上記テキストを利用してアバター動画を生成しています。仕草や表情まで適切にコントロールされていることがわかります。
HeyGenの料金プラン
このように、数クリックで誰でも簡単にアバター動画を生成できるHeygenですが、無料版では出来ることが限られています。
無料版では、1クレジットが与えられおり、このクレジットを使って動画が生成できます。
1分間の動画を作成するためには、およそ1クレジットが必要なため、無料版では、1分間の動画を1つ生成してしまうと、これ以上動画を作れなくなってしまいます。
一方で、有料プランには次のようなものがあり、各プランは提供される機能や利用できるアセットの種類に応じて価格が設定されています。
Plan名 | 推奨ユーザー | 機能 |
---|---|---|
Creator | ・個人 | 料金は月額$29からスタートします。 月額$29の場合は、月15クレジットが付与され、Instant Avatorを3体まで作成できます。また、プレミアムボイスと自動キャプションが利用可能です。 |
Business | ・企業 ・プロのクリエイター |
料金は月額$80からスタートします。 月額$80の場合は、月30クレジットが付与され、Instant Avatorを3体まで作成できます。ビデオは4K解像度でレンダリングできます。 |
Enterprise | ・大企業 ・大規模なプロジェクト |
料金は、Heygen側と相談です。 このプランにはAPIアクセスが含まれ、高度なサポートと個別のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。 |
料金プランの詳細については、HeyGenの公式ウェブサイトで最新の情報を確認することが重要です。
それぞれのプランには、どのような特典が含まれているか、またそれが自身の使用目的に合っているかを十分に考慮して選択する必要があります。
HeyGenの商用利用の可否
HeyGenで作成した動画は商用利用が可能ですが、利用プランによって条件が異なります。
無料版を使用した場合、作成した動画にはHeyGenのロゴマークが表示されます。この状態で動画を商用利用することは認められていますが、ロゴの存在が気になる場合もあるでしょう。
一方、HeyGenの有料プランを利用すると、動画からロゴマークを削除できます。これにより、よりプロフェッショナルな印象を与える動画を作成し、商用利用することが可能になります。
したがって、HeyGenのロゴなしで動画を商用利用したい場合は、有料プランへのアップグレードが必要です。用途や予算に応じて、適切なプランを選択することをおすすめします。
HeyGenの活用例
HeyGenがどのように使われているかを知ることは、新しい道を切り開くヒントになり得ます。さまざまな業界での活用事例を見てみると、その可能性の広がりを実感することができます。
一例としては、ゲーム開発の分野での活用があります。独自性が高く、迅速にアバターを提供することができるため、小規模な開発チームでもプレイヤーキャラクターやNPCを容易に生成し、ゲームの世界観を豊かにすることができます。また、YouTubeやTwitchといったストリーミングプラットフォームでは、ストリーマーが実際の顔を晒さずに、HeyGenで生成したアバターを使用し、オンライン上でのアイデンティティを築いています。
教育やトレーニングプログラムでは、リアルな顔の表情を持つアバターを利用して、対話型のシミュレーションをよりリアルに演出することが可能となり、参加者の没入感を高めることができます。
これらの例からわかるように、HeyGenの活用範囲は広く、クリエイティブからプロフェッショナルなビジネスシーンまで、多様な分野での活躍が期待されています。ユーザーは自分の目的や制作環境に応じて、HeyGenを適切に活用することで、新たな価値や経験を創造することが可能になるでしょう。
まとめ
Heygenを使えば、誰でも簡単にAIアバター動画を作成することができます。
アバターや声の種類も豊富で、何を作ればいいかわからないという人でも安心して操作できます。
とはいえ、Heygenは海外で開発されたソフトウェアであるため、日本語で使う場合は、精度が足りていないと感じる部分もあるかもしれません。
しかし、クリエイタープラットフォームのAdobeと連携している点や、大企業での活用も豊富であるため、今後ますます性能が向上し、様々な機能が集約されていく可能性もあるでしょう。Heygenの今後には注目が高まります。