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MLOpsとは?その必要性やフレームワーク、ツールをわかりやすく解説

この記事のポイント

  • MLOpsの概要と重要性を説明
  • DevOpsやDataOpsとの違いを解説
  • MLOpsによる機械学習プロジェクトの効率化のメリットを紹介
  • クラウドサービスやオープンソースのMLOpsツールを解説
  • MLOpsの学習方法とリソースを紹介

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

MLOps(Machine Learning Operations)は、機械学習モデルの開発と運用を効率化するための重要なアプローチです。
しかし、その具体的な内容や手法について理解している人は多くないかと思われます。

本記事では、MLOpsの概要、重要性、メリットに加えて、活用できるツールやフレームワーク、具体的な活用事例、さらには学習方法まで幅広く紹介します。
最新のクラウドサービスやオープンソースツールを駆使し、機械学習の開発から運用までをスムーズに行うための知識を提供していきます。

機械学習に携わる開発者や運用担当者、これからMLOpsを学びたい方にとって、実践的な知識が得られる内容となっています。

MLOpsとは

MLOpsは、機械学習モデル(MLモデル)をビジネスに適用するための開発、分析、運用を効率化する手法です。
MLOpsはソフトウェア開発におけるDevOpsから派生しています。


この考え方を機械学習にも取り入れ、機械学習を担当するデータサイエンティストと、運用担当者が連携し、継続して開発、実装、品質保証を行うのがMLOpsです。

MLOps
*参考:NEAL ANAYTICS

DevOpsとの違い

MLOpsとDevOpsは、両者が開発(Development)と運用(Operations)を密に統合する点で共通していますが、取り扱う対象と実際の内容が異なります。

DevOpsは、開発工程と運用工程をパイプライン化してデータ処理やコミュニケーションを円滑にするとともに、バージョン管理やデプロイなどの自動化によって生産性を向上させる考え方です。

このアプローチでは、開発(Development)と運用(Operation)を組み合わせた造語であり、開発チームと運用チームが協力して活動するイメージがあります。

MLOpsは、DevOpsの考え方を拡張させて機械学習に特化させたものと考えると良いでしょう。

AIOpsとの違い

AIOpsは、AIを活用してシステム運用を自動化・効率化する手法です。例えば機械学習を使って障害の原因を自動的に特定することなどがあげられます。

これにより、運用時の人手を減らし、運用コスト削減やミスの防止、DX推進に繋がります。
一方、MLOpsは、機械学習を活用したシステムの開発・運用を円滑に行うことに焦点を当てています。

そのため、AIOpsとMLOpsは異なる目的を持ちます。

DataOpsとの違い

DataOpsは、データの管理者と利用者が円滑にコミュニケーションを取り、ビジネスにおけるデータの効果的な活用を促進する手法や概念を指します。

ビジネスで利用されるデータの増加・複雑化に伴い、データの効果的な利用が難しくなっていますが、これを解決するためにDataOpsが提案されています。

DataOpsは、データ管理のインフラストラクチャの構築などを通じて、効果的なデータ利用を支援します。
また、DataOpsもMLOpsと同様に、DevOpsから派生した考え方です。

MLOps/AIOps/DataOpsのそれぞれの手法は、「何を対象とするか?(適用対象)」と「全体の作業のうち、どこを対象とするか?(適用範囲)」によって以下のように分けられます。

手法 MLOps AIOps DataOps
適用対象 機械学習システム ITシステム データ
適用範囲 開発・運用 運用 作成・利用・管理

MLOpsのプロセス

process
Yahoo Corporate Blog

機械学習のプロジェクトを進める際、開発と運用の二つのプロセスに大別されます。

開発フェーズでは、データの収集・加工、特徴量エンジニアリング、モデルの構築と評価が行われます。
一方、運用フェーズでは、構築したモデルを本番環境に統合し、推論を実行、その結果をモニタリングしながら、必要に応じてモデルの再学習を行います。

MLOpsの考え方では、これらの開発と運用のプロセスを分断するのではなく、シームレスに連携させ、継続的に改善のサイクルを回していくことが重要となります。
開発で得られた知見を運用に活かし、運用で得られた課題を開発にフィードバックすることで、機械学習システムの質を高め続けることができるのです。

