この記事のポイント
NotebookLMポッドキャストとは、AIが資料を音声で会話形式に要約するGoogleの新機能
日本語を含む50以上の言語に対応し、幅広いユーザーが活用可能
2人のAIホストが自然な対話形式で複雑な内容をわかりやすく解説
インタラクティブモードでAIにリアルタイム質問ができ、学習効果を高められる
教育・ビジネス・個人学習など多様なシーンで活用可能な革新的音声ツール

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。
GoogleのAIリサーチアシスタント「NotebookLM」に、新たに追加された音声概要(Audio Overview)機能が注目を集めています。
この機能では、アップロードした資料をもとに、AIが2人のホストによる自然な会話形式で内容を要約し、音声で再生することができます。
2025年4月には日本語を含む多言語対応が開始され、教育現場やビジネスシーンでも活用が広がりつつあります。本記事では、この革新的な音声要約機能の特徴や使い方、活用シーンについて詳しく解説します。
目次
NotebookLMのポッドキャストとは?
NotebookLMのポッドキャストとは、GoogleのAIリサーチアシスタント「NotebookLM」に搭載された「音声概要(Audio Overview)」機能を指します。この機能では、ユーザーがアップロードした資料をもとに、AIが2人のホストによる会話形式で要約を作成し、ポッドキャストのような音声コンテンツを生成します。2025年4月末には、日本語を含む50以上の言語に対応が拡大され、より幅広いユーザーが利用できるようになりました。
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音声概要機能の特徴
この音声概要機能は、GoogleのAI技術を活用しており、以下のような特長があります。
2人のAIホストによる自然な会話
音声概要では、男女2人のAIホストが交互に話す形式で資料を解説します。これにより、複雑な情報も耳から自然に理解でき、聞きやすいテンポでの情報取得が可能です。Googleの音声合成技術を活用し、機械的な読み上げとは異なる、会話形式のナレーションが実現されています。
多言語対応(日本語を含む)
NotebookLMは、2025年4月時点で日本語を含む50以上の言語に対応しています。NotebookLM内の言語設定を変更することで、出力言語を自由に切り替えることができます。
インタラクティブモードの提供
音声概要には「インタラクティブモード」があり、ユーザーは再生中にAIホストに対して質問を行うことができます。このモードにより、ユーザーは対話を通じてさらに深い理解を得られる仕組みとなっています。
カスタマイズ可能な要約内容
ユーザーは音声生成前にカスタマイズオプションを使用し、特定のテーマに焦点を当てたり、特定の対象者向けに調整した要約を生成することができます。これにより、汎用的な内容だけでなく、目的に応じた音声概要が作成できます。
では早速、実際にNotebookLMの音声概要機能を使ってみましょう!
NotebookLM音声概要を実際に使ってみた
NotebookLMの音声概要機能は非常に使い勝手の良いツールです。以下に、実際の使用手順を詳しく説明します。
まずは、生成結果を見てみましょう。
共有リンクからぜひ聞いてみて下さい!
共有リンク画像
https://notebooklm.google.com/notebook/c432aee4-a0a2-4428-8ee7-cb49dc55c372/audio
これを生成する手順をご紹介します。
実際の生成手順・使い方
- NotebookLM(https://notebooklm.google)にアクセスし、Googleアカウントでログインします。
- 新しいノートブックを作成し、PDF、Googleドキュメント、ウェブページのURLなどの資料をアップロードします。
アップロード1
今回はWebサイトをアップロードしてみました。
Webサイトのsアップロード
- Studioパネルから「音声概要」を選択し、「生成」ボタンをクリックします。
生成ボタンのクリック
- 生成された音声はブラウザ上で再生できるほか、WAV形式でのダウンロードも可能です。
少し時間がかかりますが、生成された音声は以下のように再生できます。
生成の途中
wavでのダウンロード
5.またこれらはマインドマップなどに生成することも可能です。
マインドマップの生成
活用例
NotebookLMの音声概要機能は、学習や業務の現場で幅広く活用できるツールです。以下に、実際の利用シーンを想定した具体的な活用例を示します。
教育現場:教材の理解促進と多言語対応支援
たとえば、高校の歴史授業において、教員が授業用のスライド資料(PDF)をNotebookLMにアップロードし、生徒がその内容を音声で再生することで、視覚と聴覚の両面から内容を理解することができます。特に、視覚に課題のある生徒や、留学生向けに母語での要約を生成することで、インクルーシブな学習環境づくりにもつながります。
ビジネス現場:社内文書の効率的な共有
営業部門では、週次の営業報告書や商品マニュアルをNotebookLMで音声化し、移動中の車内で社員が聞いて確認する、といった活用が想定されます。これにより、資料を読む時間が取れない状況でも必要な情報を把握でき、業務効率の向上が期待されます。また、新入社員向けに社内ルールブックを音声化することで、研修コンテンツとしての再利用も可能です。
個人学習:技術書や論文を“ながら学習”で消化
専門書や英語の学術論文をNotebookLMに取り込むことで、その要点を日本語の会話形式で音声化できます。例えば、データサイエンス分野の英語論文を通勤中に耳でインプットすることで、時間を効率的に活用しながら継続的な学習を行えます。特に専門性の高い分野では、AIによる解説が理解の助けとなるケースも多いです。
注意点と制約事項
- 資料の構成や内容によっては、要約の精度にばらつきがあります。
- 現時点ではAIホストの口調や話し方は編集できません。
- 専門用語への対応や発音には一部制限がある場合があります。
- アップロードした資料はNotebookLMのAI学習には使用されず、プライバシーは保護されます。
まとめ
NotebookLMの音声概要機能は、資料の理解を支援する革新的なツールとして注目されています。日本語を含む多言語対応、自然な音声、対話型の学習体験といった特長を活かし、教育やビジネス、個人学習など幅広いシーンでの活用が期待されます。今後のアップデートによって、さらなる使いやすさや対応精度の向上にも注目が集まります。
かなり便利な機能なので、ぜひ試してみてください!また、GoogleのAI技術は日々進化しているため、今後のアップデートにも期待が寄せられています。音声概要機能を活用することで、より効率的な情報収集や学習が可能になるでしょう。