機械学習の効率的な運用を実現するためには、定期的な再学習や新たなデータの取り込みにも対応する必要があります。
MLOpsにより、開発と運用のプロセスを統合的に実行することで、これらの課題に柔軟に対応できます。

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➡️機械学習の代表的な手法一覧!フローチャートを用いて選び方を解説


MLOpsの重要性

機械学習プロジェクトにおいて、MLOpsが重要視される理由は大きく2つあります。

モデルの運用課題への対処

1つ目は、機械学習モデルが運用環境の変化によって劣化しやすいという特性があるためです。

検証環境で高い精度を示したモデルであっても、実際の運用環境では当初の性能を維持できなかったり、予期せぬ外部要因により急激に精度が低下したりするケースがあります。

ビジネス環境の変化に適応し、安定したサービスを提供し続けるためには、継続的なデータの追加やモデルの再学習が不可欠です。
MLOpsは、このようなモデルの運用課題に対処するためのアプローチといえます。

チーム間の協調の促進

2つ目の理由は、機械学習プロジェクトには多様な専門性を持つメンバーが関わるためです。

例えば、データの前処理や特徴量エンジニアリングはデータエンジニアが、モデルの開発や評価はデータサイエンティストが、そして本番環境への実装はMLエンジニアが担当するといった具合です。
これらの異なる職種のメンバー間で、スムーズにコミュニケーションを取り、タスクを連携させることは容易ではありません。

MLOpsは、チーム間の協調を促進し、プロジェクト全体の生産性を高めるための方法論ともいえるでしょう。

以上のように、機械学習プロジェクトには固有の課題があり、それらに効果的に対処するためにMLOpsが重要な役割を果たすのです。

モデルの運用負荷を軽減し、チームの力を最大限に引き出すことで、ビジネスの成功に貢献することができます。


MLOpsのメリット

MLOpsを導入することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 生産性の向上
    データサイエンティストやデータエンジニアが、データの欠損や不正値の処理に煩わされることなく、本来の分析やモデル開発に集中できるようになります。
    これにより、プロジェクトの進捗が加速し、生産性が向上します。

  • 再現性の確保
    MLOpsの実践では、モデルのトレーニングや評価、バージョン管理、デプロイメントなどの一連の手順が自動化され、再現可能な状態で管理されます。
    これにより、実験の再現性が担保され、チームメンバー間での知見の共有やトラブルシューティングが容易になります。

  • スケーラビリティの向上
    MLOpsにより、複数のモデルやプロジェクトを効率的に管理運用できるようになります。
    モデルの開発・デプロイ・監視のプロセスが自動化され、スケールすることで、ビジネスの成長や変化にも柔軟に対応できます。

  • チーム間の連携強化
    MLエンジニア、データサイエンティスト、インフラエンジニアなど、様々な専門性を持つメンバーがプロジェクトに関わる中で、MLOpsは各チームの役割と責任を明確にし、コミュニケーションと連携を円滑化します。
    これにより、シームレスな協働が可能となり、プロジェクト全体の効率が高まります。

  • データとモデルの品質向上とリスク低減
    MLOpsの実践では、データやモデルの品質を継続的にモニタリングし、異常や劣化の兆候を早期に検知・対処することができます。
    また、自動化されたテストやバリデーションにより、人的ミスに起因するリスクを抑えられます。

    こうした品質管理の取り組みは、ビジネスに対する信頼性の向上にもつながります。


以上のように、MLOpsは機械学習プロジェクトのあらゆるフェーズで効果を発揮し、チームのパフォーマンス向上とビジネス価値の創出に寄与します。

組織がMLOpsを戦略的に導入・活用することで、機械学習の真の力を引き出すことができるでしょう。


MLOpsのツールとフレームワーク

MLOpsの実践では、データ管理、モデル開発、パイプラインの自動化、モニタリング、デプロイメントなど、機械学習プロジェクトのライフサイクル全般をカバーするツールやフレームワークの活用が不可欠です。

ここでは、MLOpsの主要なツールとフレームワークを紹介します。

クラウドベンダーが提供するサービス

主要なクラウドベンダーが提供する、MLOpsの実践に役立つサービスには以下のようなものがあります。

サービス名 提供会社
Google Vertex AI Google
Amazon SageMaker Amazon
Azure Machine Learning Microsoft
MLOps DataRobot

これらのサービスは、データの収集・加工からモデルの構築、デプロイ、監視までの一連の機械学習ワークフローを統合的に管理できるプラットフォームを提供しています。

クラウドならではのスケーラビリティとシームレスな連携により、MLOpsの実践を強力にサポートします。

日本国内でも、NEC MLOpsサービスや、NTTデータのABLERなどもMLOpsサービスを提供しています。

エンタープライズと個人利用の両方をサポートしているMLツール

Weights & Biases(wandb)は、機械学習プロジェクトの管理・最適化を支援する包括的なプラットフォームです。

実験の追跡、モデルやデータセットのバージョン管理、結果の可視化など、MLOpsのベストプラクティスに沿った豊富な機能を備えています。

特徴 説明
実験管理 パラメータ、メトリクス、モデルなどを自動で記録し、実験の再現性を確保
モデル/データセットのバージョン管理 モデルやデータセットの変更履歴を追跡し、いつでも過去のバージョンに戻せる柔軟性
可視化 学習曲線、データ分布、モデルの予測結果などをリアルタイムに可視化し、分析・デバッグを促進
コラボレーション チームメンバー間でプロジェクトを共有し、シームレスに連携できる環境を提供
モデル最適化 ハイパーパラメータのチューニングや、アンサンブル学習などの高度な機能をサポート


Weights & Biases(wandb)は、無料版から企業向けのEnterpriseプランまで幅広いニーズに対応しており、MLOpsのベストプラクティスを手軽に取り入れられるツールとして注目を集めています。

OSSのMLOpsツール

オープンソースの世界でも、MLOpsの実践に役立つ優れたツールやフレームワークが数多く開発されています。
代表的なものとして、以下のようなツールが挙げられます。

  • MLflow
    機械学習プロジェクトの実験管理を行うことができます。パラメータや評価指標などの情報をダッシュボードで確認し、プロジェクトの進行状況を把握することができます。

  • Metaflow
    機械学習のワークフローをパイプラインとしてまとめ、管理するためのツールです。パイプラインの途中の状態を確認し、必要に応じて再実行することができます。

  • Tensorflow Extended(TFX)
    Metaflowと同様に、パイプラインを作成し管理することができます。特徴としては、TensorFlowがベースになっていることです。

MLOpsの具体的な活用事例

ここでは、MLOpsを導入し、機械学習プロジェクトの効率化や品質向上を実現した企業の事例を紹介します。

レコメンドシステム改善 【AlphaTech】

AlphaTechは、Eコマース領域で事業を展開する大手企業です。同社は、商品レコメンドシステムの精度向上を目指してMLOpsを導入しました。

  • 課題
    既存のレコメンドモデルの更新サイクルが長く、ユーザーの嗜好変化に追従できていませんでした。

  • 取り組み
    CI/CDの自動化、モデルの自動学習・デプロイ、パフォーマンスの常時モニタリングなどのMLOpsプラクティスを導入。

  • 効果
    モデルの更新サイクルが大幅に短縮され、ユーザーの購買行動の変化により迅速に対応できるようになりました。その結果、商品の購入率が20%向上しました。

このようにMLOpsを導入することで、ビジネスにおいて成果が得られていることがわかります。

再現性の高い分析基盤 【Netflix】

Netflixは、データ分析におけるJupyter Notebookの再現性の課題に対処するために、社内のデータサイエンティストが利用するノートブック環境をMLOpsの観点から刷新しました。

  • 課題
    分析の再現性を担保しつつ、大規模なデータを柔軟に扱える環境が必要でした。

  • 取り組み
    AWS上に構築したクラウド環境と、自社開発のツールを組み合わせ、データの前処理から機械学習までのワークフローを管理。ノートブックのバージョン管理も導入。
  • 効果


    再現性の高い分析基盤が確立され、実験のイテレーションが加速。機械学習モデルの更新頻度が向上し、サービスの品質改善につながりました。

経営リソース最適化 【ヤマト運輸】

ヤマト運輸は、配送拠点の業務量予測に機械学習を活用していましたが、モデルの開発・運用の効率化が課題となっていました。MLOpsの導入により、以下のような成果を上げました。

  • 課題
    モデルの精度改善に時間がかかり、業務に十分活用できていませんでした。

  • 取り組み
    機械学習ワークフローの自動化により、モデルの学習・評価・デプロイを高速化。

  • 効果
    モデルの更新サイクルが短縮され、配送拠点の業務量予測精度が向上。経営リソースの最適化が進み、輸配送の効率が高まりました。


これらの事例から、MLOpsの導入によって、機械学習プロジェクトの開発・運用が効率化され、ビジネスにおける機械学習の価値創出が加速されていることがわかります。MLOpsは、企業の競争力強化に欠かせない取り組みといえるでしょう。


MLOpsに関する課題と解決策

MLOpsを導入する際には、いくつかの課題があります。ここでは代表的な3つの課題と、その解決策を提示します。

1. 導入コストと学習コストの高さ

【課題】
MLOpsの導入には、ツールの選定、インフラの構築、自動化プロセスの設計など、多くの時間と専門知識が必要です。
また、チームメンバーがMLOpsの考え方や技術を習得するための学習コストも無視できません。

【解決策】
クラウドベンダが提供するマネージドサービスを活用することで、インフラ構築や運用の負荷を大幅に軽減できます。

また、MLOpsの考え方を段階的に導入し、小さな成功体験を積み重ねながらチームのスキルを徐々に向上させていくアプローチが有効です。

2. ツール選定の複雑さ

【課題】MLOpsを支援するツールは多種多様であり、それぞれの特徴や互換性を理解した上で、プロジェクトに適したものを選定する必要があります。
適切なツールの組み合わせを見極めることは容易ではありません。

【解決策】まずは、プロジェクトの要件を明確化し、優先順位の高い課題に焦点を絞ってツール選定を進めましょう。

また、オープンソースのツールを活用しつつ、クラウドベンダのマネージドサービスと組み合わせるハイブリッドアプローチも有効です。

3. 組織文化とのフィット

【課題】MLOpsは、データサイエンティスト、MLエンジニア、インフラエンジニアなど、様々な役割のメンバーが協力して進めるプラクティスです。
しかし、従来の組織構造や文化が、このような協調を妨げる場合があります。

【解決策】
経営層がMLOpsの重要性を理解し、組織全体で取り組むべき価値として位置づける必要があります。
また、部門間の垣根を越えたコミュニケーションを促進し、共通の目標に向かって一丸となって取り組む体制を整備することが重要です。

MLOpsの導入には様々な障壁がありますが、これらの課題を一つずつ克服していくことで、機械学習プロジェクトのサステナブルな成功を実現することができるでしょう。


MLOpsを学ぶためのリソース

MLOpsの考え方や技術を学ぶために、以下のようなオンラインコースやコミュニティが役立ちます。

MLOps (Machine Learning Operations) Fundamentals

MLOpsの基礎概念から、機械学習プロジェクトの設計、トレーニング、評価、デプロイ、モニタリングまでを包括的に学習できます。
GCPをベースとしたハンズオンが特徴です。
➡️MLOps Fundamentals (提供:Coursera)

Full Stack Deep Learning

ディープラーニングの基礎から、実践的なMLOpsの技術までを網羅的に学べるコースです。
モデルの実装、実験管理、デバッグ、デプロイなど、プロダクション環境での課題にフォーカスしています。
➡️Full Stack Deep Learning (提供:UC Berkeley)

Awesome MLOps

MLOpsに関する情報を幅広く集約したキュレーションサイトです。
ツール、フレームワーク、ベストプラクティス、ケーススタディなど、実践に役立つリソースが豊富。
➡️Awesome MLOps (提供:Github Community)

これらのリソースを活用して、MLOpsの基礎を学びつつ、コミュニティでの情報交換を通じて実践的なスキルを身につけていくことが重要です。

また、自社のプロジェクトにおいて、小さなMLOpsの取り組みから始め、段階的に適用範囲を広げていくことで、MLOpsのエキスパートを目指していきましょう。


まとめ

本記事では、機械学習プロジェクトを成功に導くためのMLOpsの重要性と実践方法について詳しく解説しました。MLOpsは、モデルの開発から運用までのライフサイクル全体を効率化し、品質と再現性を向上させるための方法論です。

クラウドベンダのサービスやオープンソースのツールを適切に選択・組み合わせることで、MLOpsのベストプラクティスを実現できます。

また、組織文化との融和や、チーム間のコラボレーションも重要な要素です。MLOpsの導入には課題もありますが、本記事で紹介したリソースを活用しながら、段階的に取り組みを進めていくことで、機械学習プロジェクトのサステナブルな成功を実現できるでしょう。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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